10歳の男子児童が中国人の男に刺殺される事件が起きた深圳(深セン)日本人学校が注目されています、
この記事では深圳日本人学校の場所や生徒数、校長、スクールバスの送迎はあったのか、事件の概要や被害者の男子児童とその父親、父親の勤める会社や犯人とその動機、現在についてまとめました。
この記事の目次
深圳日本人学校は中国深センの日本人学校で2024年に男児刺殺事件が発生
深圳日本人学校は、中国(中華人民共和国)の深圳市(深セン市)に所在する日本人学校で、深圳富士ゼロックス(現在の富士フイルムビジネスイノベーション)、エプソン、YKK、オリンパス、フジタ等の企業の後援により、深圳日本商工会議所の下、2008年に設立されました。
深圳日本人学校は小学部6学年、中学部3学年で在留邦人の子供などを中心に250人〜300人の児童が在籍しているという事です。
2024年9月18日の午前7時55分頃、この深圳日本人学校に通う10歳の男子生徒が母親に付き添われて登校中に事件当時44歳の男に刃物で襲われて腹部や大腿部などを滅多刺しにされ殺害される事件が起こりました。
この記事では、この事件で注目されている深圳日本人学校と事件について現在までにわかっている内容をまとめていきます。
深圳日本人学校の場所
深圳日本人学校の場所は中国(中華人民共和国)の、「広東省深圳市南山区工業八路295号」です。
この場所は、「蛇口工業区」と呼ばれており、深圳湾を挟んで香港と隣接し、中国政府により自由貿易都市に指定され、外国人が多く住み、外国人学校が多く所在する地域だという事です。
深圳日本人学校の生徒数
深圳日本人学校の現在の生徒数は、2024年6月1日付で発行された2025年度の教員を募集する深圳日本人学校のPR書類によれば、小学部が約200名、中学部が70名が所属しているという事です。
在学教育施設であるため、生徒の転出入は多いものの、おおよそ、生徒数は250人〜300人ほどで推移しているそうです。また、教職員の数は約25人だという事でした。
深圳日本人学校の校長
深圳日本人学校の校長は塚本昌夫さんという方です。
今回の事件の後、塚本昌夫校長は取材に応じており、被害者の児童について「とても元気で活発なお子さんと聞いている。兄弟思いで動物が好きで、命を大切にするお子さんだった」と悲痛な面持ちでコメントされていました。
中国南部・広東省深セン市の日本人学校に登校中の男児が刺殺された事件で、同校の塚本昌夫校長が19日、記者団の取材に応じ、「とてもショックで残念だ」と話した。
深圳日本人学校の塚本昌夫校長は、2023年度までは愛知県名古屋市で小学校の教員をしており、校長や教頭に次ぐ役職である教務主任を務められていたようです。塚本昌夫校長が深圳日本人学校の校長に就任したのは2024年度からだったようです。
深圳日本人学校のスクールバス
深圳日本人学校にはスクールバス(通学バス)もあるという事ですが、今回の事件の被害者の男子児童は事件の当日はスクールバスは利用せず、母親の付き添いで登校していたという事です。
また、スクールバスの利用には申請が必要だったようです。
今回の事件を受けて、深圳日本人学校では徒歩通学者全員のスクールバスや車での送迎と、スクールバスに乗降するバス停にも警備員を配置するなどの対策が取られたという事です。
在広州日本総領事館によると、男児は徒歩で登校中に被害に遭っており、対策として徒歩通学者を全てバスや車で送迎する。バス通学者が乗降するバス停にも警備員を配置し、市当局に対しても警備強化を求めた。
深圳日本人学校の10歳男子児童刺殺事件の概要
深圳日本人学校の当時10歳の男子児童が被害者となった刺殺事件についても改めてみていきます。
事件が発生したのは2024年9月18日の午前7時55分頃で、事件発生場所は深圳日本人学校の校門まで約200メートルほど手前あたりの路上でした。
被害者の男子児童は母親と一緒に電動自転車で登校していたところで、突然近づいてきた犯人の男に刃物(果物ナイフ)で腹部や大腿部を何度も刺されたという事です。
目撃者によると、母親の手は血まみれで、「うちの子がなにか悪いことをしたの?助けて」と中国語で叫んでいたという事です。
犯人の男は逃走しようとせず、倒れた被害者の男子児童と嗚咽する母親の傍で呆然と立ち尽くし抵抗する事なくその場で身柄を拘束されています。
被害者の男子児童は病院に救急搬送されましたが、翌9月19日の午前1時36分に病院で死亡が確認されました。
深圳日本人学校の10歳男子児童刺殺事件の被害者は日本人と中国人のハーフ
深圳日本人学校に通う当時10歳の男子児童が中国人の男に襲撃され死亡した事件の被害者は、日本人の父親と中国人の母親を持つ日中のハーフである事がわかっています。
林報道官は会見で、「被害児童は日本国籍で、父母はそれぞれ日本人、中国人だ」とも説明していた。
引用:「服の色が分からないくらい血まみれに…」「肝臓や腸が飛び出した状態」 「日本人学校10歳男児刺殺事件」救命を手伝ったママ友の証言
この被害者の男子児童がハーフだという事で国籍も話題にされていますが、日本人学校には基本的に日本国籍でないと通えないという事なので、日本国籍である事は事実だと思われます。
深圳日本人学校の男子児童刺殺事件の被害者の父親は小山純平という人物か
深圳日本人学校の男子児童刺殺事件の被害者の父親は日本人で小山純平さんという人物ではないかと言われています。
ネット上で、この被害者の男子児童の父親だとする小山純平という人物が書いた中国語の手紙が拡散されており、その手紙は被害者の男子児童の父親が書いた本物の可能性が高いとみなされています。
なお、この被害者の父親が書いたとされる手紙ですが、本当にに被害者の父親が書いたものだとは確認されておらず、その内容についても、中国では感動的な文面だとされているようですが日本国内では賛否が分かれている状況です。これについては政治思想的な話になるので掘り下げませんが、ネット上では様々な憶測が飛び交っている状況です。
「週刊文春」(2024年10月3日号)などによると、この被害者男子児童の父親は兵庫県尼崎市出身の1986年生まれの人物で、龍谷大学在学中に交換留学生として上海師範大学に留学。現地で知り合った中国人女性(被害者児童の母親)と交際。大学卒業後、上海師範大学の修士課程に3年間在籍。その後、中国語の語学力を見込まれて「N社」という専門商社の幹部に直接スカウトを受けたとの事です。
深圳日本人学校男児刺殺事件の被害者の父親の会社の専門商社はどこか
深圳日本人学校の10歳男子児童刺殺事件の被害者の父親の会社はどこかも注目されているようです。
週刊文春など一部メディアは被害者の父親の勤める会社は大阪に本社を置く専門商社「N社」だと報じています。
この父親の会社「N社」ですが、中国を専門とするルポライターの安田峰俊さん文春オンラインに寄稿した記事では「1961年に創業」した会社だと書かれています。
また、『「友好商社」と称された存在で、日中間において政治的に極めて特殊なバックグラウンドを持つ会社』との情報も明かされています。
この父親の会社「N社」ですが、大阪府大阪市に本社を置く「西日本貿易株式会社」ではないかと言われているようです。西日本貿易株式会社は1961年に創業で、中国を専門に貿易をしている会社という事で、明らかになっている情報と一致しています。
深圳日本人学校10歳男子児童刺殺事件の犯人は「鐘」という44歳の男
中国当局の発表によれば、深圳日本人学校の10歳男子児童刺殺事件の犯人は事件当時44歳の鍾という中国人の男だという事です。
どういうわけかフルネームは明かされず「鍾」という苗字のみが公開されています。犯人の鍾は2015年と2019年に2度の逮捕歴があるという事です。
現場で逮捕された加害者は44歳男性の「鐘」容疑者と、名字のみ公表されている。
深圳の国営メディアによると、鐘容疑者は2015年に「公共インフラの破損」の疑いで、2019年には「公序良俗妨害」の疑いで、それぞれ逮捕された前科がある。
また、この犯人の鍾何某は、漢族で定職についていないとの情報も明かされています。
10歳の幼い命を奪った人物は、鍾容疑者(44)。現地当局の発表によると、漢族の男性で定職に就いていなかったという。
引用:《中国・10歳男子刺殺事件》借金苦でブラックリスト入り…前科2犯・鍾容疑者44歳が育んだ「日本人に対する歪んだ憎悪」
深圳日本人学校10歳男子児童刺殺事件の犯人の動機
深圳日本人学校10歳男子児童刺殺事件の犯人である鍾何某の動機はわかっていません。中国当局もこの事件や犯人の情報を極力出さないようにしているようにも見えます。
日本国内では犯人の動機を推測する動きがあり、深圳日本人学校10歳男子児童刺殺事件が起こった9月18日が、中国国内で「国恥日」などと呼ばれている、1931年に満州事変のきっかけとなった柳条湖事件が起こった日だった事から、犯人の動機に強い反日感情が関係しているのではないかという見方が強まっているようです。
一方で、「週刊文春」(2024年10月3日号)などに書かれているように、犯人の鍾何某は事件の約9年前にネット関連会社を起業するも経営に失敗し、借金でブラックリストに載るほど経済的に困窮していた事などが明らかになっている点から、動機はそうした思想的なものではなく、自暴自棄になっての衝動的なものではないかと見る向きもあるようです。
鍾容疑者がインターネット関連の2つの会社を設立したのは約9年前のことだ。
「社員2人程度の小さな会社で、現地の信用情報は最低ランク。業績は悪化し、借金苦でブラックリストに入るほど。経済的な理由による閉塞感が日本人に対する歪んだ憎悪を生み出し、犯行を後押ししたと見る向きもあります」
引用:《中国・10歳男子刺殺事件》借金苦でブラックリスト入り…前科2犯・鍾容疑者44歳が育んだ「日本人に対する歪んだ憎悪」
深圳日本人学校の現在
深圳日本人学校の事件後の現在の様子ですが、2024年10月14日に通学での授業を再開させたという事です。
児童や生徒の安全対策として、当面の間は送迎バスや自家用車での通学を基本とし、徒歩や自転車での通学を控えてもらう方針を決めたようです。
中国広東省の深圳日本人学校の男児(10)が男に刃物で刺され死亡した事件で、同校は14日、通学での授業を再開させた。外務省の予算なども活用し、当面は送迎バスや自家用車による通学を基本とするが、保護者の負担が増すため、長期的な安全対策が課題となる。
また、現在、外務省は中国国内の日本人学校全体の安全対策を強化する方針を示しており、外務省予算から約4300万円を日本人学校の警備強化に充てると発表されています。
日本人学校に通う子どもの安全対策を強化するため、柘植芳文外務副大臣は、外務省予算の中から約4300万円を拠出し、中国本土と香港にある12校の日本人学校の警備強化にあてる考えを示しました。
まとめ
今回は、2024年9月18日に10歳の男子児童が中国人の男に刺殺された事件で注目されている、「深圳日本人学校」についてまとめてみました。
深圳日本人学校の場所は「中華人民共和国広東省深圳市南山区工業八路295号」です。
深圳日本人学校の生徒数は2024年6月のデータによると、「小学部が約200名、中学部が70名が所属」しているという事です。
深圳日本人学校の校長は塚本昌夫さんという方で、2024年度から校長に就任したばかりでした。2023年度までは愛知県名古屋市の小学校で教務主任の役職に就かれていたようです。
深圳日本人学校はスクールバスによる送迎制度があったという事ですが、今回の事件の被害者の10歳の男子児童は事件当日は母親に付き添われて自転車で登校しており、その時に犯人の襲撃を受けています。
この事件の被害者である深圳日本人学校の10歳の男子児童は、日本人の父親と中国人の母親を持つ日中のハーフだった事も明らかになっています。父親については一部メディアが大阪に本社を置く専門商社に勤務していると報じており、父親の勤める会社は「西日本貿易株式会社」ではないかと言われています。
深圳日本人学校の10歳の男子児童が刺殺された事件の犯人は、中国当局より「鍾」という44歳の定職についていない男である事だけが明かされています。この犯人の鍾何某ですが、過去に2度の逮捕歴があるようです。犯行動機は明らかにされていませんが、反日感情によるとする説や経済的困窮により自暴自棄になってやったとする説などが挙げられています。
深圳日本人学校は現在は、通学しての授業を再開しています。また、児童・生徒の安全確保のため、スクールバスや車での登校や警備員の増強。外務省が予算を拠出しての警備強化などの対策が取られているようです。