2019年9月に発生し現在も解決していない「茨城県境町一家4人殺傷事件」が注目されています。
この記事では茨城県一家4人殺傷事件の概要、被害者の小林光則さん、小林美和さん、重軽傷の2人の子供、無事だった長女、犯人と疑われている容疑者や真相、現在などについてまとめました。
この記事の目次
茨城県境町一家4人殺傷事件の概要
「茨城県境町一家4人殺傷事件」は、2019年9月23日午前0時過ぎ頃に、茨城県境町若林の民家で発生した一家殺傷事件です。
殺害された小林美和さんの110番通報で事件発覚
事件の発覚は9月23日、午前0時40分頃に、被害者の1人、小林美和さんからの110番通報で発覚。小林美和さんからの通報は見知らぬ男が家の中に侵入して襲われているという内容で「助けて!」と話した直後に「痛い、痛い」という言葉を最後に電話が切れたという事です。警察官と小林美和さんとの通話時間は約1分ほどでした。
警察官が駆けつけるも既に犯人は逃亡し夫婦は死亡
この通報から約15分後、茨城県警堺署の署員が現場に駆けつけますが、すでに犯人は逃走しており、2階の寝室で夫の小林光則さん(当時48歳)と、110番通報をした妻の小林美和さん(当時50歳)が亡くなった状態で発見されました。
小林光則さんと小林美和さんはそれぞれ、顔や首、胸など約10カ所を刃物で刺されており、肺に達するほどの傷もあったようです。死因は失血死と発表されています。
遺体の状況は、小林光則さんがベッドにうつ伏せの状態、小林美和さんは右向きの状態で倒れており、遺体のそばには通報に使ったとみられる固定電話の子機が落ちていたという事です。
この状況から、2人は就寝中に侵入した犯人に襲撃され、まず小林光則さんが刺され、その後に110番通報中の小林美和さんが襲われて刺殺されたとみられています。また、2人には犯人からの攻撃を防ごうとする際についたとみられる傷、いわゆる「防御創」があったという事です。
また、金品などが盗まれた形跡がない事から、警察は強盗ではなく、夫婦に強い恨みを持つものの犯行という説を有力視しているという事が報じられています。
子供2人も重軽傷を負わされる
また、この事件発生時、殺害された小林光則さんと小林美和さん夫妻の他に、大学3年生の長女(当時21歳)、中学1年の長男(当時13歳)、小学6年の次女(当時11歳)の子供3人も在宅していました。
そのうち、長男が両足と腕などを切られる重傷を負わされ、次女は催涙スプレーのようなものをかけられ、両手に痛みを訴える軽傷を負わされています。
長男と次女は犯人について「帽子とマスクの男に襲われた。犯人は1人だった」と証言しています。また、長男は、駆けつけたパトカーのサイレンの音を聞いて犯人が「やばい」といって逃げたとも証言しています。警察の周辺への聞き込みで、子供の証言と同様にマスクをした不審者の目撃証言が出ているという事です。
負傷した中学1年の長男(13)と小学6年の次女(11)は「帽子をかぶりマスクをした男に襲われた」と証言したとされる。一方、捜査本部の聞き込みでは、事件前に同様にマスクした不審者を「近くで見た」などとする目撃証言も得られているという。
なお、長女は1階の別室におり、犯人には遭遇しておらず無事でした。
事件現場の一軒家は周囲から孤立しており事件の目撃者は皆無
事件のあった民家は元々、殺害された被害者の1人小林美和さんの実家で、利根川を挟んだ千葉県野田市との県境に位置する田園地帯で、周囲は雑木林に囲まれて隣家もなく(最も近い民家までは約200〜300m)、雑木林の周囲も畑ばかりで街灯もない孤立した一軒家でした。この事から「ポツンと一軒家」で発生した殺人事件などと形容して報道するメディアもありました。
周囲が雑木林に囲まれ、孤立している事に加えて、事件があった日は雨が降っており、事件に関連する目撃者が全くおらず捜査は難航し、2021年3月の現在も犯人は捕まっていません。
茨城県境町一家4人殺傷事件で殺害された小林光則さんと小林美和さんについて
被害者の1人、小林美和さんは、事件の15年ほど前に実家(事件現場となった一軒家)の父親が亡くなり1人残された母親と一緒に住むために家族で埼玉県から移り住んだという事です。(事件当時、美和さんの母親は体調を崩し入院しており在宅していなかった)
小林美和さんと小林光則さんについて、近所に住む90代の女性が以下のように証言しています。
小林夫妻と回覧板のやりとりをしていた近所の女性(90代)はこう語る。
「美和さんは郵便局でパート従業員として働いていました。役場のチラシを配るなど地域の活動にも参加し、おとなしくてええ人でした」
光則さんの実家は、埼玉県でクリーニング店を営んでいた。境町に引っ越して以降も店に通っていたが、場所が遠いため、県内のゴミ処理施設へ転職したという。
他にも、近隣の住人からは小林光則さんと小林美和さん夫妻について「誰かに恨まれるような人ではない」という証言が多数出ています。
長女の友人の1人は、小林光則さんについて「車で雨の日は子供の送り迎えをしていた」、小林美和さんについて「真面目な人」、一家については「家に遊びに行くこともあったが普通の家庭で、トラブルは考えられない」と証言しています。
また、小林光則さんは地元の少年野球チームのコーチもしていて、所属する子供達の親からの信頼も厚かったという事です。
茨城県境町一家4人殺傷事件で重軽傷を負った子供2人について
「茨城県境町一家4人殺傷事件」でそれぞれ重軽傷を負わされた長男と次女についてもわかっていることを見ていきます。
当時中学1年生だった長男は父の小林光則さんがコーチを務める少年野球チームに所属していたという事ですが、事件後には野球チームの同級生からの連絡にも返信できない状態が続いているようです。
長男と同じ野球チームの同級生の男子生徒が「事件の後、(長男から)返信がない。また一緒に野球がしたい」と悲しそうに話していたことが今でも忘れられない。
長男と同じ野球チームに子供が所属しており、殺害された小林光則さんや小林美和さん夫婦とも面識があったという男性は被害にあった2人の子供について以下のように話されていました。
活発で周りを引っ張れる長男と、大人とも堂々と話す気さくな次女。
子供達のその後についての情報は出ていません。メディアの取材に答えている関係者も、子供たちとは現在は連絡が取れなくなっている状態だという事なので、既に子供たちは県外の親類の家など離れた場所に引っ越している可能性が高いのではないかと思われます。
茨城県境町一家4人殺傷事件で1階の別室にいて無事だった長女について
出典:https://amd-pctr.c.yimg.jp/
「茨城県境町一家4人殺傷事件」で1階の別の部屋にいて1人だけ被害を免れた長女についてみていきます。
事件当時の報道で大学3年生と報じられた長女については、近隣の住人から、清楚でおとなしい感じ、県外の大学に車と電車で通学している、最近彼氏ができたなどの証言が出ています。
大学生のお姉ちゃんは清楚でおとなしい感じの娘さんです。地元の高校を卒業して、今では県外の大学まで車と電車を乗り継いで通っていたようです。最近は彼氏ができたみたいですね。ええ、近所で姿を見かけたこともありましたよ。
長女の証言
小林光則さんと小林美和さんが犯人の襲撃を受けていた時、長女は、別の部屋で、「言い争う声を聞いたが、怖くて部屋から出られなかった」、「喧嘩か何かだと思った」と証言しています。
別の部屋にいて無事だった長女(21)が県警に対し、「言い争う声のようなものを聞いたが、怖くて部屋から出られなかった」という趣旨の話をしていることが2日、捜査関係者への取材で分かった。
長女はさらに、言い争う声は「けんかか何かだと思った」という内容の証言もしているという。
長女はその後、事態に気がつき、交際相手に助けを求める電話もしていたようです。当初の一部報道では、この長女の交際相手が警察に犯人として疑われ重要参考人として取り調べを受けたとの情報も出ていましたが、その後すぐに事件との関与は否定されています。
また、ネット上には1人だけ無傷だった長女が犯人ではないかと推測するようなトンデモ論も出ていますが、これに対しては批判的な声が多く出ています。
茨城の殺人事件、犯人確定してないのに長女が無傷ってだけで犯人だと疑う人の多さな
— zoo (@gemini72_zoo) September 23, 2019
しかも決めつけてるだいたいのやつがもし長女が犯人じゃなかった場合に責められても、決めつけてないですって逃げられるような文面で予防してるの本当気色悪いわ
そもそも茨城の殺人事件、ちょっと考えれば長女犯人ってのはかなり難しいの分かるでしょ…無傷だから怪しいって短絡的すぎ
— いまち (@_imachi_s) September 24, 2019
思うだけならまだしもそれツイートする神経がわからんわ
茨城県境町一家4人殺傷事件の犯人は現在もまだ逮捕されていない
「茨城県境町一家4人殺傷事件」の犯人は2021年3月の現在もまだ逮捕されていません。
一部の報道によれば、容疑者は何人か浮上しているという事ですが、そうした報道を見る限り決定的な情報は全く出ていないようで捜査は依然として難航している様子が窺えます。
茨城県境町一家4人殺傷事件の容疑者が浮上し現在警察が捜査中との報道
「茨城県境町一家4人殺傷事件」の犯人はいまだに逮捕されていませんが、2021年1月から3月にかけて、この事件の容疑者として20代の男が浮上しているという内容の記事を複数の週刊誌が次々と報じています。
記事によると、犯人と疑われているという20代の男は、埼玉県三郷市に住む無職の男で、自宅から硫黄約45kgが発見されたとして、2020年11月に「三郷市火災予防条例違反」で逮捕されたという事です。
複数の週刊誌の記事によれば、警察はこの男が茨城県境町一家4人殺傷事件に関与していると疑っているという事でした。
この男は茨城県境町一家4人殺傷事件から10年以上前、通信制高校の2年生だった頃に、路上で当時中学3年生の女子のあごを刃物で刺し、その2週間後、今度は隣の松戸市の路上で当時小学2年生の女児の脇腹などを刺す、連続通り魔事件を起こして、殺人未遂容疑で逮捕されているという事です。
この男は当時、猫の首の切断や放火なども繰り返していたとの報道もされており、ネット上では「第2の酒鬼薔薇聖斗」とも呼ばれているようです。
複数メディアが報じているため、警察がこの男と茨城県境町一家4人殺傷事件の関与を疑っているというのは確かなようですが、明確な関連性などは現在のところ見つかっていないという事でした。
茨城県境町一家4人殺傷事件の犯人として疑われた人の動画も
2021年1月22日にYouTubeに「茨城県境町一家4人殺傷事件の犯人と疑われていました。」という動画が投稿されました。
動画によると、この方は過去に何らかの前歴があり、それも関係して警察に疑われたようです。
茨城県境町一家4人殺傷事件の真相は?
「茨城県境町一家4人殺傷事件」は現在も有力な情報は全く出ておらず、真相も未だ謎のままとなっています。
警察による情報規制もあるのかもしれませんが、あまりにも情報が少なく真相を推測する材料すらほとんどない状況となっています。
これまでに開示されている情報としては、事件当日は雨が降っていたにもかかわらず家の中に泥が全く見つからなかった事、知らない人には吠えるはずの飼い犬が全く吠えていない事、犯人は侵入後にまっすぐに2階の夫婦の寝室に向かったとみられる事、事件現場の一軒家は雑木林に囲まれ、一見して家があるようには見えない事などがあります。
これらの情報から、犯人は夫婦の顔見知りで家の中の様子にも詳しい人物では?との推測もされていますが、少なくとも、犯人と遭遇している長男と次女は知人や見覚えのある人物だとは証言していないようです。
現在のところあまりにも謎が多く、真相は未だ闇の中といった印象です。
警察の捜査により、一刻も早い犯人の逮捕と事件の真相が明らかになる事が望まれます。
まとめ
今回は2019年9月23日深夜に、茨城県境町の周囲から孤立した場所に建つ一軒家で発生した「茨城県境町一家4人殺傷事件」についてまとめてみました。
茨城県境町一家4人殺傷事件では、その家の主人の小林光則さんと妻の小林美和さんが、侵入した何者かに刃物で顔や首、胸などをそれぞれ10ヵ所以上刺されて殺害され、当時13歳の長男と、当時11歳の次女も重軽傷を負わされました。
現場となった一軒家にはもう1人、当時21歳の長女も在宅していましたが、別室におり無事でした。
通報を受けて警察が到着した時には犯人はすでに逃走しており、2021年3月の現在も捕まっていません。事件の真相は未だ謎のままで、明らかになっている情報を組み合わせてもほとんど何もわからないという状況です。