2018年8月10日に日本の映画・ドラマには欠かせない名脇役だった女優・菅井きんさんが亡くなりました。
享年92歳で死因は心不全ですが、死去直前まで愛したタバコを吸い続けていました。
菅井きんさんの若い頃の活躍や、結婚した旦那とその子供(娘・息子)について、そして現在遺された人々の反応について詳しく総まとめしましたのでご紹介します。
この記事の目次
菅井きんのプロフィール
日本演劇界にとって貴重な存在だった菅井きん
菅井きんさんは1951年に映画『風にそよぐ葦』で女優デビューを果たすと、ドラマ『太陽にほえろ!(日本テレビ系)』や『家なき子(日本テレビ系)』などの名演技で知られ名脇役として欠かせない存在となる一方、2008年には映画『ぼくのおばあちゃん』で82歳にして映画初主演を果たすなど、まさに「大器晩成女優の象徴」として活躍してきました。
菅井きんさんについて詳しいプロフィールはこちら。
本名: 佐藤 キミ子
別名義: 須斎 キミ子
生年月日: 1926年2月28日
没年月日: 2018年8月10日(92歳没)
出生地: 東京府東京市牛込区(現・東京都新宿区)
死没地: 東京都
身長: 155 cm
体重: 45 kg
血液型: B型
職業: 女優
ジャンル: 映画、テレビドラマ、舞台
活動期間: 1951年 – 2010年
配偶者: 佐藤正之(1996年死別)
事務所: 株式会社仕事
引用:Wikipedia – 菅井きん
菅井きん、いじわるな姑役で人気を博した名脇役
菅井きんさんといえば、1973年の時代劇ドラマ『必殺仕置人(朝日放送)』に登場する中村主水を「ムコ殿!」といびる姑役や、同年のドラマ『太陽にほえろ!』で故・松田優作さん演じるジーパンの母役、そして1994年のドラマ『家なき子』で「鬼婆演技」と呼ばれるほど役を作り込んだ演技でお茶の間の注目を集めました。
菅井きんさんは2010年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』や映画『瞬 またたき』への出演を最後に、自宅で転倒して大腿骨骨折をしてしまい事実上の女優業引退となってしまいました。
その後懸命にリハビリに励みながら女優業復帰を目指すも、世間ではメディアが重度の認知症を患っていて特別養護老人ホームに入所していると報じており、菅井きんさんは2014年10月2日に情報番組『ノンストップ!(フジテレビ系)』に出演して認知症の報道を否定しましたが、この出演が最後のテレビで見せた姿となってしまいました。
菅井きんの役者人生~若い頃の戦争体験から女優として開花するまで
菅井きん、父親に「女優は美しい女性がするものだ」と反対される
菅井きんさんはその年齢からも第二次世界大戦を経験していますが、文部省総務課・東京帝国大学学生課の事務男性職員が出征していたことからその職に就いていました。
しかしかねてからの女優の夢を諦めきれなかった菅井きんさんは劇団俳優座に入団して舞台を踏みました。
菅井きんさんはこの時も東大職員を続けていましたが、辞めて本格的に女優業に打ち込みたいことを父親に相談すると「女優は美しい女性がするものだ」と言われて反対されたそうです。
結局父親は反対したまま菅井きんさんの女優としての姿を見ることなく他界してしまい、劇団在籍中に映画監督からスカウトされ1951年に映画『風にそよぐ葦』で映画女優デビューを果たしました。
その演技力が買われて映画・ドラマ界で名脇役として欠かせない存在となっていった菅井きんさんは後に「不美人に産んでくれた両親に感謝」と語っています。
菅井きんさんと言えば「生きる」のおかみさんも良いけど、「ゴジラ」の婦人代議士!男性議員が知らしむべからずを決め込もうとするのに対して情報公開しろと強烈に抗議するきんさん!サイコー
— stanleyk2001 (@stanleyk2001) 2018年8月23日
#菅井きんさん pic.twitter.com/vA77z4AtvY
菅井きん、”女優オーラ”の無い強烈な存在感のある名脇役
菅井きんは女優人生のほとんどを脇役として出演
菅井きんさんは女優デビューから脇役で老け役という華の無い役ばかりを演じていました。
そのため撮影現場ではエキストラかと思うほど女優オーラが無かったことを元映画記者が文春オンラインの記事で語っています。
「『ゴジラ』では実年齢より上の代議士役で、『幕末太陽傳』では遊郭の遣り手婆。女優人生の始まりから老け役で、30歳の頃からは大半が老け役。でも、本人は『不美人に生んでくれた両親に感謝しなきゃ』とあっけらかんとしたもの。脇役一筋で、スタジオでも仕出し(エキストラ)の通行人役のおばちゃんかと思うほど女優オーラはなかった(笑)。でも撮影に入れば緊張感溢れる演技を見せ、業界の評価は高かった」(元映画記者)
芸能界に俳優、女優は多いとはいえ、菅井きんさんのように視聴者に強烈な印象を遺してきた役者は中々いないでしょう。
菅井きん、48歳で名バイプレーヤーとして大成
『必殺仕置人』で48歳でブレーク
菅井きんさんが名脇役として世間的に鮮烈な印象を与えてブレークしたのは1973年の時代劇ドラマ『必殺仕置人』で、48歳というまさに大器晩成の女優でした。
「藤田まことさん演じる中村主水の姑役でしたが、実年齢ではわずか6歳差なのに違和感のない姑と婿で、『ムコ殿』と呼ぶ台詞は流行語に。このドラマで彼女のおばあちゃん役は完成したといえる」
近年も50代を迎えてブレーク、再ブレークする俳優がいますが、菅井きんさんははバラエティ番組でもひょうきんな姿を見せてお茶の間に笑いを届けていました。
95年12月27日放送のバラエティ番組「タモリのスーパーボキャブラ天国」(フジテレビ系)では「スカイダイビング」と「菅井ダイビング」の語感が似ていることから、スカイダイビングをしているかのようなVTRに出演。MCのタモリが番組中に「菅井さんから直接聞いたんだけど、本当は自分がちゃんと飛びたかった(スカイダイビングしたかった)んだって」と明かし、スタジオを沸かせたことも。この時、菅井は69歳だった。
菅井きんさんはその人生のほとんどを名脇役として活躍しましたが、いよいよ女優業の終盤において82歳で映画初主演を果たして世界ギネスに認定されています。
必殺シリーズにおける「ムコ殿!」がいちばんハードコアだったのは、主水が牢屋見廻りに左遷されて収入減、せんとりつは内職の傘張りに励み、屋敷の離れを間貸しするほど貧乏こじらせた仕業人で、ずーっと無言の菅井きんにピントを合わせた中村家コントやばい。 pic.twitter.com/DZy11ixRt7
— 高鳥都 (@somichi) 2018年8月27日
菅井きん、82歳で映画初主演で世界ギネス認定
2008年に公開された映画『ぼくのおばあちゃん』で菅井きんさんは映画デビュー以来約半世紀を経て初主演を果たし、“世界最高齢映画初主演女優”としてギネス世界記録に認定されました。
菅井きんさん主演の映画「ぼくのおばあちゃん」、
— mukasi-tukiyo (@mukasi_tukiyo) 2018年8月28日
おばあちゃんと一緒に暮らしてた方、おばあちゃん子だった方は
もう作品の序盤から涙腺が大変なことになるかと・・・。
私はダメでした・・・。
菅井きんさんは本当にすごい素敵でした。
撮影当時82歳とは思えないくらい声が綺麗でそれも驚きです!
菅井きんの現在~92歳で死去、死因は心不全
菅井きん、娘家族に看取られ女優人生に幕を下ろす
演劇界を支え続けた菅井きんが92歳で大往生
2018年8月10日に”おばあちゃん女優”として愛されてきた菅井きんさんが自宅にて娘家族に看取られてその生涯を閉じ死去しました。
ドラマ「必殺」シリーズや映画『どですかでん』『お葬式』など多くの名作に出演した女優の菅井きん(本名・佐藤キミ子)さんが10日、心不全のため都内の自宅で亡くなっていたことがわかった。92歳。所属事務所が23日、書面で伝えた。
事務所によると、すでに通夜密葬を近親者で済ませており、偲ぶ会などを催す予定はないという。
菅井きん、2010年以降は車いす生活だった
菅井きんさんの死因は心不全だと報じられています。
2010年に自宅で転倒して大腿骨骨折をしてしまってからはリハビリと車椅子生活が続いており、2014年10月2日に情報番組『ノンストップ!』に出演していくつかの週刊誌が報じた「重度の認知症で特別養護老人ホームに入所している」というデマを否定したのを最後にテレビに姿を見せることは無くなりました。
晩年の菅井きんさんは病院への入退院を繰り返し、ひとり娘・三上中子さんの自宅でひ孫らと一緒に楽しく生活していたようです。
「母は家事をまったくやらない人でしたので、いつか1人暮らしになったら、どうやって生活していくのだろうと、私たちも不安に思ったのです。そこで、母の住居を三世代で同居できるように改造しました。当時は、母そして伯母、私たち夫婦、私たちの娘2人という構成でした。1階に作った広いリビングルームを母は気に入っていて、最近ではリビングルームでひ孫たちが走り回る姿を見て、目を細めていましたね」
菅井きん、死去直前までタバコを吸い続ける
芸能関係者によれば、亡くなる直前の菅井きんさんの様子について以下のように語っています。
晩年は介護施設と一人娘の自宅を行き来しながらの生活でした。持病はなく、好きな肉や鰻を食べて煙草も吸い、前日まで元気だったそうですが、最後は曾孫ら家族に看取られて息を引き取った。
菅井きんさんの死とタバコの因果関係ですが、昔からずっと吸い続けており、92歳まで生きられたのであまり関係はないと思われます。むしろ喫煙者なのに長生きしたとネットで驚きの声が上がるくらいです。
あてくしが忘れられない菅井きんエピソード…入院中術後の身体を引きずって喫煙所を探すヘビースモーカーなきん🚬…敷地の外れに灰皿を見つけて通い詰めるきん…看護師さんに「吸える所を死ぬ気で探すからタバコ吸いは足腰回復してすぐ退院」って皮肉られた通りに爆速で回復して退院を決めたきん…😌
— ふくらはぎむくみの介 (@mukuminosuke) 2018年8月23日
菅井きんさんもフネの声優だった麻生美代子さんもタバコ大好きだったみたいだけど、どちらも92歳まで生きられていて喫煙者としては長生きの秘訣なんなのか知りたかった。
— Isoda (@IsochinIsoda913) 2018年9月4日
“レストランでは肉を食べたり、タバコも1日5本は吸う。” / “菅井きん「認知症」報道に反発「腹が立ちました」日常生活を公開 (デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース” http://t.co/cOOxSOyx2I
— タダーヲ (@tada_wo) 2014年10月2日
菅井きんさんは「タバコが好きな方で…」 ヒロシが伝えたエピソード https://t.co/iMkJWGmeW1 @jcast_newsより
— ♡ぽむぽむういち♡ (@AnjelPet) 2018年8月23日
喫煙してて92まで生きれば良くね?ことタバコの話題になると健康被害ガーとヒステリックになる人多いけど、却ってそんなギスギスしてる方がストレス溜まって健康に悪いと思うわ。
菅井きんの結婚した旦那は佐藤正之~子供は娘と息子の2人いた?
菅井きん、旦那で映画プロデューサーの佐藤正之はすでに死去
菅井きんが約半世紀連れ添った旦那・佐藤正之
菅井きんさんは旦那の故・佐藤正之さんといつ結婚したのかは不明ですが、ひとり娘の三上中子さんを出産していることから20~40歳の間で結婚していることになるでしょう。
旦那の佐藤正之さんは映画『砂の器』『八甲田山』などに携わった映画プロデューサーであることから、おそらく菅井きんさんが映画女優としてデビューして以降に出会ったのでしょう。
そうすると菅井きんさんが映画デビューしたのが1951年の映画『風にそよぐ葦』であることから、25歳以降に結婚した可能性が高いかもしれません。
菅井きんには子供は娘が1人!第1子を流産した悲しい過去も…
菅井きんにはひとり娘がいる。
菅井きんさんには子供は娘・三上中子さんが1人おり、息子はいません。
しかし、第1子を流産した過去があり、もしかしたら亡き息子(もしくは娘)とあの世で対面しているかもしれません。
菅井きんさんと佐藤正之さんはお互いに映画業界に生きていたことから夫婦の形としては距離を置いていたと娘・三上中子さんが語っています。
「母は女優で、父は映画プロデューサー。お互い同じ業界で働いていたからか、家庭ではあえて距離を置いていたように思います。だからツーショット写真もないので、2人を模した人形を並べることにしました」
昭和から活躍してきた名脇役の”おばあちゃん女優”・菅井きんさんが死去されてしまい、結婚した旦那で1996年に先立った佐藤正之さんとのひとり娘・三上中子さんが遺族としてのコメントをインタビューで答えています。
菅井きんの娘・三上中子さんが語った母親の最期
女優人生を精一杯生き切った菅井きん
娘・三上中子さんは菅井きんさんが死の間際まで自由奔放な女優として生き続けたことをインタビューで語っています。
「本人は死ぬまで、自分を女優だと思っていました。女優というのは、あくまで自分の価値観を中心にして生きているものなのですね。大腿骨骨折後に、お医者さんからは、『リハビリで歩く練習をしましょう』と、勧められたときも、『必要ないわよ』と。面倒なことが嫌いなんですね(笑)。血管が硬くなってしまうのに、ずっと喫煙もやめませんでした」
もしかしたら菅井きんさんは名脇役女優としてやりたいことをやり尽くしており、自分の人生に満足していたからこそ無理に延命しようとは考えずに、最期まで思うがままに生きて天命に任せていたのかもしれませんね。
菅井きん さんが8/10に亡くなっていたらしいです…。
— さなぎおこ (俺のアハトアハト→╰⋃╯✨( ✧Д✧) カッ!!) (@sukiaraba003003) 2018年8月23日
92歳でした…。
必殺シリーズの「婿殿!」のせん役が印象深かったですね…
安らかに… pic.twitter.com/cwAJMfbmNT
「ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば!」は
— mukasi-tukiyo (@mukasi_tukiyo) 2018年8月23日
いつもウッチャンとナンチャンと菅井きんさんの3人から始まりました。
毎週の1時間の楽しい生放送は3人の息の合ったシチェーションコメディが
あったからこそでした!
菅井きんさんに、私はたくさん笑わせて頂きました。
たくさん楽しませて頂きました! pic.twitter.com/S5itvQ7wDM
今年に亡くなった人大物多すぎでしょ、、
— SLAVE (@SLAVE19480601) 2018年8月27日
高畑勲さん
大杉漣さん
星野仙一さん
衣笠祥雄さん
朝丘雪路さん
西城秀樹さん
有賀さつきさん
桂歌丸さん
津川雅彦さん
菅井きんさん
さくらももこさん
平成最後の年はショックの連続だな。
菅井きんについて総まとめすると…
・菅井きんは、若い頃からいじわるな姑役として人気を博した名バイプレーヤーである。
・菅井きんの結婚した旦那は映画プロデューサーの佐藤正之である。
・菅井きんの子供は、娘の三上中子さんが1人おり、第1子を流産した悲しい過去もあった。
ドラマ『必殺仕置人』や『家なき子』など鮮烈な印象を残してきた名脇役の”おばあちゃん女優”・菅井きんさんについて総まとめしてきました。
芸能界に多くの知人がいた菅井きんさんですが、死去されてからは親族のみでしめやかに葬儀が執り行われ、現在までに「お別れ会」などを開くという予定は立てていないようです。
それは菅井きんさんが晩年に希望していたことなのかもしれませんが、死去される前日まで娘夫婦や孫、ひ孫に囲まれて幸せに元気に過ごしていたようです。
菅井きんさんの死去はまた昭和の終わりを感じさせるものとなりましたが、日本の演劇界に遺してきた作品はいつまでも愛されることでしょう。