現在の日本にとって、新型コロナウイルス以上の脅威と言われている首都直下地震ですが、悪夢の現実化を予測する専門家も増えて来ています。
この記事では、首都直下地震の想定被害と確率、震源地、そして予言や前兆をまとめました。
この記事の目次
首都直下地震とは?…今後30年以内に70%の確率で起こる地震
首都直下地震とは、「今後30年以内に70%の確率で関東地方南部を襲う」と言われているM7クラスの大地震の通称となっています。
今日さ、地震きた夢見てさ、
— あかりん⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝ことりんの彼女♪ (@akarin2644) June 28, 2020
頭から離れられないの…
どうしたらいいかな…
首都直下地震来た夢見て…
震度7体験して家族みんな亡くした夢見ちゃってさ…今涙止まらないんよ……
踊っても踊っても頭から離れられなくて…
今ももう南海トラフとか首都直下地震来てもおかしくないやん。だから怖くて…
首都直下地震については、20世紀より学会や民間においてその危険性が議論されていたため、1992年には、日本政府が「南関東地域直下の地震対策に関する大綱」を制定。その後、2003年になると「首都直下地震対策専門調査会」を設置し、対策を進めていました。
ちなみに、「今後30年以内に70%の確率」の謳い文句の元となったのが、文部科学省管轄の特別機関である「地震調査研究推進本部」の予測データでした。
日本政府の地震調査研究推進本部は、「南関東におけるM7程度の地震」として2000年代初頭から評価を行い、その後数回改定している。過去の発生記録や現在解明されている範囲での南関東地域の地殻構造から、2007年(平成19年) – 2036年の間にM6.7-7.2の(海溝型・プレート内)地震が70%の確率で発生するとの想定が行われている
引用:南関東直下地震
首都直下地震と関東大震災は違う…直近の例は安政江戸地震だった
首都直下地震、関東大震災とは違っていた
関東地方を襲った大震災といえば、1923年9月1日に起こり、10.5万人もの死者を出した「関東大震災」が有名となります。
しかしながら、「関東大震災」は相模トラフ沿いの大規模地震に分類されており、「首都直下地震」とは別の種類の地震扱いをされています。
その想定規模はM8クラスと予測され、千葉・神奈川県沿岸部を6~8mもの大津波が襲うと言われている「NEXT関東大震災」ですが、200~400年周期で起こる地震だとの調査結果が出ていたりもします。
そのため、我々が生きている内に新たな「関東大震災」に被災する確率などは低そうですね。
首都直下地震、直近のモデルケースは安政江戸地震だった
「首都直下地震」の直近のモデルケースとなるのが、1855年11月11日に起こった「安政江戸地震(M6.9~7.4)」だと言われております。
都内では、千代田区や墨田区、江東区の揺れが特に酷かったと言われている「安政江戸地震」では、最大震度6程度ながらも1.5万軒もの家屋が倒壊しました。
東京湾北西部が震源と考えられ、当時の江戸の広い範囲が激しい揺れに襲われました。特に江戸城の東側、いまは超高層ビルが建ち並ぶ東京 千代田区丸の内のほか、墨田区、江東区、それに横浜市などで揺れが強かったとされています。
また、「安政江戸地震」では火災被害なども大きく、江戸の旗本・御家人屋敷の8割が焼失ないし倒壊被害を受けたとのデ-タも存在するようですね。
ちなみに、津波被害などは確認されていない「安政江戸地震」でしたが、それでも1万人程度の死者が出たのではないかと目されているため、当時の江戸の人口が百数十万人程度だったことを踏まえると、甚大な被害が出たと言えます。
首都直下地震の被害想定額がヤバイ…2.3万人が死亡するとのデータも
首都直下地震、震源地が都心南部直下のケースでは?
首都直下地震については複数のパターンが想定されているものの、都心南部直下を震源地とした「都心南部直下地震(M7.3)」が起こったケースでは、その被害想定額は95兆円と言われております。
・全壊・焼失家屋:最大61万棟
・要救助者:最大7.2万人
・死者:最大2.3万人
また、「都心南部直下地震」が起こった場合、火災の被害などもかなり深刻になるようで、2日間に渡り広範囲で延焼が続くとの予測が存在します。
その他、被災地域の5割で停電が発生することが想定されており、最悪のケースでは1週間電力が復旧しない場合もあるとか。
「都心南部直下地震」が交通インフラ面に与える影響も大きく、道路や鉄道なども1ヶ月間は利用不可能な状況に陥るとの予測まであるようですね。
ちなみに、「都心南部直下地震」では津波の心配だけは少ないようで、東京湾内の津波は1m以下になるだろうとの予測が存在する状況になっています。
メガロポリスを襲う大災害の一方で、死者が2.3万人程度の予測に留まっているのは、津波被害を回避できる公算が強いからなのかもしれませんね。
首都直下地震、対策次第では被害を大幅に抑止出来た
単純な被害規模ならば、東日本大震災(被害総額16.9兆円 死者数1.6万人)を超える被害が出ることが予測されている「首都直下地震」ですが、対策次第では被害を抑え込めるとの目算もあるとか。
例えば、当該地域での耐震化率が90%まで進めば、「首都直下地震」での全倒壊数や建物倒壊による死者を半減出来るそうですね。
ちなみに、当該地域での耐震化率が100%まで進めば、「首都直下地震」での全倒壊数や建物倒壊による死者を9割削減出来るとのデータも存在します。
また、感震ブレーカーを設置することで電気出火を防止することが出来るため、当該地域での普及を促進した場合、焼失棟数を半減出るとの情報もあります。
その他、電気出火防止対策に加えて初期出火成功率を向上させることで、火災による死者や焼失棟数を9割以上削減出来るとの試算まであるとか。
首都直下地震、対策費は10兆円だった
防災・減災を進めればその被害を大幅に抑制出来る「首都直下地震」ですが、その対策費用は10兆円以上だと目算されており、財政赤字に悩む日本にとっては予算捻出にも一苦労する額となっています。
とはいえ、「東日本大震災」を経験している日本では自治体の危機意識も強まっており、2012年には、東京都の方で「首都直下地震」対策の防災・減災プロジェクトがスタートしているようですね。
東京都は12日、首都直下地震対策を柱とする地域防災計画の素案を公表した。4月にまとめた被害想定で最大9600人とした死者数を、建物の耐震化など減災対策の徹底で「3分の2減の3200人に抑える」との数値目標を設定。家屋の不燃化や自主防災組織の活動強化なども進め、10年以内に達成するとした。
首都直下地震の最大リスクは東京一極集中…被災時に水・食料不足の懸念も
首都直下地震、東京一極集中のせいでデータセンターが危険?
対策次第では、壊滅的な被害を回避出来るとの目算もある「首都直下地震」ですが、東京一極集中を改善しないかぎり、根本的な解決にはならないとの声もあります。
識者たちの間でも特に心配されているのが、データセンターの東京一極集中具合のようですね。
API地経学研究所長の村井純慶應義塾大学教授は、サーバーやデータ通信などの装置を設置・運営しているデータセンターが東京などに集中している点に警鐘を鳴らす。データセンターは各種災害に備えて地震や火災、停電に強い構造となってはいる。
しかしながら、停電が長期化したり火災が広域化したりすると、運営の継続は難しくなる。
首都直下地震、一極集中のせいで被災時の物資不足の懸念も
東京圏に全人口の3割近くが集中するいびつな構成となっている日本だけに、「首都直下地震」が起こった場合の避難者数は、最大で720万人に及ぶとの試算が存在します。
そのため、「首都直下地震」時の被災地では、最大で3400万食の食糧や1700万リットルの飲料水の不足が起こる可能性が懸念されております。
国土交通省側も海上や河川を利用した物資の輸送プランを用意するなど、「首都直下地震」時の物資不足を改善しようと躍起になっているようですが、数百万人単位の避難者の需要を賄えるだけの供給が可能かどうかは疑問の残るところです。
また、「首都直下地震」時には、仮設トイレも不足するのではないかとの指摘も存在します。
こちらの対策については、国土交通省の方では下水用マンホールに直接排泄物を流すことが可能な「マンホールトイレ」の設置を進めているとか。
首都直下地震はいつ起こる?…2020年に起こるとの予言もあった
首都直下地震、2020年に起こるとの予言も
「首都直下地震」については、2020年に起こると予言をしている人物もいます。その予言者については、元通産省官僚で現在は京都大学大学院人間・環境学研究科の教授を務める鎌田浩毅さんとなります。
鎌田さんの持論によると、「東日本大震災」のせいで地下プレートに歪みが生じ、地震数が3倍増となった現代日本は、平安時代の状況と酷似しているとか。
そのため、平安時代に起こった大地震のサイクルをそのまま現代に当てはめると、2020年辺りに「首都直下地震」が起こる可能性が高いという話になっています。
「869年、東日本大震災と同じ震源域で貞観地震という巨大地震が発生し、その後、日本全国で地震が頻発しています。9年後の878年にはM7.4の内陸直下地震(相模・武蔵地震)も起きている。これを現在に置き換え、’11年の9年後はいつかと考えると、来年の’20年になるわけです」
首都直下地震、三浦半島での異臭騒動はその前兆か?
「首都直下地震」については、2020年6月4日になると、その前兆ではないかと騒がれている異臭騒動も起こっています。
異臭騒動の舞台となったのは、神奈川県横須賀市や三浦市だったようで、午後8時から10時の間に「ゴムが焼けるような匂いがする」との119番通報が150件も寄せられたそうですね。
通報を受けて警察や消防の他に東京ガスや海上保安庁も加わり捜査が行われたものの、異臭の原因となりそうな事故は発見出来なかったとか。
そのため、マスメディアの間でも「地殻変動が起因の異臭騒ぎだったのではないか?」との説が囁かれるようになりました。
「地震や地滑りなど地殻変動に伴うにおいは、地質学の関係者では常識です。微妙なにおいの変化は地殻の変化を察知するのに重要です。大きな地震は、本震の前に小さな揺れが頻発します。この揺れで岩石が崩壊し、焦げたようなにおいが発生します。1995年の阪神・淡路大震災でも1カ月前から断続的ににおいが確認されています。三浦半島は活断層が非常に多いエリア。活断層が動いたことから、岩石の崩壊が重なって、まとまった“異臭波”がつくられ、南からの風に乗って北上した可能性があります」
首都直下地震の現在…新型コロナ騒動下での被災が不安視されていた
「新型コロナウイルス騒動」により社会不安が募っている現代日本では、「コロナが収まらない中で首都直下地震が来たらどうしよう…」と、不安に駆られている人物も少なくない状況のようですね。
コロナで密を避けなければならない今、首都直下地震が起きたらどうなるんだろう
— CryptoPie江田 (@eda_yoshiki) June 26, 2020
どんな問題が起きるのか、どんな製品があれば避難所で役立つのか最近考えていることです https://t.co/nccQJwsF4W
そんな国民の不安に応えるために、2020年6月15日になると、ユーチューブの内閣府防災チャンネルに「新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所運営のポイント」と銘打たれた動画がアップされています。
季節柄、大水被害を想定して公開された動画のように思われますが、日本政府の迅速な対応に国民の不安も軽減されたと言えるのかもしれませんね。
首都直下地震についてまとめてみると…
首都直下地震については、2万人を超える死者が予測されている大災害なれど、防災・減災対策次第で被害を軽減出来るという話になります。
首都直下地震に対する不吉な噂の数々が外れることを祈りつつ、この記事のまとめを終了させて頂きます。