近年ネットで盛り上がりを見せている「台風コロッケ」ネタは、その名前の通りに台風の日にコロッケを食べる行為のことです。
この記事では、21世紀に入ってから日本に広まったと言われている「台風コロッケ」の由来と元ネタに関する情報をまとめてみました。
この記事の目次
日本人の国民食であるコロッケ!
コロッケの元ネタはフランス料理のクロケットというのは有名な話ですよね。
クロケット派生の料理は、日本のみならず、中南米や南アジアまで広がっています。
さすがは、偉大なるフランス料理といったところでしょうか?
カレーやラーメンと並ぶ日本の国民食であるコロッケですが、日本に普及し始めたのは、大正末期から昭和初期にかけてと、案外新参モノな料理だったりもします。しかしながら、戦後日本においてコロッケは、庶民の食卓には欠かせない料理となっております。
調理方法は案外簡単なので、材料を揃えて自分で作ってみても美味しいコロッケですが、多くの方はお惣菜や冷食のコロッケを食することが多いようです。
冷凍食品・追記2)消費の伸びは40年間で、およそ35倍。ベスト5は(日本冷凍食品協会)、第5位「菓子」、第4位「カツ」、第3位「ピラフ・チャーハン」、第2位「うどん」、第1位「コロッケ」。・・冷凍ではありません(笑)が、器の人気料理は⇒http://t.co/kOscCcl6g4
— 五反田ダイニング「器」 (@Gotanda_Utsuwa) 2015年3月6日
日本冷凍食品協会の調査でも、日本における冷食の年間生産量1位は、コロッケだという人気ぶりであり、日本人が日頃からいかにコロッケを食べているかが伺えます。
コロッケが新たな風習を生み出した?台風の日はコロッケを食べる?
海外では日本食扱いされているコロッケ。
ラーメンやトンカツと同じで、外来食がいつしか海外からも日本食として認められるほどのオリジナリティを持ったということなんでしょうね。
カレーコロッケやコロッケパンなど、いつの間にかフランスにもないオリジナルの形態へと進化したコロッケですが、実は新たな風習も生み出しています。
それは、台風の日にコロッケを食べるという風習となります。21世紀に入ってから日本で普及し始めたと言われている新しい風習ですが、都市伝説なととは違い、実際に実行している日本人が多いことに特徴があります。
「台風の日はコロッケ」。一見、関係なさそうなこの取り合わせが、台風6号が通過した2015年5月12日、ツイッターで話題になりました。分析ツールを使って「コロッケ」を含む投稿を調べると、平日の162倍の数に。
ちなみに、2017年9月現在でも、ツイッターでは台風コロッケネタのツィートが数多く投稿されていたりします。
台風くるし、北沢精肉店のコロッケはよ
— みょん@10/8 Roselia 2nd (@myon_bangdream) 2017年9月13日
台風来るからコロッケ買っとかないと
— クラゲ (喪中) (@tn814) 2017年9月13日
台風の日にコロッケを食べるのは合理的なのか?
近年は、レンジでチンする手間すらいらない、自然解凍で食べられる冷食コロッケまで発売されていますよね。
実際のところ、台風の日にコロッケを食べる意味はあるのかという問いに関しては、身の安全を考慮すると合理的な選択肢だと言えます。
台風の日の外出というのは、案外危険なものです。風に飛ばされて転倒して怪我をする可能性もありますし、地方などでは大雨により道路と用水路の境目が分からなくなり、用水路に転落して命を落とす人間も珍しくありません。
そうなると、台風が通り過ぎるまで自宅でじっとしているのが一番無難な選択肢となります。そんな時、一人暮らしならば夕食にカップラーメンでも大丈夫でしょうが、2人3人と家族がいる家庭ではそうも言ってはいられません。
そういった時に活躍するのが、冷蔵庫にストックして置きやすい冷食の定番であり、油で揚げるだけで立派なおかずとなるコロッケということになります。
台風コロッケの由来は何?
あの国民的アニメも台風コロッケをネタにしていた
サザエさんの原作者である長谷川町子さんは、1989年当時は69歳であり、存命中でした。
もしかしたら、長谷川さんも台風コロッケ回を見ていたなんてこともあったのかもしれませんね。
台風とコロッケを結びつけた作品には、国民的人気アニメであるサザエさんがあります。おそらくは、日本で最初に台風コロッケネタを取り扱ったのがサザエさんではないかと思われます。
サザエさんにおいて台風コロッケネタが登場したのは、今から30年近い昔となる1989年7月16日放送回であり、「台風コロッケ騒動」というそのままのタイトルで放送されました。
ちなみに、この時の放送がきっかけとなり、日本に台風コロッケが広まったということにはなりませんでした。
本当の元ネタは2ちゃんねるのとあるスレッド
インターネット黎明期から存在感を発揮し続けている「匿名掲示板2ちゃんねる」ですが、台風コロッケネタの発祥地でもあったようです。
台風コロッケネタの本当の元ネタに関しては、「匿名掲示板2ちゃんねる」が発祥であることが、ネット上での有力な説となっております。「匿名掲示板2ちゃんねる」といえば、最近でも下記記事のようなブームの火付け役となっています。
いま大学生の間で、語尾に「ンゴ」をつけることが流行している――。2017年9月6日放送の情報番組「スッキリ!!」(日テレ系)で、こんな内容の特集が放送され、インターネット上が騒然としている。
「○○ンゴ」というネットスラングをSNS上で広めたのは、「匿名掲示板2ちゃんねる」内にある、通称なんJと呼ばれている「なんでも実況(ジュピター)板」の住民たちとなります。一方で、台風コロッケネタ発祥の地となったのは、下記のスレッドとなりました。
111 :こちら横浜:2001/08/21(火) 13:10 ID:V2iqkNlA
念のため、コロッケを16個買ってきました。
もう3個食べてしまいました。
2001年8月に日本を襲った台風11号を実況するスレッド中に、突然降って湧いた台風コロッケネタ。スレッド内でそのままスルーされていれば、台風の日にコロッケを食べる風習も生まれなかったのかもしれません。
しかし、本来は台風被害などを報告し合う殺伐としたスレッドだっただけに、あまりに場違いな台風コロッケネタに釣られてしまうユーザーが続出します。
122 :鴎:2001/08/21(火) 13:11 ID:w43q/eL6
>>111
マターリしてて思わずワラタ
126 :東京南西部:2001/08/21(火) 13:11 ID:HhfeYSEI
>>111
コロッケ買いすぎ!
144 :東京都田舎区 :2001/08/21(火) 13:13 ID:ajWCPplk
コロッケ食いたい
買ってこよ
上記のほのぼのとしたやり取りが他のユーザーのツボにはまったのでしょう。以降は、台風が来る度に、「匿名掲示板2ちゃんねる」内でこの台風コロッケネタを使い回すユーザーが続出して、次第にネット界隈に広まっていったというわけですね。
台風コロッケネタはスーパーにも広まっている?
ハロウィンや恵方巻きのように、近年になって日本で定着した風習なども多いですよね。
台風コロッケもその1つにまで昇華出来るかどうかが見ものだと言えます。
台風コロッケに関しては、ネット上の盛り上がりを見て、商戦に組み込んでいるスーパーマーケットなども出て来ています。
【緊急企画】
— セルバ公式 (@selva_izumi) 2017年9月17日
台風といえば #台風コロッケ
明日9/18(月祝)15:00〜
柿安のカレーコロッケを54円(100個限定)で販売致します。 pic.twitter.com/vUF3NSuPhB
メジャーなスーパーマーケットですと、イオンなどでも店舗によっては台風コロッケを発売しているところもあるようですね。
ただし、コロッケ1個あたり税込み105円とお買い得感がないため、ネット上ではブーイングの声もあったりします。
商売っ気もほどほどにしないと、顰蹙を買ってしまう一例だと言えますよね。
台風コロッケ発の迷信も広がっている?
NHKでも特集を組まれるほど世間に広がってしまっている台風コロッケネタだけあって、主婦層にねじ曲がった形で伝わっているケースもあるようです。
台風コロッケネタに関しては、新たな迷信を生み出しているケースまであるようです。台風の日にあまりにコロッケコロッケとうるさい人間が多いせいか、「台風の日にはコロッケが上手に揚がりやすい!」という迷信が一部で広まりつつあります。
とうとううちの母までが、「台風の時は気圧が低い影響でコロッケが美味しく揚がるらしいよ」とか言い出した。迷信ってこうやって形成されていくんだなー。
— if (@ifitself) 2017年9月17日
アメリカではハリケーンに向けて銃を発砲する?
車や家を簡単に吹き飛ばしてしまうハリケーン。
アメリカ版の台風と言える存在ですが、日本の台風よりも強力で被害が大きいケースも少なくありません。
SNSを通して生まれる新たな風習に関しては、海外でも存在するようです。ただし、アメリカにおいては、新しい風習が誕生する寸前に、危険すぎて現実社会より警告を受ける憂き目となりました。
ハリケーン「イルマ(Irma)」に向かって銃を発砲するというアイデアがインターネット上で拡散されていることを受け、銃の愛好家が多いことで知られる米フロリダ(Florida)州の保安官がそうした行動を控えるよう地元民に注意を呼び掛けている。
中南米の方では祝い事の際に、空に向けて銃を発砲する文化が存在する国もあるようですが、落ちて来た銃弾に当たり死んでしまう人間も少なくなかったりします。建物すらも吹き飛ばすハリケーンに向けて銃を発砲すれば、倍返しどころじゃない勢いで銃弾が跳ね返される危険性があることは言うまでもありませんよね。
これに関しては、被害者が出る前に、現実社会からの抑止が入って正解だったと言える話題でしょうね。
まとめ
ちなみに、手作りコロッケが一番美味しい季節は新じゃがの時期(春から初夏にかけて)ということで、台風シーズンとはズレていたりもします。
調べてみるとユニークな由来を持つと言える台風コロッケ。企業主導で新たな風習が根付くことが多かった戦後日本においては、かなり異質な成り立ちを持っていると言えます。
企業が絡まないところで、次々と新しい文化や風習が生まれて来るのは、ネット時代特有の現象なのかもしれませんね。