2003年6月1日に日本テレビの「NNNドキュメント」で取り上げられた身体障害者・イモムシ雄太(安井雄太)さんが注目されています。
ここではイモムシ雄太さんの事故や後遺症、家族の介護、放送後のネットでの誹謗中傷、自殺によって死亡したとの説、現在も生きてるといった説などについてまとめました。
この記事の目次
イモムシ雄太(安井雄太)はNNNドキュメントで紹介された身体障害者
イモムシ雄太(安井雄太)さんは、2003年6月1日の深夜に放送された日本テレビの「NNNドキュメント」で取り上げられた身体障害者です。
NNNドキュメントでは、車内でのガス爆発事故の後遺症によって四肢切断となり、家族の手を借りて生活するイモムシ雄太(安井雄太)さんの痛ましい姿が放送されましたが、その放送後、インターネットの匿名掲示板2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)を中心に激しい誹謗中傷が行われました。
そもそも「イモムシ雄太」というのは四肢を切断した状態の安井雄太さんの姿を揶揄する呼び名です。今でもネット上では「イモムシ雄太」が検索してはいけない言葉として紹介されるなど、ネット上の固有名詞としてかなり広まっているため、ここではあえて「イモムシ雄太」で書いていきますが、彼を誹謗中傷する意図ではありません。
続けて、イモムシ雄太(安井雄太)さんの事故の後遺症や、被害者であるのにかかわらずなぜ誹謗中傷されるのかなどについて見ていきます。
イモムシ雄太(安井雄太)は事故で重い後遺症を負う
NNNドキュメント放送時は19歳だったイモムシ雄太(安井雄太)さんは、車内でガス爆発事故を起こし、全身に70パーセント以上の重い火傷を負って意識不明の重体となり、1ヶ月昏睡状態が続きましたが奇跡的に回復しました。
しかし、イモムシ雄太(安井雄太)さんの手足は重い火傷を負って広い範囲で組織が死んでしまい、感染症を防ぐために切断せざるを得ない状況でした。イモムシ雄太(安井雄太)さんは、全ての手足を失うという重い後遺症を負う事になりました。
NNNドキュメントの放送では、足を切断した部分を断続的に激痛が襲い、原因不明の吐き気などの後遺症がある事なども紹介されていました。
イモムシ雄太(安井雄太)は非行少年だったため自業自得だと誹謗中傷された
重い後遺症により、地獄のような日々を送る事になったイモムシ雄太(安井雄太)さんでしたが、放送終了後、インターネットの匿名掲示板2ちゃんねるなどで激しい誹謗中傷が行われました。
イモムシ雄太(安井雄太)さんが誹謗中傷されたのは、彼が爆発事故に遭う前に札付きの非行少年で犯罪行為を繰り返していた事がNNNドキュメントの放送で明かされたためでした。
番組放送時19歳だったイモムシ雄太(安井雄太)さんは、中学時代から遊ぶための金欲しさに恐喝や万引きなどを繰り返しており過去には少年院へ送られた事もあったようです。
高校はほとんど通わずに中退し、バイクを盗んで無免許で乗り回すなどして仲間たちとともに好き放題生きていた事なども放送され、当時の写真なども番組内で紹介されました。
そして、そもそも四肢切断の重い後遺症の原因となったガス爆発事故は、シンナーなどの薬物に手を染めていたイモムシ雄太(安井雄太)さんが、車の中でライター用のガスをビニール袋に溜めて吸引していたのが原因だった事なども放送内で明かされました。
こうした事から、イモムシ雄太(安井雄太)さんがガス爆発事故で四肢を失うという後遺症を負ったのは、因果応報であり自業自得だとの声が多数噴出し、ネットでの誹謗中傷へとつながったのでした。
NNNドキュメントでイモムシ雄太(安井雄太)さんの事が取り上げられた2003年頃は現在と比べて、テレビ放送によるネットの反応への配慮が全く考慮されていなかった時代なので、モザイクをかけたり名前を伏せたりする事もなく、イモムシ雄太(安井雄太)さんの過去の犯罪行為や事故の原因などを放送してしまい、こうした誹謗中傷が起こったとも言えます。
イモムシ雄太(安井雄太)の家族について
NNNドキュメントでは、イモムシ雄太(安井雄太)さんは、車内でのガス爆発事故によって四肢切断となり、家族の手を借りて生活している様子放送されました。
ここではイモムシ雄太(安井雄太)さんの家族について見ていきます。
NNNドキュメントの放送当時、イモムシ雄太(安井雄太)さんは、東京都江東区の集合住宅で兄の安井和也さんと母の安井弓子さんと家族3人で暮らしていました。
放送によれば、イモムシ雄太(安井雄太)さんは両親と3人兄弟の5人家族に末っ子として生まれたようですが、父親はギャンブル狂いで多額の借金を作ったため、イモムシ雄太(安井雄太)さんが小学校に上がる前に両親は離婚しているという事です。
その後、母の弓子さんは女手一つで3人の子供を育ててきたという事でした。放送当時、弓子さんはイモムシ雄太(安井雄太)さんの介護をしながらホームヘルパーの仕事をして毎月10万円ほどの収入を得ているという事でした。
また、放送では、重い後遺症を負って、家族の助けがなくては生活がままならないイモムシ雄太(安井雄太)さんを、兄の和也さんと母の弓子さんは献身的に支える様子も映像を交えながら詳しく放送されていました。
母の弓子さんが、イモムシ雄太(安井雄太)さんに食事をさせる様子や、排泄物の世話をする様子。車椅子からベットに抱き上げて移動させる様子などが放送されましたが、思うようにならないイライラからか、イモムシ雄太(安井雄太)さんが母に悪態をつく様子なども放送され、これもまたネットでの誹謗中傷につながりました。
また、兄の和也さんが、車椅子を押してイモムシ雄太(安井雄太)さんを外に連れ出し、レンタルビデオ店を訪れる様子なども放送されました。
兄の和也さんは、事故前までは弟のイモムシ雄太(安井雄太)さんとそれほど仲が良くなかったという事ですが、雄太さんが後遺症を負ってからは献身的に介護をし、弟の状態についても「生きていてくれるだけでよかった」と話されていました。
なお、イモムシ雄太(安井雄太)さんのもう1人の兄弟については放送では語られておらず、名前や性別、年齢などは不明です。
イモムシ雄太(安井雄太)は事故後定時制高校入学など前向きに生活
イモムシ雄太(安井雄太)さんは、過酷な環境な中でも家族の支えにより次第に前向きな気持ちを取り戻した様子で、番組後半では、残された腕の部分にベルトでペンを固定して勉強し定時制高校に入学し、クラスメイト達と机を並べて勉強する姿も放送されていました。
また、母親からプレゼントされたノート型パソコンを使い、残された腕の部分でキーボードを使ってチャットをする姿や、電動車椅子に乗って1人散歩する様子なども紹介されていました。
過去の犯罪行為などからネットで多くの誹謗中傷を浴びたイモムシ雄太(安井雄太)さんでしたが、番組内では「過去に自分のした事が返ってきているのだと思う」と反省の気持ちを話し、重い後遺症を負って過酷な日々を送りながらも、なんとか自分だけで出来ることを増やそうと前向きに努力を重ねる姿を応援する声もいくらか出ていました。
イモムシ雄太(安井雄太)の現在① 友人を名乗る人物が死亡したと明かす
NNNドキュメントでガス爆発事故による悲惨な後遺症を負った姿が放送され、大きな反響を呼んだイモムシ雄太(安井雄太)さんでしたが、その後の続報は一切放送されておらず、その後の様子や現在どうなっているのかにも注目が集まっています。
ネットの匿名掲示板では、放送当時から現在まで盛んにイモムシ雄太(安井雄太)さん関する書き込みが繰り返されており、その後の様子について語られているものもありました。
友人を名乗る人物がイモムシ雄太が自殺で死亡したとネットに書き込み
2008年1月頃、匿名ネット掲示板2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)に、イモムシ雄太(安井雄太)さんの中学時代からの友人を名乗る人物が現れ、イモムシ雄太(安井雄太)さんが2004年野11月上旬に21歳で死亡している事を明かし注目を集めました。
この友人によれば、イモムシ雄太(安井雄太)さんは、自宅の近くを流れている川から飛び降りての自殺によって死亡したという事でした。
イモムシ雄太の墓のある寺やお別れ会の会場などが明かされ死亡説の信憑性が増す
匿名の掲示板という事で書き込みの真偽が疑われましたが、この友人を名乗る人物はイモムシ雄太(安井雄太)さんの墓がある寺の名称や、お別れ会をしたセレモニー会場の名称を具体的に示し、ここに電話をして事実かどうか確認してほしいと書き込んでいます。
書き込みによれば、イモムシ雄太(安井雄太)さんの墓がある寺は東京都江戸川区東小松川にある「永福寺(その後宝賓院と訂正)」で、お別れ会をした場所は、東京都江東区北砂の「カルチャーパビリオン・平安・北砂館」という場所だという事でした。
2ちゃんのスレでは、何人かの人間がこの寺を訪れてみたところ、本当にイモムシ雄太(安井雄太)さんの墓(当時は墓石ではなく卒塔婆が立っているだけだったらしい)があり、死亡したのは間違いないといった書き込みも見られました。
イモムシ雄太の出身校や職歴なども具体的に明かされている
さらに、このイモムシ雄太(安井雄太)さんの友人を名乗る人物は、雄太さんの出身中学が東京都江東区大島の「区立大島中学校」である事。中学卒業後は墨田区の「都立墨田工業高校」の定時制に進学したがすぐに自主退学した事。事故後に勉強して入学したのは江東区の「都立東高校」の定時制である事などを書き込みしています。
また、イモムシ雄太(安井雄太)さんは、最初の高校を辞めた後は建築現場で働いていた事や、少年院から出た後も同じ会社で働いていた事なども書き込んでいます。
さらに、この友人を名乗る人物はネットに書き込まれていたイモムシ雄太(安井雄太)さんの過去の悪行はほとんどがデタラメである事や、少年院に行くことになった事件でも相手に与えた損害は自分で働いて弁償している事なども書き込んでいます。
この一連の書き込みがかなり具体的だったため、イモムシ雄太さんが現在既に死亡しているとの説はかなり有力だと見られています。
イモムシ雄太(安井雄太)の現在② 現在も生きてるとの見方も
イモムシ雄太(安井雄太)さんが現在既に死亡しているとの説が出た一方で、やはり現在も生きてるとの説も根強く存在します。
上で紹介した死亡説はあくまでも匿名掲示板の中で明かされた情報であり、具体的に書き込まれた一連の内容も、実在する寺や施設、学校などをそれらしく書き並べただけとも考えられます。
また、実際に寺を訪れて確認したという人物も、証拠などを示したわけではないため、狂言である可能性が考えられます。
こうした事から、ネット上での誹謗中傷を苦にしたイモムシ雄太(安井雄太)さんやその関係者が、死亡した事にして誹謗中傷を止めさせようとしたのではといった見方も出ています。
現在もイモムシ雄太(安井雄太)さんは生きてるものの、自宅に引きこもる生活を続けているとの噂も出ているようです。
真相はわかりませんが、いくら非行少年だったとはいえ、誰かを巻き込んだわけでもない事故で重い後遺症を負い、その後ネットで誹謗中傷された挙句、自殺によって死亡ではあまりにも哀れです。
現在もどこかで生きて、なんらかの形で幸せを感じていてくれればと願わずにはいられません。
まとめ
今回は、2003年6月1日に日本テレビで放送されたNNNドキュメントで紹介され、ネットで注目を集めた身体障害者・イモムシ雄太(安井雄太)さんについてまとめてみました。
イモムシ雄太(安井雄太)さんは、札付きの非行少年でしたが、19歳の頃に車の中で袋に入れたガスを吸引してラリっていたところ引火してガス爆発事故を起こし、全身に重い火傷を負いました。
イモムシ雄太(安井雄太)さんは、1ヶ月半の昏睡状態の後に奇跡的に意識を取り戻しますが、感染症を防ぐため両手両足を切断する重い後遺症を負う事になりました。
本来であれば同情されるべきイモムシ雄太(安井雄太)さんでしたが、過去の犯罪行為などからネットで自業自得、因果応報だとして誹謗中傷される事になりました。
ネットでは、イモムシ雄太(安井雄太)さんが死亡したとの説や、やはり現在も生きてるとの説などが盛んに書き込まれていますが、現在イモムシ雄太(安井雄太)さんがどうされているのかの真実は明らかになっていません。
イモムシ雄太(安井雄太)さんが、なんらかの形で幸せを感じ現在もどこかで生きている事を願っています。