2020年3月に起こった岐阜ホームレス殺人事件とは、当時19歳の少年5人に81歳のホームレスの男性・渡邊哲哉さんが殺された事件です。同情の余地は一切ない胸くそが悪い事件でした。
岐阜ホームレス殺人事件の概要や犯人の朝日大学野球部員、大学の対応や逮捕後の現在をまとめました。
この記事の目次
岐阜ホームレス殺人事件とは
岐阜ホームレス殺人事件とは、2020年3月25日に岐阜市のホームレスの81歳の男性が19歳の少年5人に襲撃され、死亡した事件です。
以前から渡邊さんと女性は嫌がらせを受けていた
被害者のホームレスの渡邊哲哉さん(81歳)と女性(68歳)は、橋の下でホームレスとして暮らしていました。2人は夫婦というわけではありませんが、お互いに困った時には協力し合うようなハウスメイトのような関係だったということです。
そんな2人の穏やかな生活は、2020年3月中旬ごろから一変することになります。
犯人の5人の少年のほかに男女5人の合計10人の若者が渡邊さんと女性に対して、石を投げるなどの嫌がらせをするようになったんです。
そのたびに、渡邊さんと女性は1km以上先にあるコンビニに走って行って、コンビニの店員に携帯電話を借りて、警察に通報していました。
渡邊さんと女性は少なくとも4回(3月12日、3月13日、3月20日、3月22日)の嫌がらせを受けていて、警察に相談していました。しかし、警察はきちんと取り合ってくれず、捜査をしてくれませんでした。
「犯人たちはきっとまた来るから、見張ってほしい」と警察に頼んだが「いたちごっこになるから、(Aさんたちのほうが)ここを出ていけ」と言われたという。
事件の前日には、「今日は見張るからとパトカーが1台来たけど、2時間ほどでまた、用があるからと帰ってしまった」
このような状況の中で、被害者の渡邊さんに悲劇が起こります。
事件当日も執拗に追いかけられた
2020年3月25日の午前1時半ごろのこと、テントに石が投げられました。そして、渡邊さんと女性は通報するために逃げることになります。
犯人たちは女性を狙って、石を投げたり、ライトで顔を照らされたり、執拗なまでに少年たちが追いかけてきました。
そして、渡邊さんは女性に対して、「はよ行け!」と逃げるように促したため、女性は800m先の公衆電話に走ります。その時、後方で「シッコたれとるぞ!」という男性の声がして振り向いたら、渡邊さんが仰向けに倒れていたそうです。
早く助けを呼ぶために女性は公衆電話まで走り、警察に通報します。そして、戻ってきたら、渡邊さんは倒れたままで、呼びかけに弱い反応はあったものの、搬送された病院で死亡しました。
頭部に強い衝撃が加えられて死亡
出典:asahi.com
渡邊さんは搬送先の病院で息を引き取りました。検死の結果、右後頭部に強い打撃による頭蓋骨骨折があり、脳挫傷と急性硬膜下血腫により死亡したことが判明しました。
そして、渡邊さんを襲っていた少年3人の姿が付近の防犯カメラの映像に残っていたため、犯人は逮捕されました。その防犯カメラの映像によると、「土の塊を渡邉さんの顔に投げつけ、命中させて、転ばせた。その際に渡邉さんが後頭部を路面で打って死亡した」ということがわかっています。
事件から約1ヶ月後の4月23日に岐阜県警は殺人および傷害致死容疑で少年5人を逮捕しています。
岐阜ホームレス殺人事件・被害者の渡邊さんが襲われた原因は猫の虐待を注意したこと?
出典:jprime.jp
ホームレスというと、正直あまり良いイメージはありませんよね。でも、渡邊さんんは善良な市民でした。
確かに、ホームレス歴は長かったようですが、車にひかれそうになった子供を助けたこともあったそうです。
そんな渡邊さんがなぜ少年5人から執拗に襲われるようになったのか?これは、猫の虐待を注意したからではないかという情報があります。
少年5人が猫に対して石を投げるなど虐待をしていたのを見て、渡邊さんが虐待しないようにお願いしたようなんです。
ある日、可愛がっている猫たちが怪我をしていたため、不審に思っていたところ、男性らが投石など猫を虐待しているところを発見。「かわいそうだからやめてほしい」と懇願する渡辺さんに対し、男性らは逆恨み。
引用:キャンペーン · 岐阜ホームレス殺人 朝日大野球部部員らに少年法に捉われない実名報道と厳罰を求める署名 · Change.org
猫を虐待から守ろうとして、渡邊さんは逆恨みされて、殺されてしまったということになります。子供を守り、猫を守る渡邊さん。なぜ、少年に襲われなければいけなかったのか。なぜ、殺されなければいけなかったのか。
胸くそが悪い事件であることは間違いないでしょう。
岐阜ホームレス殺人事件の犯人は朝日大学の野球部?
岐阜ホームレス殺人事件の犯人は、すでに逮捕されています。事件があった3月25日は19歳の5人の少年が渡邊さんと女性を襲ったことがわかっています。
この5人の少年は未成年ということで、逮捕されても実名報道されていません。この5人の少年の中には朝日大学の野球部員が含まれていたと報道されています。
朝日大学野球部の部員が2人含まれていたことは、大学側が認めていますので、間違いないでしょう。ただ、一部報道では野球部員が3人いた・全員が朝日大学野球部だったという報道もあります。
週刊女性の報道によると、5人中4人が朝日大学野球部(中退者も含む)で、残りの1人も野球経験者だったということです。
5人のうち4人が朝日大学の硬式野球部員と元野球部員(大学中退)で、残る1人も高校時代は野球部所属。全員、高校は違ったが、野球を通じた友人関係だったという。
5人全員が19歳の少年だったということで、実名報道はされていませんが、インターネット上では「特定班」が報道をもとに、この岐阜ホームレス殺人事件の犯人たちの特定作業を進めています。
この5人の少年の犯行は、かなり悪質だったことがわかります。
・顔を照らすためのライトを用意していた
・執拗なまでに追い回していた
19歳の少年5人が81歳男性と68歳女性のホームレスに対し、石を投げ、追いかけていく。悪質だったとしか言いようがありませんよね。
無関係なのにインターネットに晒された朝日大学野球部員もいる
情報が錯綜している中で、インターネット上では犯人の特定が行われていて、3人の朝日大学野球部員の名前と顔がさらされています。
ただ、インターネット上でさらされている朝日大学野球部員の中には、この岐阜ホームレス殺人事件には全く関係ない人もいるようです。
同大野球部1年のある部員は「こいつが犯人です」と実名をネット上で書き込まれた。根も葉もないデマがあたかも事実として、ネット上で拡散されていく。その部員のSNSのダイレクトメールに、面識のない人間から「死ね」と書かれた文面が送られてきたため、その部員は両親と相談し、事実無根の書き込みを行った投稿者に削除要請を出した。投稿者が応じない場合は名誉棄損で訴訟することを検討しているという。
引用:岐阜ホームレス殺害事件 ネット上で犯人と誹謗中傷された朝日大の野球部員が訴訟検討 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
全く無関係なのに、「19歳の朝日大学野球部」というだけで、犯人だと勘違いされ、インターネット上でも、リアルの生活でも誹謗中傷を受けている人がいる。
面白半分で特定作業をしていると、このような被害者を生み出すことは忘れてはいけないことだと思います。
親が警察関係者という情報も・・・
この岐阜ホームレス殺人事件の犯人は、少年5人であることはわかっています。この5人の犯人の中に親が警察関係者がいる可能性があるんです。
犯人の1人が事件があった日に、渡邊さんに次のように言ったと一緒にいた女性が証言しています。
実は、事件の日、襲ってきた少年の1人が、こんな不可解なことを渡邉さんに言ったのを、Aさんは聞いている。
「わたなべ~、アパート入るらしいなあ~? ここ出ていくらしいなあ~」
と。
行政は水面下で渡邊さんに生活保護で入れるアパートを用意していたそうなんです。その矢先に、犯人に襲われました。
この渡邊さんがアパートに入るというのは、渡邊さんも女性も知らないことでした。これを知っているのは、行政関係者か警察だけ。
さらに、次のようにも言っていたとのこと。
「上から石を投げてきた男の1人が、“俺の父さん、県警本部におるでー(おるで=いるから)”と、威張るように言っていた。私と渡邉さんに言ったのか、仲間に言ったのかは、わからないけど、たしかに、そう言っていた」という。
もし、これが本当なら、その犯人の父親は警察関係者で、父親は息子が渡邊さんに執拗に嫌がらせをしていることを知っていたけれど、止めなかったし、水面下で進めていた情報を教えていたということになります。
岐阜ホームレス殺人事件での朝日大学の対応がヤバイ
岐阜ホームレス殺人事件の犯人は、2人が現役の朝日大学の学生で、2人は朝日大学を中退しているとのことです。
この残虐な事件を受けて、朝日大学には非難が集まりました。いくら未成年の学生とはいえ、冷静に考えれば、大学側に落ち度はありません。あくまでも「犯人はその大学に通う学生」というだけですから。
でも、朝日大学は事件の対応を完全に誤りました。そのことで、さらに非難が集中することになったんです。
このような謝罪文や声明を出していますが、この出し方がちょっと姑息なんです。
・文章ではなく画像にすることで、検索に引っかからないようにしている
・公式ホームページ上で非常に見つけにくい場所に掲載している
正々堂々とこの声明を出していれば、ここまで朝日大学が非難されることはなかったと思いますが、あまりにも大学側が姑息だったために、非難が集まることになりました。
しかも、事件に関する声明は、5月15日が最後なんです。「厳正に対処する所存です」という言葉だけで、その後どんな処分にしたのかが1ヶ月半以上公表されていません。
このまま、沈静化するのを待って、なあなあにして終わらせるのではないかとさえ思えてきます。
朝日大学は、ハッキリ言えば、偏差値が高い大学ではありません。地方の偏差値が低めの大学です。ということは、学生を集めるのに苦労している大学とも言えます。
そんな中でこんな不祥事が起こり、大学側の対応にも非難が集中している状態なら、来年以降は受験者数が減ってしまう可能性は十分にありますね。
岐阜ホームレス殺人事件の現在
2020年3月25日に起こった岐阜ホームレス殺人事件。現在はどうなっているのでしょうか?
5人の犯人のうちの2人は不起訴処分に・・・
犯人は19歳の少年5人で、殺人および傷害致死容疑で逮捕されています。
その後は、次のような処分になっています。
・B:傷害致死で起訴 →後に実刑判決(後述)
・C:第1種少年院送致
・D:不起訴処分
・E:不起訴処分
殺人罪は適用されませんでした。これは、殺意は認定できないとして、傷害致死が適用されました。執拗に追いかけ、石や土を顔に投げつけ、81歳の老人を転ばせて死亡させても、殺人罪は適用されないんですね。
また、5人のうちの2人は渡邊さんと女性を追いかけなかったとして不起訴処分になっています。なんか、納得いかない処分です。渡邊さんの命が軽く扱われたような印象さえあります。
5人の犯人のうちの別の2人には実刑判決
その後、傷害致死の罪に問われた少年2人については裁判員裁判が行われました。こちらでは、実刑判決となっています。
岐阜市で昨年3月、路上生活をしていた渡辺哲哉さん(当時81)が襲われ死亡した事件で、傷害致死の罪に問われた元少年2人(ともに20歳)の裁判員裁判の判決が25日、岐阜地裁であった。出口博章裁判長は「面白半分で投石し、スリルを楽しむことを繰り返していた」と述べ、当時会社員だった元少年に懲役5年(求刑懲役8年)、無職の元少年に懲役4年(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。
朝日大学野球部の監督は辞任
朝日大学に非難が集中したのと同時に、朝日大学野球部にも非難が集まりました。それを受けて、朝日大学野球部監督は辞任しています。
監督には同情の声が集まっています。
待って待って
— あき 25日14:30から尻 (@QUEEN_Aki48) April 27, 2020
朝日大学の野球部監督、今は藤田監督なの????????めっちゃええ先生で生徒に慕われるタイプなのに????
岐阜県民としてもほんとに胸糞悪い。
— Kazukazu (@Kazukaz95779301) May 16, 2020
朝日大学の野球部の監督も優秀な人連れて来たのに、今のところその監督しか処分してないから責任を全部背負わせるんじゃないかとも思う。
20歳になったんなら実名報道してもいいと思う
朝日大学野球部監督の藤田さんは優秀な指導者。
— ラーメンは世界を救うかも?(救世麺) (@kyuseimen) May 6, 2020
こんな事で終わっていただきたくはない。
何処かのできれば私学高校は彼をスカウトしていただきたいです。#県立岐阜商2009年夏ベスト4の立役者#岐阜県高校野球を変えた方#朝日大学硬式野球部 https://t.co/4YDKxbF53Q
監督に非はなくても、5人中2人が現役部員で2人は退部(中退)した部員となると、責任を取らざるを得ないのかもしれませんね。朝日大学野球部は無期限で活動停止となっています。
関係ない人にまで辞任や活動停止の責任を押し付けてしまう。でも、犯人の中の2人は不起訴処分になっている。岐阜ホームレス殺人事件は、やはり胸くそ悪い事件であると言えるでしょう。
岐阜ホームレス殺人事件のまとめ
岐阜ホームレス殺人事件の概要や原因、朝日大学野球部の犯人、朝日大学の対応、現在をまとめました。
・猫を虐待していたことを注意されての犯行?
・犯行はかなり悪質
・犯人には朝日大学野球部の部員が含まれていた
・事件後の朝日大学の対応がヤバイ
・5人の犯人のうち、2人は傷害致死で実刑判決、1人は少年院送致、2人は不起訴処分になっている
岐阜ホームレス殺人事件では犯行の悪質さと処分の軽さから、インターネット上では厳罰を求める声が上がっています。少しでも、このような胸くそ悪い事件がなくなってくれることを祈るしかありません。