2000年代にイケメンで実力ナンバーワンというカリスマ的な人気を誇ったマジシャンのセロさんですが、その後テレビから姿を消してしまいました。
この記事では、セロさんの経歴や、種明かしによる”やらせ”で干されたという噂の真相など、現在までの情報について詳しくまとめました。
この記事の目次
マジシャン・セロのプロフィール
セロ
海外名義: セロ・タカヤマ(Cyril Takayama)
生年月日: 1973年9月27日
出身地: アメリカ合衆国・ロサンゼルス
セロさんは紙に描かれている食べ物を取り出すマジックや、水槽のガラスに腕を貫通させるマジックなど、2000年代に日本のトップマジシャンとして一世を風靡しました。
ハーフのエキゾチックなイケメンで、セロさんはそれまで誰も見たことが無いようなイリュージョンをテレビで披露し、マジックブームの火付け役となりました。
2010年頃からマジックブームの終焉とともにテレビから姿を消したセロさんですが、ここからは現在までの活動について詳しくご紹介していきます。
マジシャン・セロの生い立ちと経歴~父親は日本人のイケメンハーフ
セロ、日本人とモロッコ系フランス人のハーフ
セロさんは日本人の父親とモロッコ系フランス人の母親との間に生まれたハーフで、ロサンゼルスで生まれ、2歳から4歳までは父親の故郷である沖縄県今帰仁村で祖母により育てられました。
その後ロサンゼルスに戻ったセロさんは、小学校時代の夏休みには祖母宅で過ごしており、6
年生の頃には19日間ながら日本の小学校で過ごしました。
そのため、セロさんは英語が母国語ながら、日本語もカタコトで話すことができます。
「生まれはロサンゼルスですが、日本にも家があります。両方に住んでますが、最近は日本にいることが多いですよ。日本が一番だね!」
マジシャンとして日本で身を立てた頃から、セロさんは日本にほとんど定住しているようで、日本を拠点にして世界的マジシャンとして活躍しています。
セロがマジックを始めた理由
ラスベガスで観たマジックショーに感銘を受けた
セロさんがマジックを始めるきっかけとなったのはラスベガスでのショーであることを、インタビューにて答えていました。
「オフコース!僕が6~7歳の時ですが、ラスベガスに連れて行かれてそこでレビューショーを見たんです。当時は18歳未満は中に入れなかったんですけど、一緒に行った人がチップを渡して特別に入れてもらったんですよ。初めてダンサーやジャグラーやシンガーを生で見て凄い刺激を受けたんですけど、そこで見たマジックで衝撃を受けたんです。その時「あんなマジックを出来るようになりたい!」と思ったのがキッカケです」
セロさんは6歳の頃に観たマジックの衝撃を現在でも忘れていないと語っていますが、そうした感動の強さ次第でその人をその道の一流に押し上げるのでしょう。
セロ、12歳でマジックキャッスル会員に
セロは12歳にして世界的マジシャンの仲間入りを果たす
セロさんは10歳の頃からマジックを始め、12歳の頃にはすでに才能を開花させてロサンゼルス・ハリウッドにある一流のマジシャンのみが入会を許される「マジックキャッスル」のジュニアメンバーになりました。
セロさんは将来が明るいマジシャン人生をスタートさせましたが、決して平たんな道ではなく、10代から波乱万丈な人生となりました。
セロ、16歳で家出していた
10代でストリートパフォーマーになったセロ
セロさんはヤンチャな10代だったようで、15歳の時に学校を強制退学になり、その後16歳の頃にも学校を自主退学したことをマジック専門雑誌「The Magazine for Magicians」にて明かしています。
セロさんの素行の悪さを問題視した父親が、更生のために日本に送ろうとしましたが、乗り継ぎの東京でセロさんは逃げ出してそのまま家出をしてしまいました。
セロさんはほとんど無一文でストリートパフォーマーとしてマジックで生計を立てていましたが、しばらくは貧困生活を余儀なくされました。
日本のマジック協会に加入を申し出ましたが、よそ者扱いを受けたセロさんは加入を認められませんでした。
プロのマジシャンとして着実に力を付けていったセロさんは、1994年の19歳の頃に出場した3年に一度の世界的なマジック大会であり、日本で唯一横浜で開催された「FISM横浜大会」に出場してイリュージョン部門で優勝しました。
セロ、2004年から放送された冠番組で一躍有名マジシャンに
冠番組で全国区で大ブレークしたセロ
2004年9月から放送されていた特別枠バラエティ番組『カスペ!(フジテレビ系)』の枠で不定期放送されていたマジック番組『マジック革命!セロ!!』でセロさんは大ブレークしました。
同番組はセロさんが国内外に出向いて路上でストリートパフォーマンスを行うもので、身近な物を使って即興でマジックを披露するスタイルが視聴者を毎回驚かせていました。
セロさんの同番組は毎回高視聴率をマークし、日本のマジックブームの火付け役となりました。
マジシャン・セロの種明かし放送事故~やらせで干された噂の真相
セロ、平愛梨に生放送で種明かしされる
平愛梨が悪気なく指摘したマジックの種
2014年7月29日に放送された特別番組『マジック新世紀セロ 生放送SP(フジテレビ系)』にて、平愛梨さんがうっかり種明かしをしてしまう放送事故がありました。
そんな盛り上がりの中で「でも……」と言葉を発した平が、「私、これ違う番組で見たことあったんです」と、突然の爆弾宣言。「確か、手が車にくっつけてあって、ニセモノの手で、棒が繋がってる体になってるっていう……」とまさかの“種明かし”を始めた。空白の時間を作ることが許されない生放送ゆえに、アナウンサーも咄嗟に「それどうでしょうか、セロさん」と話を振ると、セロも少しの沈黙のあと「え? そうですか?」と取り繕うのに精一杯。
ジャケットを脱ぎ、そんなことはないとアピールするセロの表情、声のトーンはどこか怒っているようにも見え、スタジオの平成ノブシコブシ・吉村崇が「セロ、キレてないですよね? 大丈夫ですよね?」と呼びかけたが、これに返答はなかった。
セロさんは思わぬところから種明かしをされてしまい、生放送ということもあり平静を装うことで精いっぱいだったようです。
天然の性格をしている平愛梨さんは思わず種明かしをしてしまったことに後で共演者から注意されたのか、番組終了後のツイッターでは「タネはなく」とセロさんを苦し紛れのフォローをしていました。
セロさんすごかったー‼タネはなくセロさんが思えば何でもやれるんじゃないか?って思うほど驚きました。私が別番組で見たことある浮いたやつはタネあかしをしてくれるはずだったそうですが時間がなく残念ながら知ることできず‼
— 平愛梨 (@harikiri_tairi) July 29, 2014
放送終わりお会いでき嬉しかったです☆また必ず生でみたい‼
この平愛梨さんによる種明かしにより、セロさんはネット上で「やらせ疑惑」が囁かれるようになり、テレビで使いにくくなったことで干されたと言われていますが、実際には直接的な関係は無かったようです。
セロ、テレビから干された理由はやらせが原因?
セロがテレビに出なくなった理由は干されたわけではない
セロさんがテレビにあまり出演しなくなったのは2009年以降であり、平愛梨さんが種明かしをした放送事故があった2014年ではありません。
ただこの種明かし騒動があった2014年以降、冠番組『マジック革命!セロ!!』が放送されなくなったことも事実のようです。
やらせ問題でセロさんが干されたの噂もありますが、セロさんは番組のマジック監修で指向性のカメラを使い、アングルを指定したカメラトリックを使うというテレビに特化したマジックを披露していました。
また、一般人の中にはサクラを紛れ込ませており、やらせと言えば確かにそうですが、セロさんのマジックは魔法ではなくタネも仕掛けもあるエンターテインメントのため当たり前のことであり、総合演出が一流ということになるでしょう。
マジシャン・セロの現在~世界各地のマジックショーで活躍していた
セロ、現在はインスタグラムで活動状況を報告
セロの近況はインスタをチェック
セロさんはブレークする前の2000年8月に、日本語、英語版の公式WEBサイトを開設しています。
このセロさんのオフィシャルサイトでは、主だった活動について紹介されていましたが、セロさんが完全にテレビから姿を消した頃となる2014年7月31日以降はブログの更新は停止しました。
Twitterは2015年7月22日の更新を最後に停止していますが、セロさんは2016年から日本向けの活動報告の場としてLINEブログを開始しました。
しかし、そのLINEブログも2017年8月10日を最後に停止し、インスタグラムで現在は自身の公演様子などを投稿しています。
また、2018年7月末に10日間ほど西武渋谷店で開かれた『YOHEI TAKAMURA スニーカーセレクト 50』には、50人の著名人のスニーカーの中にセロさんのものもありました。
写真はネット上に投稿されていませんでしたが、現地で見た人の話では大量のスタッズ(とげとげ)が付いたユニークなスニーカーだったと言われています。
Comic Dojo tee! familyついにフライヤー出来ました!
— sachi (@sachicia) March 5, 2019
劇中にマジックが行われます。監修は世界的マジシャン セロさんにして頂きました!
盛りだくさんなショー是非ご覧下さい#teefamily #okinawa #entertainment #kokusaidori #internationalstreet #acrobat #magic #comedy #thekingoffighters pic.twitter.com/XA17J8W6gH
セロ、現在も世界各地で活躍する人気マジシャン
日本公演も大盛況
テレビから消えた2014年以降のセロさんですが、現在は世界各地のイベントや自主公演に活躍の場を移しています。
2017年には中国・北京で開かれている「Beijinh Shows 2017」や、2018年には「東京オートサロン2018」のオープニングセレモニーにも参加。現在も日本での公演は“SOLD OUT”する人気ぶりのようです。
セロはマジック界の先を生き続けてきた
セロは単純に人を楽しませるマジックを追及し続けている
セロさんは二次元と三次元を融合させたマジックなど、見る者を圧倒するテクニックを持ったマジシャンですが、その凄さの本質はストリートパフォーマンスで磨いたどんな環境でもマジックに変えてしまうレパートリーの多さだと言われています。
2000年代に日本のマジックブーム火付け役となった時は、間違いなくセロさんが日本でトップのマジシャンであり、当時の多くのマジシャンがセロさんのマジックを参考にしていたと言われています。
当時、とあるマジシャンがセロさんについて語ったところによれば、どんな単純なマジックでもセロさんの手にかかれば鮮やかなマジックに変わり、分かりやすいタネのマジックでも全く分からなくできるような凄い人だということでした。
そして、セロさんは現在もあぐらをかくことなく、マジックの先を見続けていることをインタビューで明かしていました。
セロさんは現在のマジック系の番組が種明かしをする時代であることを嘆いており、夢を壊さないといけない時代になってしまったことは、マジックの本質を壊していると語っています。
セロさんのマジックは見たことも無い衝撃的なものが多かったため、その種明かしがされるとトリックのチープさが際立ってしまうため、現代の放送の在り方ではマジックの本当の楽しみ方に合っていないようです。
「ギターを買ったからギタリストになれるわけじゃないし、絵の具を買ったからアーティストになれるわけでもないじゃないですか。それはただの機材なんですよ、僕のマジックだってタネも仕掛けもあります。でも、どういう音楽を奏でるかがミュージシャンの仕事なのと同じで、僕はマジックで人に夢と感動と世界を作品としてお送りしたいんです。元気を出して貰いたいんですよ。「このマジックの仕掛けはなんだろう?」って思うよりも「楽しかったね!また行きたいね!」って今日の一日の嫌なことを一瞬でも忘れて欲しい。それが出来たら僕のゴールだと思ってます。それがこれからのマジックに必要なことなんじゃないかなって思います」
心霊現象のように幽霊が本当にいるのかを勘繰ると興ざめしてしまいますが、マジックにも同じことが言えるのかもしれません。
セロさんは魔法使いではなく、トリックを操るマジシャンなので、種があるからやらせということはそもそもお門違いであり、見る側も騙されるつもりでショーを楽しむべきなのでしょう。
昔「セロ」というマジシャンがいて、凄腕でテレビに出まくっていたのに今となっては全く見かけないし存在すら忘れていたの不思議じゃないですか?
— しらたき (@shirataki2223) June 24, 2019
実はこれ3年前に「人々の記憶から存在を消す」というマジックを行なったせいなんですが、先ほど存在を思い出してしまったので次に消されるのは僕かもしれ pic.twitter.com/aVrv1WTwuI
マジシャン・セロについてまとめると…
・セロは日本人の父親とモロッコ系母親のハーフである
・セロは2014年の生放送で平愛梨に種明かしをされ、やらせ疑惑が浮上したこともありテレビから干されたと噂されていた
・セロは現在も海外でのショー出演やマジック監修を務め、自身の日本公演も大盛況である
2000年代に一世を風靡したマジシャンのセロさんについてご紹介してきました。
テレビでセロさんのようなマジシャンの時代が終わったのも、視聴者がより現実主義的になっている表れなのかもしれません。