「福知山花火大会露店爆発事故」は、2013年に京都府で開催された「福知山花火大会」で発生した露店が大爆発した事故で、死者3名・負傷者56名という大惨事となってしまいました。
今回は、福知山花火大会露店爆発事故の概要と原因、加害者であり犯人・渡辺良平のその後と現在について調べてみました。
この記事の目次
「福知山花火大会露店爆発事故」の概要~死者3名・負傷者56名の大惨事
2013年8月15日、ドッコイセ福知山花火会で露店が大爆発
京都府福知山市の由良川河川敷で開催された「ドッコイセ福知山花火会」は1932年から続いている北近畿地区最大級の花火大会の1つだそうです。
毎年10万人をも超える賑わいを見せているこの花火大会は、神輿や灯篭流しなどの催し物が行われた後に、総勢6,000発の花火が1時間半にわたって打ち上げられ、その際、由良川の河川敷には屋台が300店ほど並んでいました。
その花火大会が始まる直前の2013年8月15日19:30頃、ベビーカステラの屋台の近くで突然爆発が起こり炎上してしまい、露店3つが燃え、死者3名、負傷者56名を出す大惨事となってしまいました。
15日午後7時半ごろ、京都府福知山市の由良川河川敷で、福知山花火大会の開始直前に露店で爆発が起こった。京都府警などによると、少なくとも35人が病院に搬送された。多数のけが人が出ているもよう。
花火大会を主管する福知山商工会議所によると、花火の打ち上げ場所の向かいのメーン会場で、露店のプロパンガスが爆発した可能性がある。
福知山市消防本部などによると、事故で見物客ら3~85歳の計59人が負傷。うち19人が全身やけどなどを負い、10代の男性を含む5人の症状が特に重いという。
3店は隣接。ベビーカステラと鉄板焼きとみられる露店は焼失して骨組みだけで、飲み物の店は屋根を覆うシートが残り、それぞれ店の脇に3つ、形をとどめたガスボンベが残っていた。
事故映像※閲覧注意
「福知山花火大会露店爆発事故」原因~救助の遅れが被害を拡大?
事故原因は炎天下に放置した給油用のガソリン缶
給油用のガソリン缶が異常な高温になっていた…
このような大惨事へとなった原因は、炎天下に長時間置かれていたことに加えて、発電機から発せられる熱風がガソリンの入った携行缶に浴びせられ続けたことで携行缶が高温になっていたことから気化が進んだと見られています。
露店の店主が露店裏に置いていた発電機に給油しようとした際、携行缶からガソリンが噴出。付近の見物客にかからないよう店の方に振り向けたさい、ベビーカステラ焼き器の火に引火したとみている。
引用:死亡の竹内さん、最初の爆発で全身に炎 ガソリン浴びる?
河川敷に立ち並んだ露店が救助の妨げになっていた
救急車が遅れたり、救助する人員も足りなかった…
当時の現場は河川敷に露店が立ち並んでいたため、通路が混雑しており負傷者の搬送が遅れてしまったともいわれています。
福知山消防署や関係者などが積極的に情報提供していたこともあって、現場での活動の様子などが多く報道されていました。
その中で、福知山消防署は「現場では混乱を極めていたため、本来現場で行うべきトリアージを断念し、一気に病院へ搬送した」としています。
「福知山花火大会露店爆発事故」の犯人~加害者・渡辺良平が実名報道されない理由
加害者・渡辺良平に禁錮5年の実刑判決
福知山花火大会露店爆発事故の犯人・渡辺良平
事故当初、福知山花火大会露店爆発事故の犯人で加害者の「渡辺良平」の実名は報道されませんでした。
刑法犯だからといった理由で、マスコミなどがその名前を全国ネットで報道する義務は、ありませんし、逆に単なる”容疑者”という段階で、確定したかのように全国ネットでその名前から、犯人の生活の状況まで克明と晒す方が、ある意味悪質だと捉え、おそらくそれたの点などから報道に関しては慎重だったのかもしれません。
また、今回は加害者であり犯人となってしまった渡辺良平も重症で、状況によっては被疑者死亡のまま書類送検になる可能性もありました。
少なくても、この当時すぐに聞き取り調査もできない状態だったそうで、起訴・不起訴の判断もできない状況でした。
その後、渡辺良平は全治2か月の火傷から回復し,「禁錮5年の実刑」を言い渡されました。
「重大なミスを犯してしまったことに対して、申し訳ない気持ちでいっぱい」。会見に臨んだ渡辺被告は改めてそう語るとうなだれた。
その日行われた論告求刑公判では検察側は、禁錮5年を求刑したが、「どのような判決が出ても受けいれる」とも話した。
平成25年12月の初公判では起訴内容を全面的に認めた上で「生涯をかけて謝罪と賠償に努めたい」と書面を読み上げ、被害者参加制度を利用して公判に参加した被害者や家族に深々と頭を下げた。
マスコミが犯人を実名報道しなかった理由
実名報道しなかったのは、黒い関係があったから?
前述でもお伝えしてきた通り、前代未聞の大惨事を引き起こしてしまったにも関わらず、大手マスコミなどは、加害者について積極的に報道しようとしませんでした。
その背景には、花火大会を実行した福知山商工会議所と露店組合、そして地元警察を結んだ複雑な裏事情が隠されているからでしょう。
各都道府県には露店商の集まりである神農組合がある。表向きは露店商の組合なので個人加盟も多いが、実際には「テキヤ」をシノギとする指定暴力団に属している人間も数多くいる。その実態はフロント企業そのものだ。露店の種類や場所は地元の顔役である暴力団が仕切ることになり、素人は口を挟めない。売り上げが上がりそうな場所、売れそうなネタは暴力団関係者に独占されることになる。
今回、出火元になった「ベビーカステラ」は、テキヤ業界でも粗利が大きいことで知られている。また、出店していた場所も観客の真後ろという最高に恵まれた場所だった。これが何を意味するかは説明の必要もないだろう。実は、この露店商を仕切っていたのは某広域指定暴力団だったのだ。露店商の素性が「暴力団関係者」と報道されるのは福知山市、福知山商工会議所、地元警察にとって好ましくない。
「暴力団関係者がいない」と判断し、許可を下していたのは、ほかならぬ福知山商工会議所と地元警察だったのです。
すでに、火元の露店商は「ベビーカステラ」だったにも関わらず、実際の申請には「タコ焼き」と記入されていた虚偽申請の疑いも浮上している。また、事故の後、このタイミングで福知山の隣、兵庫県の「県神農商業協同組合」が暴力団員に用心棒代を支払っていたとして解散を届け出ることが報道された。
すでにこの事故は、黒い疑惑で溢れ返っているのだ。
大手メディアなどは、”ガソリンがどのようにして引火した”という事ばかりを詳しく報じていましたが、本来であれば問題にすべき点はそこではないはずです。今後は、行政と闇社会とを結ぶ闇を明らかにしなくてならないでしょう。
「福知山花火大会露店爆発事故」の被害補償額と示談金
露天商組合加入の損害保険では払いきれない賠償金に
金融機関から借入れるしかない状況に…
事故を引き起こした露店商組合が加入していた損害保険の上限はわずか1,000万円だったそうで、どう考えても足りない金額だったそうです。
花火大会として加入している保険は10億円まで支払いが可能だそうですが、それは「実行委員会」に問題があった場合のみという内容だったので、今回の事故のように屋台の店主に問題があった事故では適用できませんでした。
そのため実行委員会の福知山商工会議所が自己資金として、医療費などの補償をすることになりましたが、それでも6,000万円ほどだったそうで全然足りませんでした。金融機関などから借入れるなどするしか、他はなかったようです。
主催者関係者によると、火元となったベビーカステラの露店が所属していた「京都宮津神農協同組合」が加入していた賠償責任保険は、事故全体で上限1千万円と、大事故を想定したものではなかった。一方、実行委が加入する「花火大会賠償責任保険」の支払い枠は総額10億円で、1人当たり5千万円。ただし、花火事故を想定しているため保険が適用されるかどうかは不透明な上、仮に適用されても満額補償できる可能性は低い
福知山花火大会露店爆発事故の示談金総額は1億3千万円
示談金は総額1億3千万円!
事故から1年ほど経過した2014年8月に、犠牲者2人の遺族を含む被害者17人との示談が成立したというニュースが報道されました。
その際に「示談金は総額1億3千万円で、商工会議所の積立金6千万円と市民らの支援金2800万円のほか、金融機関などからの借入金などを充てた」とのことでした。
ですが、この時点ではまだ犠牲者の1人と40人の負傷者との成立しておらず、交渉は長期化する見込みとのことでした。
単純に計算すると、示談成立者で総額を割れば760万円ほどになります。示談金を見ると少いと感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
40名が成立していない理由も分からないでもないですが、特に亡くなられた2名の方は、示談金としてはかなり少なかったと思われます。
2015年で示談成立は半数ほど、2017年8月の時点で51人と成立し、その後は残る6名との話し合いがまとまったとの報道がありました。最終的には2018年の春まで掛かったので、およそ4年半とかなり長期に渡るものとなりました。
しかし、”これでようやく合意ができた”というだけで、まだまだこれからと言えます。
「福知山花火大会露店爆発事故」のその後~被害者は後遺症に苦しんでいた
大やけどを負った被害者の現在
体の4割近くもヤケドした少年…
両手足に大やけどを負ったという、京都府北部の男性が産経新聞の取材に応じました。
そして、「包み隠さず当時の状況を説明することが、被害者へのほんのわずかな償いだ」と訴え、事故から約4ヶ月経過しても両足のふくらはぎには、黒く焼け焦げた痕が生々しく残り、今でも激痛に悩まされ、仕事にも復帰できていない状況だと語りました。
走り出した途端、両足に焼けた鉄板を押し付けられたような激痛が走り、つんのめるように前に倒れた。入院先の病院で最初の2週間は高熱にうなされ、毎日のガーゼ交換では激痛に顔がゆがんだ。激痛が一段落すると、今度は両手両足の猛烈なかゆみに悩まされ、睡眠もままならない日が続いた。10月17日にようやく退院した後も、定期的な診察を受けている。
農機具販売の自営業だが、両足のふくらはぎの奥が今も痛み、仕事に復帰できるめどは立っていない。
あれだけひどい事故を引き起こしながら、逮捕された当初、渡辺被告がガソリンの携行缶の蓋が勝手に開いた-と自分の過失を否定していたことについて、「自己保身が優先し、3人の犠牲者を出した重みを実感していないのではないか」と今も憤っている。
福知山花火大会露店爆発事故以降、花火大会が次々と廃止に
事故の代償は大きかった…
事故以降の「ドッコイセ福知山花火会」は、廃止となり翌年以降は開催しませんでした。2016年には地元のNPO法人によって打ち上げがありましたが、事故の遺族などからの否定的意見により、2017年以降にこちらも完全廃止となりました。
また、この事故の影響を受けて京都のもう1つの大規模な花火大会だった「宇治川花火大会」に関しても、最終的には廃止を余儀なくされてしまい、2018年以降は、京都の花火大会は小~中規模のものしか残っていなという状態になっいます。
「花火大会」という夏の風物詩が、これほどまでの自粛となってしまうと、本当に大きな影響を与えた事件だったと言わざるを得ません。
また平成25年に発生した台風第18号における災害の影響も受けて、福知山市では、それ以後に予定されていた催事が次々に中止(代替延期なし)や延期になりました。
以下の催事が中止や延期になっています。
・やくの高原祭り
・第17回くの一武道大会・丹波福知山の段
・「ゆるキャラ・ドッコちゃん着物デザインぬりえコンテスト」表彰式・お披露目
・体験講座「化石体験コーナー」
・第29回ふれあいまつり
・福知山市地域防災訓練
・リディア・バイチ&マティアス・フレッツベルガーデュオリサイタル
・元気いっぱい健康フェスタ2013
・北近畿の都 第10回福知山産業フェア
・第20回緑化祭り
・ミニSLフェスタin福知山
・姉妹都市「島原市友好親善訪問団」来福
・第32回大江山酒呑童子祭り
・2013三和ふれあいフェスティバル
・第29回夜久野農林商工祭
・第23回福知山マラソン・第14回全日本盲人マラソン選手権大会
上記のように数多くのイベントが中止を余儀なくなされました。
「福知山花火大会露店爆発事故」加害者・渡辺良平の現在
加害者・渡辺良平はすでに出所していた
福知山花火大会露店爆発事故の加害者・渡辺良平は、2013年に5年の実刑という判決が下り、現在は出所しています。人生をかけて謝罪と弁償をしていくと裁判で語っていた渡辺良平ですが、現在までに被害者への直接の謝罪はしていないようです。
『ザ!世界仰天ニュース』特集で加害者・渡辺良平に批判殺到
2019年10月8日に放送される
日本テレビ『ザ!世界仰天ニュース』が福知山花火大会露店爆発事故を特集し、話題となりました。
この番組が放送されると、ツイッターでは加害者・渡辺良平への非難が殺到。被害者へ「謝罪しろ」との声が溢れかえりました。
「謝罪しろ」視聴者大激怒!
視聴者からはツイッターで怒りの声が殺到しています。
この男、「人生をかけて謝罪と弁償をしていく」なんてほざいたみたいだけど亡くなった遺族への謝罪はまだしてないんだよな?
— じゅんにい (@heibon_010714) October 8, 2019
本当のクソ野郎だな!
#仰天ニュース pic.twitter.com/dFUAQU4s5V
これだけの大事故を起こしておきながら禁錮5年・・・
— 君の為なら茂 (@shigeru_foryou) October 8, 2019
ガソリン缶を開けるときはガス抜きをするのは普通
明らかに露天商のミスなのに遺族に謝罪が一言もないなんて
#仰天ニュース
自分からやらかした癖に、謝罪も無いわけ?一回注意されたんでしょ?なのに何の学習もせずにガソリンを周りにばら撒いて、それで死人が出てしまってるのに、謝罪無しとかただの人殺しじゃん。殺すつもりなかったとしても、やってる事はただの人殺し。#仰天ニュース
— アライルリ@小説家になろう (@ARIAIRURI) October 8, 2019
「福知山花火大会露店爆発事故」についてまとめると…
・福知山花火大会露店爆発事故は、店主がガソリン携行缶の取扱不注意により気化したガソリンが飛散し引火したことが原因である
・福知山花火大会露店爆発事故の犯人はベビーカステラを販売してい露天商の渡辺良平
・加害者・渡辺良平は禁錮5年の実刑を受け服役、現在はすでに出所している
・福知山花火大会露店爆発事故により、1932年から続いた「ドッコイセ福知山花火会」は廃止となった
・福知山花火大会露店爆発事故の被害者に加害者・渡辺良平からの直接の謝罪はなく、現在も被害者は後遺症に苦しんでいる
福知山花火大会露店爆発事故の概要と原因、加害者であり犯人となってしまった男のその後と現在について総まとめしました。
福知山花火大会の実行委員会の副事務局長が、「これで終息宣言とは思っていません」「実行委員会の事務処理や今後の方向性を決めることなど、すべきことはあります」と述べていたように、示談成立は1つの区切りではありますが、だからと言って全て終わったというわけではありません。
もう二度とこのような事故が起きないようにしてほしいですね。