2025年3月28日に発生したミャンマーの地震では同国の内戦状態も絡んで混乱が続いています。
この記事ではミャンマー地震の震度や震源地、被害状況、死者数、日本人の犠牲者、募金や寄付の動き、芸能人の反応や動き、現在の支援活動が円滑に進まぬ現状についてまとめました。
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ミャンマー地震は2025年3月28日に発生した同国では最大規模の震災
この記事における「ミャンマー地震」とは、2025年3月28日の現地時間12時50分にミャンマーで発生した大規模な震災です。
2025年のミャンマー地震は、ミャンマー中央部に位置する大都市マンダレー近郊の人口密集地帯を震源地としており、同国においては1912年発生のメイミョー地震以来最大規模で、死者数は2025年4月18日に現在の時点で1930年発生のバゴー地震(推定死者数7000人超)に次ぐ甚大な被害が生じています。
ミャンマーは現在、軍が政権を握る軍事政権となっており、民主化勢力や独立を求める少数民族武装勢力との間で内戦が続いている混乱状態にあります。そのために被災者救援や復興支援活動が円滑に進まずに問題が複雑化しています。
ミャンマー地震の最大震度は7相当でマグニチュードは7.7〜8.2
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2025年のミャンマー地震の最大震度は「7相当」と報じられています。
なお、「震度」は日本独自の基準であるため、「震度7相当」というのは現在までに発表されているデータなどをを元にして日本の専門家が震度に換算して示している数値です。
ミャンマー地震の震度を換算した専門家の1人である静岡大学の石川有三客員教授によれば、同地震では震度6弱〜6強の地域が広範にわたり最大で震度7、日本で甚大な被害を出した阪神・淡路大震災と比べてもずっと大きな規模だったのではないかと推測されています。
静岡大の石川有三客員教授(地震学)によると、中国の研究機関のデータなどをもとに日本の震度に換算すると、「6弱~6強」の地域が300キロ以上にわたり広がっていたという。震度7に相当する地域もあるとみており、同じく直下型で横ずれだった阪神・淡路大震災と比べても、「ずっと大きな規模だったのではないか」と話す。
世界で使用されている震度階級の改正メルカリ震度階では、ミャンマー地震は12段階中10番目の大きさである「X. Extreme」(基準は頑丈な建造物が半壊し、多くの建造物が全壊する。など)にあたるとの発表がアメリカのANSSにより出されています。
また、ミャンマー地震のマグニチュード(地震の大きさ規模を示す尺度)はアメリカ地質調査所(USGS)は7.7、タイ気象庁は8.2、パリ地球物理学研究所は7.9と発表しており2024年1月に日本で発生した能登半島地震の2倍超のエネルギーだったとみられています。
米地質調査所(USGS)などによると、28日にミャンマー中部で発生した地震の規模はマグニチュード(M)7・7で、エネルギーは昨年1月に発生した能登半島地震の2倍程度だったとみられる。
タイ気象局は、2025年3月28日13時20分、ミャンマーを震源とするマグニチュード8.2、深さ10kmの地震が発生したと発表しました。
ミャンマー地震の震源地は同国中央部で第2の都市マンダレーの近郊
2025年のミャンマー地震の震源地はミャンマーの第2の大都市であるマンダレーの近郊と発表されています。
より正確にいうとマンダレーの西に隣接するザガイン市の北西16kmの地点が最初の地震の震源地で、最初の地震から12分後に発生した2回目の地震の震源地がザガイン市の南18kmだったという事です。
また、震源の深さは10kmと発表されています。
米地質調査所(USGS)によると、マグニチュード7.7。震源地はミャンマー・ザガイン市の北西16キロメートルで、震源の深さは10キロメートル。その地震の12分後にも、2回目の地震が発生した。震源地はザガインの南18キロ、マグニチュード6.4だった。
ミャンマー地震の震源地近くのマンダレー市の市域の人口は90万人超、周辺を含む都市圏全体では200万人超の人口密集地域であった事も被害者、死者数が増える要因となっています。
ミャンマー地震の震源地はザガイン市の北西16kmという事ですが、ミャンマーという国には、まさにこの「ザガイン」という地名を冠して「ザガイン断層」と呼ばれる活断層が国土を南北に貫き、過去100年間にこの断層周辺を震源としたマグニチュード7規模の地震(バゴー地震、ピュー地震、ミッチーナー地震、ザガイン地震、シュウェボ地震など)が度々発生しており、世界的にも地震が多い地域として知られていました。
今回の地震の原因はこのザガイン断層の一部がずれ動いた事だったとみられるとの発表も出ています。(京都大学防災研究所西村卓也教授など)
西村教授によると、今回の地震はミャンマーを南北約1000km以上にわたって縦断する世界有数の活断層「サガイン断層」で地盤が水平方向にずれ、破壊が起こったことで生じた。
国土地理院の衛星データ解析によれば、破壊の距離は400km以上にわたり、地盤には断層を挟んで最大6mのずれが発生した。
ミャンマー地震の現在の被害状況は現地メディアの最新情報で死者5000人超に拡大
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ミャンマー地震の被害状況は発生直後から現在まで断続的に拡大し続けています。
ミャンマー自身の現在の被害状況① 死者数や負傷者、行方不明者
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2025年4月18日現在の時点での最新の情報では4月9日に現地の大手メディア「mizzima」が報じた死者数は5352人、負傷者数7108人、行方不明者538人となっています。
また、ミャンマーの独立系メディア「Democratic Voice of Burma」の4月16日更新の最新被害状況によれば、死者数は死者数は4410人、負傷者11366人以上と発表されています。
さらに、現在のミャンマーの実権を握る軍事政権の国家行政評議会は死者数3640人以上、行方不明者148人、負傷者5017人と4月8日時点で発表しています。
ミャンマー自身の現在の被害状況② 建物の損壊多数でインフラにも甚大な被害
死者や負傷者など人的な被害状況の他、ミャンマー国内の建物やインフラにも甚大な被害が生じています。
BBCやAP通信などの主要メディアの報道やWHOなど各機関の調査、また、ミャンマー軍事政権の発表によると、全国で12万戸以上の住宅が被害を受けておりそのうち48834戸が倒壊し、1000以上の政府庁舎も倒壊。3000を超える仏教寺院や5275の仏塔、50〜60のイスラム教のモスク、2045の学校、2171の省庁事務所と建物、148の橋梁、167の病院及び診療所、198のダムが倒壊もしくは破壊、もしくは何らかの被害を受け、主要高速道路も184区にわたって被害を受けているという事です。
また、インターネットや電話などの通信インフラも全国的に被害を受けて混乱しており正確な被害状況が掴みきれていない事も救助活動の妨げになっているという事です。
ミャンマー地震ではタイや中国、ベトナムでも死者負傷者を出す被害が発生
2025年のミャンマー地震では、隣国のタイや中国の他、ベトナムでも死者や負傷者を出す被害が発生しています。
特に隣国のタイではこの地震により首都バンコクで建設途中だった33階建の高層ビルが倒壊するなどし、2025年4月18日現在の時点で死者51人、負傷者34人、行方不明者50人が報告されています。
また、中国ではミャンマーと隣接する西南部の雲南省の瑞麗市で約847戸の家屋が損壊し、ビルからの落下物により少なくとも2人の負傷者が出ています。
ベトナムではホーチミン市ではいくつかの高層アパートの400戸が被害を受けており、第8区のアパートの34階に住む住民が強い揺れのためにパニックに陥って非常口から逃げ出し階段で21階まで到達した時点で突然気を失い、救急車が到達した際にはすでに死亡していたとの報道が出ています。
その他、インドやラオス、バングラディッシュでもこの地震による揺れが観測されていますが、2025年4月18日現在の時点では被害は報告されていません。
ミャンマー地震の日本人の死者は現在の時点で1名が確認
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2025年のミャンマー地震では、2025年4月18日現在の時点で日本人1名の死者が確認されています。
日本政府関係者によると、ミャンマー地震で死亡した日本人は震源地に近いマンダレーに居住していた40代の男性で、倒壊した自宅マンションの瓦礫の下から遺体が見つかったという事です。
【ヤンゴン共同】ミャンマーの大地震で最大級の被害が出た中部マンダレーで14日までに、連絡が取れなくなっていた日本人1人の死亡が確認された。日本政府関係者が明らかにした。40代の男性で、倒壊した自宅マンションの下から発見された。今回の地震で日本人の死亡が確認されるのは初めて。
この亡くなった日本人の方はミャンマーのマンダレーに居住していたという事ですが、どういった事情でミャンマーに住んでいたのかは現在の時点では明かされていません。現在、ミャンマーは事実上の内戦状態にあり、日本政府は国民に対して不要不急の渡航中止の勧告(現在は一部で渡航中止勧告に引き上げ)を出していたため、死亡した日本人の方は何らかのやむをえない事情でミャンマーに滞在していたと思われますが詳しい事は明らかにされていません。
今回のミャンマーの地震における日本人の死者は現在の時点ではこの方1名で、現在の時点では他に行方不明者の報告もされていません。
なお、今回のミャンマー地震における日本人の負傷者は2025年4月18日現在の時点でミャンマー国内で2人、タイのバンコクで1人の合計3人が確認されています。
林芳正官房長官は2日の記者会見で、ミャンマー中部で発生した地震に関し、タイのバンコクで日本人1人の負傷を確認したと明らかにした。命に別条はないという。同地震による日本人の負傷者は計3人となった。
ミャンマー地震の募金や寄付
2025年のミャンマー地震支援のための募金や寄付は、日本では、日本ユニセフ協会、国連UNHCR協会、日本赤十字社などのお馴染みの団体の他、楽天グループ株式会社もミャンマー地震被害支援募金を実施しています。
その他にも、「特定非営利活動法人 ワールド・ビジョン・ジャパン」、「公益財団法人 プラン・インターナショナル」、「特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)」、「特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン」、「公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン」、「特定非営利活動法人 ジャパン・プラットフォーム」などの国際NGO団体がミャンマー地震を対象にした募金や寄付活動を展開しています。
それぞれの募金、寄付先ごとに、銀行振込やクレジットカード、コンビニ支払い、各種PAY、ポイント支払いなど複数の方法での募金や寄付が可能です。それぞれのオフィシャルウェブサイトなどでは募金や寄付金の用途なども記されているため、募金や寄付を考えている方はこれらを参考にしてください。
この他、各地に募金箱なども設置されているため、それらを利用して簡単に少額からの募金、寄付を行う事も可能です。
ミャンマー地震での芸能人・有名人の現在の時点での反応や情報
2025年のミャンマー地震に対する芸能人や有名人の現在の時点での反応や関連する情報についても紹介していきます。
ミャンマー地震での芸能人・有名人① 総合格闘家・久保優太らが支援活動
ミャンマーの地震を受けて「RIZIN」で活躍する総合格闘家の久保優太さんが発起人となった支援活動が実施されています。久保優太さんはRIZINのスポンサード企業に支援の呼びかけを行い、テント70張、ミネラルウォーター7200本などの支援物資を被災地に送ったという事です。
日本の総合格闘技団体「RIZIN」の榊原信行CEOとRIZINファイターの久保優太が10日、都内のミャンマー大使館を訪問。3月28日に同国中部を震源とした大地震により、大きな被害を受けている被災地に向けて支援物資を届けた。
引用:RIZIN、久保優太が発起人となり大地震発生のミャンマーに支援物資 初の試みに榊原CEOも決意「若い世代に発信していきたい」
ミャンマー地震での芸能人・有名人② タイ出身のK-POPアイドルが反応
ミャンマーの地震での芸能人・有名人の反応としてはタイ出身のK-POPアイドルたちの反応がネット上で話題にされています。
タイはミャンマーの隣国であり、今回の地震では建設中のビルの倒壊によって大勢の死者が出るなど震源国のミャンマーに次ぐ大きな被害が発生しています。
今回の地震では「BLACKPINK」のリサさん、「2PM」のニックンさん、「GOT7」のベンベンさん、「(G)I-DLE」のミンニさん、「BABYMONSTER」のチキータさんらタイ出身のK-POPアイドルが被災地へのメッセージを発信しています。
BLACKPINKのリサは自身のインスタグラムストーリーズに「地震で被害に遭われた全てのために祈る。無事であることを願っている」と投稿。リサのほかにも、2PMのニックン、GOT7(ガットセブン)のベンベン、(G)I-DLEのミンニ、BABYMONSTERのチキータなど、K-POPアーティストとして活躍するタイ出身のアイドルたちが、地震の被害者へ慰めと無事を祈るメッセージを送った。
なお、韓国では3月21日に発生した大規模な山火事で大きな被害が出ている事から、韓国の一部ネットユーザーから「韓国で活動していながら韓国の災害には言及していないのに」などと批判の声が出て炎上しているとの事です。
ミャンマー地震での芸能人・有名人③ ミャンマー出身の森崎ウィン
人気俳優の森崎ウィンさんはミャンマー人の両親を持つミャンマー人で、両親が出稼ぎで日本に出てきて森崎ウィンさんも9歳から日本で暮らしています。
森崎ウィンさんはミャンマーの地震を受けて、地震の連載記事の中で地震について触れられていました。
こんにちは。森崎ウィンです。
『みなさんも知っていると思いますが、僕の故郷であるミャンマーで大きな地震が発生しました。現時点(4月4日)で、すでに3000人を超える方々の尊い命が犠牲になったと聞いています。そして今なお行方がわからない方、被災地で厳しい生活を強いられている方がたくさんいます。ミャンマーは、僕を育ててくれたかけがえのない場所。ニュースを見るたびに胸が苦しくて、居ても立ってもいられない気持ちになります。
ミャンマー地震での芸能人・有名人④ ミャンマーとのハーフの齋藤飛鳥
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乃木坂46の元メンバーで、現在はモデルや女優として人気の齋藤飛鳥さんは母親がミャンマー人、父親が日本人のハーフです。
齋藤飛鳥さんがミャンマーとのハーフである事はファンにはよく知られているため、ミャンマーの地震の際には齋藤飛鳥さんの動向も注目されたようですが、2025年4月18日現在の時点では齋藤飛鳥さんがミャンマーに地震について何か発言したという情報はありません。
軍事クーデターが起こるなど混乱の続くミャンマーについて言及する事は芸能人としてはリスクも伴うためあえて沈黙されているのではないかと思います。ミャンマーには親戚もいるようなのでおそらく心の中では大変心配されている事でしょう。
ミャンマー地震の現状…内戦の影響で支援が円滑に進まない状況
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2025年のミャンマー地震の現状(現在の状況)ですが、地震の後も政権を握る国軍が民主化勢力や少数民族の独立勢力を空爆して被災地にも被害が生じており、一部抵抗勢力も国軍を攻撃するなど内戦状態が継続し混乱を極めている状況のようです。
2025年4月2日にはミャンマー国軍は救援や復興などの地震対応を優先する事を理由に22日まで戦闘行為を停止すると発表し、一方の民主化勢力である国民統一政府も2週間の停戦を発表していますが実効性は不透明で、国軍は抵抗勢力への援助を妨害する目的から国際的な救援活動を許可制にして制限していて被災者に支援が行き渡るのは難しいというのが現状のようです。
国際社会は停戦の延長を求める声明を相次いで出しており、マレーシア首相がミャンマー国軍トップと会談し停戦延長の働きかけを行なった結果として両勢力が停戦延長の意向を示したとの発表がされていますがこれも実現するかどうかはわからないというのが現状だと言えます。
まとめ
今回は、2025年3月28日にミャンマーで発生した地震についてまとめてみました。
2025年のミャンマー地震の震度は「震度7相当」と推定されていますが、震度は日本独自の基準であり、世界で使用されている震度階級の改正メルカリ震度階では12段階中10番目の大きさである「X. Extreme」と発表されています。また、地震の規模を示すマグニチュードは「7.7〜8.2」と発表されています。
2025年のミャンマー地震の震源地は同国第2の都市であるマンダレーの近郊で人口密集地帯であったために被害が拡大しています。
2025年のミャンマー地震の死者数は2025年4月18日現在の時点での最新の情報では5000人超となっており、行方不明者もまだいる事から死者数はさらに増える可能性があります。このうち同国に居住していた40代男性の日本人1名の死亡が確認されています。
2025年のミャンマー地震の募金や寄付、人道支援活動なども実施されていますが、同国は軍国政権と民主化勢力、少数民族武装勢力との間で内戦状態にあり支援活動は円滑に進まないのが現状となっています。
2025年のミャンマー地震では日本人の芸能人・有名人では総合格闘家の久保優太さんが発起人となって支援活動が行われています。ミャンマーに関わりのある芸能人としてはミャンマー出身の俳優の森崎ウィンさんやミャンマーとのハーフである齋藤飛鳥さんがいます。森崎ウィンさんは地震の連載でミャンマー地震について触れていますが、齋藤飛鳥さんは現在の時点では特に触れられていません。
現在もミャンマー地震の国際的な支援活動が実施されていますが、現状としては内戦状態などが影響して支援が効果的に進められているとは言い難い状況となっています。