2016年4月に沖縄県うるま市で発生した強姦致死・殺人および死体遺棄事件「沖縄うるま市強姦殺人事件」は世間に大きな衝撃を与えました。
この記事では、事件の詳細や、犯人・シンザト・ケネフ・フランクリンの生い立ち、家族、嫁、そして判決から現在までの情報について詳しくまとめましたのでご紹介します。
この記事の目次
「沖縄うるま市強姦殺人事件」とは
被害者・島袋里奈さん、ウォーキングに出掛けたまま行方不明に
元米軍兵士が起こした身勝手な殺人事件
「沖縄うるま市強姦殺人事件」は2016年4月28日に、沖縄県うるま市にて発生しました。
現地に住んでいた島袋里奈さん(当時20歳)は、同日午後8時頃に交際相手の男性にLINEで「ウォーキングしてくる」と伝えた後に外出し、そのまま行方不明となりました。
そして、外出していた交際相手は午前2時頃に「今から帰る」と返信しましたが、島袋里奈さんの既読マークはついたものの返信はありませんでした。
交際相手が朝になっても島袋里奈さんが戻らないことを不信に思い警察に捜索願を出し、島袋里奈さんのスマートフォンの位置情報が自宅から1~2キロ離れたうるま市州崎で途絶えていたことから付近の捜索が始まりました。
すると付近に設置されていた防犯カメラに、米軍関係者が乗るYナンバーの車が映っており、5月18日にこの車の持ち主である黒人男性、シンザト・ケネフ・フランクリンが被疑者として浮上しました。
警察の任意聴取に対してシンザト・ケネフ・フランクリンは「動かなくなった女性を雑木林に捨てた」と自供したため、その情報を元に捜索したところ19日に県道104号線沿いの雑木林で島袋里奈さんの遺体が発見されました。
遺体はほとんど白骨化しており、シンザト・ケネフ・フランクリンは死体遺棄容疑で逮捕されました。
被害者、島袋里奈さんは結婚間近だった
子供は5、6人欲しいと語っていた島袋里奈さん
島袋里奈さんの幼馴染で、保育園から中学校まで同級生だった友人が事件後のインタビューで人となりについて語っていました。
「ときどきテンションが高いときもあったけど基本はおとなしくて天然。いつも場を和ませてくれました。人のことを悪く言うこともないし、みんなに優しく接してくれた」 恵美さんと2人、小学校の帰りに遊ぶのが日課だった。「ジャニーズが好きでDVDを見たり、雑誌を読んだり。毎日たくさん話して、時間はいくらあっても足りなかった」生前の恵美さんの様子を語る當山さん。恵美さんは足の悪い當山さんに「大丈夫?」と声をかけ、いつもいたわっていた 當山さんは恵美さんから将来の夢を聞いたことがある。「あの子はひとりっ子だから結婚したら子どもが5、6人欲しいと話していました。男の子も女の子も産みたいって」 同居していた男性とは婚約中で、幸せな未来はすぐ間近。
また、事件後のインタビューで、生前の島袋里奈さんを知る関係者が明かしたところによれば、人柄はとても明るく真面目で、人に好かれる性格をしていたことが分かりました。
・「恵美は孫のような存在でした」と、當山さんは指先で目頭を押さえた。
・恵美さんの学生時代を覚えている男性は「可愛くて、とてもまじめな子。絶対に許せない」と憤りを隠さない。
・大城さんは目を腫らし、怒りをあらわにする。「この怒りも悲しみも消えることはありません」
島袋里奈さんはどこにでもいる普通の女性であり、女性が夜道を歩ける日本だからこそ夜にウォーキングに出かけたのだと思いますが、シンザト・ケネフ・フランクリンが起こした事件により日本も安全ではないことが証明されました。
「沖縄うるま市強姦殺人事件」犯人シンザト・ケネフ・フランクリンの犯行動機と手口
犯人シンザト・ケネフ・フランクリンの犯行手口
身勝手すぎる犯人の犯行手口
シンザト・ケネフ・フランクリンは事件発生の当日、女性を強姦する目的で車を走らせターゲットを探していたところ、ウォーキングで歩いていた島袋里奈さんを見つけ犯行計画を実行に移しました。
シンザト・ケネフ・フランクリンは先回りして島袋里奈さんの後をつけ、人気がないことを確認すると背後に近づいてスラッパーと呼ばれる打撃用の棒で後頭部を殴りつけました。
倒れ込んだ島袋里奈さんを草むらに引きずり込んだシンザト・ケネフ・フランクリンは、馬乗りになって強姦しようとしましたが、抵抗されたため首の後ろ付近をナイフで刺しました。
島袋里奈さんが絶命したためシンザト・ケネフ・フランクリンは強姦を未遂に終わり、車に積んであったトランクケースに島袋里奈さんの遺体を入れて運び、遺棄しました。
犯人シンザト・ケネフ・フランクリンの犯行動機
シンザト・ケネフ・フランクリンは強姦願望があった
シンザト・ケネフ・フランクリンは警察での取り調べにおいて、犯行動機を「高校時代から女性を強姦したいという願望があった」と供述しています。
なお、シンザト・ケネフ・フランクリンは全く反省の色はなく、事件が起きたのは島袋里奈さんが女性一人で暗闇を出歩き現場に居合わせたのが悪いと責任転嫁をしました。
シンザト・ケネフ・フランクリンは日本の法制度では、強姦罪は親告罪となるため女性が泣き寝入りするケースが多く、逮捕されないと思い犯行に及んだことを供述しました。
島袋里奈さんを殺害したことについては否定しており、シンザト・ケネフ・フランクリンは気絶させて強姦した後に解放するつもりだったと法廷で供述しました。
「沖縄うるま市強姦殺人事件」犯人シンザト・ケネフ・フランクリンの現在…裁判で無期懲役判決
犯人シンザト・ケネフ・フランクリンの現在…無期懲役判決が下る
無期懲役の判決が下りたシンザト・ケネフ・フランクリン
島袋里奈さんの死因はシンザト・ケネフ・フランクリンに襲われて抱きかかえられたまま倒れこむ際に地面に強く頭を打ち付けたことだとされ、ナイフで首の後ろを刺したのは生存確認のためだと供述しました。
シンザト・ケネフ・フランクリンは法廷では黙秘を貫きましたが、2017年12月に裁判員裁判判決公判が那覇地裁で開かれ、求刑通り無期懲役の判決が言い渡されました。死刑にはならず、現在も刑務所に収監されています。
無期懲役の量刑となった理由については、シンザト・ケネフ・フランクリンの強姦目的の身勝手な犯行であるためで、死亡する可能性が高い暴行を加えたことから殺意が認定され、殺人罪が成立しました。
島袋里奈さんの母親は法廷に憔悴しきった様子で両脇を抱えて入廷し、始終シンザト・ケネフ・フランクリンを睨みつけており、判決が言い渡されると号泣して崩れ落ちたと伝えられています。
犯人シンザト・ケネフ・フランクリン、控訴するも無期懲役は覆らず
シンザト・ケネフ・フランクリンの弁護側は控訴した
シンザト・ケネフ・フランクリンの弁護士は一審判決を控訴し、殺人罪は否認して強姦致死による有期懲役になるように主張しました。
しかし、2018年9月20日に開かれた控訴審では、シンザト・ケネフ・フランクリンの弁護側の主張を退け、殺意を認定し無期懲役とした一審判決を支持、弁護側は最高裁への上告を断念したため刑が確定しました。
「沖縄うるま市強姦殺人事件」犯人シンザト・ケネフ・フランクリンの生い立ち
シンザト・ケネフ・フランクリンはニューヨークで生まれた
シンザト・ケネフ・フランクリンの生い立ちは、アメリカ・ニューヨーク市の出身であり、2007年から2014年まで米軍海兵隊員として沖縄県内などで勤務していました。
その後除隊し一時帰国していましたが、シンザト・ケネフ・フランクリンは再び来日して沖縄出身の同世代の女性と結婚し、シンザト姓を名乗るようになりました。
「沖縄うるま市強姦殺人事件」犯人シンザト・ケネフ・フランクリンの家族…日本人嫁と子供がいた
シンザト・ケネフ・フランクリンには子供が生まれたばかりだった
シンザト・ケネフ・フランクリンは事件起こす前年に結婚し、子供が生まれたばかりでした。
シンザト・ケネフ・フランクリンが妻子と生活していた住居は事件現場から南に約20キロ離れた沖縄本島南部の住宅地にあり、妻の義父が実家をリフォームした住宅でした。
なお、シンザト・ケネフ・フランクリンは日本のアニメや漫画が好きなオタク気質だったことがフェイスブックへの投稿内容から分かっています。
島袋里奈さんの母親を始めとした遺族はシンザト・ケネフ・フランクリンの死刑判決を望んでいただけに、無期懲役の決に絶望してしまいましたが、日米関係が原因だった可能性が大きいようです。
「沖縄うるま市強姦殺人事件」のその後現在
犯人シンザト・ケネフ・フランクリンは日米関係に亀裂を入れた
アメリカは元軍人として補償を拒否した
島袋里奈さんの遺族側は、シンザト・ケネフ・フランクリンが元海兵隊だったことから、日米地位協定に基づいて沖縄防衛局を通じアメリカ側に損害賠償を請求しました。
しかし、アメリカ側はシンザト・ケネフ・フランクリンについて「元海兵隊員であっても現在は民間人。軍とは関係ない」と主張し賠償を拒否しました。
シンザト・ケネフ・フランクリンは軍属として扱われており、米軍に直接雇用されていたわけではないため、アメリカが補償する責任がある被用者には当てはまらないとしました。
これに対して日本側は被用者の定義について、間接雇用も含まれると主張したためアメリカ側と対立し、日米関係に緊張が走りました。
被害者・島袋里奈さん遺族に日米合意で補償
最終的にアメリカは保障を認めた
補償に難色を示していたアメリカ側ですが、2018年6月についにシンザト・ケネフ・フランクリンの責任について認め、日米が分担して補償することで合意しました。
島袋里奈さんの遺族の代理人が、日米両政府から沖縄防衛局を通じて見舞金を受け取ったことを明かし、具体的な分担額は非公表ながら遺族側の請求額におおむね沿った金額となったことが伝えられました。
内訳としては、アメリカ政府が一定額を遺族側に支払い、日本政府がその不足分を見舞金という形で補いました。
被害者・島袋里奈さん遺族が米軍撤退を訴える
沖縄県在住の女性が米軍撤退の声を挙げ始めた
「沖縄うるま市強姦殺人事件」をきっかけに、沖縄県に住む女性を中心に「米軍基地あるが故に起こった事件」と怒りの声と共に米軍撤退を叫ぶデモ活動が活発化しました。
また、島袋里奈さんの父親も「次の被害者を出さないためにも、全基地撤去を」と米軍撤退を呼びかけるメッセージを出しました。
「沖縄うるま市強姦殺人事件」以前にも沖縄県では米軍関係者による凶悪事件が相次いでおり、県内で検挙された凶悪犯の内、米軍関係者が占める割合と県内の人口に占める割合と比較して2倍以上という数字もあり、米軍関係者による凶悪犯罪検挙数は深刻な問題となっていました。
沖縄うるま市強姦殺人事件現場の現在
遺族の意向で三回忌を以て献花台が撤去された
「沖縄うるま市強姦殺人事件」の発生から3年が経過した2018年12月7日、島袋里奈さんの三回忌を区切りとして、遺族は恩納村安富祖の雑木林に設置されていた献花台を撤去しました。
同日午前に献花台を訪れた遺族らは線香を上げて手を合わせ、静寂に包まれた献花台を前にすすり泣く声が響き、母親はハンカチでまぶたを押さえ続けていました。
「沖縄うるま市強姦殺人事件」後も沖縄県での在日米軍による犯罪は減っておらず、現在までに在日米軍の在り方について議論が続けられています。
「沖縄うるま市強姦殺人事件」についてまとめると…
・犯人のシンザト・ケネフ・フランクリンは、ニューヨーク市出身の元米軍海兵隊員だった
・犯人のシンザト・ケネフ・フランクリンには、日本人嫁との間に子供が生まれたばかりだった
・犯人のシンザト・ケネフ・フランクリンは現在、無期懲役判決により服役している
・島袋里奈さん遺族には日米から両国から見舞金が支払われた
戦後から在日米軍基地を押し付けられ続けてきた沖縄県ですが、在日米軍関係者による凶悪犯罪を象徴づけたのが「沖縄うるま市強姦殺人事件」でした。
事件以降、沖縄県に住む女性は米軍関係者を見る度に島袋里奈さんの悲劇を思い返し、怒りがこみ上げてげてくることでしょう。