日本政府が無料で漫画を読めるサイト「漫画村」など海賊版サイトへの緊急対策案を打ち出しました。それにより、「漫画村」は閉鎖を余儀なくされ、現在は見れない状態となっています。
今回は、漫画村の閲覧の危険性や閉鎖の理由、また漫画村の代わりになるサイトをまとめました。
この記事の目次
漫画村とは?
漫画村はその名の通り、沢山の漫画が無料でいくらでも読めるサイトです。
http://mangamura.org/
漫画を読む側にとっては、無料で漫画を読めるので夢の様なサービスですが、作者からすれば打撃の大きいサイトです。
漫画村には有名作品から話題の作品までほとんどのものが揃っているので、今話題となっている作品であれば、ほぼ見れると言っても過言ではありません。
この類のサイトの場合はアフィリエイトを目的としているサイトが多く、広告がいくつも表示されてしまい、ストレスに感じてしまうものの漫画村では広告の量も少なく、その部分からも人気があります。
また、漫画村には単行本だけではなく最新の週刊誌などの漫画も掲載、更に漫画だけではなく小説に実用書にビジネス書なども掲載されているので、作者だけではなく出版社にとってもとても邪魔なサイトとなっています。
漫画村の評判~海賊版サイトの未来とは?漫画の文化を滅ぼす危険も
作者にとっても出版社にとっても打撃の大きいサイトですが、やはり無料で読めるということで、漫画村を気に入っている人も多いです。
Twitter上には「#漫画村を守ろう」というハッシュタグも出現、「めっちゃ使いやすいし何でもあるし最高やわ」「漫画家を守らずして漫画村を守るとか滑稽にも程があるだろ」と、批判や擁護、様々な声が上がっている。
Twitterでハッシュタグが出来る程の人気がある漫画村、今の時代Twitterでの一般人の意見は世の中を動かす軸となっていると言っても過言ではありません。
漫画村を気に入っているユーザーがいる限りは漫画村がなくなるということはないと思われていました。
しかし、漫画村を守ろうという人がいる反面、もちろん漫画は買って読むものだと主張するユーザーもいますし、今の時代音楽も無料で聴ける時代ですから、そのあたりに関しても議論となっています。
この問題ってすごく難しいと思う。理想をいえばお金を払って漫画を買うべきだと思うけど、少し興味があって面白いか面白くないか分からないものにいきなり1冊400円以上するものに手を出すことは中高生にとってはしんどい#漫画村を守ろう #漫画村
— 翔 (@fXJ7QAzFeWkxAiY) 2018年2月16日
#漫画村を守ろう
— ひかる (@andoryuu_dayo) 2018年2月17日
#漫画村
#漫画村やめとけ
#漫画村を潰そう
#ミュージックFM
漫画村潰そうって言うのはいいことだけど漫画村だけでいいの?ミュージックFMも漫画村並みに違法だよ。そこに触れないあたり…ね。
#漫画村を守ろう
— カラスマン@無言フォローでお迎え中 (@hinakofake) 2018年2月16日
いやいや違法サイトで見るより自分で買った本を本棚に並べてウヘウヘする方が楽しいだろ?なぁ?!眺めてうわーこの漫画こんな面白いところあったな〜とかこのキャラあのところとか可愛かったな〜とか思い出す方が漫画村で読むより面白いし楽しくない?よってこのタグはありえん
漫画村を使わないという意志、人間の最低限の尊厳のうちの一つだと思ってる
— へろん (@heron6823) 2018年2月18日
人によって考えは様々ですが、主な意見をまとめると漫画村肯定派の意見をまとめると
・漫画村がなくなっても漫画の売り上げは変わらない
・漫画を買うきっかけとして無料で見れた方が良い
・音楽は無料なのに何で漫画は無料じゃダメなの?
という意見です。
逆に漫画村否定派の意見をまとめると
・作家がかわいそう、やる気がなくなって漫画の文化が滅びる危険がある
・漫画は買うから楽しい
・無料で読むこと自体非常識
という意見があります。
ニュースにも取り上げられる程の話題に
漫画村の話題はネット上だけではなく、ニュースなどでも取り上げられる程の話題となりました。
「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている現実があります」と指摘。さらに、海賊サイトが読まれる状況が続けば「日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまう」との見方を示している。
漫画家の江川達也氏は「”過渡期”にいるという諦めもあるが、それでもやはり作り手にお金が還元されなければ衰退してしまう。タダで読んでいる人たちは酷いことしているなと思う」と話す。
漫画家の江川達也氏
この様に著名人も多くコメントを残しています。しかし、見通しとしては暗い見通しの方が大きいと予想されています。
「もはや倫理に訴えてみたところで一度勢いのついた無料化の勢いは止めることは難しい。仮に漫画村を営業中止に追い込むことができたとしても、第3、第4の海賊サイトが出現するのは容易に予想がつく。ならば漫画家・赤松健の提案する『マンガ図書館Z』のように、業界内で無料化をベースにした広告収入再分配のビジネスモデルを考えなおす時期に来ているのかもしれない」
漫画村は違法?見るだけでは違法にならない
ここまで漫画村に関してみていった上で、疑問となっているのが、勝手にアップロードして無料で見れるなんて違法じゃないの?という部分でしょう。
漫画村の特殊な手法とは?
しかし、漫画村は特殊な手法を使っています。
そのやり方というのが、ネット上の漫画を引っ張ってくるというやり方です。つまり、実際管理人は漫画をアップしてはいないのです。ただ、ネット上にある漫画を引っ張ってきているだけのものをまとめているだけのサイトなのです。
これは「漫画を載せている」のではなく「他サイトからの引用画像をまとめている」だけに過ぎないのです。もちろんサイト側も違法性に関して説明していますが、「違法ではない」と主張しています。
漫画村を見るのは違法ではない
漫画村を管理している側は違法か違法ではないか?となると難しくグレーゾーンというところです。しかし、見る側は違法なのか?という部分も知っておきたい部分です。
見る側に関しては違法ではありません。しかし、違法にアップロードされているものと知りながら見ることに関しては違法となってしまう可能性があります。つまりは、漫画村の漫画掲載が違法であれば見ている側も違法となってしまいます。漫画村が違法なのか合法なのかによっては、今漫画村を利用している人も読まない様にしたほうがいいでしょう。
ただ、見る側が違法かどうかという部分に関しても漫画村側は違法ではないと主張しています。漫画村のやり方は法の目をくぐっている様にも見えるので、違法ではないのかもしれません。
違法かどうかというのは様々な見方から議論されているので、今結論づけることは難しいでしょう。
漫画村でウイルス感染の危険性もあるとの噂はデマ?
違法かどうかも怪しい…という時点で警戒してしまいますが、なんと漫画村にはウイルスがあるという情報もあります。確かに、無料で漫画が読める上に広告も少ないなんてそんなサイト美味しすぎます。
ウイルス感染に関しては一部で噂になっており、あの有名な「トロイの木馬」に感染したという報告もあります。
しかし、実際漫画村の漫画を見ることでウイルスに感染することはありません。ウイルスというのは基本的に何かをダウンロードした時に一緒にくっついてきてしまうもので、漫画村で漫画を読むのにダウンロードする必要はありません。
閲覧するだけであればウイルスを引っ張ってしまうことがないので、ウイルス感染二関してはデマだと思って良いでしょう。
それに漫画村は広告収入、アフィリエイトで稼いでいるサイトなので、そんなサイトでウイルスをばら撒いてしまうことに何のメリットもありません。
そういった点から見ても漫画村を見ることでウイルス感染するということはないと言えます。
漫画村類似サイト「フリーブックス」は閉鎖した
この漫画村の様な騒動に関しては、似ているもので「フリーブックス」というサイトがありました。このフリーブックスも漫画読み放題のサイトだったのですが、現在は閉鎖してしまっています。理由は公表されていません。
無料でほとんどの漫画が全巻読めるという違法漫画サイト、「フリーブックス」(Free Books)が2017年5月3日突然閉鎖されました。
フリーブックスが閉鎖してしまったことから、漫画村も閉鎖してしまうのではないか?と言われていました。
ただ、上記でも解説した様に漫画村の違法性に関してはグレーゾーンの為、この時点では著作権違反で漫画村が閉鎖するというのは噂程度でした。
漫画村が見れない状態に!今後はインターネット接続を遮断される【2018年4月】
日本政府が海賊版サイトへの緊急対策案を打ち出す
2018年4月13日、日本政府が海賊版サイトへの緊急対策案を打ち出しました。
政府は4月13日、知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議において、海賊版サイトへの緊急対策案を発表した。政府は同案において、「漫画村」、「Anitube」、「Miomio」の3サイトを名指しし、対策の必要性を訴えた。
緊急対策案では、コンテンツビジネスの基盤が崩壊するほか、インターネット上で法秩序が失われる恐れを指摘。これらの被害を防ぐために、プロバイダなどによるサイトブロッキングを実施しえる環境を整備する必要があるとした。
ブロッキングとは、インターネット利用者がアクセスしようとする特定のサイトについて、通信事業者の判断で接続できないよう、強制的に遮断する仕組みだ。インターネット利用者がアクセスを試みる際、通信事業者が遮断対象のサイトでないかを監視し、遮断対象であれば警告サイトに誘導する。
漫画村がGoogleの検索結果から消される!
すでに漫画村はGoogleへのDMCA申請により、検索結果から消される事態に陥っています。
4月11日よりアクセスできない状態となり、その後は権利保持者からのDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づくクレームによって、Googleの検索結果からも一部が除外された。
漫画村が見れない状態になる→ 管理者が閉鎖へ!閉鎖の理由は?
漫画村は見れない状態になり、サイトも閉鎖されました。おそらく政府から警告が出ていたことに恐怖を感じた管理者が閉鎖の道を選んだと思われます。
漫画村の代わり「漫画タウン」が出現!運営者が衝撃の発言も
漫画村の代わり「漫画タウン」とは(現在は閉鎖)
漫画村は2018年4月11日からアクセスができない状態が続いていましたが、2018年4月12日、「漫画タウン」という漫画村と類似のサイトが出現しました。おそらく漫画タウンと漫画村の運営者は同一ではないかとみられています。
漫画タウン(現在は閲覧不可)
http://manga-town.net/
また、漫画タウン運営者がTwitterで開き直った発言をしており、さらに炎上する事態となっています。
いくらサイトを潰したって、もう漫画の売り上げは増えないよ。みんな無料で音楽聴くし、無料でエロ動画を見るし、もう出来上がったコンテンツにお金を払う時代じゃないんだよ。漫画だけを叩くのはおかしいんだよ。
— 漫画タウン【公式】 (@mangataun) 2018年4月12日
サイトのせいで漫画の売り上げ落ちたの?ほんとに落ちたの?それはサイトのせいじゃなくて出版社の努力不足だよ。これからも今のままの売り方をするなら漫画は売れないよ。
— 漫画タウン【公式】 (@mangataun) 2018年4月12日
漫画タウンはすでにネット上にアップされてる画像を集めて読みやすいように整理してるだけなんだよ。だからもともと漫画はアップロードされてるんだ。もうコンテンツは無料の時代なんだ。
— 漫画タウン【公式】 (@mangataun) 2018年4月12日
「著者の利益が〜」って言う人は、そんなに好きな著者がいるなら直接募金したらいいよ。
ネットで無料で読んでる人と本屋で立ち読みしてる人は同じだよ。問題なのは、無料で読める環境が身近になったのに、本を売ることでしかお金と交換できない仕組みだよ。出版社総出で新しいシステムを作らないと衰退していくよ。
— 漫画タウン【公式】 (@mangataun) 2018年4月13日
その後、漫画タウンはサイトに繋がらなくなりました。おそらくこちらも管理者が閉鎖という道を選んだのでしょう。
漫画村の代わりになるサイト/アプリ11選を紹介
漫画村の代わりになるサイト7選&アプリ4選
漫画村が閉鎖となり、漫画村の代わりになるサイトを探す人が増えてきています。
以下、漫画村の代わりになるサイトとアプリをご紹介します。一部有料のものもありますが、キャンペーン期間などを利用すれば無料で閲覧することも可能となります。
漫画村の代わりになるサイト7選
・auブックパス(月額562円、初回30日間無料)
・Renta!(48時間100円)
・U-NEXT
・eBookJapan
・コミックシーモア
漫画村の代わりになるアプリ4選
・少年ジャンプ+(App Store)、少年ジャンプ+(Android)
・マンガBANG!(App Store)、マンガBANG!(Android)
・マンガUP(App Store)、マンガUP(Android)
まとめ
・漫画村は「ネット上の漫画を引っ張ってくる」という手法を使い、「漫画を載せている」のではなく「他サイトからの引用画像をまとめている」とし、「違法性はない」と主張している。
・漫画村の漫画を見ることでウイルスに感染することはない。
・漫画村は現在のところ閉鎖され閲覧は不可となった。類似サイトの「フリーブックス」も閉鎖。漫画村の違法性に関してはグレーゾーンだが、管理者は閉鎖の道を選んだ。
話題となっている漫画村は閉鎖という道を選びましたが、海賊版サイトの今後は気になりますね。
実際音楽なども無料になっている今、漫画だけは無料で読めないというのも矛盾点を感じます。この騒動は漫画村がどうなるかだけではなく、この先の「漫画という文化」そのものがどうなっていくかという大きな問題になるでしょう。
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