当時人気を博したリアリテイ番組『マネーの虎』で、応募者に厳しい発言を浴びせる”冷酷な虎”として有名だった社長の南原竜樹さん。
最盛期は年商100億円でしたが、そこからマイナス100億円に転落し一時はホームレスにもなったことを明かし話題となりました。
南原竜樹さんのマイナス100億円への転落の経緯、現在についてまとめてみました。
この記事の目次
南原竜樹のプロフィール
南原竜樹の経歴!出身大学や結婚情報も
本名:南原竜樹(なんばら・たつき)
生年月日:1960年5月29日
出身地:岡山県
学歴:愛知工業大学
結婚歴:なし(現在も独身)
大学時代から車に熱中し、卒業旅行のつもりで行ったドイツでディーラー巡りをした際、その日本との価格差に衝撃を受け自動車の輸入販売ビジネスで起業。バブル真っ只中の1988年2月12日にオートトレーディングルフトジャパン株式会社を設立しています。
アルファロメオの代理店「チェッカーモータース」の買収や、イギリスのスポーツカーメーカーであった「TVR」および「AC Cars」の輸入権の獲得、2003年には「ロータス」や「MGローバー」の輸入権獲得など、じきに年商は100億を超え、事業は順調に拡大していきました。
2001~2004年に放送された人気リアリティ番組『マネーの虎』にも出演し、笑顔を見せず、応募者に厳しい意見をするキャラクターとして、“冷酷な虎”の呼び名で一躍有名になりました。
『マネーの虎』
南原竜輝さんは応募者に投資をする「虎」側で出演。
南原竜樹さんが登場してからは、虎同士の対立も激化していったと言われています。
株式会社LUFTホールディングス
2020年に還暦を迎えた南原竜樹さんですが、これまでに結婚したことはないようです。
南原竜樹、年商100億円からホームレスへ転落
南原竜輝さんは2016年9月に、バラエティ番組『しくじり先生』に出演。
『マネーの虎』出演のその後、年商100億円からホームレスへ転落していたことを明かしました。
26日に放送されたテレビ朝日系「しくじり先生 俺みたいになるな!! 3時間スペシャル」に、かつて日本テレビ系「マネーの虎」に出演していた輸入車販売業の南原竜樹氏が「しくじり社長」として出演した。年商100億円からマイナス100億円の損害を出してしまい、ホームレスに転落した経験を告白した。
ローバーの破綻で経営が悪化、全社員263人を解雇
手掛けていた自動車輸入業が波に乗り、順風満帆に見えていた南原竜樹さんですが、2005年のローバーの経営破綻をきっかけに事態は一転します。
私の人生は、番組終了から約1年後の2005年4月にローバーが経営破綻したことで一変しました。ローバーの工場はもぬけの殻と化し、再建は不可能でした。輸入代理店である弊社は大量の在庫を抱えていましたが、アフターフォローもなくなることから新車としての価値はなくなり大幅な減損処理を余儀なくされました。
経営をしながら、ピーク時は100億円の借金を背負い返済していたという南原竜樹さんですが、経営の柱だったローバーを失ってしまいその目処が立たなくなってしまいます。
その地点で30億円の借金を抱えており、ローバー分の損害額は100億あったと語っています。
しかし、倒産は会社の歴史を捨てると同時に、多くの人に迷惑をかけることになります。私は借金を返し、会社を再建する道を模索しました。それには、規模を小さくしてゼロからやり直すしかありませんでした。全社員263人を解雇する日、最後の挨拶をした時には涙が溢れました。事業もカネも失いましたが、人を失うことの辛さは何と表現していいか未だにわかりません。
ローバーの破綻直後は、全社員を路頭に迷わせるわけにはいけないと何とか奮闘しようとした南原竜樹さんでしたが、ある日自分のデスクに「男の引き際」という本が置かれており、これを社員からのメッセージだと受け止め、ついに全社員263人に「1ヶ月で解雇する」と告げたそうです。
このときが「人生で一番つらかった」と語り、最後の挨拶の際には涙が溢れたと語っています。ローバーの破綻から解雇まで、わずか5週間のことでした。
これまでの仕事上の繋がりなどから、ほとんどの社員は別の会社に雇われていき、その様子を見て初めて、「無能だと思っていた部下は有能だった」ことに気づいたそうです。
当時の南原竜樹の社員に対する考え方はブラック企業そのもの
そんな社員に対し、事業が順調だった頃はひどい考え方をしていたと明かしています。
社員への考え方もしくじっていたと告白
当時は、「働いてもらっているのではなく、働かせてやっている」と思っていたと告白。
「給料をあげて食わせてやっている」と思い、感謝の気持ちも抱いてなかったと語りました。
【南原竜樹の部下に対する考え方】
・「この無能野郎どもが」
・「社員は私の思い通りに動く駒」
・社員は「24365部隊」=24時間365日働けと思っていた
また、「上司が絶対にやってはいけないしくじり行動ワースト3」として、次のようなことをしていたと明かしました。
3位 :部下を絶対に褒めない
2位 :部下の意見は間違いだと決めつける
1位 :部下のプライベートを無視して出張命令を出す
当時は「リーダーズ・ハイ」だったと語る
このように、ストイックな自分がかっこいいなど、悦に入っている状態のことを、南原竜樹さんは「リーダーズ・ハイ」だったと語りました。
「リーダーズ・ハイ」の例として、元AKB48高橋みなみさんの名前があがる一幕も。
3位:1人でしゃべる自分に酔いしれる
2位:遊んでる社長をバカにする自分に酔いしれる
1位:部下が帰りにくいオーラを出す自分に酔いしれる
「リーダーズ・ハイ」の一般例
何かある度に学校にクレームを入れるママ友リーダー、卒業したのに部活に顔を出す元部活リーダー、など。
これらのエピソードにはMCのオードリー若林正恭さんを始め生徒役は全員ドン引きし、「私みたいな社長どう思いますか?」という南原竜樹さんの問いかけに対して、AKB48の横山由依さんは「嫌ですね」と答えています。
ゆいはん「嫌ですね」#横山由依#大家志津香 #しくじり先生 pic.twitter.com/qla4a1hwPF
— けー⛄@10/9パシ横 (@kei19850203) 2016年9月26日
こうして見ると、南原竜樹さんの社員に対する考え方は今で言うブラック企業の社長そのものですね。
孤軍奮闘の借金100億円、ホームレス生活へ
ここから、1人になった南原竜樹さんの孤軍奮闘が始まります。
どん底になり、45歳でネットオークションで会社の備品を売る、1日1個の菓子パン、求人誌で仕事を探す毎日だったという。就職しようとしてもマネーの虎にでていた社長なんて使いづらいと断られ、六本木ヒルズの敷地内で野宿をすることになってしまった。
給料などもちろんないため、会社の備品であるオフィス机とイスを1セットずつネットオークションで売ってその売上を生活費に充て、菓子パン1つで1日をしのぐこともあったと言います。
求人誌で仕事を探し面接に行っても、「社長だった人間は扱いづらい」と雇ってもらえなかったそうです。
当時住んでいた六本木ヒルズのマンションも住めなくなり、その下の公園のベンチで夜を明かそうとしたところ、「私有地だから寝るな」と警備員に追い出され、バス停のベンチで夜を明かしたこともあったそうです。
南原竜樹さんは「住所不定」となり、一時期ホームレス状態だったと語っています。
#しくじり先生 #マネーの虎
— 情報Lock-ONアシスタント (@infoLOCKz) 2016年9月26日
ホームレスになった気持ち#いいねした人全員フォローする pic.twitter.com/cTDIFS4l82
南原竜樹、マイナス100億円から再び年商100億円へ
ギリギリの状態が続いていた南原竜樹さんですが、返済を続けながら1年経った頃、手元に資金がなくならないうちにと、いよいよ復活に向けて動き出します。
先の南原竜樹氏ですがどのように復活したかを見ますと、もともと経営手腕が劣っていたから破綻したのではないので、元手のいらない人材派遣業の成功を切っ掛けにして事業を広げ次々に規模を拡大しています。
まず始めは、少ない資本金で始められる人材派遣業を知人の会社の一角を借りて開始。すると、高齢化社会のニーズに合わせた医療・介護に力を入れた人材派遣業が軌道に乗り始めました。
その後旅館の再建、レンタカー事業、飲食店など幅広い事業を展開していき、なんと社員3000人、再び年商100億円に復活したと明かしました。
経営するパーソナルジムでは自ら実験台に
手掛けている事業のひとつ、パーソナルジム「Livito」では自らの身体を実験台にしトレーニング。
その結果肉体改造に成功し、体脂肪率は1ケタになったそうです。
事業再建の際には、当時馬鹿にしていた社長が助けてくれたエピソードや、解雇した4人の社員が自分の元へ戻ってきてくれたことを明かし、感謝の意を述べながら涙を浮かべました。
駒のように使っていた社員が 4人だけ、戻ってきてくれた…
— ogatchi 900(RN オガッチ) (@ogatchi_900) 2016年9月26日
この話に泣いた…😢#南原竜樹 #しくじり先生 #テレビ朝日 pic.twitter.com/eJSl8rxK6e
南原竜樹「社員は一番の財産」だと語る
現在はかつて”冷酷な虎”と呼ばれていたとは思えないほど、笑顔で社員に接し、社員の意見も聞くなど経営を社員に任せているという南原竜樹さん。
「社員は一番の財産」
転落の経験で得た教訓は、「経営の成功の鍵は部下を信頼する覚悟」だと南原竜樹さん。
「社長にとって社員は一番の財産である」とも語りました。
今では、「みんなが楽しく働ける会社を目指している」そうです。
人はこんなにも変化を遂げるものなのですね!また、マイナス100億円からの復活は、もともと取引先きっかけによるもので経営力からの破綻ではなかったため、南原竜樹さんの手腕の凄さを感じますね。
『マネーの虎』では後に転落した「虎」が少なくないと言われていますが、南原竜樹さんはその中でも転落からまさに逆転復活を遂げた、数少ない1人と言えそうです。
南原竜樹の復活劇に対するネットの反応
この復活劇に対し、ネット上では「ホームレスじゃなかった」「すごい」「人は変わるものだ」などの声が寄せられていました。
ちょっと!ホームレスじゃなくて奇跡の大逆転なの?!南原社長はホントに虎なんだわ😱#しくじり先生
— 韓ドラ大好きT嬢 (@ojyout) 2016年9月26日
マネーの虎は見てなかったからよく知らない人だったけど、南原社長の話が今までで一番面白かったわ。すごいV字人生。 #しくじり先生
— ハピネスヒル (@happinesshi11) 2016年9月26日
虎社長の過去と今とでは、なんだか同じ人物には見えないくらい顔つきが柔らかくなりましたね。#しくじり先生
— にぶちん (@nibutin_k117) 2016年9月26日
マネーの虎はよく見てたけど、この人ホームレスまで落ちてたとは。冷たくて偉そうだったけど、人は変わるものなんだな。/南原竜樹(マネーの虎)がしくじり先生に!借金100億から年商100億へⅤ字回復! https://t.co/Fw2Tvnqjba
— イナゴ@Ⅱ-V (@anthony_24) 2016年9月26日
南原竜樹の現在!代表取締役兼YouTuber
南原竜樹さんは現在も株式会社LUFTホールディングスの代表取締役を務めており、飲食業や人材派遣業など手広く事業を展開しています。
現在は、
・向月(こうげつ) 寿司屋
・らんたん ステーキ屋
・龍星(たつぼし) 焼き鳥屋
これらの飲食店の経営に加え、自動車の輸入で培ってきたノウハウを活かし、人材派遣業などの事業をおこなっている。
そんな南原竜樹さんは2020年5月、自身のYouTubeチャンネルに「【冷徹の虎】南原竜樹、再始動」と題した動画を投稿し、本格的にYouTuberとしての活動を始めました。
出典:https://net.keizaikai.co.jp/
YouTuberとして本格始動
以前にもYouTubeチャンネルに動画をあげたことがあったという南原竜樹さん。
久しぶりに見てみるとその動画の再生回数が70万回にもなっていたそうです。
そこから、YouTubeの面白さや魅力にハマり、現在ではビジネス系YouTuberとして9万人を超える登録者数を誇るまでになりました。元マネーの虎たちとのコラボ企画なども人気の秘訣となっているようです。
新型コロナウイルス感染症が流行になり、海外の仕事が当分できそうにない状況になりました。会社に引きこもって何かやろうと考えたときに、昔々YouTubeに1本動画をあげていたけれども、どうなったかなと思って見たら70万回再生になっていたんです。じゃあ、これちょっと面白いよねと。最初はお金が欲しいんじゃなくて、単なる面白さからはじめました。今ではこれを起業にどうコンサルできるか、いろいろアイデアが出てきて、YouTubeまわりの楽しいことが一杯ありますし、ビジネスもできる楽しさもあります。
南原竜樹さんはYouTuberとしての活動を始めたことで、思った以上に時間はとられるものの「凄くたくさんのものが見えて」きたと語っていました。経営者として酸いも甘いも嚙み分けた南原竜樹さんですが、現在はYouTuberという仕事にやりがいや面白みを感じているようです。
「以前のようにたくさんの社員の人たちを抱えてやるっていうのは、もうやめようと思っています。小さな会社で強くて面白いことをやりたいなと思っています。
僕は、第4クオーター。
第1(クオーター)は学生、第2(クオーター)は車屋さん、第3(クオーター)はいちおう大企業みたいな感じ。
今は60歳を過ぎて第4クオーター。
そこを面白くやるために、YouTubeという面白いものを見つけたから、このYouTubeを生きがいにやっていこうかなと考えています。」
2021年からはTikTokも始めたという南原竜樹さん。2020年に還暦を迎えましたが、まだまだ新しいことに挑戦していく姿勢はさすがですね。