となりのトトロ

となりのトトロの都市伝説・裏話の考察17選!狭山事件との関連も解説

1988年4月16日に公開されたスタジオジブリの宮崎駿監督のアニメ映画『となりのトトロ』ですが、作品にそぐわない都市伝説も多くあります。

 

『となりのトトロ』の評価や感想と海外の反応、そして狭山事件との関連などの都市伝説や裏話の考察まで総まとめしましたのでご紹介します。

この記事の目次

『となりのトトロ』とは

 

興行収入を伴わなかった不朽の名作

『となりのトトロ』は1988年4月16日に公開され、総観客動員数は約80万人、興行収入が5.9億円と前作『風の谷のナウシカ』よりも落ち込んだため急遽資金回収の作品としてよりキャッチーな『魔女の宅急便』が製作されることとなりました。


しかし、その直後に社会的なブレークを果たし、数々の賞を受賞し、VHSやDVD、グッズなどではスタジオジブリ作品の中でも特に社会現象を巻き起こすほど売上げを記録して十分過ぎる資金回収をした作品でした。

 

『となりのトトロ』は1989年4月からスタジオジブリ初の『金曜ロードショー』枠でテレビ公開が始まり、最後に放送された2010年7月23日までの間に全12回中10回は視聴率が20%を超えています。

 

また、公開後初の宣伝用トトロぬいぐるみの販売個数は666,920個を記録、その後も一般販売した大トトロのぬいぐるみが100万個、中トトロ・小トトロが合わせて60万個、その他のグッズ(ぬいぐるみ以外含む)が50万個売れて、1991年2月時点で計210万個のグッズを販売しました。

 

『となりのトトロ』は「別冊宝島」では1988年におけるサブカル・ブームのひとつとして紹介されており、そのグッズ販売力の高さから後にプロデューサーの鈴木敏夫さんも「一番の稼ぎ頭」だと語っています。

 

今やスタジオジブリを代表する不朽の名作だと言われる『となりのトトロ』ですが、それゆえに色々な都市伝説もファンの間で語られてきました。

 

 

『となりのトトロ』評価・感想・世界の反応

 

『となりのトトロ』は90%が評価している

『となりのトトロ』の評価について「良い・普通・悪い」に分けてご紹介しましょう。

 

『となりのトトロ』について「Yahoo!映画」での総合評価点は5点満点で4.49点であり、およそ90%の人が高い評価をつけたことになります。

 

この『となりのトトロ』の点数はスタジオジブリ作品の中でもトップクラスでしょう。

 

 

『となりのトトロ』”良い”の評価・感想

”良い”と評価した人は世界観を愛している

『となりのトトロ』を”良い”と評価している感想の多くは暖かい世界観に浸ってしまった人がほとんどのようです。

 

この映画は小学生の時初めて映画館に観に行った作品です。とにかくトトロやネコバスが魅力的で遠足に行く度、友達とトトロ探しをした事、種を植え、芽が出たらとにかく友達と「夢だけど、夢じゃなかった!」と一緒にハミングしたり、トトロにまつわる思い出は良い思い出ばかりです。お化けは大嫌いな私でしたがそんな私でも会いたいと思えた大好きなキャラクターです。

 

引用:Yahoo!映画 – 面白い!ワクワクする!

 

『となりのトトロ』はジブリ作品の中でも最も子供向けに作られた作品であり、子供時代に鑑賞した人は生涯忘れられない思い出になったようです。

 

そして、子供だけではなく大人になってから初めて鑑賞しても懐かしい童心に帰ることができる数少ない映画でしょう。

 

この作品も、何度繰り返し観ても面白いと感じます。
観終わった後に心が温まりますし、老若男女問わず皆に愛される作品なのではないかと思います。
トトロの姿かたちも可愛らしく、ネコバスを含めてグッズを買いたくなるのも、キャラクターデザインが優れているからですね。
トトロ、ネコバス、ジジ(魔女の宅急便)のグッズがあると、財布のひもが緩んでしまいます。。

 

引用:Yahoo!映画 – 面白い!ワクワクする!

 

『となりのトトロ』はキャラクターのすべてが魅力的に交わっており、トトロやネコバスなどグッズ性の高さも魅力のひとつでしょう。

 

トトロは年代問わず欲しいぬいぐるみのトップに数えられる魅力があるのは間違いないでしょう。

 

子供のころから何度も観てるけど、何度でも観たくなる作品。
内容は最初から最後まで台詞のひとつひとつ記憶してるのに、それでもテレビでやってたら観てしまうジブリマジック。
素敵な世界。
可愛いメイちゃん。
ふわふわのネコバスに乗ってみたいと思っていたけど、三鷹の森美術館が出来たころには大人になっていました。
あの世界は永遠の憧れです。

 

引用:Yahoo!映画 – ふわふわのネコバスに憧れて

 

『となりのトトロ』の世界観は何度見ても飽きることのない、田舎の故郷のような暖かさがあります。

 

そして、大人になって鑑賞した人は子供の頃に『となりのトトロ』の世界観に触れたかったという人は少なくないでしょう。

 

 

『となりのトトロ』”普通”の評価・感想

”普通”と評価した感想の多くは親の視点も多かった

『となりのトトロ』を”普通”と評価した感想の中には小さい子供のために観せた親も多く、元々自分のためではない、少し物足りないと言った声も少なくないようです。

 

子供が出来てから子供と初めて鑑賞しました。
子供やトトロがとても可愛く表現されてて子供は食い入る様に見てました。田舎の風景も良い。児童文学として素晴らしい作品と感じます。宮崎作品は大人が真面目に語る要素は無いのが良いですね。

 

引用:Yahoo!映画 – 幼い子供には名作!

 

小さな子供のいる家庭は高い確率で一度は『となりのトトロ』を鑑賞すると思いますが、この作品が嫌いという子供はいないでしょう。

 

ただ、子供のために観せたという気持ちが強い親の視点からは、よく観ていないなどもあり”子供のための作品”として括っている人も少なくないようです。

 

この作品は夏の風物詩的に観ていて、僕の中では花火と同じで音が聞ければそれでいい、トトロだと主題歌とかサウンドが聞ければ夏と実感できる、それぐらいの感じで本意気では観ない作品の一つ。
結構批判、酷評の声が多くて安心しました。何か日本の教科書的作品みたいになってるけど、この作品を基に間に受けて育ったらはっきり言ってキレイな世界と現実とのギャップにかなり失望することでしょう。教育的に良いとはあまり思えませんが。

 

引用:Yahoo!映画 – 少し安心

 

『となりのトトロ』の楽しみ方として、この感想のようにBGM代わりに楽しんでいる人は意外と少なくないようです。

 

久石譲さんの音楽も相まって、物語を追わなくても耳に入る情報だけで楽しめてしまうのも『となりのトトロ』の魅力でしょう。

 

ほんまの勝手な憶測やけど、次作以降への試金石として作った、そんな気にさせる作品に感じた。例えば、キャラクターとか背景の素材とか。だからストーリーとかメッセージ性みたいなものは二の次になってるんとちゃうやろか。最近の作品から見出した人にとっては、期待を裏切られるかもしれへんなぁ。

 

引用:Yahoo!映画 – 実験台?

 

スタジオジブリの作品はテーマによるメッセージ性が強い作品が多いため、この感想のように『となりのトトロ』のような純粋な子供向けの作品は物足りないと感じる人も少なくないでしょう。

 

大人が楽しむ作品に慣れている人は、『となりのトトロ』のメッセージ性を探そうとしても曖昧なことからマイナス点とする人が少なくないのかもしれません。

 

 

『となりのトトロ』”悪い”の評価・感想

 

”悪い”と評価した感想の多くは意味を求めすぎている

『となりのトトロ』を”悪い”と評価した人の多くは作品の意味を求めすぎている傾向にあるようです。

 

トトロなどキャラクターは可愛いし、絵はとても綺麗。それと映画の素晴らしさは違う。内容が無い。
幼い姉妹の日常を描いただけ。何度か観てますが、感動するポイントも無く、これで終わり?ってエンディングです。

 

引用:Yahoo!映画 – つまらない

 

『となりのトトロ』はこの感想の通りサツキとメイの日常を描いただけの作品なので、そこが気に入らない人は悪い評価になるようです。

 

田舎のほのぼのした風景や雄大な自然に心地よい、懐かしい、安心するといった感情を抱かない人にとっては『となりのトトロ』はとても退屈でしょう。

 

ご都合主義まんさいの中身0アニメ。けっきょくクソガキ2匹はべそかいて
わがまましてるだけ。
親も放任というかネグレクト!
もしあのバカ臭い化け物が凶悪犯だったらどうするんだ?
育児放棄の果ての悲惨な・・。枚挙にイトマがありませんな。

 

引用:Yahoo!映画 – ネグレクトアニメ

 

『となりのトトロ』を散々に批判する人に共通しているように思うのは、そもそもの作品の狙いを全く理解していないということでしょう。

 

恐らくこうした感想を述べている人は学生か子供を持たない男性で、作品に対して苛立ちしか感じていないという印象を受けます。

 

久し振りにちゃんと見ましたが、父親役の声優(声優じゃない?)が下手すぎて、違和感ありまくりでした。ちゃんとした人を使うべきです。

 

引用:Yahoo!映画 – 声優は大事

 

スタジオジブリの作品には有名な役者などを俳優として起用することが多く、『となりのトトロ』も例外ではありませんでした。

 

この感想のサツキとメイの父親である草壁タツオの声優は素人の糸井重里さんでした。

 

 

『となりのトトロ』海外の反応

 

海外の反応は絶賛の嵐

あえて他国である日本のアニメを観る人は『となりのトトロ』を批判する人は見当たらず、老弱男女問わず楽しめているようです。

 

「最もチャーミングな映画」 スコットランド
この作品は宮崎監督自身が語っているように、小さな子供向けに作られたものです。私がこの作品を観たのは36歳の時でした。私はまるで魔法にかけられたように、この作品の虜になってしまいました。2度目は77歳の父と一緒に観たのですが、彼もまた虜になり、4歳の孫にも見せるべきだと力説しています。

 

引用:翻訳コネクト – 海外の人たちは「となりのトトロ」をどう観たか? 【海外の反応】

 

スタジオジブリ作品が全米公開されるようになったのは『ハウルの動く城』からのため、海外の人は『となりのトトロ』はカトゥーンアニメやDVDなどで観ているようです。

 

日本以上に大人になってから見る機会が多いと思われますが、海外の反応の特徴は素直な感じ方をしていることでしょう。

 

「稀に見る傑作」 アメリカ
映画を観た後、時折この作品のことが頭に思い浮かんでくることがあったのだが、それが何故なのかは自分でも分からない。だが、大人になってから再び「となりのトトロ」を観た後、どうしてこの作品がずっと私の心に残り続けているか、その理由がハッキリと理解できた。「トトロ」は子供の気持ちの核になる部分を形あるものに変えた作品だったからだ。そして、そこに自分の意見を述べてやろうとしたり、道徳的な良し悪しを教えてやろうとしたり、うわべをよく見せようとしたりといった、大人の意図によるフィルターがまるで見当たらないのだ。

 

引用:翻訳コネクト – 海外の人たちは「となりのトトロ」をどう観たか? 【海外の反応】

 

この感想のように田舎育ちの人もそうじゃない人も、懐かしい童心を思い返させるような魅力を『となりのトトロ』は持っているでしょう。

 

大人になって忘れていた大切なものをふと思い出させてくれるような、そんな良い映画でしょう。

 

「全ての人にお薦めできる美しい作品」 ニュージーランド
最近開催された映画祭で、6歳になる息子と一緒に「となりのトトロ」を鑑賞しました。映画が半ばを過ぎたところで、息子が「この映画、最高だよ!」と満員の観客みなに聞こえるくらいの大声で叫んでしまったんです。おかげで、私は少々気恥ずかしい思いをさせられました。ただ、息子の主張に反対の人は、500人を超える観客の中にも殆どいなかっただろうとは思っています。

 

引用:翻訳コネクト – 海外の人たちは「となりのトトロ」をどう観たか? 【海外の反応】

 

海外らしいエピソードですが、日本人よりも感情表現が豊かな欧米人は感動を表現せずにはいられないほど『となりのトトロ』の世界観にハマったのでしょう。

 

この少年の言葉により、劇場にいた人たちもより感情移入して見ることができたかもしれませんね。

 

 

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察17選…狭山事件との関連も解説

 

『となりのトトロ』には怖い都市伝説がある

『となりのトトロ』はどこか懐かしさを感じさせる山奥の田舎を舞台に、小さな姉妹・サツキとメイが不思議な体験をする心温まるストーリーです。しかし、実は全く真逆の怖い都市伝説が複数あると言われています。

 

『となりのトトロ』は純粋に子供向けに作られたスタジオジブリ作品の中でも特に純粋無垢なアニメ映画だと言えるでしょう。

 

しかし、ネット上には数々の都市伝説が囁かれており、その中には恐ろしいものもいくつかありますのでご紹介しましょう。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察1 – 父親以外は死んでいた?

サツキとメイ、母親は死んでいた?

『となりのトトロ』の都市伝説の中でも特に有名なのは、サツキとメイ、そして結核を患っている母親は死んでいたという裏設定の話です。

 

この都市伝説によれば、迷子になったメイは靴が見つかった池で実は溺れて死んでおり、メイを探しに奔走したサツキもトトロのいる森の中で初めてトトロと会った時に「メイのところへ連れていって」とお願いしたところ死後の世界へ連れて行かれるというものです。

 

結核を患っていた母親も結局は悪化して死亡してしまい、作家の父親だけが残されました。

 

この都市伝説でのトトロは死期が近づいている者にしか見えない死神であり、サツキとメイだけに見えていたのは死がそこまで忍び寄っていたからだということです。

 

そして、この都市伝説を元にいくつか派生している説があり、それらがネット上で囁かれる都市伝説の主だったものとなります。

 

これらの都市伝説が本当なのかどうか、すべてご紹介したあとで反証していきたいと思います。

 

 

サツキとメイの影は途中から消えている

『となりのトトロ』の冒頭にはあったサツキとメイの影が、途中から消えていると話題になりました。

 

このサツキとメイの影が途中から描かれていないことから、ふたりはこの世にすでに存在しておらず、幽霊になったと囁かれるようになりました。

 

 

サツキとメイの姿を母親には見えなかった

サツキとメイは『となりのトトロ』の物語の終盤で母親のいる七国山病院に猫バスに乗って向かい、木の枝からとうもろこしを置いていきます。

 

サツキとメイは病院の窓からベッドにいる母親とお見舞いに来た父親を見ており、会うことなくとうもろこしを出窓に置いて帰ってしまいます。

 

メイはどうしても母親に会いたくてとうもろこしをお土産に病院に行ったはずなのに、結局会わずに帰ったことが不自然だと言われたようです。

 

都市伝説ではこれは会わなかったのではなく、サツキとメイはすでに死んでいて幽霊になっているため会うことができなかったというものです。

 

母親が外の木の枝を見て「今、そこの松の木でサツキとメイが笑ったように見えたの」と言いましたが、サツキとメイはその時実際に木の枝に座っていたため、幽霊だから母親には見えていないというような説も浮上しました。

 

 

エンディングシーンは父親の回想シーンだった

『となりのトトロ』のエンディングでは回想が流れるものの、父親と母親だが若いと言われるようになりました。

 

なぜ両親が若返ったのかという理由は、その後母親も結核が悪化して死んでしまったため、残された父親が回想しているシーンだと言われるようになりました。

 

『となりのトトロ』自体が父親の空想だったという説も都市伝説として囁かれています。

 

 

 

原作は小説『隣のトトロ』だった?

サツキとメイが死亡していたという都市伝説として合わせて言われているのは、原作は『隣のトトロ』という小説で、サツキとメイが死後に地獄めぐりをする作品だと言われています。

 

この『隣のトトロ』ではトトロは『となりのトトロ』のような愛らしいキャラクターではなく、トロールのような凶悪でグロテスクな化物として描かれているそうです。

 

さらにサツキはネコバスに乗るのではなく巨大な猫に食べられており、胃の中でドロドロに体を溶かされてしまうという非常にグロい内容になっているようです。

 

 

池で見つかったサンダルはやはりメイのものだった

メイが病院にいる母親に会いに行ってひとりで迷子になってしまいますが、捜索の末に池で発見されたサンダルはメイのものだったという都市伝説があります。

 

メイはサツキのいうことを聞かずに喧嘩になってしまい、サツキが目を離した隙にとうもろこしを抱えてひとりで母親に会いに病院に行こうとしてしまいます。

 

その道中で迷子になってしまい、村人を総動員して捜索が始まりましたが、池で見つかったサンダルをサツキは「メイのじゃない」と言い切りました。

 

しかし、メイのサンダルと非常に似ていたため、やはりメイは池に落ちて溺死してしまったという都市伝説が生まれました。

 

 

 

お地蔵さんに「メイ」と刻まれてあった?

メイが迷子になり、お地蔵さんが並ぶ道でネコバスに乗って探しに来たサツキと合流しましたが、このお地蔵さんに”メイ”と刻印されていたという都市伝説があります。

 

一番手前のお地蔵さんを裏側から見えるシーンで、背面に”メイ”と書かれてあったようで、ネコバスの行き先が「墓地」となっていたことからもメイは死んでいたのではという都市伝説が生まれました。

 

ここまで都市伝説を列挙して紹介しましたので、ここからはこれらの都市伝説を否定する反証をご紹介していきましょう。

 

 

反証:サツキとメイの影が無くなる理由

サツキとメイの影が来ているシーンは意図的に影を消されていたと言われています。

 

メイとサツキの影がシーンによっては描かれていないのは、都市伝説ではなく意図的に描いていませんでした。

 

美術監督を務めた男鹿和雄さんは、『となりのトトロ』の雄大な自然に囲まれた田舎の美術背景に強いこだわりを持っており、シーンに応じて日照条件による影の落とし方を忠実に描いていたそうです。

 

そのため、キャラクターのセル画にもシーンに応じた影がつけられており、サツキとメイの影がちょうど無くなって見えていた時間帯はちょうど太陽が真上にくる正午でした。

 

素朴な田舎を描いた『となりのトトロ』においては、特に影の伸び方を忠実に描くことで生活感を出していたようです。

 

実しやかに囁かれた都市伝説でしたが、サツキとメイは当然幽霊ではありません。

 

 

 

反証:母親に会わなかった理由

サツキとメイがわざわざ七国山病院までネコバスで行って母親に会わずに帰って来た理由は死んでいたからではありません。

 

七国山病院で結核の治療中の母親のためにとうもろこしを持ってお見舞いに行ったサツキとメイでしたが、ネコバスに病院の横の木の枝まで届けてもらい、そこから母親と父親が楽しそうに談笑している姿を見ていました。

 

母親が元気そうでホッとしたサツキとメイは、母親は近いうちにきっと帰ってくると信じたため、病院の出窓にそっととうもろこしを置いてメッセージを残し帰りました。

 

ここでサツキとメイが帰ったのはトトロやネコバスと出会い、ちょっとした冒険をしたことにより成長した証であり、甘えん坊だったメイまでも母親を待つことができるようになりました。

 

ここでもしメイとサツキが母親に会って行っていたら、結局メイの甘えん坊の延長線上で会いに行ったことになり、”ちょっとした成長ストーリー”では無くなってしまいます。

 

また、母親が木の枝を見てサツキとメイが笑ったように見えたというセリフも、ネコバスに乗ったサツキとメイをわずかながら見たのかもしれません。

 

 

反証:サツキとメイの死後の回想ではない

サツキとメイ死亡説から派生して父親の回想だったという説が飛び出しましたが、当然ですが時系列通りに物語は進んでおり回想ではありません。

 

エンディングのスタッフロールがサツキとメイ、母親が死んだ後の回想だという都市伝説がありますが、ちゃんと時系列通りに描かれており、物語中が夏なのに対し木の葉が待っていることから秋となっています。

 

そして、母親がタクシーで帰ってきた様子があることから、やはりサツキとメイが七国山病院に会いに行ってから間もなく帰ってきたのでしょう。

 

サツキとメイが来ている服にはトトロの刺繍がされていることから、恐らく帰ってきた母親にお願いしてアップリケを作って貰ったのだと思います。

 

 

 

反証:『隣のトトロ』という原作は存在しない

都市伝説として囁かれた『隣のトトロ』というホラー小説の原作ですが存在せず、『となりのトトロ』は完全に宮崎駿監督の原作となります。

 

『隣のトトロ』というグロテスクなホラー小説は存在しませんが、このデマの参考資料としては絵本の『あさえとちいさいいもうと』、『とんことり』などがモチーフになっているようです。

 

 

 

反証:池で見つかったのはメイのサンダルではない

よく似ていますが池で発見されたサンダルはメイのサンダルとはデザインが違います。

 

メイの履いていたサンダルは並行のラインが中央で繋がっているものですが、池で見つかったサンダルはラインがクロスしています。

 

作品の中でぱっと見は判別が難しいですが、メイのサンダルはピンクで池で見つかったサンダルは白と明らかにふたつのサンダルは違うものです。

 

 

 

反証:地蔵のメイの文字は苦し紛れ

メイが迷子になってサツキが合流した場所にある地蔵に”メイ”の文字があるという都市伝説ですが、強引にメイと読ませようとしています。

 

お地蔵の背面に刻まれた石の模様が何となくメイという並びに見えなくもないようですが、かなり強引すぎると言えるでしょう。

 

また、都市伝説を説明する人によって”めい”の文字が書かれてある場所の指摘が異なるのも、情報が統一されていない証拠でしょう。

 

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察2 – 狭山事件との関連性

 

『となりのトトロ』は狭山事件と関連性があった?

『となりのトトロ』の有名な都市伝説のひとつに1963年5月1日に埼玉県で発生した「狭山事件」に関連性があるというものがあります。

 

『となりのトトロ』のロケ地となったのは埼玉県所沢市から東京都東村山市にかけて広がる狭山丘陵だとされています。

 

そして「狭山事件」の発生場所は埼玉県狭山市であり、ほぼ同地区ということになります。

 

所沢市は埼玉県でも最も東京都に近い街であり発展していますが、一方で少し郊外に出ると田舎の田園風景が広がるという都市と田舎が隣り合わせの珍しい場所でもあります。

 

この『となりのトトロ』の舞台となった所沢市の隣にあるのが狭山市であり、1963年5月1日に当時高校1年生の少女が被害者となる強盗強姦殺人事件が発生しました。

 

そして、『となりのトトロ』が奇しくもこの「狭山事件」と共通点があったことから、宮崎駿監督が凄惨な同事件を風化させないようにと作品に盛り込んだと言われるようになったようです。

 

 

「狭山事件」の翌年にアニメーターとなった宮崎駿

宮崎駿監督は「狭山事件」が起きた翌年1964年にアニメーターの世界に足を踏み入れたため、事件が印象に残っていたと言われるようになりました。

 

確かに宮崎駿監督も当時メディアで騒がれていた「狭山事件」について知っていたはずなので、1988年に公開した『となりのトトロ』の制作時に所沢市を選んだ時に、ふと頭に隣町で起きていた同事件を想起したかもしれません。

 

ただの偶然で片付けても良いところですが、ネット上では以下の理由から都市伝説として実しやかに語られるようになっていきました。

 

サツキとメイという名前は一見するとよくある名前なのでほとんどの人が疑問を抱かないと思いますが実は同じ意味の言葉で、「サツキ=五月」「メイ=May(五月)」となります。

 

そして、「狭山事件」が発生したのも5月1日だったことから、共通性があると見られたようでうす。

 

さらに『となりのトトロ』というタイトルの由来は「所沢にいるとなりのオバケ」であり、ここから舞台の”となり”町で起きた”トトロ(トロール・化物・犯人)”による事件というようにも解釈できるため不思議と信ぴょう性を帯びてしまいました。

 

 

スタジオジブリ作品には何らかのメッセージ性が込められていることがほとんどなのに対して、『となりのトトロ』は際立ったメッセージがありませんでしたが、宮崎駿監督が「狭山事件」を風化させないようにという願いを込めて同作に隠し要素的に盛り込んだのではと言われ始めたのがこの都市伝説の発端でした。

 

スタジオジブリは2007年頃からネット上で囁かれていた都市伝説に対して否定する発表をしましたが、それも奇しくも5月だったということです。

 

とはいえ、普通に考えたら子供向けに制作した『となりのトトロ』に強姦強盗殺人事件の「狭山事件」を絡めるということは倫理上の観点からもできないでしょう。

 

いかにもネットで生まれた都市伝説という印象を拭えません。

 

 

 

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察3 – ポスターの謎の女の子

 

『となりのトトロ』は元々主人公はひとりだった

『となりのトトロ』の制作発表初期に公開されたポスターはトトロの隣にひとりの女の子が立っています。

 

このポスターはサツキとメイを合体させたようなキャラクターですが、『となりのトトロ』の企画発足当初は主人公はひとりでした。

 

元々『となりのトトロ』は高畑勲監督が制作していた『火垂るの墓』との同時上映の作品として企画され、当初は2本とも60分程度の尺になる予定が、冒頭の絵コンテが仕上がった段階で60分には収まらないことが分かったため、急遽主人公をサツキとメイの二人にして、脚本を変更したようです。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察4 – トトロはコダマだった?

 

『もののけ姫』のコダマがトトロに成長した?

スタジオジブリの傑作のひとつ『もののけ姫』のシシ神の森に登場する精霊・コダマはが数百年後にトトロになるというイメージで生まれたと宮崎駿監督が語っています。

 

宮崎駿監督は『もののけ姫』の製作時に、コダマが数百年をかけて成長し、耳が生えたという設定を話したところ、スタッフ一同はコダマとトトロではあまりに容姿が似てもにつかないため驚いたそうです。

 

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察5 – 父・草壁タツオは凄い人物だった

 

サツキとメイの父親・草壁タツオは考古学者

サツキとメイの父親である草壁タツオは『となりのトトロ』の物語中では凄そうには見えない普通のお父さんという感じですが、世界の常識を変える偉業を成し遂げる可能性のある人物だったようです。

 

『となりのトトロ』で登場時間は少ない父親の草壁タツオですが、宮崎駿監督はキャラクターの設定として若い考古学者であり、大学の非常勤講師をしながら翻訳の仕事をして生計を立てていると書いています。

 

そして、物語中でメイが遊んでいる最中に書いていたのは、新しい革命的な学説の論文であり、縄文時代にすでに農耕が存在したという仮説を立証するために、大学への週2回の出勤以外は書斎に入り浸って論文執筆をしているそうです。

 

この学説が証明されたら、草壁タツオは人類史に新たな1ページを刻むことになるでしょう。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察6 – 父・草壁タツオの人物像

 

父親・草壁タツオはより子供に近いお父さん

サツキとメイの父親は何でもよく知っていて教えてくれる威厳のあるタイプではなく、子供目線の遊び心を持った友達のようなお父さんとして描かれています。

 

 

宮崎駿監督が言うには、草壁タツオの声優を決める際に候補の声優の声を色々聞いてみたところ、どれも子供のことをよく理解している良きお父さんのイメージが払拭できなかったそうです。

 

草壁タツオは新学説の立証のために日々忙しく論文作成に追われており、メイが遊んでいる時にも相手をしながらも黙々と執筆を続けていました。

 

30代の草壁タツオが何でもよく知っている立派な父親像ではおかしいため、それを壊すために適役だったのがコピーライターの糸井重里さんだったそうです。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察7 – トトロの年齢

トトロの年齢は1300才

『となりのトトロ』の宮崎駿監督が描いたイメージボードに、小トトロは109才、中トトロは679才、大トトロは1300才と記されています。

 

トトロは森の主でありクスノキに棲む生き物という設定になっていますが、元々がコダマだとすれば精霊が実態を持ったということになるでしょう。

 

設定には書かれていないものの年齢設定は森の年齢と同等だと思われますが、大トトロが棲んでいる御神木の巨大なクスノキは樹齢1300年ということかもしれませんね。

 

ちなみに、初期設定ではトトロという名前ではなく「ミミンズク」だったそうで、この名前だったらトトロ人気はもう少し落ちていたかもしれませんね。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察8 – 大昔にトトロと戦っていた?

大昔、人間とトトロ族は戦っていた

『となりのトトロ』の裏設定では、大昔にトトロ族が存在し、人間との戦いに敗れて数が激減し、その生き残りがサツキとメイが会ったトトロだということです。

 

先述しましたが、トトロが『もののけ姫』に登場するコダマの成長した姿なら、さらにその大昔にもコダマから進化したトトロ族がいたのかもしれません。

 

恐らく、トトロ族とは『もののけ姫』で言うシシ神の森に棲む犬神一族や乙事主の一族のような存在であり、森を侵略する人間との戦いに敗れたのでしょう。

 

そして、裏設定ではトトロ族の末裔である『となりのトトロ』に登場するトトロは、人間たちから「もののけ」や「オバケ」と呼ばれていたとされています。

 

 

やはり『となりのトトロ』は後の『もののけ姫』と密接に世界観が絡んでいたということになります。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察9 – キャッチコピー決定まで

 

宮崎駿の改訂に納得した糸井重里

キャッチコピーを書かせたら右に出るものがいないと言われる糸井重里さんですが、『となりのトトロ』のキャッチコピーでは宮崎駿監督に改訂されていたようです。

 

糸井重里さんは『となりのトトロ』のキャッチコピーを依頼されて提出したのは「このへんないきものは、もう日本にはいないんです。たぶん」でした。

 

この糸井重里さんのキャッチコピーを宮崎駿監督が「このへんないきものは、まだ日本にいるのです。たぶん」に改訂しましたが、その時の話についてふたりはインタビューで語っています。

 

糸井重里さんは”たぶん”という言葉を最後につけたことで、「いないんだけど、もしかしたらいるかもしれない」というリアリティを出したそうです。

 

しかし、宮崎駿監督が”たぶん”は変えずに「まだいるんです」に変えたキャッチコピーを改めて見たときに「それだ」と思ったそうです。

 

宮崎駿監督によれば「いないのです」とするよりも「いるのです」とした方が”たぶん”の意味が重くなるということです。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察10 – 1953年の物語だった?

『となりのトトロ』の時代設定は微妙に違っていた

『となりのトトロ』の時代設定は昭和30年代初頭とよく語られますが、実は1953年の昭和28年を想定して作られています。

 

1953年ということはおよそ8年前に第二次世界大戦が集結しており、サツキが4歳の頃に戦争体験をしていることになります。

 

この『となりのトトロ』の時代設定の情報は『コクリコ坂から』のパンフレットである「企画のための覚書」に書かれており、宮崎駿監督の言葉で「1953年を想定して作られた。テレビの無い時代である」と書かれてあります。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察11 – サツキとメイの家は未完成

 

サツキとメイの家は未完成だった

『となりのトトロ』の物語冒頭で家についたサツキとメイが「壊れる~!」とはしゃいでいたボロボロの家は未完成だったという裏話があります。

 

草壁家が引っ越してくる前に住んでいた前の居住者は結核で亡くなってしまったことから空家になっていました。

 

そして、まだ完成していない建造途中の家だったそうです。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察12 – ネコバスは風の精霊ではない

 

風の精霊のように思えるネコバスの真実

『となりのトトロ』の中盤から登場するネコバスは突風を吹かせて登場するところから風の精霊と思ってしまいますが実は違うようです。

 

宮崎駿監督が言うには、ネコバスは突風のような感じで登場するものの、”風の精霊”としてしまうと日本神話的にズレが生じてしまうようです。

 

本来、日本には風神のような風の神様はいるものの風の精霊というのは存在せず、ネコバスを風の精霊としてしまったらその時点で日本に存在することができなくなるそうです。

 

そもそもネコバスは”バス”なので太古から存在する生き物ではなく、近代化が進む日本社会の影響により生まれた”オバケ”だということです。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察13 – トトロの傘は楽器?

 

トトロはサツキから渡された傘を楽器だと思った

『となりのトトロ』の中盤で雨が降る中バス停で待つサツキの横にトトロが来ますが、傘を渡すと木の枝から落ちる雨粒の音に喜んでいます。

 

宮崎駿監督は制作する中で、トトロに傘を貸したら落ちてくる雨粒の音に喜ぶだろうと思いついたそうです。

 

そして、トトロはポトポトと音を立てる傘を素敵な楽器だと思い込んでいたそうです。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察14 – スタッフの取り合い

『となりのトトロ』『火垂るの墓』でスタッフの取り合いに

『となりのトトロ』と『火垂るの墓』は同時上映のため同時期に製作していましたが、宮崎駿監督と高畑勲監督の間でスタッフの取り合いがあったようです。

 

宮崎駿監督と高畑勲監督の間でスタッフの取り合いが起きていたことについて、プロデューサーの鈴木敏夫さんはコメントを残しています。

 

そもそも”オバケ”が登場する『となりのトトロ』と、”墓”という暗いイメージの『火垂るの墓』の企画を徳間書店に持ち込んだ時、あまりの相性の悪さに却下されて企画自体が立ち消えになりかけたそうです。

 

しかし、『火垂るの墓』の原作者・野坂昭如さんが出版した新潮社が同企画に名乗りを上げたため、徳間書店と新潮社のタイアップという形で同時公開が実現したそうです。

 

しかし、企画が通ったその日のうちに宮崎駿監督は先手を打ってスタジオジブリの主要スタッフを押さえてしまい、スタート時点では『火垂るの墓』のスタッフはゼロだったそうです。

 

宮崎駿監督はそういう人だと語っています。

 

 

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察15 – 息抜きのテーブル卓球

 

宮崎駿はテーブル卓球が好きだった

『となりのトトロ』の製作中に宮崎駿監督は息抜きにテーブル卓球をしていたそうです。

 

卓球台の代わりに背景美術を描くための大きな机を二つ合わせて、ネットが無かったためボール紙を使っていたそうです。

 

そして、『となりのトトロ』の立役者のふたりでもある宮崎駿監督と美術監督の男鹿和雄さんがテーブル卓球の名手として張り合っていたそうです。

 

この伝説の戦いは『となりのトトロ』以降見られなくなりました。

 

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察16 – 黒澤明が一番好きなジブリアニメ

 

黒澤明は実はスタジオジブリファンだった

「世界の黒澤」と讃えられる映画監督、黒澤明さんはネコバスが凄く気に入ったそうで、「黒澤明が選んだ100本の映画」の中でアニメ作品としては唯一『となりのトトロ』を選んでいます。

 

ちなみに、黒澤明さんは同時上映された『火垂るの墓』も絶賛しており、わざわざ手紙を書いて宮崎駿監督に称賛の言葉を贈ったそうですが、監督は高畑勲さんだったため宮崎駿監督は複雑な気持ちになったそうです。

 

 

『となりのトトロ』都市伝説・裏話の考察17 – 宮崎駿の全盛期だった

『となりのトトロ』が宮崎駿の創造性の全盛期

宮崎駿監督は2013年のインタビューで『となりのトトロ』が自分の全盛期だったことを語っています。

 

2013年というと宮崎駿監督の趣味を詰め込んだ集大成でもある『風立ちぬ』が公開された年ですが、宮崎駿監督は『となりのトトロ』ですでにピークを迎えていたそうです。

 

宮崎駿監督は結果的に『となりのトトロ』が美術的な意味でピークを迎えていたそうで、当時は日本の風土に強い愛情を込めて、こだわりを持って所沢市の豊かな自然を描いていたそうです。

 

宮崎駿監督はそうしたこだわりが理想的な形で表現できたのが『となりのトトロ』までで、その後は手癖と経験で描いていた部分も多かったのかもしれませんね。

 

 

 

 

『となりのトトロ』について総まとめすると・・・

 

1988年4月16日に公開されたスタジオジブリの宮崎駿監督のアニメ映画『となりのトトロ』について総まとめしてきました。

 

スタジオジブリ作品には多くの都市伝説があるものの、『となりのトトロ』の都市伝説の多くはデマであることがわかりました。

 

それは『となりのトトロ』が奇のてらいが少ない純粋な子供向け作品だったこともあると思いますが、宮崎駿監督の愛情がとても込められた作品でした。

 

『となりのトトロ』が生まれて現在で約30年が経過しましたが、全く色褪せない魅力は今後も長く支持されていくでしょう。

 

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