兵庫県神戸市のヤマト運輸の集配所「神戸北鈴蘭台センター」で、女性1人が殺害され、男性1人が怪我を負わされた事件の犯人・筧真一が注目されています。
ここでは筧真一の犯行動機とされる解雇やその理由、ヤマト運輸に勤める前の生い立ちや経歴、双子の弟など家族や出身高校、発達障害持ちの噂、そして懲役27年判決など現在についてまとめました。
この記事の目次
筧真一(ヤマト運輸殺傷事件の犯人)の起こした事件の概要
最初に、筧真一が起こしたヤマト運輸殺傷事件の概要を見ていきます。
2020年10月6日の早朝午前4時過ぎ、兵庫県神戸市北区の山間にあるヤマト運輸の集配センター「神戸北鈴蘭台センター」に、元従業員の筧真一(当時46歳)が押し入り、パート従業員の女性、廣野真由美さん(当時47歳)が、全身数十箇所を包丁で滅多刺しにして殺害し、別の男性従業員(当時60歳)にも怪我を負わせました。
犯人の筧真一は、2人を殺傷した後、軽自動車(ダイハツミライース)を暴走させて逃げる男性を追いかけ、周囲に積まれていた宅配物や事務所の壁に車をぶつけるなどしました。さらに筧真一は、被害者男性の通報によって駆けつけた警察車両にも車を衝突させるなどしその場で公務執行妨害で現行犯逮捕されました。
出典:https://cdn.statically.io/img/izu-is.com/
警察によれば、殺害された廣野真由美さんは、出勤直後に車から降りた瞬間に待ち伏せていた筧真一に襲撃され、抵抗する際にできる防御創がなかった事から、抵抗する間も無く殺害されたと見られるという事です。
出典:https://cdn.statically.io/img/izu-is.com/
警察が現場に駆けつけたときには、廣野真由美さんには包丁が突き立ったままになっており、一部の傷は腹部から背中まで貫通しており、ほぼ即死状態だったのではないかとする見解が示されています。
同年10月8日、兵庫県警捜査1課は男性に対する殺人未遂容疑で筧真一を再逮捕しています。近いうちに廣野真由美さん殺人の容疑でも逮捕されると思われます。
筧真一(ヤマト運輸殺傷事件の犯人)の犯行理由・動機は解雇
元職場であるヤマト運輸の集配センターを襲撃し、元同僚2人を殺傷した筧真一ですが、実はこの犯行前日の2020年10月5日にこの職場を解雇されていた事が明らかになっています。
筧真一は、このヤマト運輸の職場に2年半勤務していたという事ですが、以前から勤務態度が悪いと問題になっており、事件前日には被害者の男性従業員から荷物の扱いが雑だと注意を受け激昂し、取っ組み合いの喧嘩になりかけたという事です。
その喧嘩の間に入って止めたのが殺害された廣野真由美さんで、そのときに筧真一が振り回した腕が身体にあたり、これがヤマト運輸から暴行とみなされて解雇処分になったという事です。
ヤマト運輸はその日のうちに母親に電話で解雇を通知したという事で、母親づてに解雇処分を伝えられた筧真一は同日夕方にホームセンターへ行き、包丁2本と木製バットを購入し、翌日未明に配送センター駐車場で待ち伏せ、廣野真由美さんを襲撃して殺害後、男性従業員にも襲いかかったという事です。
筧真一は逮捕後、兵庫県警の取り調べに「解雇されて腹が立った。あの2人のせいで解雇されたと思い殺害するつもりだった」と供述しています。また、2人を殺傷後に車を暴走させ宅配物や建物に衝突させた事については「荷物やパソコンや車を潰すつもりだった」と供述しており、ヤマト運輸自体に対しても強い恨みを抱いていたようです。
本人が供述している事から、筧真一の犯行理由・動機は会社を解雇された事による怨恨で間違いないと思われます。
ヤマト運輸の解雇の仕方については、元ヤマト運輸でセンター長をしていたという方がTwitterで以下のようにつぶやいていました。
ヤマト運輸の元従業員が解雇された翌日に事件を起こすかぁ。
— 時未来@南国リタイア (@tokimirai) October 6, 2020
ヤマト運輸でセンター長をしてたから分かるけど、ヤマト運輸って解雇の方法がエゲツないんよね。
派遣を今日限りで全員解雇してくださいって指令が上からいきなり降りてくるから現場の責任者も大変。いきなり切られる人も大変。
ヤマト運輸側からの突然の解雇宣告も事件を誘発したのでは?とヤマト運輸への責任を指摘する声も上がっていますが、今回の凶悪な犯行内容を見る限り、以前から筧真一は職場でトラブルを繰り返しており、この件を理由についに解雇に踏み切ったと見る方が自然でしょう。
殺害された廣野真由美さんは筧真一を庇っていた?
ヤマト運輸は、前日の騒動後に廣野真由美さんに被害届を警察に提出するように勧めたとの情報も上がっています。しかし、廣野真由美さんは警察には相談に訪れたものの「たまたま腕が当たっただけで、普段の筧真一との関係も悪くないから」と被害届を出す事を拒んだそうです。
警察関係者によれば、明らかに廣野真由美さんは筧真一を庇っているように見えたという事で、筧真一は勘違いによって廣野真由美さんを殺害したのではないかという事でした。
筧真一(ヤマト運輸殺傷事件の犯人)は発達障害で職場いじめを受けていたとの情報も
出典:https://image.news.livedoor.com/
殺害された廣野真由美さんが、前日の騒動時には筧真一を庇っていたという情報が出ている一方で、匿名掲示板「爆サイ」では、筧真一には発達障害があり、そのせいで職場で長年いじめられていたという情報が上がっています。
そして、廣野真由美さんもこの筧真一へのいじめに積極的に参加していたとの内容が具体的に書かれていました。廣野真由美さんが被害届を出す事を拒んだのは、この発達障害を持つ筧真一さんへのいじめ行為が発覚する事を恐れたためではないか?との見方も出ているようです。
ただ、これはあくまでも匿名掲示板で証拠も示さずに流された情報であり信憑性が高いとは言えません。
仮に書かれていた事が事実であったとして、筧真一には以前の職場でもトラブルが絶えず解雇されていたとの情報や、騒音トラブルを起こした引っ越したという情報、過去に警察官を暴行して公務執行妨害で逮捕されたとの情報などが次々と上がっているため、筧真一の人間性に問題があった事は疑いようがありません。
ただ、こうした問題行動に例えばアスペルガー症候群のような発達障害が関係してる可能性は確かに考えられます。
しかし、仮にそうしたトラブルに発達障害が関係していたとして、さらには発達障害が原因で職場いじめにあっていたとしても、それが人を殺害して良いという理由にはならないでしょう。
筧真一は警察からの送検時笑顔でカメラにピースサイン
2020年10月9日、筧真一は神戸県警から送検されましたが、その際にカメラを向ける報道陣に満面の笑みを浮かべ、ピースサインをして見せています。
また、警察からマスクやフードの着用を勧められたのを筧真一は拒否したとの情報も出ています。
この狂気を感じる笑顔が何を意味するのかは不明ですが、恨みを晴らしたという歓喜の笑顔なのか、開き直りなのか、いずれにしてもかなり不気味です。
筧真一(ヤマト運輸殺傷事件の犯人)の生い立ち・経歴
出典:https://cdn.statically.io/img/izu-is.com/
筧真一の生い立ちや経歴については現在のところはかなり情報が少ないのですが、これまでに明らかになっている情報をまとめていきます。
筧真一は2020年10月の犯行時の年齢が46歳と報じられているので、1974年か1973年の生まれという事になります。
ヤマト運輸に勤める前の筧真一の経歴についてはほとんど何もわかっていないのですが、2008年頃から1年ほど運送会社に勤めていた事が当時の勤務先の社長へのインタビューから判明しています。
同容疑者が2008年ごろから1年ほど勤めていた運送会社社長の男性(55)も「おとなしく、引っ込み思案」との印象が強い。事件を知って履歴書を見返したが、「彼の記憶はそれほど出てこない」と首をかしげる。
印象は大人しくて引っ込み思案。記憶がほとんど出てこないという事なので、この当時はトラブルなどは起こしていないようです。ただ、1年ほどで辞めているという事なので仕事が続かず点々としていた可能性も考えられます。
また、おそらく上の職場とは別の勤務先での話だと思われますが、会社の敷地内で車の運転をミスして社長に怒鳴られ、それに逆ギレしたため解雇されたという情報もあるようです。
その他にも事件から10年ほど前に筧真一が勤めていた職場の元同僚からの「大人しくて真面目でトラブルもなかった」という印象が語られているため、この10年ほど前に勤めていた会社もまた別の会社だと考えられます。
このように複数の元職場の関係者からの証言が上がっている事から、筧真一はあまり仕事が続かず職場を転々としていた可能性が高そうです。
また、こちらはネット上のみの情報になりますが、学生時代の筧真一は明るい性格でパワフル、双子である事をネタにされるなど人気者だったが真面目で彼女はおらずいつも双子の弟と一緒にいたとの情報が上がっています。こちらの情報については適当に捏造された感があり、あまり信用度は高くないかもしれません。
筧真一(ヤマト運輸殺傷事件の犯人)の出身高校
筧真一の出身高校などの学歴も現在のところ一切判明していませんが、筧真一の自宅は、犯行現場の集配センターから車で5分ほどの「神戸市北区甲栄台1」にある団地だと報じられており、その団地の別の棟に母親と兄弟が住んでいる事も明らかにされています。
ここが生まれ時から住んでいる実家だとすれば、出身高校もこの付近の高校である可能性が高いいのではないかと推測されます。
この付近の高校としては「兵庫県立神戸甲北高等学校」、「神戸弘陵学園高等学校」、「兵庫県立神戸鈴蘭台高等学校」、「兵庫県立鈴蘭台東高等学校(閉校)」などがあります。
筧真一(ヤマト運輸殺傷事件の犯人)の父親と母親や双子の弟など家族
筧真一の家族としては、母親と双子の弟の存在が明らかにされています。ネット上では筧真一と双子の弟の中学時代の卒業アルバムの顔写真なども流出しているようです。(上の画像)
筧容疑者は、事件現場の同センターから北西約1・5キロのマンションに1人で暮らしていた。住民らによると、近くに母と双子の弟も住んでおり、3人で仲むつまじく出掛ける様子が目撃されていた。同じマンションに住む女性(82)は、夜遅くに出掛け、朝方に帰宅する筧容疑者をよく見ていた。「あいさつをしたら返してくれる、物静かな人」と話す。
筧真一の母親については70代で、筧真一と双子の弟と3人で仲良さそうに出かける様子などが頻繁に目撃されていたようです。
父親など筧真一のそのほかの家族の情報は全く出ていません。母親と弟の住む近くで一人暮らししていたという事なので結婚はしておらず独身だったようです。
筧真一(ヤマト運輸殺傷事件の犯人)の現在…裁判で懲役27年の判決
2022年2月3日、筧真一に懲役27年(求刑・懲役28年)の判決が下されています。
裁判では犯行の動機が争点となりましたが、判決で神戸地裁は「女性従業員への恋愛感情や男性従業員への不満から、2人が結託して被告を退職に追い込んだと思い込んだ。2人には落ち度がなく、強固な殺意に基づく執ようかつ残忍な犯行だ」などとして、筧被告に懲役27年を言い渡しました。
判決を言い渡された後、筧被告は「死刑にしてくれたらよかったのに。喜んで死んでやる」などと発言しました。
筧真一は判決後に法廷で声を荒らげるなどし、最後まで謝罪の言葉はありませんでした。筧真一の発言に耐えられなくなった遺族が公判中、怒りをあらわにする場面もあったといいます。
まとめ
今回は、ヤマト運輸の集配所「神戸北鈴蘭台センター」を襲撃し、女性従業員廣野真由美さんを殺害し、男性従業員1人にも怪我を負わせ逮捕されたこの集配所の元従業員・筧真一についてまとめてみました。
筧真一は、犯行の前日にこの集配所を解雇されており、それを恨みに思って凶行に及んだようです。解雇の前日、筧真一は被害者の男性従業員と荷物の扱いを巡ってトラブルになって掴み合いの喧嘩になりかけ、それを止めに入った廣野真由美さんに振り払った手が当たった事で、それが暴行と判断され解雇されたという事です。
筧真一は以前から問題行動が多かったようで、以前の職場もトラブルを起こして解雇された経歴があるようです。また、仕事も長く続かず職場を転々としていたようで、何らかの発達障害を持っている可能性も指摘されています。
筧真一の家族は、70代の母親と双子の弟がいる事が明らかになっており、元々、母親と双子の弟と共に「神戸市北区甲栄台1」にある団地に住んでいましたが、2年ほど前に騒音トラブルを起こして同じ団地の別の棟に筧真一だけ引っ越したという事です。
筧真一はその後の裁判で懲役27年の判決となりましたが、「死刑にしてくれたらよかったのに。喜んで死んでやる」と反省の色を見せていません。