基準値を上回るレジオネラ属菌が検出され問題が発覚した大丸別荘の山田真前社長が遺体で発見されました。
この記事では大丸別荘のレジオネラ属菌騒動の概要、山田真前社長の年齢や経歴、死因、汚いとの声、騒動後の口コミ、営業停止や廃業可能性、現在についてまとめました。
この記事の目次
- 大丸別荘は湯の入れ替え年2回で問題になった福岡県筑紫野市の老舗旅館
- 大丸別荘の山田真前社長が記者会見し謝罪も酷い内容で炎上
- 大丸別荘の山田真前社長が遺体で発見される
- 大丸別荘の山田真前社長の年齢は死去時点で70歳
- 大丸別荘の山田真前社長の経歴
- 大丸別荘の山田真前社長の死因
- 大丸別荘で検出されたレジオネラ属菌は感染すると最悪の場合死亡も
- 大丸別荘の山田真前社長は汚いとは思わずお湯を交換していなかった
- 大丸別荘の口コミは騒動後もかなり高評価
- 大丸別荘は騒動後は営業停止処分にはなっていない(既に衛生管理を改善しているため)
- 大丸別荘の現在① 廃業はしておらず営業を続けている
- 大丸別荘の現在② 山田真前社長の退任にともない新社長が就任
- まとめ
大丸別荘は湯の入れ替え年2回で問題になった福岡県筑紫野市の老舗旅館
「二日市温泉 大丸別荘」は、江戸時代末の1865年に創業した福岡県筑紫野市の老舗温泉旅館で、過去には昭和天皇、岸信介元首相、歌手の美空ひばりさん、女優の吉永小百合さんも宿泊された高級旅館として知られています。
そんな二日市温泉の看板とも言える高級旅館である大丸別荘が、県の条例で1週間に最低1度は全て交換するように定められていた大浴場のお湯を少なくとも2019年から年に2回しか交換していなかった事が判明して大きな騒動になっています。
福岡県によれば、2022年8月に県外からの観光で大丸別荘に宿泊した客がレジオネラ症を発症。県が大丸別荘の浴場を立入検査したところ、基準値の2倍のレジオネラ属菌が検出されたとの事です。
しかしこの時、大丸別荘側は、県の公衆浴場施行条例に準じて浴槽の湯を交換し掃除も毎日行っていた、消毒用の塩素注入も適正に行っていたと報告。虚偽の内容の管理簿まで示しています。
県によると、旅館の利用者が細菌感染症「レジオネラ症」と診断されたことを受け、保健所が2022年8月に立ち入り検査。大浴場の湯から基準値の2倍のレジオネラ属菌が検出された。旅館側はその際、湯の交換や消毒用の塩素注入は適正だったとする虚偽の内容の管理簿を示していたが、実際には湯の入れ替えは年2回で、塩素注入も怠っていたという。
そのため、この時にはレジオネラ症の感染源が大丸別荘だとは特定されませんでした。
そして10月には大丸別荘は自主検査でレジオネラ属菌は基準値以下だったとする報告書も提出しています。
しかしその後、2022年11月に県が抜き打ち検査を実施したところ、浴場から採取した大浴場のお湯から基準値の最大3700倍にもなるレジオネラ属菌が検出され、同12月に県は大丸別荘に改善指導を行いました。大丸別荘はこれを受けて衛生管理を改善した上で営業を再開しています。
そして2023円3月8日、福岡県が公衆浴場法違反(虚偽報告)容疑で福岡県警に大丸別荘を刑事告発。10日には福岡県警の捜査員が大丸別荘に立ち入りでの強制捜査を行っています。
大丸別荘の山田真前社長が記者会見し謝罪も酷い内容で炎上
2023年2月28日、大丸別荘の山田真社長(会見後の3月2日に退任)が、福岡市内で記者会見を開いて謝罪と釈明を行いました。
しかし、この山田真社長の記者会見があまりにも社会常識とかけ離れた内容だったため、炎上に発展する結果となりました。
山田真社長は「レジオネラ菌があまり大した菌ではないという認識があった」、「塩素のにおいが自分の体質に合わずに嫌いだった」などと発言しており、一般的な常識やコンプライアンスの意識が全くなく条例違反をしていた事が浮き彫りになりました。
また、山田真社長は2019年12月頃に、自分が「お湯を換えなくていい」と指示した事も認めています。
山田真社長は28日、福岡市内で記者会見し「入る人が少ないから湯を換えなくていいと従業員に言った」と指示したことを認め、謝罪した。
山田真社長は、お湯の交換をしなくていい、塩素も入れなくていいなどと指示した際に、従業員からは「(塩素は)やっぱり入れたほうがいい」と言ってきた従業員がいたものの、それを無視した事も会見で明かしています。
--令和4年12月に社長が指示したとき、スタッフはどう反応したのか
「やっぱり入れた方がいいという人もいたし、必ずしも私の指示がいいと思っていたとは思わない。私の独断専行が原因になっている」
さらに、山田真社長は、保健所に対する虚偽の内容の管理簿を見せた件についても、自分の指示であった事を認めています。
--保健所に虚偽報告していたということだが、具体的にはどういう管理簿をどう改竄(かいざん)していたのか
「いつからいつまではわからないが、日に2回測定する塩素濃度を適当に書いて出していたということだ」
--それも社長の指示か
「もちろんだ」
山田真社長の会見の動画が、冒頭の謝罪文読み上げの部分だけですがYouTubeに上がっていたので紹介しておきます。
大丸別荘の山田真前社長が遺体で発見される
記者会見が批判されて炎上していた大丸別荘の山田真前社長でしたが、2023年3月12日に遺体で発見されました。
遺体が発見された場所の近くで「申し訳ない 全ては自らの不徳の致すところ」などと記された遺書が見つかったとの事で自殺と見られています。
福岡県筑紫野市の老舗旅館「二日市温泉 大丸別荘」が、週1回以上必要な浴場の湯の取り換えを年2回しか行わず、基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出された問題で、運営会社の山田真前社長が12日午前、死亡しているのが見つかった。自殺とみられる。福岡県警によると、遺体が発見された現場近くで遺書が見つかり、「申し訳ない 全ては自らの不徳の致すところ」などと記されていた。
大丸別荘の山田真前社長の年齢は死去時点で70歳
大丸別荘の前社長・山田真さんの年齢は2023年3月に亡くなった時点の報道で「70歳」と報じられています。
福岡県筑紫野市の老舗旅館「二日市温泉・大丸別荘」が大浴場の湯を年2回しか入れ替えず、県の調査に虚偽の説明をしていた問題で、県警は12日、同旅館の山田真・前社長(70)が死亡したと明らかにした。自殺とみている。
大丸別荘の山田真前社長の経歴
大丸別荘の山田真前社長の経歴についてはあまり情報がなく詳細はわからないのですが、2023年3月16日に配信された「デイリー新潮」の記事によると、山田真前社長は1990年代頃に、兄の後を継いで大丸別荘の社長に就任したようです。
最初、父親から兄に社長が継承されたそうなのですが、兄が経営に失敗して億単位の負債を抱えてしまい、立て直しのために山田真前社長が就任したという経緯だったようです。
「自殺した山田氏には兄がいて、彼ら兄弟の父親は社長の座を最初、兄に譲りました。兄は実に人の良い、大人しい性格であり、そのためお世辞にも経営者に向いているとは言えませんでした。老舗旅館の舵取りに失敗し、億単位の負債を生じさせてしまったのです。取引銀行から役員が送り込まれ、一種の“監視下”に置かれました。そして兄は社長を辞め、経営は弟にバトンタッチされたのです」(同・知人)
また、「デイリー新潮」では、2008年1月と2010年2月に大丸別荘が地元紙の西日本新聞で取り上げられていた事も明らかにされています。
これらの記事によると、山田真前社長は大丸別荘の経営立て直しのために、3億5000万円を投じて旅館の改装に着手し、こだわり抜いて日本庭園や大浴場を自ら設計。
料理のメニュー作りにも積極的に参加したり、ベテラン従業員を厚遇して、そのノウハウを若手に伝えるシステムを構築するなどしたとの事です。
九州地方のブロック紙・西日本新聞(本社・福岡市)は、山田氏が陣頭指揮を執った“改革”が成功したことを記事にしている(註2・3)。
記事によると、山田氏は90年代、3億5000万円を投じて旅館を改装。鉄筋コンクリート造りで耐震性や防音性を高めながらも、伝統的な内装は維持した。《コストは通常の倍かかった》という。
「デイリー新潮」の記事では、山田真前社長については、ワンマン経営者ではあったものの、経営者としての手腕は高かったとの知人の証言も紹介されています。
「卓越したリーダーシップが生むメリットとワンマン経営のデメリットは紙一重です。山田氏は腹の据わった名経営者でしたが、部下や周囲の人々の意見に耳を傾けないという致命的な欠点がありました。『自分が赤字の旅館を建て直したのだ』という自負も強すぎましたね」(同・知人)
山田真前社長の社長就任前の経歴については、料理長を兼任していたため調理師学校に通ったり、料理人として働いていたのではないかとの推測も見られますが、山田真前社長が料理長を兼任していたとしている信頼度の高いニュースソースが確認できないため誤情報である可能性が高いです。
大丸別荘の山田真前社長の死因
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大丸別荘・山田真前社長の死因についてですが、「遺体で発見。自殺と見られる」としか発表されておらず、はっきりとした死因は明かされていません。
ただ、テレビニュースでは、山田真前社長の遺体が筑紫野市内の山道で見つかったと報道されています。
12日朝、死亡しているのが見つかったのは、筑紫野市の温泉旅館「大丸別荘」の山田真 前社長です。
警察によりますと12日午前7時ごろ、市内の山道で通行人が発見したということです。
発見場所や遺体の状況、死因などの詳細については明らかにしていません。
また、遺書が発見されたのは、遺体の近くに停められていた車の中だったとの事です。
大丸別荘で検出されたレジオネラ属菌は感染すると最悪の場合死亡も
大丸別荘では、大浴場の湯から基準値の最大3700倍ものレジオネラ属菌が検出されたと報じられました。
謝罪会見で山田真前社長はレジオネラ属菌について「大した菌ではないと考えていた」などと発言しましたが、レジオネラ属菌に感染する事で起こるレジオネラ症になると、最悪の場合は死亡する事もある危険な細菌です。
レジオネラ属菌は、河川や湖水などの自然界に生息する細菌で、感染すると「レジオネラ症」を引き起こすことがある。同症を巡っては、国内では入浴施設などを発生源とした感染例が多数報告されており、過去には死亡した人もいる。
大丸別荘の山田真前社長は汚いとは思わずお湯を交換していなかった
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大丸別荘では、県の条例では1週間に最低1度は全て交換するように定められている浴場の湯を年にたった2回しか交換していなかった事が問題になりました。
いくら掛け流しの温泉とはいえ、年間にたった2回しかお湯を完全交換しないというのは一般的な感覚で見ると不衛生で汚いというイメージが湧きますが、山田真前社長は「汚いという印象、イメージは全くなかった」と発言しており、そもそも汚いと思っていなかったようです。
--年2回の換水で汚いなとは思わなかったのか
「何度も言うが、レジオネラ属菌の数は別として、お湯自体は変わっているので、見た目は…、濾過もしているし、入って汚いという印象、イメージは全くなかった。記事を読んで、ずっと同じお湯を回したのかと勘違いしている方が多いが、だいたい、浴槽の4倍ぐらい入れている」
山田真前社長は、温泉掛け流しでお湯が入れ替わっているので汚いとは思わなかったと主張していましたが、お湯を入れ替えていないという事は、その間は浴槽の清掃も行っていないという事になるので、やはり不衛生で汚いと感じる方が大多数ではないかと思います。
この辺りの感覚の違いも炎上する原因となりました。
大丸別荘の口コミは騒動後もかなり高評価
大丸別荘が大浴場のお湯を年に2回しか交換していなかったのが発覚した問題はインターネット上では結構な規模で炎上していますが、意外にも大丸別荘のウェブ上の口コミは問題発覚後も高評価となっています。
大丸別荘の口コミは、今回の問題発覚以前もかなり良かったのですが、騒動発覚後に宿泊した方も高評価をつける人がかなり多いようです。
報道の直前に、母とともに宿泊しました。
中居さんの対応が素晴らしく、とても気が利いていて終始丁寧でした。おかげで大変気持ちよく滞在することができました。温泉も建物自体は古く趣がある設えでしたが、よく清掃されており気持ちが良かったです。もともと敏感肌なのですが、お湯も肌に合っていたようでした。
母とも絶対にまた来ようね、と話しており、大切な思い出の宿になりました。改善すべきは改善し、どうかこれからも頑張ってください。
予約した後に例の件を知りました。
ええっ、と思いつつ、
去年に是正がされてることと色々捜査が直近も入ってる事をしり、
『逆に安心』と思いgo
正解だったと思います。
お風呂は大変綺麗でした。
泉質も良いです。
余りにも綺麗なので、
塩素で誤魔化してる温泉が他にいくらでもあるのが分かりました。
渦中とは思えぬ、素晴らしい滞在の一言。応援したい。報道とは裏腹に、心の底から素晴らしいと思える滞在ができました!庭も見事に掃き清められ、食事も一品一品美味しく、接客も見事。夕食のお酒をいただく中、先代の社長のお人柄を語りながら涙する社員さんに触れて、あらためて大丸別荘を応援したい気持ちとなりました。
宿泊前日に飛び込んできた温泉のお湯の取り換えの虚偽報告のニュース。今更キャンセルもできないし、すでに改善に取り組んでいるということなので伺いました。問題の温泉は大きな岩風呂でとてもよかったです。ただ、更衣室が寒く、湯冷めしそうで、急いで部屋に帰りました。食事も華やかさはないものの、おいしかったです。施設は古いですが、水回りなどは新しくなっていて、問題ありませんでした。接客はとても丁寧で、この問題がなければもう少し気分よく泊まれたのにと、少し残念でした。頑張って信頼を取り戻してほしいと思います。
今ならかえって安心というクチコミを見て予約しました。
行ってよかったです!
まず雰囲気が素晴らしい。入った瞬間ふわっといい香りがして(館内数カ所で香りを焚いてるそう)、旅館の雰囲気と共に一気に非日常へ誘われました。
フロントでは、今回の件を謝罪され、お手紙をいただきました。
仲居さんたちは、とても気配りが上手で好感が持てました。
これらの口コミがサクラによる書き込みのようには見えないので、騒動後も口コミが高評価なのは、大丸別荘の従業員の方々が誠心誠意接客されているのが伝わっている結果のようです。
ここで紹介した口コミはごく一部で、他にも高評価の口コミが多数確認できます。逆にマイナス評価の口コミはほとんど確認できないため、今回の温泉の件以外はかなりサービスレベルの高い温泉旅館である事は間違いないようです。
大丸別荘は騒動後は営業停止処分にはなっていない(既に衛生管理を改善しているため)
大丸別荘が今回の騒動後には営業停止処分は下されていません。
これは、大丸別荘が2022年12月に福岡県から改善命令を出された時に、1度自主的な営業停止をし、衛生管理を改善した上で営業を再開しているためです。
その後も立ち入り検査が行われているはずですが、特に問題が指摘されていない事から見て、現在は改善されて問題なしと判断されているという事でしょう。
大丸別荘の現在① 廃業はしておらず営業を続けている
大丸別荘が今回の件で経営が傾き廃業になるのではとの声も見られますが、2023年3月の現在のところはそうはならずに営業を続けています。
ただ、口コミは良いとは言ってもやはりイメージの悪化はあるようで、「廃業すべき」、「このままでは廃業は避けらない」などの声も多く見られます。
今後の展開はわかりませんが、口コミを見る限り従業員の方は誠心誠意接客されているようなので、廃業という結果にはならずに衛生管理を徹底した上で復活してもらいたいです。
大丸別荘の現在② 山田真前社長の退任にともない新社長が就任
現在も営業を続けている大丸別荘ですが、2023年3月2日に山田真前社長は引責辞任し、外木場大倫さんという方が新社長に就任されています。
2023年3月2日
株式会社大丸別荘役員変更のお知らせ
この度、弊社山田眞の退任に伴い外木場大倫が代表取締役社長に就任いたしました。
今後はこの新体制をもちまして大丸別荘の信頼回復に努めて参る所存でございます。
この大丸別荘新社長の外木場大倫さんですが、詳しい経歴は不明ながら遅くとも2019年から大丸別荘の総支配人を務められていたようです。顔写真も地元のエリアマガジンで公開されていますが、それを見る限りかなり若い方のようです。
まとめ
今回は、基準値の最大3700倍ものレジオネラ属菌が検出され、年間に2回しか浴場のお湯を交換していなかった事が発覚した福岡県筑紫野市の老舗温泉旅館「大丸別荘」についてまとめてみました。
大丸別荘は江戸時代末期から続く有名旅館ですが、山田真前社長の指示により、県の条例を守らずに浴場のお湯を年に2回しか交換せず、殺菌のための塩素も規定通りに入れないなどの杜撰な衛生管理を行なっていました。
大丸別荘の前社長の山田真さんの年齢は2023年3月時点で70歳と報道されています。山田真前社長の経歴は詳しくは明らかになっていませんが、1990年代に兄の後を継いで社長となり、傾いていた経営を立て直しています。知人からはワンマンながら経営者としては優秀だったとの証言も出ています。
山田真前社長は、問題発覚後に記者会見を開きましたが、この会見で「レジオネラ菌があまり大した菌ではないという認識があった」、「塩素のにおいが自分の体質に合わずに嫌いだった」、「汚いという印象、イメージは全くなかった」などと発言し批判を浴びました。
山田真前社長はこの会見から12日後の2023年3月12日に遺体で発見されており、死因は非公表ながらも自殺だとみられると報じられています。
この騒動後、大丸別荘は炎上し批判されていますが、騒動後に宿泊した人からの口コミはかなりの高評価が多数つけられており、サービスが良かったので復活を応援したいという声が多くみられます。
大丸別荘は騒動の後も営業停止にはなっておらず、廃業するという話もないようです。現在も営業が続けられ、社長は外木場大倫さんという方に代わっています。