世界最大級の保険会社「プルデンシャル生命」社員による44億円超の金銭詐取事件が発覚しました。
この記事ではプルデンシャル生命の社員の年収や給料のシステム、社長の交代と以前からあった「やばい」という噂、枕営業や死亡者も出た事件、その後や現在についてまとめました。
この記事の目次
プルデンシャル生命は世界最大級の保険・金融サービス機関で光と闇が話題

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プルデンシャル生命保険株式会社は、世界最大級の金融サービス機関である米国のプルデンシャル・ファイナンシャルの一員として、1987年に設立された生命保険会社です。日本市場において、独自のビジネスモデルと高品質なサービスで確固たる地位を築いています。
プルデンシャル生命の最大の特徴は、「ライフプランナー®」と呼ばれる質の高い営業社員です。ライフプランナーは、単に保険商品を販売するのではなく、顧客1人ひとりの人生設計(ライフプラン)を深く理解し、将来にわたる夢や希望、そして不安に寄り添う事をコンセプトとして掲げ、その上で、顧客のニーズに完全に合致したオーダーメイドの保障プランを設計・提案する事を売りとしています。
プルデンシャル生命は外資系生命保険会社の雄として、常に業界の注目を集める存在ですが、その輝かしいイメージの裏側では、「やばい」、「事件」といった不穏なキーワードが囁かれることも少なくありませんでした。
そして、2026年1月、社員や元社員ら約100人が、顧客約500人から総額で44億円もの金銭を騙し取る大規模金銭詐取事件が発覚。その実態が物議を醸しています。
プルデンシャル生命の営業社員の完全歩合制の給料と推定される年収

プルデンシャル生命の代名詞とも言えるのが、「ライフプランナー」という階級から始まる営業社員の存在です。彼らの多くは、他業種で優れた実績を上げた人材がヘッドハンティングによって採用されており、その報酬体系は日本の伝統的な企業とは一線を画します。
プルデンシャル生命の営業社員は完全歩合制の実力主義
プルデンシャル生命の給与体系の最大の特徴は、入社3年目以降に移行する「フルコミッション(完全歩合制)」です。これは、自身の営業成績が直接給料に反映される仕組みであり、固定給が存在しない代わりに、契約を獲得すればするほど給料は青天井に増えていきます。
プルデンシャル生命の営業社員は、入社2年目までは「ライフプランナー」という見習いの社員として勤務しベース給与があり年収は「600万円」ほどです。
しかし、3年目からは「ライフプランナー主任」となり完全歩合制に移行。ベース給与がなくなる代わりに働き次第で高い年収を得る事が可能になります。
その後、能力と成績に応じて「シニアライフプランナー」、「コンサルティングライフプランナー」、「シニアコンサルティングライフプランナー」、「エグゼクティブライフプランナー」とグレードが上がるという仕組みになっています。
以上のように、プルデンシャル生命の社員の3年目からの給料は完全歩合制になっていますが、各グレードごとの目安の年収は以下の通りだとされています。
| グレード | 年収目安 | ベースの給料 | 賞与 |
| ライププランナー | 600万円 | 月26万円 | なし |
| ライフプランナー主任 | 1000万円 | なし | あり |
| シニアライフプランナー | 1500万円 | なし | あり |
| コンサルティングライフプランナー | 2000万円 | なし | あり |
| シニアコンサルティングライフプランナー | 2500万円 | なし | あり |
| エグゼクティブライフプランナー | 3000万円 | なし | あり |
実際に、プルデンシャル生命のトップクラスの営業社員の中には年収数千万円、あるいは1億円を超えるプレイヤーも存在すると言われています。
独自の調査によれば、営業職員の平均年収は1298万円に達し、年齢別の想定年収では、30歳で1250万円、40歳で2700万円、50歳では4500万円という驚異的な数字も示されています。
この高額な報酬こそが、多くの野心的なビジネスパーソンを引きつけてやまない最大の魅力であることは間違いありません。
成功すれば、経済的な自由はもちろん、顧客の人生設計に深く関わることのできる専門職としての大きなやりがいも得られます。富裕層や経営者との人脈が広がり、自身の成長に繋がる機会も豊富です。
プルデンシャル生命の社長について

プルデンシャル生命保険の社長は、2026年2月1日に交代しました。社員らによる大規模な金銭詐取事件の経営責任を明確にするため、前社長が引責辞任し、新たな社長が就任したのです。
プルデンシャル生命の現在の社長は得丸博充氏

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プルデンシャル生命の現在の社長は得丸博充(とくまる・ひろみつ)氏です。
2026年2月1日付で、プルデンシャル生命保険の新しい代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)に就任しました。それまでは、同じグループのPGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険)で代表取締役社長兼CEOを務められていました。
社長就任後、得丸博充氏は記者会見を開き、一連の金銭詐取問題について「決して許されるものではない」と陳謝し、再発防止に取り組む考えを表明しています。新体制のもと、信頼回復と組織改革が急務となっています。
プルデンシャル生命の前社長・間原寛氏

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プルデンシャル生命の前社長が間原寛(まばら・かん)氏です。
プルデンシャル生命の前社長が間原寛氏は、ライフプランナー(営業職)から社長に就任した、現場たたき上げの経歴の持ち主でした。
プルデンシャル生命の前社長・間原寛氏は、明治学院大学法学部を卒業後、1988年に長谷工コーポレーションに入社し、1995年にプルデンシャル生命保険にライフプランナーとして入社しています。
プルデンシャル生命の前社長・間原寛氏は当初、生命保険の仕事に懐疑的でしたが、あるライフプランナーとの出会いを機にその使命に目覚めたとされています。
考えを覆すきっかけとなったのが、プルデンシャル生命の一人のライフプランナー、K氏との出会いであった。当時、他社の保険に加入していたものの、内容に納得していなかった間原氏。その不満をK氏に話したところ、次に会った際にはまさに自身が求めていたオーダーメイドの保険プランが提案された。パッケージ商品が主流だった当時、この提案は大きな驚きだった。
引用:間原寛氏の異色キャリアとその経歴。「保険屋になるつもりはない」と言っていた人物が、プルデンシャル生命社長に至った経緯
その後、間原寛氏は、営業所長、支社長、営業本部長、役員などを歴任し、着実にキャリアを重ねました。
そして、2023年1月に、プルデンシャル生命の代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)に就任しています。
プルデンシャル生命の前社長・間原寛氏の引責辞任

間原寛氏の社長就任から約1年後の2026年1月、社員や元社員ら約500人が顧客から総額約44億円をだまし取っていたとする前代未聞の不正行為が発覚しました。この大規模な不祥事の経営責任を取る形で、間原寛氏は2026年2月1日付での社長辞任を発表しました。
間原寛氏は、当初は顧問に就任する予定でしたが、その後、退任とともに退職し、いかなる形でも同社業務に関与しないことになりました。
この社長交代は、プルデンシャル生命が直面している深刻な事態と、信頼回復に向けた強い決意を示すものと言えます。
プルデンシャル生命には以前から「やばい」という声も存在した
100人超の社員らが顧客から総額44億円という金銭詐取などの不正行為に関与していた事が発覚したプルデンシャル生命ですが、これ以前から「きつい」、「やばい」といったネガティブな評判が存在していました。
その背景には、成果を出すための熾烈なプレッシャーと、それに伴う厳しい労働環境があったと考えられます。
プルデンシャル生命が「やばい」と言われる理由① 見込み客探しのプレッシャー
プルデンシャル生命のビジネスモデルは、見込み客の発見をライフプランナー個人の人脈と時間に100%依存しているという特徴があります。会社が広告宣伝などで集客を行う一般的な企業とは異なり、ライフプランナーは自らの力で常に見込み客を探し続けなければなりません。この「リストの枯渇」は、即座に収入の途絶を意味するため、常に精神的なプレッシャーに晒されることになります。
知人や友人への勧誘から始めざるを得ないケースも多く、人間関係を切り売りしているような感覚に陥る元社員も少なくありません。営業活動は顧客の都合に合わせるため、夜間や休日になることも多く、プライベートとの両立に苦しむ声も聞かれます。
プルデンシャル生命が「やばい」と言われる理由② あまりにも極端な実力主義
プルデンシャル生命の営業職社員であるライフプランナー職の正確な離職率は公表されていませんが、その厳しさから決して低い数字ではないと推測されています。一方で、内勤職の離職率は約3%と低い水準にある事がわかっています。
フルコミッション制度(完全歩合制度)は、同期入社であっても収入や評価に極端な格差を生み出します。周囲の成功を目の当たりにしながら自身の結果が伴わない場合、強い焦りや劣等感を抱き、精神的に追い詰められてしまうケースも少なくありません。この厳しい実力主義の環境が、高い離職率の一因となっていると考えられます。
こうしたプルデンシャル生命が「やばい」と言われる理由となったと考えられる背景は、今回の大規模な不正行為にも関連しているとみられています。
プルデンシャル生命の社員100名超が関与していたとされる総額44億円の巨額詐取事件については次の見出しで詳しくみていきます。
プルデンシャル生命の「巨額詐取」、「枕営業」、「不安煽る営業」など不正事件が続々と判明
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プルデンシャル生命保険において、社員による不正行為やコンプライアンス違反が相次いで報じられています。
続けて、枕営業の告発、過酷な労働環境に関わる死亡者、違法営業や不正行為に関する報道について、現在までに明らかになっている情報をまとめていきます。
巨額金銭詐取事件
既に触れているように、プルデンシャル生命では、社員や元社員らによる顧客からの大規模な金銭詐取が発覚しています。
2026年1月16日の発表によると、社員・元社員約100人が顧客約500人から合計約31億円をだまし取るなどの不適切行為が明らかになったとされます。その手口は、架空の金融商品の投資話を持ちかけるといったものでした。
その後の調査で、関与した社員・元社員は148人、顧客約700人に対し、被害総額は44億円に上ると報告されています。さらに、公表されている以外にも社員の関与が疑われる事案があると報じられています
この詐取の具体的な手口も報じられています。例えば、元社員3人は、保険業務に関連する架空の金融商品の投資話を持ちかけ、顧客8人から約6000万円をだまし取っていました。また、別の106人の社員・元社員は、保険業務とは無関係の投資話を個人的に顧客に持ちかけ、約30億8000万円を受け取っていました。
この不正詐取事件発覚を受けて、プルデンシャル生命では、前述の通り間原寛社長が2026年2月1日付で引責辞任。当初、プルデンシャル生命は第三者委員会の設置に消極的でしたが、批判を受け方針を転換し設置を発表しました。金銭詐取に関与した社員・元社員に対しては、被害補償の負担を求める方針と発表されています。
枕営業の告発と過酷な労働環境で死亡者が出たとも
週刊文春などの報道によると、元幹部が枕営業の実態を告白しています。
元幹部の証言として、女性社員がIT企業の経営者に枕営業をかけたり、枕営業をめぐって契約者の妻に訴えられたケースがあったと報じられています。
また、成績上位者は有名歌手との宴会に参加できる一方で、下位の社員は自爆営業(ノルマ達成のために自社の商品を自腹で買い取りする)を強いられ、それを苦にした自殺者も出ていたとの内容も報じられています。
違法営業の実態
プルデンシャル生命では、金銭詐取以外にも、違法な営業手法が横行していた疑いが報じられています。
例えば、「PROJECT 100」と呼ばれる顧客リストを流用していたと元社員が証言しています。また、病気や事故で身近な人が亡くなったという架空の設定で、顧客の不安を煽り契約を迫る手法があったとされています。
プルデンシャル生命の不祥事への金融庁の対応
一連の不祥事を受け、金融庁はプルデンシャル生命に対して厳しい姿勢で臨んでいます。
2025年4月、金融庁は元社員による巨額詐欺事件を受け、保険業法に基づく報告徴求命令を出しました。
そして、2026年1月28日からは、巨額の金銭不祥事への対応が後手に回っているとして、立ち入り検査に踏み切っています。検査では、金銭不祥事に加え、不適切な募集行為についても調査が進められるとみられています。
プルデンシャル生命の一連の不正事件の背景
プルデンシャル生命の一連の不正の背景には、同社の極端な成果主義があると指摘されています。 営業職員に広い裁量が与えられる一方で、会社の法令順守体制が疎かになっていたことが、不正の温床になったとみられています。営業実績の高い社員が神格化され、不正行為が見過ごされやすい風土があったとの見方もあります。
プルデンシャル生命社員に関わる死亡事件(殺人事件)

「週刊新潮」(2026年1月29日号)は、大阪府高槻市の資産家女性が生命保険会社社員と養子縁組を結んだ後に殺害された「高槻資産家女性殺害事件」の犯人の生命保険会社社員がプルデンシャル生命の社員だったと報じています。
元社員が殺人容疑などで逮捕された事件。プルデンシャルの営業マンだった男は大阪府高槻市の資産家女性と出会い、退職後に養子縁組を結び、生命保険をかけた末の2021年、彼女を殺害したとされる。相続した預貯金で散財し、ランボルギーニを乗り回した後の22年に逮捕されたが、留置所内で自殺を遂げた。
プルデンシャル生命の事件のその後の対応と現在
大規模な不祥事事件を受け、プルデンシャル生命は信頼回復に向けた様々な取り組みを進めています。経営体制を刷新し、ガバナンスの強化を急いでいます。
プルデンシャル生命のその後と現在① 新体制の発足と経営陣の刷新
金銭詐取事件の責任を取り、2025年10月には持ち株会社であるプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン(POJ)の濱田元房会長兼CEO(当時)が事実上引責辞任。続いて、プルデンシャル生命の間原寛社長も2026年2月1日付で辞任しました。
後任には、グループ会社のプルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険社長であった得丸博充氏が就任。新体制のもと、ガバナンスの立て直しと企業風土の改革が急務となっています。
プルデンシャル生命のその後と現在② コンプライアンス体制の強化と再発防止策
プルデンシャル生命は、事件の再発防止に向けて、コンプライアンス・リスク管理体制の強化を最重要課題として掲げています。具体的には、以下のような取り組みを進めています。
第三者委員会の設置
外部の専門家の視点を取り入れた調査委員会を設置し、事件の全容解明と原因究明を進めています。
全顧客への確認
不適切な金銭の取り扱いがなかったか、全顧客を対象に確認作業を実施しています。また、被害を受けた顧客に対しては、原則として全額を補償する方針を表明しています。
厳格な行動管理体制への移行
これまでの性善説に基づく管理を改め、社員の行動をより厳しく管理する体制へと移行しています。
報酬制度の見直し検討
不正の温床となった報酬制度についても、見直しが検討されています。
企業理念の再徹底
全社ミーティングなどを通じて、経営陣からコンプライアンス遵守の重要性を繰り返し発信し、企業理念の浸透を図っています。
プルデンシャル生命のその後と現在② 業績と今後の展望
一連の不祥事とそれに伴う営業自粛は、同社の業績に大きな打撃を与えました。米国本社は、この問題による影響額が3億ドルから3.5億ドルに上るとの見通しを示しています。保険の解約も前年比で増加しており、信頼回復までの道のりは平坦ではありません。
しかし、プルデンシャル生命の財務基盤そのものは依然として強固です。同社のグローバルな事業展開は堅調であり、中長期的な視点では回復の可能性も十分に考えられます。
今後は、失われた信頼をいかにして取り戻し、顧客本位の健全な企業文化を再構築できるかが最大の焦点となります。
ライフプランナーというビジネスモデルの強みを活かしつつ、その負の側面を克服するための組織的な改革を断行できるか、その手腕が問われています。
まとめ
今回は、総額で44億円もの金銭を騙し取る大規模金銭詐取事件をはじめ、違法な営業が次々と明るみに出ているプルデンシャル生命についてまとめてみました。
プルデンシャル生命は、営業社員個人の努力と成果が青天井の年収に結びつくという、夢のあるキャリアパスを提供する一方で、その裏には極めて厳しい競争とプレッシャー、そして時に道を踏み外す者を生み出しかねない構造的な課題を抱えている事が今回の事件で明らかになりました。
輝かしい成功の「光」の部分は、多くの人を魅了し、優秀な人材を引き寄せる原動力となってきたと考えられます。しかし、金銭詐取、枕営業などをはじめとする数々の不正や、死亡者も出ている事件など深刻な「影」の部分は、そのビジネスモデルに潜むリスクと、企業統治の脆弱性を露呈させました。
現在、プルデンシャル生命は信頼回復に向けた取り組みを進めている状況ですが、メディアに対する高圧的な態度も一部で報じられており、批判的な声は弱まっていません。

















