2018年5月21日に8度目のエベレスト挑戦の登山中に遭難し35歳の若さで死去した栗城史多さん。
栗城史多さんの来歴や結婚情報などプロフィール、指の再生・無謀・嘘つきとネットで言われる根拠や真相、そして死去や死因を総まとめしました。
この記事の目次
栗城史多の生い立ち
単独・無酸素登頂・生配信の異色の登山家・栗城史多
栗城史多さんは険しい登山の様子をネットで生配信し、「冒険の共有」という考え方の元で多くの人から人気を得ていた登山家でした。2012年のエベレスト挑戦で負った重度の凍傷から手の指9本を失いましたが、その後も登山を続け2018年に再度エベレストに挑みましたが下山中に滑落して帰らぬ人となってしまいました。
栗城史多さんについての詳しいプロフィールはこちら。
本名： 栗城 史多（くりき のぶかず）
生年月日： 1982年6月9日
生誕地： 北海道瀬棚郡今金町
死没日： 2018年5月21日（35歳没）
死没地： ネパール エベレスト山麓 C2
出身校： 札幌国際大学
肩書き： 株式会社たお代表取締役
引用：Wikipedia – 栗城史多
2018年5月21日に登山家・栗城史多さんの死去の報は突然報じられました。
栗城史多さんは2018年までに世界7大陸最高峰の内6大陸を制覇し、その登山スタイルは単独での無酸素登頂にこだわり、「冒険の共有」の信条の下に常にスマホで生配信をするという異色の登山家として知られていました。
しかし、一方で栗城史多さんは「無謀」「嘘つき」として批判を浴びることも少なくなかったようで、それらも合わせて非常に高い知名度を得ていた登山家でもありました。
栗城史多さんの来歴や「嘘つき」と呼ばれた理由、そして生前の活躍について詳しく総まとめしましたのでご紹介しましょう。
栗城史多の実家は北海道のメガネ屋
栗城史多は北海道の普通の家庭に生まれた
栗城史多さんは北海道の片田舎で生まれ、父親はメガネ屋を営んでいます。
栗城史多さんは小学校時代から勉強もスポーツもできる方では無かったようで、特にサッカーや野球など団体競技は苦手だったことから、小学校3年生の頃から空手を習い始めました。
そして中学校に上がると野球部に入ったそうですが才能の無さから全くついていけずに退部し、栗城史多さんはやはり個人競技以外は向いていないということを思い知ったようです。
栗城史多さんは水泳や陸上競技なども全くダメで、それは亡くなる直前まで改善されることは無かったようです。
そのため、栗城史多さんは中学校を卒業するまで引っ込み思案な性格でまったく目立たない生徒だったようで、青春を感じることもなく楽しい学生生活ではなかったようです。
北海道檜北山高等学校に進学した栗城史多
栗城史多さんは北海道檜北山高等学校に進学してからまもなく、充実した学生生活を送れるようになりました。
栗城史多さんは高校時代も同様に引っ込み思案で目立つタイプでは無かったものの、あるきっかけから演劇にのめり込んでいくことになり学生生活を充実したものにできたようです。
栗城史多、高校時代は演劇が得意だった
山登り生配信の原点は高校時代の演劇？
栗城史多さんがネットで不特定多数のファンに登山の様子を配信するというある意味”出演”というスタイルを取った原点は、高校時代にのめり込んだ演劇にあったのかもしれません。
栗城史多さんが通っていた北海道檜北山高等学校は学園祭に力を入れている学校で、毎年全クラス対抗の演劇大会が目玉の催しとなっていたようです。
演劇の題材や脚本などすべてゼロから生徒が考えるオリジナルの演劇でしたが、栗城史多さんが入学後在籍していた普通コースのクラスの同級生はほぼ全員が演劇に興味が無いやる気の無いクラスでした。
学園祭当日までに演劇を仕上げなければなら無かったもののクラス全員が照明や大道具係りをやりたがって脚本や役者に立候補する人は誰ひとりとしていなかったため、栗城史多さんは変な使命感から仕切り始めてしまったそうです。
結局、栗城史多さんは自分で脚本を書いて主演を務め、他の出演者らは栗城史多さんの演技に頷いているだけという役割で完全に一人芝居に近い状態でした。
しかし、その異色の舞台は脚本賞と監督賞を受賞してしまい、評価をされた栗城史多さんは演劇にやりがいを見出して2年生時にも賞を受賞し、3年生時には総合優勝を勝ち取るなど、それまでの栗城史多さんの日陰の学生生活が一変して青春を送っていたようです。
栗城史多、17歳の時に母親がガンで死去
高校時代に母をガンで亡くした栗城史多
栗城史多さんが17歳の頃に母親がガンのために死去してしまい、栗城史多さんは現実が受け入れられずに闘病中も病院へあまり行けなかったと語っています。
母親が最期の時に病室で最後の力を振り絞り、「ありがとう」という言葉を残して眠るように旅立ったようですが、後悔の念から栗城史多さんは病院の廊下で号泣したそうです。
その時、自責の念の中で栗城史多さんは心に深く誓ったことがありました。
その日から、『けっして弱音を吐かない。そして最期に母のように『ありがとう』を言ってこの世から去れる人間になれるように、中途半端に生きてはいけない』と誓ったんです。
この決意は後に登山で苦境に立たされた時に奮起するための起爆剤となっていました。
栗城史多の登山家の原点は結婚を考えた彼女だった？
栗城史多が登山家を目指した原点は彼女だった？
栗城史多さんはインタビューの中で登山が好きだった元彼女の存在について明かしています。
栗城史多さんには高校時代から付き合っていたと思われる地元北海道の彼女がいたようで、高校卒業後に上京した時に頑張れた理由も彼女の存在だったようです。
せっかく東京に来たのに、北海道にいる遠距離恋愛の彼女と一緒になろうと自分で勝手に決意して、彼女に認められる男になるために必死に東京でお金を貯めることにしたんです。なぜなら、彼女が好きな人の条件が3つあったんです。1、車を持っていること。2、大学を出ていること。3、職業は公務員であること。この3つをかなえて彼女好みの男になるんだって……。
栗城史多さんの当時の彼女はかなり現実的な人だということがわかりますが、特に目的もなく上京してアルバイトをしていた栗城史多さんから気持ちは離れていったようです。
結局、栗城史多さんは彼女から振られてしまいますが、彼女は山好きで地元北海道の雪山登頂にチャレンジするなど非常にアクティブな女性だったようです。
彼女は山が好きだったんです。厳しい雪山とかにチャレンジするすごいタイプだったんです。どうしてあんな小柄な女性がそんな厳しい雪山とかに行くのかな？ それまで、僕はスキー以外に山に行ったことがなかったですし、雪山を登るとかって考えもしませんでした。スキーはリフトに乗って山に上がりますし……。
地元北海道に戻った栗城史多さんは札幌国際大学人文社会学部社会学科に進学しましたが、彼女に振られた栗城史多さんは気持ちが沈んでしまい、ニート、引きこもり生活を1年ほどしていたそうです。
しかし、ある日吹っ切れて外に出た時に偶然大学で山岳部の部室の前を通りかかり、栗城史多さんは元彼女が好きだった山登りにチャレンジすることを決めます。
いざ山岳部に入ってみると非常に厳しい主将に嫌気が差して退部していく部員が続出し、気が付くと2年先輩の主将と栗城史多さんのふたりだけになっていたそうです。
辞めるとかいう前に、やはり彼女がなぜ山を目指したのかが知りたくて、それで北海道の最高峰である旭岳を登ったんです。それが初めての登山体験でした。でも、実際に登っても全然興味が湧かない、何が楽しいんだろうと思っていたんです。
栗城史多さんは退部するタイミングを逃しながらも、あまりに厳しすぎる先輩主将について山登りを続ける内に登頂する魅力に取り憑かれていったようです。
栗城史多さんが「単独・無酸素登頂」にこだわり、最難関ルートを目指す理由はこの先輩主将のスタイルが影響していたのかもしれません。
熱があっても、悪天候でも、強制的に雪山に連れていかれ、『限界だな』とか、『これは無理だな』と思っていても、気が付いたら目の前に頂上があったという経験を何回もしました。いつの間にか登っていた。
そして、栗城史多さんはこの厳しすぎる先輩主将のスタイルに付き合っている内に「諦めない」ことで不可能だと思える困難も達成できるという体験をすることができたようです。
栗城史多さんにとってはこの先輩主将はスパルタ教育の監督と言った存在だったのでしょう。
「頑張っても、もう一人の自分が『できないよ！』と勝手に決めつけていたんです。他人に『無理だ！』『できない！』『やめておきなさい！』と言われるとその言葉に引っ張られて、自分の中に限界をつくっていました。しかし、山に出会い、登るたびに勝手に作っていた“限界”という壁が一枚、そしてまた一枚と壊れていくことを感じていました。」
こうしたエピソードからわかるのは、栗城史多さんの登山家としての原点は結婚するつもりだった別れた彼女であり、達成不可能と思える世界高峰に挑み続けた精神力を培ってくれたのは大学山岳部の主将で、折れてしまいそうな時に奮起して登山家で有り続けた原動力は両親だったということでした。
栗城史多の偉業と無謀な登山～下山家、嘘つきと揶揄されたことも！
栗城史多、6大陸最高峰登頂の偉業を達成
７大陸最高峰のうち６大陸を単独で登頂
栗城史多さんは高校卒業後に上京するも挫折して1年間フリーターやニート生活を送り、その後出戻って札幌国際大学人文社会学部社会学科に進学しました。
山登りに心の底から感動する体験を得た栗城史多さんは在学中の22歳の頃に北米大陸最高峰のマッキンリーへの単独登頂に成功します。
栗城史多さんはその後も2005年1月から南米大陸最高峰のアカンカグアを始め、わずか3年間で7大陸最高峰の内6大陸を制覇しました。
そして、2007年5月に初めて未登頂最後の世界最高峰となるエベレストのあるヒマラヤ山脈に赴き、世界第6位の高さを誇るチョ・オユーへの単独無酸素登頂を果たすと同時に、この時から「冒険の共有」を掲げてスマホを使ったインターネット生放送配信を始めました。
栗城史多、日本人初マナスル無酸素・単独登頂を主張するも認定されず
栗城史多さんは2008年10月にチャレンジした世界第8位の高峰であるマナスルで単独かつ無酸素登頂、そして山頂からのスキー滑降による下山に成功しています。
しかし、マナスルの無酸素・単独登頂は、ヒマラヤン・データベース、日本山岳会の双方から
登頂を認定されていません。
2009年5月には栗城史多さんは世界第7位の高峰・ダウラギリの単独かつ無酸素登頂に成功して、インターネット配信も行って注目を集めました。
そして同年秋には日本人初の単独・無酸素登頂でのエベレスト登頂にチャレンジしますが、デスゾーンと呼ばれる8000ｍ手前の7950ｍで失敗に終わりました。
こうした世界の高峰に挑みながら栗城史多さんは全国の学校や企業での講演活動を行って、不可能や否定を打破するチャレンジについて語っていました。
そして、2010年4月には世界第10位の高峰・アンナプルナの登頂に成功し、スキーでの滑降も成し遂げています。
2011年5月には世界第14位の高峰・シシャパンパの登頂に挑みましたが7600ｍ地点で断念しています。
また、同年2011年にはよしもとクリエイティブ・エージェンシーと業務提携し、この頃からスポンサーの手前から無謀とも思える挑戦も徐々に増えていきました。
過激になっていく栗城史多さんに登山の専門家の多くは「このままでは栗城史多は指だけでなく、命を失うことになる」と警告をしていました。
サバイバル登山家・服部文祥、栗城史多は3.5流
以前番組で、サバイバル登山家の服部文祥さんが栗城史多さんと野口健さんについて語ったことがありました。
この番組で栗城史多さんは登山家としては3.5流であり、この件に関しては「栗城君は反論しないと思う」とまでいってのけました。
事実、大衆紙で取り上げられることはあっても、登山誌に栗城史多さんが取り上げられたことはなく、服部文祥さんいわく「登山家としては栗城史多さんと野口健さんは市民ランナークラス」と語りました。
栗城史多が「嘘つき」と言われる所以は？
栗城史多は”単独”ではなかった？
栗城史多さんは前人未到のチャレンジを続ける一方で、「単独・無酸素登頂」にこだわり続けるスタイルについて批判する声も多くありました。
ある登山家によれば”単独登頂”とはベースキャンプを出発してからは第三者の力を一切借りずに登頂し、ベースキャンプまで戻ってくることを指すそうです。
しかし、栗城史多さんの場合は常に撮影班がついており、”単独”とは言えない状況での登山であり、さらにヒマラヤ山脈に精通している原住民の案内役のシェルパに登頂ルートを教えて貰ったこともありました。
これらのことから栗城史多さんは「嘘つき」と呼ばれることも往々にあったようです。
「ニートのアルピニスト」で嘘つき呼ばわり
また、栗城史多さんは過去に出演した全国区の番組でプロデューサーの土屋敏男さんが「ニートのアルピニスト、初めてのヒマラヤ」というタイトルをつけたことから、栗城史多さんも「元ニート」「元引きこもり」を自称するようになりました。
しかし、実際には栗城史多さんは「元ニート」「元引きこもり」だった時期は少なからずあったものの、どちらかと言えばアクティブな性格の人間であり、あくまでキャラクター付けとして自称していたことからも「嘘つき」と呼ばれることがあったようです。
栗城史多さん亡くなられたのか…ご冥福をお祈りするとともに、彼の嘘や誇大宣伝を許してスポンサードしていた各企業の責任は問うべき
— o (@kamutakara) 2018年5月21日
本当に山に登らせたいなら、虚言を叱りつけ徹底的に登山を教えるべきだった。イッテQのイモトさんがあれほど山を制覇できてるのは立派なサポーターに敬意があるから
栗城史多、重度の凍傷で再生を試みるも指9本切断
栗城史多、エベレスト挑戦で指を凍傷で失う
栗城史多さんは2012年にもエベレストに挑みましたが、重度の凍傷を負って右手の親指以外の9本の指を失いました。
原因はiPhoneでの生配信のためにフィンガーレスグルーブを着けていたことによるようで、ネット上では氷点下25度以下になるエベレストにおいて「無謀」だという声も多かったようです。
この時のエベレスト挑戦の詳細としては、栗城史多さんは4度目のチャレンジであり西陵ルートから山頂を目指し、6400ｍ地点で人差し指が凍傷になっていたにも関わらず続行しました。
その結果として栗城史多さんは登頂前に凍傷の悪化により登山不可能となり、案内人の原住民・シェルパに6400ｍ地点まで戻して貰った後、救助ヘリコプターによりカトマンズの病院に搬送されました。
栗城史多さんは医師により凍傷により損傷した指は切断する他ないと言われましたが、何としても諦めたく無かったため2012年11月に有効な治療を求めてインドに渡りました。
インドという異国の地で、毎日インドカレーかもしれませんが、レポートしていきたいと思います。ナマステ。 http://t.co/PkaadooN
— 栗城 史多 (@kurikiyama) 2012年11月14日
しかし、インドで受けた治療は日本で受けたものと大差なく、血管拡張剤や高気圧酸素の治療でした。
しかも栗城史多さんは帰国中に感染症になってしまい成果が無いどころか骨折り損に終わってしまいます。
通常、凍傷で治療不可能な場合は8週間以内には患部の切断を判断するようですが、栗城史多さんはそれでも諦めきれずに8週間を過ぎた結果、指がミイラ化してしまいました。
希望を捨てず民間療法を続けた栗城史多
栗城史多さんは何としてもミイラ化した指を治すためにアメリカやウクライナなど国外での治療に乗り出しました。
栗城史多さんはアメリカで「指が生える魔法の粉」として知られる「細胞外マトリックス」の治療やその他再生医療を望みましたが断念し、2013年1月に公には「切断手術をする」と言いながらも「高濃度炭酸」や「薬草」など東洋医学の民間医療を続けていました。
そして、同年夏頃にウクライナで治療を受けるも効果が無く、同時期に栗城史多さんはスポンサーのサプリを「再生促進のため」という理由で飲んでいることを紹介しています。
もしかしたらこれらの治療費回収のための宣伝だったのかもしれません。
その結果なのか、栗城史多さんは2013年11月から2014年1月にかけてアメリカで「細胞外マトリックス」の治療を受けられることになったと報告して、両手合わせて指9本を切断する手術を受けました。
その後、切断した指に包帯のサックをして帰国した栗城史多さんは、「指が伸びてきた」と語っていたこともありましたが、2014年3月中旬頃にサックを外した指を公開して最終的に再生はしなかったことを明らかにしました。
栗城史多、指9本失うも山登りに無謀な挑戦
父親の言葉に勇気づけられ指を無くしても山登りを続けた栗城史多
指を9本失った栗城史多さんが登山を諦めずに挑戦を続けた理由は、下記の動画でも紹介する父親の励ましの声でした。
栗城史多さんが単独、無酸素登頂、ネット生配信という高難易度で無謀とも言える登頂を目指した理由は、「否定の壁」を社会に広げることに尽力したいという思いがあるからだったようです。
栗城史多さんは父親の「得難い経験」だったという励ましにより登山の継続を決め、2014年7月には世界第13位の高峰・ブロードピークに挑み単独登頂を成し遂げました。
しかし、2015年から2017年まで3度に渡るエベレスト登頂に挑むも、栗城史多さんは最後の世界最高峰に「7大陸最高峰制覇」の悲願を阻まれてしまいました。
栗城史多の最後～エベレストで死去・死因は滑落による全身強打
栗城史多、2018年にエベレスト下山中に死去
2018年の8度目のエベレスト挑戦で死去した栗城史多
栗城史多さんは2018年に4年連続でエベレストに挑みましたが、登頂不可能な体調に陥って下山中に遭難して21日に亡くなりました。
栗城史多さんはエベレストへの8度目の登頂の日、4200ｍの高峰・ペリチェに着いて、エベレストに挑むための機材班と合流できたことを伝えました。
2018年5月21日には死因は不明だったもののエベレストで亡くなったことが発表されました。
栗城事務所の小林と申します。
このようなお知らせになり大変申し訳ございませんが、エベレストで下山途中の栗城が遺体となり発見されました。
下山を始めた栗城が無線連絡に全く反応しなくなり、暗い中で下から見て栗城のヘッドランプも見当たらないことからキャンプ2近くの撮影隊が栗城のルートを登って捜索し、先ほど低体温で息絶えた栗城を発見いたしました。
生きて帰ることを誓っておりましたのに、このような結果になり大変申し訳ございません。
生きて帰るため執着しないと誓っておりましたのに、最後に執着してしまったのかもしれません。
栗城史多の死因は頭や全身の強打と事務所が発表
2018年5月25日、栗城史多さんの事務所が、死因が滑落による全身の強打だったことを発表しました。
事故当時の詳しい状況がわかり、ここで訂正がございます。
栗城の遺体を発見したという第一報の時に、日本と撮影隊との緊急連絡で行き違いがあり、「低体温で息絶えた」とお伝えしておりましたが、実際には栗城は標高7400mのキャンプ3から下山中に滑落し、頭や全身を強く打ったことが原因で、帰らぬ人となりました。
混乱の中とはいえ、誤った情報をお伝えしてしまいましたことを心よりお詫び申し上げます。
栗城史多の無謀な挑戦を美談にする風潮に苦言も
35歳の若さで志半ばで亡くなってしまった栗城史多さん。世間では登山家のエベレストでの死を美談のように扱う人もいますが、これに苦言を呈する声も多く聞かれました。
#栗城史多
— 呪詛吐きマン (@XjrNiXXKbdDdl8A) May 22, 2018
まずは御冥福をお祈り致します。
故人を悪く言いたくはないが、やはり「挑戦」にはそれ相応の「努力・実力」が必要だと思ってる。
この話を美談にして影響を受けた人達が無謀＝カッコイイだと勘違いしないかが心配。
作家某氏「栗城さんの斬新なスタイルに憧れる人もいただろうし、もしかしたら今後、主流になったのかもしれない」
— 青葉子房 (@paddington_air) May 22, 2018
やはりこういうことを言う人が出てきてしまった。栗城さんの無謀な挑戦は美談ではなく、反面教師として伝えられるべき話。https://t.co/x9HCQjI2cv
アルピニスト野口健、栗城史多の死の1ヶ月前にエベレストで遭遇
アルピニストの野口健
栗城史多さんが亡くなる1ヶ月前にエベレストベースキャンプ近くですれ違ったそう…
その時の振り返り、「これまでにない悲壮さを感じた。絶対帰って来るんだぞと言うと『うん、うん』」という会話を交わしたことを明かしています。
また、無謀の挑戦を続ける栗城史多さんに辞めるよう諭していたようです。
７大陸最高峰を登頂しているアルピニストの野口氏は本紙取材に「栗城さんは両手の指９本の第２関節から先がありません。これでは岩もつかめないし、ピッケルを使うにも不自由が生じます。相当なハンディがあるなかで、南西壁を無酸素・単独というのは、僕のなかでは“ありえない”。私も彼に『それはむちゃだ』と進言したことは何度もあります」と話す。
さらに野口健さんは、スポンサーや応援する人からの過度の期待から「彼も引くに引けなくなった部分はあると思います。」と振り返り、「無念の一言に尽きる。とてつもなく寂しい」と心情を吐露しています。
また、80歳を超えてエベレスト登頂に成功した登山家の三浦雄一郎さんは「チャレンジする素晴らしさ伝え続けた」と追悼の言葉を述べています。
栗城史多について総まとめすると・・・
・栗城史多は「単独・酸素登頂」を掲げ、無謀な挑戦を続けていたが、実際は撮影班やシェルパの力を借りており、世間からは「嘘つき」「下山家」と揶揄されていた。
・栗城史多は2012年のエベレスト登頂の際に、右手の親指以外の指9本が重度の凍傷となった。その後、指の再生医療を試みるも回復の見込みがなく指9本を切断した。
・栗城史多は2018年5月21日、エベレスト下山中に死去。死因は滑落により全身強打だった。
「単独・無酸素登頂」にこだわり、インターネットでのライブ配信を続けてきた異色の登山家・栗城史多さんについて総まとめしてきました。
世間では「嘘つき」「無謀」「絶対に無理」と否定的な批判も受け続けていた栗城史多さんですが、死去する最期までそれらの「否定の壁」を打ち破る姿勢を見せ続けていました。
一方で、栗城史多さんの不倒の精神力に心を打たれる人、尊敬する人も多く、芸能界でも支持者は多くいたようです。
こうした登山家は今後中々現れないかもしれませんが、確実に栗城史多さんの不屈の精神に学んだ人は多くいることでしょう。
