Netflixの配信ドラマ「地面師たち」が面白いと話題になっていますが、この「地面師たち」の原作になったのが積水ハウス地面師詐欺事件です。積水ハウスの伝説の営業マンである藤原元彦氏は、積水ハウス地面師詐欺事件後のクーデターで退社しました。
藤原元彦氏の生い立ちや実家の親・家族、大学時代のこと、経歴や結婚の有無、積水ハウス地面師詐欺事件後の退社経緯と現在をまとめました。
この記事の目次
藤原元彦は元積水ハウスのエース&タカマツハウスの社長
出典:note.com
藤原元彦
生年月日:1962年9月8日
出身:神奈川県
所属:タカマツハウス
活動:実業家
藤原元彦氏は、大手住宅メーカーの積水ハウスで超一流&伝説の営業マンで常務執行役員に就任していましたが、2017年に起こった積水ハウス地面師詐欺事件をきっかけにして、2019年に積水ハウスを退社し、タカマツハウスの社長に就任しました。
大手住宅メーカー、積水ハウスでトップ尽くしの業績を残し「伝説のエース社員」と呼ばれた人物だ。
藤原元彦氏は伝説の営業マンであり、藤原元彦氏に心酔してタカマツハウスに入社を希望する営業職もいるとのことです。
藤原元彦の実家の親や家族と生い立ち
藤原元彦氏は神奈川県出身です。詳しい生い立ちや親・家族のことはわかりませんが、ご両親との関係は良好で、しっかりしたご両親だったことは間違いありません。
というのも、藤原元彦氏は子供の頃に母親が手作りしていた洋服を着ていたとのこと。
幼少期に母が作った服を着ていたということもあり、最初は洋服に興味を持ちアパレルへ。
引用:#9【社長対談Vo.3】藤原社長直伝、「数字を上げるコツ」とは? プライベートにも迫ります!|タカマツハウス株式会社
母親が藤原元彦氏に愛情をかけて育てていたことがわかります。「貧乏だから手作りの洋服」というわけではなく、愛情を賭けていたからこその「手作りの洋服」だったのでしょう。また、子供の頃に藤原元彦氏は父親と一緒に戸建ての建築工程を見に行くのが好きだったと話していました。
そんな時にふと、戸建ての建築工程を一緒に見にいくのが好きだったことを思い出したんです。
これらのエピソードから、藤原元彦氏はご両親との関係性は良好であり、安定した環境の中で成長してきたことがわかります。
藤原元彦の大学
藤原元彦氏は、1981年4月に拓殖大学商学部経営学科に入学しました。伝説の営業マンである藤原元彦氏ですが、意外にも「超一流大学」を卒業したわけではなかったようです。
ただ、ご本人は学歴に関しては、「もっと良い大学を卒業しておけば良かった」と思ったことはないと話しています。
〈社長〉僕は過去を美化しないし、やり直したいことは人生でひとつもないんです。勉強してもっといい大学を出ておけばよかった、というのもない。
引用:#9【社長対談Vo.3】藤原社長直伝、「数字を上げるコツ」とは? プライベートにも迫ります!|タカマツハウス株式会社
「拓殖大学商学部」に入学したからこそ、今の自分を形作ることができたという考え方ですね。
また、藤原元彦氏は大学に入ってからもサッカーを続けていたスポーツマンでもあります。
大学時代までサッカーをやっていたという自他ともに認める体育会系で、現在もトレーニングは欠かさない。
根っからの体育会系で、現在でもトレーニングを続けているからこそ、営業マンには不可欠な体力があるし、清潔感があるんですね。
藤原元彦の経歴
藤原元彦氏は1985年3月に拓殖大学商学部経営学科を卒業後、積水ハウスに入社しました。
元々、就職活動は衣食住のどれかで考えていましたが、幼少期に父親と戸建ての建築工程を一緒に見に行ったことを思い出して、住宅メーカーの積水ハウスを選んだそうです。
「私が就職活動をしたのはバブルの前の時代です。衣食住それぞれの業界を回りましたが、住宅メーカーがいちばん夢があると思いました」(藤原氏)
新卒で配属されたのは宇都宮営業所で、そこから営業で実績を残し、次のような役職を歴任していきます。
・宇都宮営業所長
・小山支店長
・群馬支店長
・前橋営業所長
・北関東営業本部長
・東関東営業本部長
・神奈川営業本部長
そして、入社25年の2010年に執行役員に就任し、2012年に常務執行役員に就任しています。
まさにたたき上げで自分の実力で上り詰めたビジネスマン・営業マンと言えるでしょう。
超絶優秀な営業マン
藤原元彦氏は積水ハウスの伝説の営業マンです。積水ハウスに入社後、すぐに営業職に就きましたが、戸建て住宅にこだわって、年間30棟以上も売っていたとのこと。いくらバブル期で日本の景気が良かった時代と言えども、年間30棟以上はすごいですよね。ちなみに、普通の営業マンは年間6~10棟とのことです。
そして、33歳にして積水ハウスの中で全国トップの営業成績をたたき出しました。
「僕は営業担当者時代、戸建て住宅にこだわって年間30棟以上売っていました。積水ハウスでは33歳で全国にいる営業の中で日本一になって。数々の記録を打ち立ててきました」(藤原氏)
藤原氏は10年と8ヶ月連続で契約を取り続けました。まさに、伝説の営業マン!
しかも、藤原氏の凄いところは自分の成績だけでなく、自分が赴任した営業所や支社の成績も上げて、「一番」にするところです。
まずは宇都宮一、関東一、さらには日本一……と次々に成果を残し、昇進して管理職を任されると、異動する先の営業所や支社を次々と「一番」にしていった。藤原氏が「伝説のエース社員」と言われるゆえんだ。
藤原元彦氏は伝説の営業マンであるだけでなく、管理職としても超優秀であり、積水ハウスの「伝説のエース社員」と言えるでしょう。
藤原元彦氏は積水ハウス内だけでなく、競合他社にも名前が轟いていて、「積水ハウスからは藤原が営業に来ている」と聞いたら、競合他社はすぐに撤退を決めたほどでした。藤原氏は住宅業界のイチローみたいな存在だったそうです。
一流の人たらし
藤原元彦氏がなぜこれほどの営業成績を残し、管理職としても優秀だったのか?それは藤原氏が一流の人たらしだったからです。
顧客に好かれるかを徹底的に考えて、実践していました。
当時はどうしたらお客さまに好かれるかをいつも考えていた。僕のファンになってもらおうと試行錯誤の連続でした。販売後のアフターメンテナンスはもちろん私が受け付けますし、家を買ってくれたお客さまとはそれぞれ半年に一度は、レストランに招待して食事をする。
引用:ブラック企業の営業マンがこぞって転職する会社があった…!そのシンプルすぎてマネできない社員教育「圧巻の中身」(藤岡 雅) | マネー現代 | 講談社
また、実際に家を建てる工務店とも熱心に付き合い、藤原氏が担当する戸建て建築には一流の大工が現場に入るようになります。
そして、部下に対しても、成績が悪いからと言って見限ることはなく、成績が上がるように職場の人たちを巻き込んでいきました。
失敗した部下には頭ごなしに怒ることはせず、慰めるようしていて、成績をあげた人には褒めていたとのこと。
すると『藤原だよ、やるじゃ~ん』と一言、それで電話が切れた。若い営業マンが本部長からこんな電話もらったら舞い上がってしまいますよ。藤原さんは一流の人たらしなんです」
引用:ブラック企業の営業マンがこぞって転職する会社があった…!そのシンプルすぎてマネできない社員教育「圧巻の中身」(藤岡 雅) | マネー現代 | 講談社
藤原元彦さんは他人に好かれる人たらしだからこそ、営業成績は常にトップだったし、管理職としても優秀な成績を残すことができたんですね。
藤原元彦の結婚や子供
藤原元彦氏は結婚していて、娘が1人います。結婚した相手は学生時代からの恋人です。入社して2年目に結婚したそうですので、24歳の時に結婚したものと思われます。
学生時代からの恋人と結婚し、入社2年目に家庭を持ち、娘が誕生。
結婚して家庭を持ったことで仕事に打ち込めるようになり、営業成績はぐんぐん上がっていきました。藤原元彦さんの営業成績はご自身の努力はもちろんですが、家庭で妻や娘が支えてくれたおかげという側面もあるのでしょう。
妻や娘がつくってくれる家族の空気感が、リラックスできて居心地がいいので、それに身を任せています。
学生時代からの彼女と結婚して、仕事に打ち込んで成績を残して、家庭ではリラックスなんて、素敵な人生ですよね。
藤原元彦は積水ハウス地面師詐欺事件をきっかけに退職
藤原元彦氏は1985年に積水ハウスに入社して常務執行役員に就任していました。しかし、2019年に退職しています。2019年時点で、藤原元彦氏は54歳。まだ定年退職ではありません。
藤原元彦氏が積水ハウスを退職することになった原因は、積水ハウス地面師詐欺事件です。ただ、積水ハウス地面師詐欺事件の責任を取っての退職ではなく、その後の積水ハウス社内でのクーデターに異を唱えての退職でした。
積水ハウス地面師詐欺事件とは?
積水ハウス地面師詐欺事件とは、2017年に発生した巨額詐欺事件です。積水ハウスは地面師グループよって、約55億5000万円を騙し取られました。
事件の舞台となったのは、五反田駅から徒歩3分の場所にある旅館「海喜館」です。この海喜館は2015年に廃業し、女性オーナーは2017年2月から入院していて、人の出入りがなくなっていました。
この海喜館は以前から不動産業者・デベロッパー、住宅メーカーなどがこぞって狙っていた土地だったこともあり、地面師たちは入院している女性オーナーに成りすまして、積水ハウスを騙し、土地を売ろうとしたのです。
積水ハウスは地面師グループに見事に騙されて、土地の所有権移転の仮登記を行い、地面師グループに55億5000万円を支払いました。
積水ハウスが騙されたことを知ったのは、法務局から土地所有権移転の本登記却下の連絡が来た時です。この時にようやく積水ハウスは女性オーナー(と思っていた地面師グループ)は偽物であり、本人確認の書類なども偽物であることが発覚しました。
積水ハウスは地面師に騙されたとわかった時にはすでに55億5000万円以上を支払っていて、地面師たちが逮捕された後も戻ってくることはありませんでした。
社長によるクーデターで退職
藤原元彦さんは2019年に積水ハウスを退社することになります。退社のきっかけは積水ハウス地面師詐欺事件です。
積水ハウス地面師詐欺事件は、海喜館の土地の売買は「社長案件」であり、そのことで従来の稟議書承認の順番が無視され、社長が最初に稟議書に判を押し、そこから重役たちに周っていくことになりました。また、社長案件だったことから、誰も「NO、怪しい」と言えなかったという事情もあったようです。
そのような中、2018年1月に積水ハウスの会長である和田勇氏が、「積水ハウス地面師詐欺事件の責任を明確化する」として、取締会で阿部社長の解任動議を出します。しかし、これがまさかの否決。
その後、阿部社長が「新しいガバナンス体制を構築する」として、和田会長の解任動議を出しました。和田会長にとっては、阿部社長に積水ハウス地面師詐欺事件の責任を取らせようとしたら、自分が解任されそうになったということになります。
この解任動議は採決が行われる前に、和田会長は自ら辞任しました。
納得できずに退社
この和田会長の辞任に納得できなかったのが、藤原元彦氏です。
「僕は、嘘をつくとか隠蔽するとか、そういう曲がったことが大嫌いなんです。大好きな会社でしたが、もうここでは働けないと思いました」(藤原氏)
阿部社長のクーデターのような動きに納得できなかった藤原元彦氏は、当時積水ハウスで準備中だった木造サブブランドの新会社の社長に内定していましたが、それを蹴って、積水ハウスを退社することになりました。
タカマツハウスの社長に
積水ハウスを退社した藤原元彦氏は、高松建設が新しく立ち上げた住宅メーカーのタカマツハウスの取締役社長に就任しました。
2019年の初めに高松建設の名誉会長に会い、次のようにヘッドハンティングをされたのです。
「『ぜひうちに来てくれないか』と言われました。『最後の夢を叶えてほしい』と」(藤原氏)
そして、タカマツハウスの創業社長として働くことになりました。
藤原元彦は株主総会で返り咲きを狙うも失敗
出典:gendai.media
藤原元彦氏は2019年に積水ハウスを退社して、タカマツハウスの取締役社長に就任しました。
しかし、その翌年に積水ハウスの株主総会で「取締役候補者」に名を連ねました。和田会長派の一員として巻き返しを狙ったようです。
この時、藤原元彦氏はタカマツハウス株式会社 代表取締役社長、株式会社ミブコーポレーション 取締役会長、株式会社タツミプランニング 取締役会長に就任していましたが、もし積水ハウスの取締役になったら、これらの要職は退任するつもりだったそうです。
なお、同氏は、当社取締役に選任された場合には、上記重要な兼職の全てを退任し、当社取締役の職務に専念する意向です。
ただ、この株主総会で勝ったのは阿部社長(会長)派で、和田会長の返り咲きはなく、藤原元彦氏も積水ハウスの取締役になることはありませんでした。
藤原元彦の現在
出典:jmca.jp
藤原元彦さんは現在も、タカマツハウスの代表取締役社長、式会社ミブコーポレーション取締役会長、株式会社タツミプランニング取締役会長として働いています。
タカマツハウスは2019年に創業以降、右肩上がりで業績を伸ばし、創業から4年で売上高191億円を突破しています。
2019年12月から本格的に事業がスタートしました。2022年度の売上高は2020年度売上高の約22倍。成熟産業とされる住宅業界で、珍しい急成長を遂げています。
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藤原元彦氏はこれからさらにタカマツハウスの業績を伸ばしていくはずです。
藤原元彦のまとめ
藤原元彦氏の生い立ちや実家の親・家族、大学時代のことや経歴、結婚の有無、積水ハウス地面師事件後の退社経緯や現在をまとめました。
藤原元彦氏は積水ハウスの伝説の営業マン。今後、タカマツハウスはどこまで業績を伸ばしていくのか楽しみですね。