ドラマ『あすなろ白書』や『ロングバケーション』など数々の名作ドラマを執筆してきた脚本家の北川悦吏子さん。
その最新作である2018年のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』の中で描いた”家族”への考え方がネット上で波紋を呼んでいます。
北川悦吏子さんのルーツである実家の家族、そして結婚した夫とその娘との関係や、現在闘病中である二つの病気について詳しく総まとめしましたのでご紹介します。
この記事の目次
北川悦吏子のプロフィール&経歴
苦難の人生を歩む天才的脚本家・北川悦吏子
北川悦吏子さんはドラマ好きの人にとってはお馴染みの名前だと思いますが、2018年の最新作で放送中のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』までに、1990年代前半からドラマ『素顔のままで(フジテレビ系)』『あすなろ白書(フジテレビ系)』『ビューティフルライフ(TBS系)』など立て続けに大ヒット作を生み出した天才的な脚本家です。
北川悦吏子さんについての詳しいプロフィールはこちら。
本名: 北川 悦吏子(きたがわ えりこ)
生年月日: 1961年12月24日
出身地: 岐阜県美濃加茂市
身長: 非公開
体重: 40 kg程度(ブログより)
血液型: B型
学歴: 早稲田大学第一文学部 哲学科東洋哲学専修卒業
職業: テレビドラマ脚本家、映画監督、エッセイスト引用:Wikipedia – 北川悦吏子
北川悦吏子の生い立ち~小田和正に憧れ早稲田大学に進学
実家の家族を離れ単身上京した北川悦吏子
北川悦吏子さんは現在までに執筆してきた多くのドラマの脚本で家族の形を描いてきましたが、その天才的でクリエイティブな人生の原点である実家の家族との関係は感性に大きな影響を与えたと思われます。
北川悦吏子さんは岐阜県立加茂高等学校を卒業後、当時大ファンだったオフコースのボーカル・小田和正さんと同じ早稲田大学に進学したいと考えて父親に上京を相談しました。
北川悦吏子さんの父親は当時岐阜県多治見市にある東濃信用金庫に務めており、母親は専業主婦でしたが、娘が地元の短大や名古屋あたりの女子大に進むものだと思っていたため上京したいという希望に反対しました。
北川悦吏子さんには現在情報科学の研究者をしている実兄・北川高嗣さんがいますが、間に立って両親を説得して貰ったことで父親から大学生活の4年で戻るという念書を書かされて上京が許されました。
北川悦吏子さんは後に「真のクリエイターは孤独の人が多い」と語っていますが、もしかするとこの頃から人一倍強い独立心と孤独を恐れない感性を持っていたのかもしれません。
北川悦吏子、挫折とドラマ脚本との出会い
新社会人として挫折を経験した北川悦吏子
天才脚本家・北川悦吏子さんは学生時代から才能を発揮してなるべくして脚本家になったというイメージもありますが、実際は大学卒業後に一般社会人を経験して挫折しています。
北川悦吏子さんは早稲田大学を卒業した後に広告代理店に就職しましたが、新人に課せられた雑用の多さに心身ともに疲弊しきってしまいわずか半年で退社してしまいました。
半年間療養をしていましたが、北川悦吏子さんはにっかつ撮影所に入社して業務と並行して現場で脚本を学び、1989年に放送されたドラマ『月曜 女のサスペンス(テレビ東京系)』の一編『赤い殺意の館』の脚本を担当してデビューしました。
以降、北川悦吏子さんは1991年に放送されたドラマ『世にも奇妙な物語(フジテレビ系)』内のエピソード「ズンドコベロンチョ」の脚本を担当して世間的な注目を集めるようになりました。
脚本家としての才能が開花した北川悦吏子さんは、1992年のドラマ『素顔のままで』、1993年のドラマ『あすなろ白書』と立て続けに大ヒット作を生み出し、若い世代を中心に強い共感を呼んで「恋愛の神様」と呼ばれるようになりました。
北川悦吏子の家族情報~結婚した夫・石原耕太との間に1人娘が誕生
北川悦吏子、1993年に共同通信社勤務の石原耕太と結婚
ブレーク時期の1993年に結婚した北川悦吏子
北川悦吏子さんはドラマ『あすなろ白書』で社会現象を巻き起こした1993年、共同通信社社員だった石原耕太さんと結婚しました。
北川悦吏子、難病をのりこえ娘を命がけで出産!
北川悦吏子さんは詳しくは後述する腎臓の難病により、16歳の頃に医師から「子供は産むことができない」と言われていました。
この事実を夫の石原耕太さんに伝えた上で結婚しましたが、それから4年後の1997年に妊娠し、医師の告知に反して子供を出産することができました。
ひとり娘の埜々香さんは都立小山台高校を経て母親の北川悦吏子さんと同じ早稲田大学に進学しています。
子供を出産することが難しい病気だった北川悦吏子さんは、まさに天からの授かりものという奇跡的な出産ができたことから娘・埜々香さんとはとても仲が良いようで、ツイッターやブログなどでも時折登場しているようです。
さっき、北川悦吏子としての話を面白おかしく、娘に話していたら、「その話し、面白いから友達にしてもいい?」と確認され、「もちろんいいよ」と言いましたが、そうか、ただの「母」の話ではないのか、と感心しました。
— 北川悦吏子 (@halu1224) September 6, 2018
しかし、体を酷使して子供を出産した代償として、北川悦吏子さんは埜々香さんを産んでから約2年後となる1999年に人間ドックを受けた際に、国が指定する難病である炎症性腸疾患が見つかりました。
北川悦吏子さんが現在も闘病を続けている二つの難病について詳しく総まとめしましたのでご紹介しましょう。
北川悦吏子は10万人に1人の病気~難病を2つも抱え過酷執筆!
北川悦吏子の難病は「炎症性腸疾患」「聴神経腫瘍」
10万人にひとりの割合の難病を二つ抱える北川悦吏子
北川悦吏子さんは国が指定している難病でいずれも10万人に一人が罹患するという「炎症性腸疾患」と「聴神経腫瘍」の二つの病気を抱えています。
先述の通り、「炎症性腸疾患」は北川悦吏子さんが1999年に人間ドックを受けた際に発覚しましたが、この病気は「潰瘍性腸炎」や「クローン病」の総称でもあります。
病気の症状については専門サイトで以下のように説明されています。
腸に炎症を起こす疾患のうち、特に潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)とクローン病の二つを炎症性腸疾患とよび、区別しています。それぞれまだ根本治療が存在しない慢性の病気であり、医療費の公費負担を受けることができる特定疾患に指定されています。ともに免疫システムが過剰な反応をして消化管を攻撃してしまうと理解されており、潰瘍性大腸炎では大腸のみが、クローン病では小腸、大腸をはじめとして消化管のさまざまな部位が侵されます。
北川悦吏子、2010年に大腸全摘出手術
この病気が直接的な原因となって命を落とすことは無いようですが、北川悦吏子さんは投薬治療を続けていたものの病気の症状が再発を繰り返したため娘の誕生日を病室で祝うこともあり、2010年6月に大腸全摘出手術を受けました。
北川悦吏子さんは病気の症状が酷かった時は痛みを堪えながら脚本の執筆をしていましたが、手術を受けて以降は症状が無くなりました。
しかし、この後再び別の病気が発症し、北川悦吏子さんはNHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』の脚本執筆において壮絶な生活を送らざるを得なくなります。
北川悦吏子、「聴神経腫瘍」を発症で左耳聴覚を失う
新たな病気の試練を与えられた北川悦吏子
北川悦吏子さんは2012年に突然左耳が聞こえなくなり病院に行くと突発性難聴と診断されましたが、その後の精密検査で「聴神経腫瘍」だと診断されました。
北川悦吏子さんは手術により左耳の聴覚を完全に失いましたが、2004年に放送された自身が脚本を書いたドラマ『オレンジデイズ(TBS系)』のヒロインも同様に聴覚を失っており、その自分が書いたセリフに勇気づけられたそうです。
北川悦吏子、持病がきっかけとなり朝ドラ『半分、青い。」が誕生
北川悦吏子、NHKに自ら企画を持ち込み朝ドラ執筆へ
北川悦吏子さんは左耳の聴覚を失ったことである日の雨の音が右耳だけで聴こえていたことが面白いと感じ、『半分、青い。』というタイトルを思いつくと同時にドラマになると感じて脚本を書き始めました。
北川悦吏子さんは自身の聴覚障害をネタにして、ハンディーキャップがあってもそれを意識させずに前向きに生きていく姿を描こうと思ったそうです。
北川悦吏子さんは早速思いついたドラマの企画をNHKに持ち込みましたが、「炎症性腸疾患」の手術をしたとは言え大腸を失っている状態で常人のような体力や健康状態ではなく、元々持病の腎疾患もあることから長丁場となる朝ドラの制作に参加すること自体無謀だと言われていたそうです。
それでも、北川悦吏子さんは『半分、青い。』の制作に乗り切ったことについて以下のようにコメントしています。
「あと先を考えず、何かにつき動かされたように、ただこの企画をやりたいと手をあげてしまった無謀なところは、まるで鈴愛と同じだなと。でも『半分、青い。』が朝ドラでできるかもしれないと思うことが、私の闘病の先の光でした。仕事に集中することで病気を忘れたかったというのもあります」
北川悦吏子さんは執筆途中で病気により断念せざるを得なくなる状況を考えて、朝ドラ『ひよっこ』を始め3作品を手がけた脚本家の岡田惠和さんに万が一の時の代筆者として相談していました。
北川悦吏子、朝ドラ執筆中に倒れに2度も入院していた
岡田惠和さんから快諾を貰ったことで北川悦吏子さんは思い切って『半分、青い。』の脚本執筆に取り掛かりましたが、あまりにハードなスケジュールが続いたことから執筆中に体調を壊して2度救急車で病院に搬送され、病室で執筆することもあったそうです。
しかし、病室だからこそ思い浮かんだ大切なセリフもあったことを北川悦吏子さんは語っています。
「でも静かな気持ちになれて、不思議といいセリフが書けたんです。鈴愛の幼なじみの律(佐藤健)が鈴愛と別れる回、『僕たちは記憶のお手玉をする』『最後に僕は、鈴愛の夢を一枚だけ盗んだ』という律のナレーション、あれは入院中でなきゃ書けなかったと思います」
そんな過酷な執筆作業の末に出来上がった朝ドラ『半分、青い。』ですが、2018年8月1日に放送された第105話でのワンシーンについてネット上で物議を醸して話題になっていました。
北川悦吏子、『半分、青い。』105話で涼次のクズ男ぶりが批判される
ネット上で賛否両論が巻き起こり物議を醸した第105話のワンシーンが以下のやりとりでした。
1日に放送された第105話では、ヒロインの鈴愛(永野芽郁)が、映画製作への夢をあきらめきれない夫の涼次(間宮祥太朗)から「退路を断ちたい」「家族は邪魔になる」と離婚を切り出され、「死んでくれ……死んでくれ涼ちゃん。そうしたら許してあげるよ。別れてあげるよ」と発言するシーンが描かれた。
この発言は夢を追うために家族を捨てようとする涼次と、涼次に振り回された鈴愛のどちらに共感するかで賛否両論が分かれていたようです。
涼次への批判的な声が大半を占めているようですが、ツイッターで投稿された視聴者の声をご紹介しましょう。
もうさ!涼次はずっと祥平さんと暮らしてたらよかったやん……!そしたら誰も傷つけなかったやん…!!
— きっか(ドラマ用) (@asakikka) 2018年8月2日
この気持ちを絵にしたいと思い、最初は人間で描いていたのですが、悲しくなってきたので動物になりました。 pic.twitter.com/phVK3nHnhV
「夢を追う、不安定な生活になる。家族は邪魔になる」涼次、養育費を一銭も払う気ナッシングだし、そもそも娘の誕生日に離婚を切り出すあたり、これから邪魔になるんじゃなくて今現在そうだってことだろう。でも涼次、最初からそういう男だったもんな…すずめを救う王子様じゃなくただのアホだった
— ぬえ (@yosinotennin) 2018年7月31日
当然鈴愛を批判する声は見受けられないようですが、涼次を擁護するわけではないもののクズ男を演じる間宮祥太朗さんが「超いい」という声も一部であるようです。
北川悦吏子の現在~Twitterに脚本批難殺到で再炎上
北川悦吏子、『半分、青い。』105話の波紋にTwitterで反論
そして、脚本執筆者である北川悦吏子さんは8月1日のツイッターで、涼次の言動について”クリエーターの視点”から擁護しています。
物を創ることに憑かれた人が負う、罪、というのもが、私はあると感じているのです。社会性、とか人間性、ということとは、別のパワーと思って。スズメは、あの時、ユーコに言われたことが初めてわかったのでは。 https://t.co/dpbLD0tTTK
— 北川悦吏子 (@halu1224) 2018年8月1日
私の回りの、本物のクリエーターたちは、やはり、家族を持つことが出来なかったんです。それは、どうしてか、っていうと、「孤独」で「ひとり」でないと、立ち上がらないものがある、と私なんかは思います。
— 北川悦吏子 (@halu1224) 2018年8月1日
そして、北川悦吏子さんはさらに「物を創るということは隣人にとって罪なこと」だと持論をツイッターで展開していました。
この一年半、私は家族を捨ててたのも同然です。なにも関知しなかった。そうじゃないと書けなかった。こんなハンパな作家の私ですら、そうなんです。友人の脚本家もやはり、別居しました。物を創るって、隣にいる人からしたら、「罪」なんだ、と思っています。そしてその本人も辛い。創るだけでつらい。
— 北川悦吏子 (@halu1224) 2018年8月1日
この北川悦吏子さんのツイッターでのコメントに対して「家族を自分勝手な理由で傷つけるくらいなら始めから家族を作らなければいい」といった批判が一部で挙がっているようです。
物議を醸した涼次のセリフは後々にも作品を視聴する中で物語の重要なメッセージとして受け取った人も少なくないようです。
北川悦吏子、不用意なツイートに物議を醸す
北川悦吏子のツイッターが再び物議を醸す
8月1日の涼次のセリフでの炎上から1ヶ月あまりが経過し、『半分、青い。』も最終回まで残り約1ヶ月となった8月28日に北川悦吏子さんがツイッターでコメントして再び物議を醸しています。
最近、リプライに妙なものが入って、こわくて、読めなくなってます。素敵なリプライも来るので、それは読みたい。ということで、北川さんこれは大丈夫というものに、#北川プラス とつけてください。そしたら、必ず読みます。ハッシュタグ検索もするので、私への暖かい感想はこちらへ。#北川プラス
— 北川悦吏子 (@halu1224) 2018年8月28日
北川悦吏子さんはアンチにとっては「#北川プラス」というハッシュタグが気持ち的に付けられないと挑発したツイートもしていたため、当然墓穴を掘ってしまい同ハッシュタグには北川悦吏子さんへの批判コメントが殺到しているようです。
わぁ!もしかしてわたしのリプも妙なもの認定されてるのかしら。
— 猫使いヾ(=´・∀・`=) (@uedamomoneko) 2018年8月28日
そっかぁ…
北川先生は、賞賛、お世辞のリプは目にしても、すこしでも作品に疑問のあるものは排除されるんですね… #北川プラス つけてまでリプお届けするつもりはもうないですけど、その姿勢に心底がっかり致しました。
半分青いの脚本は余りにも酷すぎます。
— ペリー100% (@torii0214) 2018年8月29日
ストーリーにまるで一貫性が無く、登場人物が何処へ向かっているのか、最終回が近づいた今も全く見えてきません。
普通に鈴愛が漫画家として奮闘するサクセスストーリーでは駄目だったのでしょうか?あ、これは「妙なもの」でなく純粋な感想です。#北川プラス
北川悦吏子さんがこの大量の批判ツイートに心を傷めなければいいですが、誰が見てもあまりに不用意なツイートをしてしまったことは否めないでしょう。
北川悦吏子について総まとめすると…
・北川悦吏子は1997年、持病を乗り越え1人娘の埜々香さんを出産している。
・北川悦吏子は難病の「炎症性腸疾患」と「聴神経腫瘍」の2つの病気を抱えている。
・北川悦吏子は、難病「聴神経腫瘍」が原因で左耳の聴覚を失聴、この経験がきっかけとなり朝ドラ『半分、青い。』が誕生した。
・北川悦吏子は現在、朝ドラ『半分、青い。』に関してのツイートが賛否両論を巻き起こし、炎上している。
『あすなろ白書』や『ビューティフルライフ』など数々の名作ドラマの脚本を手がけてきた脚本家の北川悦吏子さんについて総まとめしてきました。
北川悦吏子さんは腎疾患や炎症性腸疾患、聴神経腫瘍など国が指定する難病と戦ってきましたが、時には自身の脚本に勇気づけられ、時には病気を『半分、青い。』という脚本に変えるなど前向きに壮絶な闘病人生を生きてきたようです。
図らずも2018年8月は2件のツイッター炎上を起こしてしまった北川悦吏子さんですが、『半分、青い。』の思い出のひとつになることでしょう。