若くから「YMO」として絶大な人気を博し、世界的に活躍を続けていたミュージシャン・坂本龍一さん。
今回は坂本龍一さんの結婚や離婚、家族についてなどや、がんの公表や死去した現在などについてまとめてみました。
この記事の目次
坂本龍一のプロフィール
坂本 龍一（さかもと・りゅういち）
出生名： 坂本龍一
別名： 教授, 坂本教授
生誕： 1952年1月17日
出身地： 東京都中野区
学歴 東京芸術大学大学院修士課程
坂本龍一さんは、作曲家、編曲家、音楽プロデューサーなどの他、ピアニスト、キーボーディストなどとして、世界的に活躍したミュージシャンです。
作曲を幼少時から学んでいたという坂本さんは、東京藝術大学作曲科在学中にスタジオ・ミュージシャンとして活動を開始しています。
坂本龍一、テクノポップグループ「YMO」として大ヒットを飛ばす
YMO
スタジオミュージシャンなどを経て、他の音楽活動もしていた坂本さんは、1970年後半に細野晴臣さん率いる「イエロー・マジック・オーケストラ」にメンバーとして参加。
YMOは国内のみならず国外でも人気となり、現在も根強いファンを持つグループとなっています。
1978年に細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一の3人で結成されたテクノ・ポップ・グループ。79年発表の2作目『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』がヒットし、テクノ・ポップの大ブームを巻き起こす。その後も音楽シーンに多大な影響を与え続けるが、83年暮れに散開。93年に一時的な再結成＝再生を果たした後、沈黙を続けた3人は2004年よりHuman Audio Sponge名義で活動を再開。
坂本龍一、映画「ラストエンペラー」でアカデミー作曲賞を受賞
また、1983年には大島渚さん監督の『戦場のメリークリスマス』で主要人物ヨノイ大尉として映画出演、映画音楽も担当し、 英国アカデミー賞を受賞しています。
『戦場のメリークリスマス』
坂本さんは出演にあたりセリフを覚えていかなければならないとは知らず、台本を覚えずに現場入りし大島監督に怒られたと言います。
「メリー・クリスマス ミスターローレンス」は、今でも人気のある坂本さんの代表曲となっています。
1988年には映画『ラストエンペラー』の音楽で、日本人初となる米アカデミー作曲賞を受賞という快挙を成し遂げ、他にもゴールデングローブ賞、1989年第31回グラミー賞最優秀オリジナル映画音楽アルバム賞なども受賞。
2016年には、レオナルド・ディカプリオさん主演映画『レヴェナント：蘇えりし者』の音楽で自身3度目となるグラミー賞ノミネートも果たしました。
坂本さんの愛称は「教授」であることでも知られていますが、この名付け親はYMOメンバーである高橋幸宏さんと言われており、その由来は坂本さんが実際に東京芸大音楽学部の修士課程を修了していることや、以下のような理由もあるようです。
YMO結成当初、すでに有名アーティストだった細野、高橋コンビ（逆に教授は無名のスタジオミュージシャン）もいわゆる叩き上げタイプだったため、ニュアンスは説明できてもそれを音符に出来ず、教授に言葉で説明してそれを音階に変えて貰っていたわけです。
（例えばオセアニア民謡風の、というとちゃんとそういうメロディとアレンジを付けて戻してくれる）
坂本龍一の離婚した元嫁は矢野顕子
坂本龍一の元嫁は矢野顕子！出会いや馴れ初めは？
坂本龍一さんの元嫁は、歌手の矢野顕子さんです。
矢野 顕子（やの・あきこ）
出生名： 鈴木 顕子
別名： アッコちゃん
生誕： 1955年2月13日
出身地： 青森県青森市
学歴： 青山学院高等部中退
事務所： ニューフレンズ
ソニー・ミュージックアーティスツ
矢野は幅広い音楽性と鋭い感性を持ち、独創的な唄い手・演奏家・作編曲家でもあるために、その音楽は奇矯な印象を与えることもあるが、老若男女問わず幅広い支持を集めている。また、自身も世代やジャンルにこだわらない幅広い趣向を見せ、音楽バンド、ユニコーンの「すばらしい日々」や、ELLEGARDENの「右手」をカバーしたり、The Smashing Pumpkinsのファンで自身のライブにて同バンドの曲をピアノで演奏するなどしている。
矢野さんの代表曲には、『春先小紅』や忌野清志郎さんとの『ひとつだけ』などがあります。
坂本さんと矢野さんは、1982年に結婚。当時共にそれぞれバツイチ同士の再婚でした。
矢野さんの本名は「鈴木顕子」で「矢野」は前夫であるミュージシャン・矢野誠さんの姓となっていますが、こちらの名前で世に博まったこともあり、離婚後も芸名として「矢野」を名乗っています。
矢野さんは19歳で長男の妊娠をきっかけに前夫と結婚していますが、1979年に離婚。
坂本さんと矢野さんの馴れ初めは、YMOの1979〜1980年のワールドツアーに矢野さんがサポートメンバーとして参加したことがきっかけだと言われています。
ワールドツアー写真
一番左が矢野さん、右から2人目が坂本さんです。
もともとその前年頃からYMOは矢野顕子さんのツアーのサポートバンドとして共同作業も行っており、親交が深かったようです。
ワールドツアー中に坂本さんが矢野さんに惚れこみ、交際がスタートしたと言われています。
ＹＭＯのメンバーとは「みんな音楽仲間だった」と矢野。「最初は私のバックバンドだったんですね。ＹＭＯの人たちは。それが、２～３か月たったら逆転しまして私が後ろに。でもそれは、分け隔てない関係でした」と語った。
坂本龍一と矢野顕子の娘は歌手・坂本美雨
ふたりの間の1人娘・坂本美雨さんは、現在は歌手としても活動しています。
坂本 美雨（さかもと・みう）
別名： Sister M
生誕： 1980年5月1日
ジャンル： ポップス
職業： 歌手
活動期間： 1997年 –
レーベル： ワーナーミュージックジャパン
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
美雨さんは、1982年の再婚より前の1980年5月に誕生していますが、当時坂本さんはまだ前妻との離婚が成立しておらず、矢野さんも離婚してからわずか9ヶ月しか経っていませんでした。
２人は「挙式や入籍なんて形式であり、そんな俗世間っぽいことは必要ない」としばらくは事実婚状態。入籍したのは美雨が２歳を迎える前の８２年２月。坂本は「入籍したんだよ。子どもは他人に任せないでアッコ（矢野）と２人で手作りっぽく育てるよ」と語った。
1984年には、坂本さんは矢野さんたちとレコード会社「MIDIレコード」を設立しています。
坂本さんは学生時代に結婚した一般人の前妻との間にも子供がおり、美雨さんは坂本さんにとって次女にあたることがわかっています。
矢野さんもまた、前夫との間に長男がおり、現在長男は客室乗務員になっているようです。
坂本さんが世界で活躍していたことから矢野さんら一家は1990年にNYに移住していますが、以降現在に至るまで矢野さんはNYに在住、日本と行き来しながら音楽活動を行っています。
坂本美雨の名前は「雲子」になる予定だった？
2人の娘の坂本美雨さんは、自分の名前が矢野顕子さんの発案によって「雲子（うんこ）」になる可能性があったことを明かしています。
美雨の父は世界的な音楽家の坂本龍一（６５）で、「美雨（みう）」は坂本の案。矢野は「雲子（うんこ）」を提案したといい、美雨は「（矢野は）本気。本気です」と明言。ＭＣのフットボールアワー・後藤輝基（４２）「ウソやろ？ぶっ飛びすぎやん！」、指原莉乃（２４）は「天才って変態なんですよ」と、矢野の発想に驚がくした。
現在の美雨さんの名前は坂本さんがつけたものとなっており、由来は以下の通りとなっています。
9歳だった1990年（平成2年）には家族でアメリカ合衆国・ニューヨーク州に移住し、高校卒業まで同地で過ごしたため、英語と日本語のバイリンガルである。高校時代には美術を専攻していた。名前の「美雨」は、突然変異を意味する英語、「ミュータント（mutant）」に由来し、父が名付けた。
美雨さんは両親のエピソードなども語っていますが、坂本さんのことは美雨さんも「教授」と呼んでいることがわかっています。坂本さんは多忙だったため、美雨さんの幼少時にはほとんど家にいなかったそうです。
幼少時の坂本美雨と坂本龍一
坂本美雨さんが公開し、話題となった幼少時の1枚。
「おじさんが送ってくれた、初めて見た写真」とのコメントが添えられた写真。詳しいことは書かれていないが、坂本美雨の年齢から想像すると坂本龍一が30歳前後の頃だろうか。通称「やおや」と親しまれていた、1980年にローランドが発売したリズムマシン「TR-808」を夢中で操作する父親の横に、美雨がそっと立っている。“坂本龍一 featuring Sister M”として16歳で歌手デビューした彼女が、どんな幼少期を過ごしていたのかが垣間見られる一コマだ。
美雨さんが子供の頃には小室哲哉さんの音楽が好きだったことを坂本さんが面白く思っていなかったというエピソードもありました。
歌手の坂本美雨さんが、20日放送のバラエティー番組「ダウンタウンDX」（読売テレビ・日本テレビ系）に初出演。父親がミュージシャンの坂本龍一さんである美雨さんは「7歳ぐらいのころ、小室（哲哉）さん（の音楽）が大好きで、父は面白く思っていなかったようです」というエピソードを語る。
また、坂本さんは大の猫好きであることでも知られていましたが、娘の美雨さんも同じく猫好きとして知られています。
美雨さんは矢野さんについては、「低血圧だから」という理由でテーブルの上に足を上げて朝ご飯を摂る姿や、矢野さんの目が悪く料理に輪ゴムや食材の袋の一部が入っていたという家での型破りな姿を暴露していました。
美雨さんは、16歳から日本での音楽活動を開始しており、「Sister M」の名義で坂本さんの「The Other Side of Love」に客演して歌手デビューを果たしています。
当初「Sister M」の正体は明かされていなかったため世間では様々な憶測が飛び交いましたが、ラジオ番組の中で坂本さんが美雨さんであることを公表。
この曲はドラマ『ストーカー 逃げきれぬ愛』の主題歌になり、売上70万枚を超える大ヒット曲となっています。
坂本龍一と坂本美雨
両親は離婚しても、仲は良好のよう。
素敵なツーショットです！
坂本美雨は現在結婚して1児の母に！
坂本美雨さんは、2014年3月にブックディレクター兼編集者の男性と結婚し、翌年の7月27日に第1子となる女児を出産しています。
坂本美雨と娘の「なまこちゃん」
「なまこちゃん」は愛称のため、本名は明かされていません。
「なまこちゃん」は坂本龍一さんにとっては初孫となっていますが、矢野顕子さんには前夫との間に長男・風太さんがおり、2014年に風太さんにも第1子が誕生しているため矢野さんにとっては2人目の孫となっています。
坂本龍一と矢野顕子の離婚は泥沼だった？その理由は？
坂本龍一に愛人と隠し子、矢野顕子は宗教に入信？
坂本龍一さんと矢野顕子さんは結婚から24年後の2006年、坂本さん54歳、矢野さん51歳のときに離婚しています。
その離婚は泥沼だったとも言われているようですが、どのようなものだったのでしょうか？
坂本さんと矢野さん一家は1990年に坂本さんの仕事の関係でNYに移住していますが、同時期頃に坂本さんはマネージャー兼秘書の女性と愛人関係になっており、NYにこの愛人女性も移り住んでいます。
一説では、坂本さんと愛人との関係を知っていた矢野さんが2人の仲を終わらせるために移住を決意したとも言われているようです。
ですが移住後すぐに坂本さんは矢野さんとの家には寄り付かなくなったと言われており、間もなくこの愛人女性との間に子供もできています。
誕生当時は世間には知られていませんでしたが、子供が2歳のときに隠し子スクープという形で発覚したようです。
この後も矢野さんとの結婚関係は当分続くことになりますが、坂本さんは愛人との子供について認知しています。
愛人女性との不倫関係も続いており、さらに鶴田真由さんなどとも噂に。
坂本さんと矢野さんの結婚生活は、後半は事実上破たんしたものだったようです。
悩んだ矢野さんは、当時新宗教団体「エホバの証人」に入信したとも言われています。
エホバの証人の禁止事項や芸能人リスト！10の危険な理由も総まとめ
娘の美雨さんにも「お父さんが好きな人はお母さんではない」と告げたという話もあるようです。
坂本龍一の愛人は空里香？
当時のネット掲示板を見ると、坂本龍一さんの愛人のマネージャー女性は「空里香（ソラノリカ）」さんだと言われています。
当時の情報によると空さんは多摩美術大学美術学油絵科卒業でクリエイティブ・ディレクターでもあり、88年4月以降は坂本さんのぼ全作品をプロデュース、さらに娘の坂本美雨さんを手掛けていることもわかっています。
坂本さんと親交のある方のブログでも、1999年の記事に空さんがマネージャー女性として紹介されています。
また、子供は男児となっていますが、名前は「音央」と書いて「ネオ」くんと言うようです。
坂本龍一と矢野顕子の離婚は2006年8月に成立
坂本龍一さんと矢野顕子さんは、2001年の夏頃から離婚の話し合いを始めたとされています。
翌年には2人の離婚が報じられていますが、双方合意はしたもののそこから条件についてなどの協議に入っており、その協議はその後実に5年間にも及んでいます。
協議が長引いた原因は多額の慰謝料だったとも言われており、その額は5億円以上とも言われているようです。
坂本さんは後に長年の仲である糸井重里さんとの矢野さんについて語った対談の中で、矢野さんへの一言として「ともだちになろうよ」と発言しています。
坂本龍一が2014年に中咽頭がんを公表
坂本龍一、中咽頭がんであることを公表
坂本龍一さんは2014年6月、中咽頭がんを患っていることを発表しました。
ミュージシャンの坂本龍一（62）が10日、中咽頭がんのため治療に専念することを自身のレーベル「commmons」を共同運営しているエイベックスを通じて発表した。6月上旬にのどに違和感を覚え診察を受け、6月下旬に中咽頭がんが判明したという。今後、年内のスケジュールは全てキャンセルし、滞在先である米ニューヨークで治療に専念する。
中咽頭がんの初期症状は、食物をのみ込むときの違和感、しみる感じなどです。やがてのどの痛みやのみ込みにくさ、しゃべりにくさなどが少しずつ強くなり、さらに進行すると耐えられない痛み、出血、開口障害、嚥下障害、呼吸困難など生命に危険を及ぼす症状が出現してきます。
時には、がんそのものによる症状がほとんどなく、頸部へ転移したリンパ節の腫（は）れだけが唯一の初発症状となることもあり、注意が必要です。
引用：中咽頭がん（ちゅういんとうがん）
坂本さんは発覚前からのどの異物感や不快感などの自覚症状があったため、2014年3月に一度病院を受診したものののどには異常なしと診断。
ですがその後も症状は続き、NYで専門医に検査してもらったところ中咽頭がんであることがわかったと言います。
坂本さんは以前から健康にはかなり気を配っており、それだけに自身ががんだとわかったときはショックだったと語っていました。
「僕は、40代ごろから食や健康には十分、気を使ってきたつもりだったんです。整体や足湯なども、みんなが言いだすはるか前からやっていたので、『そんなことは、もう昔からやっている』という自負もあった。それでも、がんになってしまうんだ、と。だから、ちょっとした自信や知識なんて、なんの役にも立たない。病気になるときはなるんだ、自然のことも体のことも、自分はわかっていなかったんだ、と気づいてね。
坂本さんは同時に、当分移住先のNYで治療に専念することも発表。
この公表を受け、娘の坂本美雨さんはツイッターにてメッセージを送っています。
「しっかり治してまた弾きまくりなさいよね！」サバ美より。http://t.co/qgY15UcutP
— ネコ吸い 坂本美雨 (@miusakamoto) 2014年7月10日
公式発表はこちらです→ http://t.co/LhnqKzszvm
また、当時は坂本さんが反原発を推進していたことから放射線治療を拒否したとの報道もありましたが、これはデマであることを本人が認めています。
「どうしてそうなるんでしょうね。笑ってしまいますが、まったく誤解です。ニューヨークの病院で治療を数カ月受けました。のどが患部ですからうまく食事ができず、体重が最も多いときよりも10キロ以上減りました。ヒゲや髪の毛も部分的に抜けてしまった。でも治療効果が良好でしたから、集中治療は予定通りで終わり、いまは経過を観察しています。
以前は長いこと西洋医学を拒否し民間療法などに頼っていたという坂本さんですが、2011年3月11日に起きた東北大震災により、自分の信念や知識などは全く役に立たないと悟り、大きく価値観が変わったことも大きかったようです。
ただ自分の中で考えるようになったのは、まあ９．１１は人災ですけれども、地震や津波といった災害や病気は自然のプロセスで、自然の一部なのだということ。生や死や病気といったものはすべて自然に属するもので、自分もまた自然の一部なんだということを強く考えるようになりました。
坂本龍一、がん治療から完全復帰
坂本さんは放射線治療などの結果、2015年4月頃から徐々に仕事に復帰。
闘病明けすぐに山田洋一監督『母と暮らせば』、アカデミー賞監督でもあるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『レヴェナント：蘇えりし者』という2つの大作の映画音楽を手掛けています。
『レヴェナント：蘇えりし者』
坂本さんが音楽を担当した本作は数々のアカデミー賞を受賞。
主演のレオナルド・ディカプリオさんは念願のアカデミー主演男優賞を獲得しています。
坂本さんもこの映画音楽で自身3度目となるグラミー賞にノミネートされています。
『母と暮らせば』はがん発覚の2ヶ月前、『レヴェナント』は病気療養中にそれぞれオファーを受けていたという坂本さんですが、復帰後すぐにほぼ同時期に手掛けることになってしまったため、当時はあまりの大変さに「こんなに大変な仕事をしたら、絶対にがんが再発して死んでしまうかもしれない」と覚悟したと語っています。
その後、9月6日には自身のレギュラーラジオに復帰、2016年には仕事に完全復帰を果たしました。
坂本さんは闘病したことで死生観にも変化があったとコメントしていました。
僕の場合、若い頃から死と親しんでいたわけではないけれど、病気以降は、ただ死を恐れるばかりじゃつまらないな、と思うようにはなりました。人生は一回だけと言われていますから、できることなら、自分の死を観察して、リポートしてやりたいです、インターネット中継とかで（笑）。死んだ後も「今、トンネルのようなものに入った！」とか伝えられたら面白いのにと思います。
坂本龍一が2021年に直腸がんを公表
坂本龍一、直腸がんであることを公表
中咽頭がんは無事に寛解したという坂本龍一さんですが、2021年1月に直腸がんであることを公表しました。
坂本は「中咽頭がんは６年を経て寛解し安堵していましたが、残念ながら、新たに直腸がんがみつかりました」と切り出し「大いに落胆しましたが、すばらしい先生方との出会いもあり、無事手術を終えて現在は治療に励んでいます」と前向きに報告した。
直腸がんとは、大腸の一部である直腸に発生した悪性腫瘍(しゅよう)のことをいいます。
大腸は成人で約1.5mの長さがあり、盲腸、結腸、直腸とに分かれています。
直腸がんの症状で最も多いのは血便です。そのほか、排便に伴う症状が出やすいのが特徴で、便秘、便が細くなる、排便がなくてもたびたび便意を感じる(テネスムス)、腹痛などが主な症状です。しかし、かなりの進行がんになるまで、全く症状がない場合も少なくありません。
直腸がんの治療法は、他のがんと同じく、手術、抗癌剤による化学療法、放射線療法がありますが、基本は手術です。
引用：直腸がん (ちょくちょうがん)とは
坂本龍一さんは、2020年6月にニューヨークの病院で直腸がんの診断を受け、放射線治療や抗がん剤服用などを続けていたそうです。
しかし、2020年11月に、帰国のついでに日本の病院で人間ドックを受けたところ、直腸がんが肝臓やリンパにも転移していることが判明したと言います。
医師には、「何もしなければ余命半年」「治療をしても5年の生存率は50％」と言われ、坂本龍一さんはショックで落ち込んでしまったようです。
2021年1月に、直腸の原発巣と肝臓2か所、リンパへの転移を取る20時間もの手術を受けた坂本龍一さんは、肺にもがんが転移したとのことで、その後も肺の摘出手術など6度に渡る手術を受けています。
坂本龍一、東北復興支援プロジェクトに参加
出典：https://www.nikkansports.com/
「東北ユースオーケストラ演奏会」に登場
坂本龍一さんは闘病を続ける中、東日本大震災復興支援のために立ち上げた「東北ユースオーケストラ」の東京公演を2022年3月に開いています。
公の場では約3年ぶりのイベントへの出演を果たし、新曲「いま時間が傾いて」の演奏も披露しました。
この日の公演では、坂本による新曲「いま時間が傾いて」が初演された。演奏が終わり、ステージ上に登壇した坂本は「きょう、初めて生で聞いたのですが（コロナ禍で）初演ができずにきた中、念願かなって、笑いでごまかしていますけど、かなりグッときています」としみじみ。「鎮魂の音楽でもあるので、今聞いていると、3.11とともにウクライナのことも思い浮かんでしまいます。震災とウクライナのことは別のものですが、どうしてもそのように聞こえてきます」と平和への思いを口にした。
坂本龍一、ステージ4であることを明かす
坂本龍一さんは2022年6月に文芸誌「新潮」で、「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」という連載をスタートさせ、自身のがんがステージ4であることを明かしました。
坂本は「敬愛するバッハやドビュッシーのように最後の瞬間まで音楽を作れたら。そして、残された時間のなかで、『音楽は自由にする』の続きを書くように、自分の人生を改めて振り返っておこうという気持ちになりました」とコメントしている。
出典：https://musicguide.jp/
ステージ4ということでファンや世間にも衝撃を与えましたが、2022年12月、坂本龍一さんはピアノのソロコンサートを世界に向けて配信しています。
収録は9月に行われ、体力面を考慮し1日数曲ずつ演奏し、コンサート仕立てに編集されたとのことです。
「ライヴでコンサートをやりきる体力がない――。この形式での演奏を見ていただくのは、これが最後になるかもしれない」と、坂本は語る。
引用：【坂本龍一】配信コンサート『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022』開催決定！
このソロコンサートが、坂本龍一さんにとって最後の公の場となってしまいました。
坂本龍一の現在…2023年に71歳で死去
出典：https://spice.eplus.jp/
闘病を続けていた坂本龍一さんが、2023年3月28日に都内の病院で亡くなりました。71歳でした。
死因は公表されていませんが、がんが原因であるとみられています。坂本龍一さんは特に最後の半年は壮絶な闘病生活を送っていたようです。
特にここ半年は凄絶な闘病だった。亡くなる1、2日前には家族や医師に「つらい。もう、逝かせてくれ」と頼み込むほど。関係者は「弱音を吐かなかった彼がそんなことを言うとは…。よほど苦しかったのだろう」と思いやった。
葬儀は家族葬で執り行われ、坂本龍一さんは娘の坂本美雨さんらに見送られたとのことです。
坂本龍一さんの訃報は日本だけでなく各国のメディアでも伝えられ、SNS上では多くの著名人やファンから哀悼の意を示すメッセージが寄せられました。
元妻である矢野顕子さんはTwitterに英文で「親愛なる龍一 ４手連弾で、また一緒にピアノを弾きませんか？ あなたがいなくなり、とてもさびしい。（和訳）」とコメント。
娘の坂本美雨さんもTwitterに、「ずっとずっと愛してます」と父親への尊敬と愛を込めて400字を超える思いを綴っていました。
「ずっとずっと、憧れていました。私が生まれた時から父はたくさんの人に愛され、近くて遠い存在でした。父に会いに行く時は、好きなワンピースを着て、きれいな姿で会いたかった」「最期の日々も、そうして会いに行きました」と振り返り、「今、ちっちゃくなってもう一度娘をやりたい」「思いきり抱きつきたい。大好きでたまらない」と素直な思いを吐露した。さらに彼女は「彼の人生は、濃密な、美しい人生だったと思います」と偉大なアーティストとして世界的に称される龍一の人生を称えつつ、「坂本龍一を幸せにしてくれたすべてに、深く感謝します。お父さん、ずっとずっと愛してます」とつづっている。
YMOの細野晴臣さんもTwitterにコメントを寄せています。
「坂本くんは数年かけて準備をし永眠しました。御本人も御家族も後悔なく、静かに旅立ったと聞きました。それを知ってから、僕も安らげています。細野晴臣」とコメント文を掲載した画像を投稿。
坂本龍一さんが亡くなる2カ月ほど前に、YMOの高橋幸宏さんも脳腫瘍により併発した誤嚥性肺炎で逝去しています。
YMOで一人残った細野晴臣さんは、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組では「今年は1、2、3月と同胞の悲しい知らせが続いて、いまだに気持ちの整理ができていないままなんです」「それでも明るい未来へ進んでいくほかありませんね。」などと思いを吐露していたとのことです。
坂本龍一について総まとめすると…
・坂本龍一は矢野顕子と2001年の夏頃から離婚の話し合いを始め、2006年8月に正式に離婚が成立した。
・坂本龍一に子供は全員で3人。学生時代に結婚した女性との間に1人、矢野顕子との間に娘が1人（歌手の坂本美雨）、空里香との間に設けた子供が1人がいる。
・坂本龍一は2014年6月、中咽頭がんを患っていることを発表。2016年には仕事に完全復帰を果たしている。
・坂本龍一は2021年1月に直腸がんであることを公表。2023年3月に71歳で死去した。
坂本龍一さんは、結婚生活においては矢野さんとも不倫から始まった交際と結婚、そして残念ながら同様に不倫からの離婚となってしまっていますが、その後も矢野さん、美雨さんとは交流が続いていたようです。
晩年はがんによる闘病生活を送っていましたが、最後まで音楽と共に歩み続けた人生でした。坂本龍一さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
