飯森裕次郎は、2019年6月16日に大阪府吹田市にある千里山交番にいた警官一人を刃物で襲った後、拳銃を奪い逃走しました。日本中に衝撃を与えた警官刺傷・拳銃強奪事件ですが、翌日の17日には隣接する箕輪市にて逮捕されています。
また飯森裕次郎の父親が関西テレビの常務取締役・飯森睦尚という情報も出ており、さらに驚いた方もいるのではないでしょうか。ここではFacebookから判明した飯森裕次郎の出身高校や大学などの学歴や経歴、父・母・兄弟など家族情報、精神障害、判決についてまとめています。
この記事の目次
飯森裕次郎のプロフィール
名前:飯森裕次郎(いいもりゆうじろう)
生年月日:1986年頃
住所:東京都品川区
飯森裕次郎が起こした千里山交番警察官刺傷・拳銃強奪事件
事件概要
大阪府吹田市の千里山交番
2019年6月16日朝、大阪府の交番で警察官が何者かに刃物で刺され重傷を負い、さらに拳銃を強奪されたという衝撃的なニュースが流れました。
事件概要
発生日時:2019年6月16日 午前5時40分頃
事件現場:大阪府吹田市の千里山交番(大阪府吹田市千里山霧が丘22−3)
被害者:古瀬鈴之佑巡査
加害者:飯森裕次郎
凶器:刃物
事件概要:飯森裕次郎は大阪府吹田市の千里山交番で古瀬鈴之佑巡査を刃物で刺し、拳銃を奪った後に逃走。翌17日に全国に指名手配され、そして同日午前6時半頃に隣接の箕輪市の山中で発見され逮捕されました。
事件発生直後、府警は周辺住民に対し不要不急の外出自粛を要請し厳戒体制を敷きました。近隣の学校は休校や繰り下げ授業をするなどの対応に終われましたが、事件翌日に逮捕されたことにより、それらは解除されています。
事件前後の飯森裕次郎の動向
事件前後の足取り
計画的なのか、場当たり的なのか…。
飯森裕次郎の動向をだいたいの時系列で、必要箇所は説明文を付け足しながらまとめています。
6月14日 吹田市の南千里クリスタルホテルに実名で宿泊。
6月16日午前5時30分頃 交番から800m離れた関大前駅から空き巣の虚偽通報。
※虚偽通報は、3人体制の交番から警官の人数を減らす目的があったと見られています。
飯森容疑者は犯行直前に中学時代の同級生になりすまして、公衆電話から空き巣被害があったと警察に嘘の通報をした際に「部屋が荒らされているので警察官2人くらいできてほしい」と要望していたことが、警察への取材でわかりました。
(古瀬巡査は上司2人に続いて空き巣現場に向かおうとしたところ、襲われたようです。)
※虚偽通報に使われた飯森裕次郎の同級生に対しては、何か不満があったようだとも。
飯森容疑者は先週末ごろ、この同級生を飲み会に誘ったものの、断られていたことがわかりました。警察の調べに容疑を否認する一方、「周りの人がひどくなったせい」とも供述していて、飯森容疑者は同級生に飲み会を断られて不満を募らせていたとみられ、事件の背景になった可能性もある
(他の報道では、飯森が同級生に無断で飲み会をすっぽかされたというものもあります。)
6月16日午前5時40分頃 事件発生
6月16日午前5時40分過ぎ 二人がもみ合っているのを発見した駅員が通報→空き巣現場(虚偽通報)に向かっていた警官二人が引き返し、血だらけの古瀬巡査を発見。
6月16日午前6時頃 交番周辺の住宅街を徘徊。住民からは破裂音を聞いたと通報(※使用された銃弾と見られている)/後に防犯カメラにも飯森裕次郎の姿が確認された。
※警察は千里山交番の防犯カメラに映った飯森裕次郎を全国公開し、5000人体制で捜索。のちにこれを見た飯森裕次郎の父親が「息子かもしれない」と警察に通報し、逮捕に繋がる。
6月16日午前8時頃 電車で移動し、北千里駅で下車(事件現場の最寄りから電車で約10分)。
6月16日午前9時10分頃 北千里駅前にあるイオン北千里店の店員から「手に血の付いた男が買い物していった」と通報。この時に服やスニーカー等を購入。
※その後も、コンビニ・ホームセンターなどに普通に立ち寄って防犯カメラなどに姿が映る。
6月16日午後8時過ぎ 電車や徒歩で移動した箕輪市山中の防犯カメラで姿が確認される。
6月17日午前6時35分頃 箕輪市の山中(勝尾寺に続く古い参道)の木のベンチで身柄確保。
以上のように、通報されたり防犯カメラに多々写っている飯森裕次郎。
事件直前の虚偽通報のように、かなり計画的に見える一方、ずさんな行動も目立ちます。
被害者の警官は防護衣の隙間を狙われた?
被害者の容体は…
古瀬巡査は佐賀工業高校、東海大でラクビー部に所属した元ラガーマンです。卒業後は他のところに就職したそうですが、警官として働きたいという本人の希望があり、2018年に大阪府警で働くように。
古瀬巡査は、飯森裕次郎によって刃物で7か所もさされました。事件発生直後から意識不明の重体が続いていましたが、翌日17日の夜には「快方に向かっている」との報せが入っています。かなり深い傷だったようですので、奇跡的な回復です。
府警によると、重体となっている古瀬鈴之佑巡査(26)は肺の一部を摘出する手術を受けたが、容体は良い方向に向かっているという。巡査は交番の敷地内で左胸に包丁が刺さった状態で見つかり、約3分間で胸や太もも、腕など7カ所以上を刺されるなどした。防刃チョッキを着ていたが、傷は肺を貫通し、心臓まで達していた。
古瀬巡査はその後無事に職場復帰も果たしています。
飯森裕次郎は容疑を否認、動機は不明
逮捕後の飯森裕次郎は容疑を否認。「病気のせい、周りの人のせい」と意味不明な供述をしていました。
飯森容疑者は「私のやったことではありません」などと容疑を否認。府警によると、飯森容疑者は逮捕時、精神障害者保健福祉手帳を所持しており、「私の思うことは病気がひどくなったせい、周りの人がひどくなったせいだ」とも話しているという。
犯人は捕まりましたが、よくわからない事件の全貌。以下より、その犯人についての詳細をまとめてみていきたいと思います。
飯森裕次郎の学歴は北千里高校→駒澤大学
飯森裕次郎本人のFackbookで学歴判明
高校時代の飯森裕次郎
飯森裕次郎の学歴は、彼のfacebookにより判明しています。
駒澤大学(Komazawa University)
2009年卒業 · 東京都世田谷区北千里高校
2005年卒業 · 吹田市引用:飯森裕次郎さんの自己紹介
飯森裕次郎が通っていた高校は、襲撃した千里山交番の近くにある大阪府立北千里高校で、事件現場からはバスや電車を乗り継いで約30分ぐらいです。
飯森裕次郎は神奈川県川崎市から大阪府に小学5年生の時に越してきました。その後大阪府の小学校・中学校に行き、高校は北千里高校に進学。北千里高校の偏差値は60前後で、卒業後は関西を中心に国公立・私大などに進学する人が多いようです。そのため東京の駒澤大学に進学した飯森裕次郎は少数派で、卒業後は大阪周辺の友人とは疎遠になったと言います。
飯森裕次郎の学生時代の卒アルや同級生の話まとめ
飯森裕次郎の卒アルは?
卒業アルバムより。
(小学校)
飯森容疑者の小学生の卒業文集によると、「おれは、5年生のとき、川崎から転校してきた。サッカ―や野球をしだしたら、友だちができた。5年生の終わりごろには、わんぱく小ぞうの中に入っていた」と書いている。6年生では応援団長をし、将来の夢はプロ野球に入り、大リーグの選手になることだ。
(中学校)
卒業文集には、「中学生活の思い出なんてろくに出てこない」「3年間で自分は変わったけど、できればもう変わりたくない」などと書かれていた。
同級生たちの飯森裕次郎の印象は?
人によってさまざまなようですが、比較的悪い印象を持っている人の方が少ないようです。
「いつもニコニコ、真面目で人懐こい印象」
「目立つタイプではなかったが、気さくに話をするタイプだった」
引用:高校時代は「気さくに話すタイプ」…小学生から吹田に居住
「好き嫌いが激しい性格で、好きな人としか話さなかった」
引用:友人らの住所探る 飯森容疑者 事件直前には「体調不良」
「真面目な感じであまり印象にない」
引用:拳銃強奪の飯森容疑者、綿密な計画性とずさんすぎる行動 アンバランスの理由は?
「一度も見たことないですね。けんかもしたことない、けんかしたって話も聞いたことないですね」
「喜怒哀楽が激しく、肩が当たっただけで、どこ見てんだ、コラ!とキレる感じだった」
引用:「病気がひどくなったせい」幻覚を持ち出した飯森容疑者 知人は「喜怒哀楽が激しく、すぐキレた」
飯森裕次郎の経歴!自衛隊→テレビ裏方正社員→アルバイト清掃員
これまでの経歴は?
判明している限り、飯森裕次郎は以下の仕事の経歴を持つようです。
・海上自衛隊
・テレビ裏方
・アルバイト清掃員
2009年4月〜2009年9月、海上自衛隊に所属。
飯森容疑者は09年4~9月に海上自衛隊に所属。防衛相関係者によると、階級は2等海士で、護衛艦勤務も経験した。小銃の基本的な操作は学んだが、拳銃を扱ったことはないという。
2015年9月〜2016年4月、めんこいエンタープライズ正社員。
飯森容疑者は2015年9月、番組制作会社「めんこいエンタープライズ」(盛岡市)に技術系の正社員として入社。番組の進行監視や映像の品質チェックなどを担当していた。おとなしい性格でトラブルなどもなかったというが、試用期間中の16年4月に一身上の理由で退社した。
2018年11月〜事件発生までは、自身の趣味がゴルフという縁からか、都内ゴルフ練習場でアルバイト清掃員(※障害者雇用枠で採用された)。
練習場運営会社の広報担当者は「お客さんや他の従業員とのトラブルはなく、無断欠勤や遅刻もなかった。真面目な勤務状態でした」と振り返った。月~金曜の午後5時から午後9時まで週5日勤務。清掃業務に当たっていたという。長期休暇を取ることもなかった飯森容疑者だが、今月上旬に沖縄旅行をしている。
引用:【交番襲撃】飯森裕次郎容疑者に“病気悪用”の疑惑
事件直前まで飯森裕次郎がアルバイトをしていたゴルフ練習場では、6月に入ってから「精神的に不安定」となったため欠勤を申し出。当初3,4日程度を予定していたお休みは6月末までに変更となり、さらに15日夜(事件前夜)に本人から電話があり「体調がよくなってきたので25日から出勤する」となったそうです。
飯森裕次郎の家族情報〜父親は関西テレビの飯森睦尚常務
飯森裕次郎の父親は関テレ常務!
事件を起こしたのは、この父親の誕生日で父の日だったというから何ともいいようがありません…。
飯森裕次郎逮捕のきっかけの一つになったのは、父親である飯森睦尚さんからの通報です。事件発生直後から公表された防犯カメラに映る犯人を見て、父親が「息子に似ている」と警察に通報したことから犯人が特定され、逮捕に至りました。
その後に犯人の父親が”関西テレビ常務”等という肩書きを持つ飯森睦尚さんだと判明した訳ですが、実は事件発生当初から「犯人はマスコミ有力者の親族」という怪情報が出回り、犯人の名前が出たあとにはそうそうに特定されていたようです。
事件翌日、飯森裕次郎の父親はコメントを発表しました。
コメントは被害者側に対する謝罪から始まり、息子の所業に対しては「大変驚いており、いまだ信じられない」としています。関西テレビも常務取締役が犯人の父親であることを認め、被害者の回復を祈り、「重大なことと受け止め、今後もマスメディアとして社会的責任を果たしていく」とコメントしました。
関西テレビ常務取締役の飯森睦尚さんですが、調べてみると、それ以外にも立派な肩書きをお持ちのようです。
・関西テレビ常務取締役 飯森睦尚 営業局・スポーツ局・東京支社担当
・公益財団法人ACジャパン 理事 飯森睦尚
・公益社団法人日本広告審査機構 理事 飯森睦尚
などなど。関テレ以外は、基本的に理事等で「関テレ常務」として参画している感じですが。
しかし事件が起きた後、父親は常務を退任し顧問になったそうです。
関西テレビの常務取締役で、再任が内定していた飯森睦尚(むつひさ)氏(63)が退任することが19日、分かった。
取締役会後に大阪市内の同局で行われた株主総会の報告会見で、飯森氏が19日付けで顧問に就任したことが発表された。
また父親がマスコミ有力者ということで、2015年に飯森裕次郎が入社しためんこいエンタープライズはコネだったのかという疑惑が浮上しますが、それは会社が否定?しています。
岩手県出身で、80年、明治大学政経学部卒業後、関西テレビ入社。裕次郎がめんこいエンタープライズに入社する1年前の14年5月、常務に就任している。
入社のいきさつについて、めんこいテレビに聞いた。
「一般に募集をかけて、それに応募して採用になっていると報告を受けています。関西テレビの役員で岩手出身の父親から息子を頼むという話はなかったのか? その報告は受けてはいません。口利きはなかったのかどうか? お答えできないということです。分からないので、答えようがありません。調査? 個人情報ですのでお答えしかねます」(同社総務部)
飯森裕次郎の家族情報〜母親と東京都品川区で2人暮らし
飯森裕次郎が母親と暮らしていたと見られる東京都品川区のマンション
飯森裕次郎の母親についての詳細はわかっていませんが、事件当時、母親は飯森裕次郎と東京都品川区のマンションで暮らしていたようです。
飯森裕次郎が住んでいた東京都品川区のマンションは、大井町駅から徒歩7,8分で立地の良いところです。父親は関西の方に単身赴任しており、大阪市内の所有するタワーマンションで暮らしていたそうですので、経済的にも余裕があるご家庭だったのではないでしょうか。
飯森裕次郎の家族情報〜兄弟や親族は?
兄はやっぱり慎太郎?
兄弟の有無はわかっていない
飯森裕次郎に兄弟がいるかどうかは不明です。しかしネット掲示板などを見ると「兄がいて大手広告代理店に勤めている」という真偽不明の情報が見受けられます。
これは「裕次郎」という名前から兄がいて、それならば「慎太郎」だろうという石原理論からくるもののようです。ネットを検索すると大手広告代理店に勤務する”慎太郎”さんがいるようですが、その方が兄であるという裏付けは今のところ見当たりません。
ちなみに飯森姓は全国に3000人程度いる苗字とのこと。
親族からは優しい子との評も
飯森裕次郎の親戚によると、祖母思いでいい子だったとも。
大学時代は奥州市に住む親戚をたびたび訪ね、祖母を車に乗せて病院へ送るなど、祖母思いの一面も見せていた。食べ物を持参し「ジーンズの裾上げをするバイトが楽しい」と話していた。「学校の先生になりたい」と将来の夢を語ることもあったという。親戚の一人は「優しい口調の本当にいい子だった。あんな事件を起こすようには見えなかった」と戸惑いを隠せなかった。
飯森裕次郎は精神障害者保健福祉手帳2級
精神疾患を持っていた飯森裕次郎
事件前から仕事場では「笑っている時間が長く、様子がおかしかった」という証言等が出ています。
飯森裕次郎はつかまった時に精神障害者手帳2級を保持していました。
ベンチの下にはレジ袋に入った拳銃があった。携帯電話の電源は入っていない状態で、現金約10万円や運転免許証、精神障害者保健福祉手帳(2級)などを所持していたという。
飯森裕次郎は「統合失調症」とのことで、その症状についてはアルバイト先の関係者が証言しています。
体調について、同担当者は「持病があって、自覚症状として悪い方向にいくかもしれないと。幻覚が強くなってくるかもしれないということでした」。持病の詳細については話せないとしたが、統合失調症だったという情報が浮上している。
事件の5年前にも1度本人が品川署に、それに関する相談に行っていたとも。
捜査関係者らによると、飯森容疑者は26年11月12日夕、警視庁品川署を1人で訪問。「ドラゴンクエストのゲームをやめたら心臓から声が聞こえて困っている。昔住んでいた吹田市の人たちの声です」「友達や小学校の先生、自衛隊にいたことがあるがその時の同僚の声などが聞こえる」「心臓の中を確認してもらうことはできますか?」などと話した。
飯森裕次郎は精神障害者保健福祉手帳2級
2級は「日常生活に著しい制限を受けているか、著しい制限を加えないといけない状態」と分類。
精神障害者手帳はあらゆる精神疾患の状態を表すためのもので、持っていると等級などでも変化しますが、税制の優遇やバス運賃割引、都営住宅の優先入居などのさまざまな優遇措置が受けられます。
統合失調症について。
統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。多くの精神疾患と同じように慢性の経過をたどりやすく、その間に幻覚や妄想が強くなる急性期が出現します。
引用:統合失調症
飯森裕次郎の現在~懲役12年の判決から逆転無罪
飯森裕次郎は無罪を主張
出典:https://www.sankei.com/
強盗殺人未遂などの罪に問われた飯森裕次郎
飯森裕次郎の裁判員裁判の初公判が2021年7月、大阪地裁で開かれました。
飯森裕次郎は起訴内容を認めましたが、「正直よく分からない」などと述べました。
弁護側は、統合失調症により責任能力がなかった可能性があるとして無罪を主張。
罪状認否で飯森被告は「多分僕がやったであろうことは認めるが、正直よく分からない」と述べた。弁護側は「犯行当時、飯森被告は統合失調症にかかっていて責任能力がなかった可能性がある」とした。検察側は冒頭陳述で、飯森被告が事前に交番の勤務体制を調べたことなどを挙げ、「合理的で臨機応変な行動を取っていた。精神的な病気の影響はあるが正常な判断と言える部分も残っている」と主張した。大阪地検は19年7~12月に当時の精神状態を調べる鑑定留置を実施し、刑事責任能力があると判断して同12月に起訴した。
飯森裕次郎はその後、犯行動機について、妄想で出てくる“精霊さん”の指示に従ったと語っています。
犯行直前には沖縄旅行なども楽しんでいたとのことですが、それも“精霊さん”による指示だったと主張していました。
飯森被告は一連の犯行について「頭の中の妄想で出てくる、恐ろしい精霊さんの指示で行った」「精霊さんが警察官を襲え、拳銃を奪えと言われた」などと主張。弁護側は「統合失調症の疾患による犯行」と無罪と訴えた。その一方で、犯行直前には沖縄県を旅行し、好きなゴルフをプレー。その前後には、出会い系サイトで知り合った女性に多額の金額を支払い、性的な関係を持ったことが裁判で明かされた。飯森被告はそれについても「精霊さん(の指示)」と語った。
飯森裕次郎に1審で懲役12年の判決
裁判では飯森裕次郎の責任能力の有無が争点となっていましたが、飯森裕次郎は2021年8月に責任能力は限定的にあったと判断され、懲役12年の判決が言い渡されています。
渡部裁判長は判決理由で「精神障害が犯行に及ぼした影響は大きい」と指摘。一方で虚偽の110番通報で警察官を1人にしたり逃走時に衣服を捨てたりするなどの行動を挙げ、「臨機応変で合理的な行動をとった。善悪を判断し、行動を制御する能力を全く欠いた状態ではなかった」として限定的な責任能力を認めた。その上で「犯行は著しく危険。地域社会に重大な脅威を与え、住民に強い恐怖心や不安感を与えた」と量刑理由を述べ、弁護側の無罪主張を退けた。
弁護側は、責任能力があるとした認定は誤りで、量刑も重すぎて不当だとして控訴しています。
飯森裕次郎に控訴審で無罪判決
控訴審で飯森裕次郎の弁護側は、1審とは別の精神科医の意見書を提出し、飯森裕次郎の犯行当時の精神状態は刑事責任を問えない心神喪失か、鑑定書の診断よりも深刻な心神耗弱だったと訴えました。
そして、2023年3月の控訴審判決公判で、裁判長は1審判決を破棄し無罪を言い渡しています。
飯森裕次郎の刑事責任能力は否定されることになりましたが、無罪判決には疑問を持つ人も多かったようです。
弁護側は控訴審で、別の精神科医の意見書などをもとに、1審の被告人の鑑定書は「誤診だ」と主張。その結果、3月20日の判決で、大阪高裁は1審判決を破棄し、飯森被告に無罪を言い渡したのである。「まさかの判決でした。昨今の流れから心神耗弱は認められると思っていましたが、責任能力なしの判断が下るとは思いませんでした。この判決は、世間からバッシングを受けることになるでしょう」(司法担当記者)
まとめ
警官が襲われ重傷を負い、拳銃を奪われた今回の事件。犯人の飯森裕次郎は翌日に逮捕され、被害にあった警察官の方もその後回復し職場復帰も果たしています。
精神疾患を抱える飯森裕次郎には無罪判決が出ていますが、犯行には計画的な面も見られるため物議を醸す判決となりました。
しかし最近はこういった物騒な事件が続いて気が重くなりますね。平和な世の中になってほしいものです。