山口組五代目組長であった渡辺芳則さんですが、2005年の引退劇にクーデター説が付きまとうなど晩年は不遇でした。
この記事では、渡辺芳則さんの経歴や嫁と息子・娘など家族情報、引退騒動の真相、そして晩年と死因についてまとめてみました。
この記事の目次
渡辺芳則のプロフィール
渡辺芳則（わたなべ よしのり）
生年月日：1941年1月8日
出身地：栃木県
渡辺芳則、実家は農地改革で没落した豪農だった
渡辺芳則さんは、1941年1月に栃木県壬生町の豪農の次男として生まれて来ていますが、戦禍にこそ巻き込まれなかったものの、戦後の農地改革のせいで実家の土地の大部分が取り上げられてしまうなど苦境も味わったそうですね。
とはいえ、町一番の豪農だったため、農地改革後でも十分な土地が手元に残っていたそうで、渡辺家が貧しい思いをすることはなかったと言われております。
少年時代の渡辺さんに関しては、喧嘩自慢で腕っぷしが強かった一方で非行に走ることもなかったようで、実家の畑の手伝いをするなど親孝行な一面もあったとか。
そんな息子に対して両親は大学進学を望んでいたそうですが、勉強が苦手だった渡辺さんは、中学を卒業後は進学せずに東京に上京をすることになりました。
渡辺芳則の経歴…山本健一の身代わりとなって出世の糸口を掴んだ
渡辺芳則、ヤクザになった理由とは？
東京に上京した後の渡辺芳則さんについては、蕎麦屋やテキヤで働いていた一方で、数人の子分を引き連れて愚連隊のような活動もしていたそうですね。
渡辺さんの東京時代については、銀行裏口の喫茶店でぶらぶらしていたところ、銀行マンとなっていた中学時代の同級生に声をかけられたりと、故郷の知り合いに会う機会が意外に多かったため、バツが悪い思いをすることもありました。
その後、1958年になると、東京進出を進めていた山口組系山健組の若衆と知り合いになった渡辺さんは、組に入るように誘われたことをきっかけに、兵庫県神戸市に移住することになりました。
神戸移住後の渡辺さんは、山健組の事務所を訪ねることになりますが、盃をすぐには貰うことは出来ずに傘下の建築会社で半年ほど働かされたとか。
渡辺さんがヤクザになる前に下働きをさせられた真意については、当時の組長だった山本健一さんの方針で忍耐力のある若者かどうかを見極めるためだったと言われております。
とはいえ、実際の渡辺さんの仕事は、現場の作業員ではなく池の埋め立て作業を３人で見張るという代物だったため、交代で仕事を休んでは大阪まで債権取り立てのアルバイトに行っていたそうですね。
渡辺芳則、組の舎弟頭と折り合いが悪くて破門されたこともあった
山健組の組員となった後の渡辺芳則さんは、当初は山本健一さんの付き人をしていたそうですね。
付き人としての渡辺さんは、山本さんが麻雀店で麻雀をしている最中に居眠りをしてしまい1人で帰らせてしまったりと、大胆すぎるミスも多かったとか。
しかしながら、山本さんとウマが合ったという渡辺さんは、ミスをしても怒られることもなく、逆に可愛がって貰っていたと言われております。
一方で関東出身だったせいで、関西出身者の多かった山健組では何かと浮いた存在だったという渡辺さんは、山本さんが収監中だった1965年になると、舎弟頭の田中達夫さんとトラブルとなり破門をされこともありました。
この時は、あくまで田中さんの独断による破門措置だったため、山本さんが出所すると破門を解かれて山健組に復帰することが出来たそうですね。
渡辺芳則、出世のきっかけは身代わり出頭だった
山健組では浮いた存在だった渡辺芳則さんが出世のチャンスを掴んだのは、身代わり出頭がきっかけでした。
この時の騒動は、1968年頃に有馬温泉の賭場で大儲けをした山健組の若衆・Aが、山本健一さんに儲けの一部を包んで挨拶に来たため、手土産に拳銃を渡したことが始まりとなりました。
その後、Aが大阪府内の賭場でトラブルになった相手を拳銃の柄で殴りつけるといった暴力事件を起こし逮捕された際に、拳銃の入手先だった山本さんら山健組幹部たちも摘発される事態に陥ります。
そんな時に、山本さんの妻・秀子さんから身代わり出頭役を任されたのが渡辺さんだったそうですね。
身代わり出頭をした渡辺さんは、山本さんたちの罪をかぶり服役する羽目にもなりましたが、出所後は秀子さんが後見人状態となり山健組の若頭まで出世した他、神戸市を拠点とした健竜会を結成しています。
渡辺芳則が山口組五代目になった理由とは？…宅見勝の暗躍があった
渡辺芳則、大激動の時代に大出世していた
山口組三代目組長・田岡一雄さんが病死した1981年7月以降は、山口組にとって大激動の時代となった一方で、渡辺芳則さんにとってはとんとん拍子に出世をしていく夢のような時期にもなりました。
田岡さんの死後は、山口組No2と目されていた山本健一さんが跡を継ぐことが有力視されていましたが、当の山本さんは服役中だった1982年2月に、持病の肝臓病が悪化して急死してしまいました。
山本さんの急死は、渡辺さんを日本極道会のメインストリームに押し上げることとなり、山健組の組長と山口組直参の地位をもらしたそうですね。
その後勃発した山口組若頭・竹中正久さんと組長代行・山本広さんの四代目争いは、山口組を二分する騒動となり、最終的には竹中さんが勝利を収めています。
その結果、竹中さんを支持に回った渡辺さんは、山口組若頭補佐の地位を経て執行部入りを果たすなど、山本さんの死からわずか2年で山口組幹部となる大出世を果たすことになりました。
渡辺芳則、山口組五代目になった理由とは？
山口組四代目争いは、敗れた側の山本広さんに大きな禍根を残したことは言うまでもありません。
そのため、雪辱を誓った山本さんは、1984年6月に反竹中派の組長たちを引き連れて山口組を脱退し、一和会を結成しています。
「山一抗争」と呼ばれた山口組と一和会の対立は、絶縁状を送り付けるといった山口組側の強固な姿勢が功を奏し、一和会から寝返えりを図ったり引退をする組員が続出したと言われております。
劣勢状態に置かれた一和会側は一発逆転を狙い、1985年1月になると竹中正久さんを暗殺するといった暴挙に出ますが、あくまで一部幹部の独断による暴走だったため、逆に一和会解散の決定打となってしまったそうですね。
山一抗争終結後の山口組は、竹中さん暗殺による暫定体制下で若頭にまで昇進していた渡辺芳則さんと組長代行を務めていた中西一男さんの間で跡目争いが起こっています。
当時40代で特筆した武勇伝もなかった渡辺さんに対しては、「若すぎて経験不足」と感じる山口組直系組長たちも多く、当初は中西派が優勢だったとか。
しかしながら、渡辺派の実力者だった山口組若頭補佐・宅見勝さんが、山口組直系組長たちにお金を配り世論を一変させることに成功し、1989年4月に渡辺さんが山口組五代目組長に就任することになったと言われております。
渡辺芳則の身長の話題…特に詳しい情報はなかった
日本極道界に関しては、小柄な体格の人間も幹部クラスに出世することが珍しくなく、山本健一さんや宅見勝さんなどは、公表身長が160前半なれど実寸は150センチ台だったと噂されています。
そんな背景も手伝い、ネット上には渡辺芳則さんの身長に対して気になっている人間がいるようですが、渡辺さんについては、身長にまつわるエピソードは特に存在しないようですね。
渡辺芳則の名言…ビジネスマンも絶賛する格言があった
山口組長としての渡辺芳則さんは、就任当初2.8万人だった組員を4.1万人まで増加させるなど、山口組絶頂期を築いた存在でもありました。
また、1995年に起こった阪神大震災の際には、山口組のトップとして自ら指揮を執り、政府機関よりも早く被災者へ食料や防災用品を配布したことでも話題になりました。
1995年の阪神・淡路大震災では救援に手間取る行政機関よりも早く近隣住民への防災用品や緊急食料の配布を本部事務所にて行った。その模様はイタリアのマスメディアにて「マフィアが救援活動」と報じられ、被災者からも感謝の声があった。この救援活動は世界中で報道されている。
引用：渡辺芳則
そんな名物組長だった渡辺さんだけに、残した名言に対しては、ビジネスの現場でも活用出来るような蘊蓄のある代物が多いようですね。
仕事で使える親分の名言③
— Kozo@金融×医療×MBA×営業×マーケの掛け算キャリア (@kozo4936) June 19, 2020
「団結というのは人の和なんや、和は保たなあかん。報復いうのも物騒な意味と違う。人に受けた恩は必ず返さなあかん、いう意味です。」五代目山口組組長・渡辺芳則
ビジネスでいう返報性の原理です。恩を返した分、いつかなんらかの形で自分にも返ってくる。
仕事で使える親分の名言④
— Kozo@金融×医療×MBA×営業×マーケの掛け算キャリア (@kozo4936) June 19, 2020
「沈黙は、人のことをぐずぐずいうな、口は謹め、と、ごく常識的なスローガンなんですわ」五代目山口組組長・渡辺芳則
ビジネスなら上司や同僚の陰口を叩いたのがバレて職場にて居づらくなる。
営業でも転職活動でも余計な事を話して契約破談や企業に落ちたりします。
渡辺芳則の家族情報…嫁はブティック経営者で息子や娘は？
渡辺芳則さんの家族情報に関しては、神戸市内でブティックを経営していた妻・Bさんがいたそうですね。
Bさんの経営するブティックは高額な商品ばかりを取り扱っていたそうですが、本人が積極的に電話で営業をかけていたこともあり、山口組関係者がこぞって買い物に来たため、かなり繁盛していたと言われております。
また、渡辺さんには歌手を目指していた1人娘のCさんがいたとの話も存在します。
渡辺さんのツテで吉本興業が預かり、歌のレッスンを続けていたというCさんでしたが、運に恵まれずに結局デビュー話は流れてしまったとか。
渡辺芳則の引退理由とは？…クーデター説が根強かった
渡辺芳則、2005年に引退するもクーデター説があった
山口組のトップとして16年間君臨していた渡辺芳則さんですが、2005年に極道の世界から引退をして世間を驚かせることになりました。
山口組の組長が生前に引退することは、初代組長の山口春吉さんが実子の山口登さんに跡目を譲って以来の出来事だった他、六代目組長に就任した人物が、山健組系の後進ではなく弘道会系の司忍さんだったことから、巷ではクーデター説も囁かれています。
渡辺芳則の引退理由① 金に汚すぎて部下に嫌われた？
渡辺芳則さんの引退理由については、お金に汚すぎて部下たちから離反され、引退へ追い込まれてしまったとの説も存在するようですね。
渡辺さんの強欲エピソードの１つには、地方で大規模な開発工事があった場合、通常は地元の直系組織が利権に授かる習慣があったのにも関わらず、自分の息のかかった業者をねじ込んで私服を肥やしていたというものが存在します。
また、そんな渡辺さんの気質を理解した直系組長の中には、ワイロを贈ってご機嫌伺いをしていた人間もいたとか。
山口組の組長といえば、田岡一雄さんや竹中正久さんのようにお金に潔癖で、部下から食事を奢られることすら拒否して来た人物が多かっただけに、渡辺さんの強欲すぎる行動に対しては眉を顰める関係者が多かったと言われております。
渡辺芳則の引退理由② 弘道会から脅されて引退した？
渡辺芳則さんの引退理由については、1997年８月に起こった「宅見若頭射殺事件」へ関与した証拠を弘道会に握られて、引退へ追い込まれたとの説も存在します。
宅見勝さんの金権政治のおかげで山口組五代目に就任することが出来た渡辺さんでしたが、「五代目山口組にしてやった」と恩着せがましい態度を取り続ける宅見さんに対して、次第に憎悪が積もっていたとも言われております。
そんな事情もあり、渡辺さんは1996年頃より子飼いである山口組系中野会会長・中野太郎さんに「宅見を早く殺せ」と命令を下し続けていたようですね。
「宅見若頭射殺事件」については、2018年に当事者である中野さんが真相をカミングアウトするまでは、宅見組と中野会の確執のせいで起こった事件との説が有力視されていました。
そんな中で、弘道会により真相を暴露されれば、山口組を揺るがす大スキャンダルになったことは言うまでもありません。
そのため、弘道会に弱みを握られた形となった渡辺さんは、脅されるがままに司忍さんに組長の地位を譲り山口組を去ったとの噂が存在する状況になっています。
渡辺さんの引退に絡む噂については、引退を承諾させるために弘道会側から10億円ものお金が退職金代わりに流れたとの話もあるようですね。
渡辺芳則の引退後と現在…気になる晩年と死因とは？
引退後の渡辺芳則さんについては、兵庫県神戸市内の自宅で隠遁生活を送っていたようですね。
しかしながら、地位を失った極道の末路は厳しいものであったようで、引退後の渡辺さんには、かつての部下たちから恐喝を受けていたとの噂や息のかかった企業を奪われたとの噂が存在します。
16 ：名無番長：2015/10/15(木) 22:41:30.75 0
高山と橋本が渡辺に取り立てに行ったのは本当や
盛力の本にも渡辺の息のかかった企業が10億いかれたって載ってたやろ？
本当のとこは高山の代理で橋本、高山（淡）、竹内、森尾が乗り込んだ
橋本なんかは「おっさん、あがるで～」と勝手に上がってやな「なんや、寝とったんか？」
言うて無理やり起こして「金貸してくれや？」「あんたのせいで肩身が狭いんや」言うて
何度も何度も取り立てに来たがな
31 ：名無番長：2015/10/15(木) 22:54:25
隠居中のゴリ自宅に毎日のように乗り込んで全部持ってかれた
それとは別にゴリの息のかかった企業も全部やられた
あとは井奥と近松の関連企業もやらてた
それこそ釜土の灰まで全部持ってかられたから山健がゴリの面倒みてた
そんな苦しい晩年を過ごしたストレスからか、渡辺さんは若くしてまだらボケ状態になってしまったとの噂もあるようですね。
渡辺さんの最期は、2012年12月に自宅で倒れているところを家人が発見し、119番通報したものの手遅れだったと言われております。
渡辺さんの死因に関しては公表されていないものの、事故死ではなく病死だったとの新聞記事が存在します。
渡辺芳則についてまとめてみると…
渡辺芳則さんについては、若くして山口組のトップとなったものの、最後は失脚して極道の世界から去った経緯もあり、晩年は不遇だったようですね。
渡辺さんのご冥福を祈りつつ、この記事のまとめを終了させて頂きます。
