「キング」の名前で活動し、巨額の詐欺事件を起こして逮捕された銅子正人ですが、出資者たちを騙すためにかなり大がかりな仕掛けを用意していたことでも話題となりました。
この記事では、銅子正人の生い立ちと学歴・経歴、結婚や嫁と子供の噂、逮捕された事件と判決など現在をまとめました。
この記事の目次
銅子正人(キング)のプロフィール
銅子正人(どうこ まさと)
出身地:福井県
生年月日:1977年5月2日
銅子正人、460億円もの投資詐欺事件で逮捕された男だった
銅子正人とは、2019年に投資会社「テキシアジャパンホールディングス」をめぐる投資詐欺事件の主犯格として逮捕された人物となります。
銅子正人が実質的な経営者として君臨していた「テキシアジャパンホールディングス」は、「元本保証で月利3%の配当金」を謳い文句に、高齢女性を中心とした1万3000人の被害者から460億円ものお金を騙し取った企業でした。
この記事では、銅子正人の経歴や家族情報の他、「テキシアジャパンホールディングス」をめぐる投資詐欺事件の詳細について紹介させて頂きます。
銅子正人の生い立ちと経歴…阪南大学卒で元サッカー選手だった
銅子正人、元々はサッカーエリートだった
銅子正人の出身地については、福井県大野市だったと言われております。
少年時代の銅子正人は、素行不良というわけでもなく、サッカーに打ち込むスポーツ少年だったそうですね。
高校を卒業後の銅子正人は、大阪に上京して阪南大学へ進学した他、引き続きサッカー部に所属する体育会系の学生でした。
阪南大学に関しては、元日本代表・伊野波雅彦さんや元北朝鮮代表のリャン・ヨンギさんなど多数のプロサッカー選手を輩出したサッカーの名門として知られています。
そんな名門でサッカーに打ち込んでいた銅子正人は、1997年に行われた「天皇杯」の3回戦にて、ジュビロ磐田と対戦した際に阪南大学側のスタメンで出場していることが確認出来ます。
第77回天皇杯全日本サッカー選手権大会 第3回戦第2日 ジュビロ磐田 vs 阪南大学
そのため将来的にはプロサッカー選手も目指せる実力者だったように思われる銅子正人ですが、椎間板ヘルニアが原因で競技を引退する羽目になったそうですね。
銅子正人、大学を卒業後はトレーナーとして活躍していた時期もあった
阪南大学を卒業後の銅子正人は、一般企業に就職してサラリーマンとなる道は選ばなかったらしく、スポーツトレーナーに転身しています。
スポーツトレイナー時代の銅子正人は、股関節ストレッチ用具の発明者の1人として2005年に特許を出願していた他、プロスポーツ選手のパーソナルトレイナーとして活躍していたそうですね。
スポーツトレイナー時代の銅子正人の顧客には、プロサッカー選手の三浦知良さんもいたと言われております。
そんな売れっ子スポーツトレイナーだった銅子正人は、スポーツジムのプロデュース事業を手掛けていた他、フットサルチームの監督などもしていたとか。
銅子正人、2013年に「テキシアジャパン」を起業していた
銅子正人は、2013年9月になると千葉県千葉市中央区に投資会社「テキシアジャパンホールディングス」を設立しています。
「テキシアジャパンホールディングス」に関しては、後の捜査で設立当初から運用実態がなく、投資詐欺で集めたお金を配当金に充てる自転車操業状態だったことが判明していたりします。
そのため、投資詐欺を目的に会社を設立したことが明白な銅子正人ですが、スポーツ畑で成功していた身でありながら詐欺師に転身した理由については、本人が特に供述していないため不明となります。
とはいえ、銅子正人には借金があり、詐欺で集めたお金の一部を借金返済や遊興費に充てていたとの報道があるため、借金問題をきっかけに闇落ちしてしまったのかもしれませんね。
銅子正人「テキシアジャパン」の詐欺の仕組みとは?…古典的でもあり斬新だった
テキシアジャパン、詐欺の仕組みは意外に巧妙だった
「元本保証で月利3%」を謳ういかにも胡散臭い投資会社であった「テキシアジャパンホールディングス」ですが、1万3000人もの人間を詐欺に引き込んだ背景には、ねずみ講的な勧誘システムがありました。
「テキシアジャパンホールディングス」では、出資者が新規会員を勧誘した場合の紹介料として出資額の12~30%を得られるインセンティブ制度があった他、配当料が上乗せされるシステムまで用意していたそうですね。
そのため、詐欺被害者でもあり加害者でもある人間が続出してしまう事態となったらしく、出資金を上回る利益を得ていたやり手の出資者も少なくなかったとか。
そんな「テキシアジャパンホールディングス」のねずみ講システムを構築した人間が、「ゴレンジャー」と呼ばれていた幹部の1人である穂積一志だと言われております。
穂積一志は、「テキシアジャパンホールディングス」以前も別の投資詐欺会社に勤務しており、2014年3月に合流した後は勧誘責任者として活躍していました。
テキシアジャパン、摘発逃れのために悪知恵を働かせていた
「テキシアジャパンホールディングス」の「元本保証で月利3%」の謳い文句は、当然ながら出資法違反でした。
そのため、「テキシアジャパンホールディングス」側は摘発を逃れるために、出資者に対して借用証を発行することで「出資ではなく金銭の貸借である」という体を装っていました。
同社は出資者に投資契約書ではなく、借用書を渡していた。1口100万円で投資した元本の総額に加えて、月利3%の配当を上乗せした金額を、同社が出資者から「借り受けた」と記載。さらに返済がなかった場合は「残金返済を請求できる」とあった。代表取締役名や社印も押されていた。
「テキシアジャパンホールディングス」にそんな悪知恵を授けた人物が、同社の幹部の1人である三好輝尚だと言われております。
三好輝尚は、元々は岡山県警の警察官だったそうで、投資詐欺事件を担当する生活安全部門に勤務していた過去もあったため、そのような知識が豊富だったのでしょうね。
テキシアジャパン、銅子正人のはったり具合も凄かった
「テキシアジャパンホールディングス」をめぐる投資詐欺事件では、出資者の気を惹くために銅子正人のはったり具合も凄かったりします。
銅子正人は、阪南大学卒であるにも関わらず大阪大学卒を自称していたうえ、「シンガポール金融界で成功して預金が1000億円あり、東南アジアに家を8つ持っている」と喧伝していました。
ちなみに、出資者たちにそのはったりを信じ込ませるために、シンガポールにある自宅マンションに招待したりもしていたそうですね。
シンガポールといえば、移住条件も厳しく不動産価格も高いため、借金持ちの元スポーツトレイナーに過ぎない銅子正人がマンションを所持しているのは不自然な気もします。
この辺のカラクリ関しては、「テキシアジャパンホールディングス」のケツモチに山口組弘道会系の暴力団がいたそうなので、そちら経由で用意された物件なのかもしれませんね。
また、銅子正人は、自身のはったりの信用性を高めるために、元防衛大臣の久間章生さんを「テキシアジャパンホールディングス」の広告塔に起用していたようですね。
銅子正人、キングを名乗りイベントで被害者たちを洗脳していた
銅子正人は、ねずみ講システムを利用して欲望を煽るだけはなく、イベントや交流会などを積極的に主催し、出資者たちを自分の信者へと洗脳していたそうですね。
その中でも特に力を入れていた活動が音楽ライブだったそうで、「キング」との芸名でCDをリリースしたり、ラジオ番組に出演するほどでした。
銅子正人の音楽ライブでは、有名芸能人とコラボをすることまであったらしく、自身をカリスマ化させることに対しては特異的な才能を見せていました。
また、シンガポールで成功した大富豪キャラを演じていた都合上、音楽ライブや交流会に参加した出資者たちにランダムでお金を配ることもしていたとか。
銅子正人、人の善意を利用することも抜け目なかった
「テキシアジャパンホールディングス」をめぐる投資詐欺事件の被害総額(460億円)は、2018年の特殊詐欺被害総額(356.8億円)を大きく上回る衝撃的な規模でもありました。
今回の投資詐欺事件が桁違いの被害総額になった背景には、ねずみ講システムで出資者たちの欲望を煽ったことに加えて、「東日本大震災復興支援事業」と称して出資を募っていた部分もあったそうですね。
そのため、銅子正人は「日本を元気にする会」と称するセミナーを日本各地で開催していたらしく、参加者をカモとみなして勧誘に勤しんでいたとか。
その他、銅子正人は慈善活動家の仮面をかぶるために、障碍者団体との交流を持っていた他、群馬県渋川市にある「大不尽魂神社」を買収して宮司に就任したりもしていました。
サイトでは自民党元衆院議員(故人)を建立者と紹介し、「戦争で犠牲になられた多くの日本及び世界中の戦闘員、非戦闘員の方々の御霊を鎮めるために設立された」と説明している。関係者のSNSでは、敷地内で銅子容疑者らが開いたとみられる行事の写真を公開。ミャンマーや鹿児島などでも戦没者慰霊祭を開いたとして、銅子容疑者らが慰霊祭に臨む様子が公開されていた。
銅子正人の逮捕・保釈情報…仮想通貨で責任逃れを目論んでいた
「テキシアジャパンホールディングス」に関しては、2017年9月頃には既に自転車操業が不可能な状況に陥っており、配当金の支払いも滞っていたそうですね。
そのため、「テキシアジャパンホールディングス」は、出資者に出資金を仮想通貨に交換することを提案するなど、訴訟逃れの悪あがきをしていました。
ちなみに、そんな提案に乗る人間なんていないだろうと思いきや、仮想通貨ブームも相まって交換に応じる人間もそれなりにいたとか。
とはいえ、さすがに2度は騙されなかった出資者たちが日本各地で返金を求める民事訴訟を起こした結果、愛知県警と岡山県警による同捜査本部が立ち上がり、2018年7月頃から関係先への家宅捜査が繰り広げられるようなりました。
その結果、押収した内部資料から投資詐欺事件である物証が掴めたため、2019年2月に銅子正人ら幹部10人が逮捕されています。
逮捕容疑は2016年7月~17年7月ごろ、配当や元本を支払うための事業実態がないにもかかわらず、「1口100万円で出資すると、毎月3%の配当が支払われる」「1年後に元本を償還するか契約継続を選べる」などとうそを言い、愛知県に住む60~70代の男女3人から計6400万円をだまし取った疑い。
その後、余罪により再逮捕もされている銅子正人ですが、暴力団絡みの犯罪ということもあり、口封じされる可能性を考慮してか保釈されたとの一報は存在しない状況となります。
銅子正人の結婚・彼女情報…出資者と会った嫁や子供は本物なのか?
銅子正人の結婚情報については、シンガポールのマンションに出資者たちを招いた際には、妻子に引き合わせていたとの情報もあります。
とはいえ、逮捕後に銅子正人の妻子情報に触れるゴシップ誌もないため、本物の妻子だったのかどうかは不明となります。
もしかしたら、ケツモチの暴力団が手配したダミーだったのかもしれませんね。
銅子正人の現在…懲役8年の判決を受けていた
逮捕後の銅子正人に関しては、詐欺と出資法違反(預かり金の禁止)の罪で起訴されていました。
銅子被告は2016年7月~17年8月、投資名目で被害者8人から計1億円を詐取。同社の前社長ら9人=いずれも出資法違反罪で有罪が確定=と共謀し元本や配当金の支払いを約束して現金を受け取ったとして起訴された。
その後の銅子正人は、2021年6月になると、名古屋地裁にて「懲役8年 罰金200万円」の判決が下っています。
地裁の判決なので恐らくは控訴することになると思われる銅子正人ですが、逆転無罪判決もないでしょうから、このまま収監されることは避けられない情勢と言えます。
銅子正人についてまとめてみると…
銅子正人については、元々は一廉のサッカー選手であり、スポーツトレーナーとして活躍していた過去があったことになります。
銅子正人が罪を償い更生することを祈りつつ、この記事のまとめを終了させて頂きます。