1997年に公開されたスタジオジブリの宮崎駿監督によるアニメ映画『もののけ姫』の興行収入は歴代3位、初の全米公開と話題性に富んだ作品でした。
『もののけ姫』の評価や感想と海外の反応、都市伝説や裏話の考察について総まとめしましたのでご紹介します。
この記事の目次
- 『もののけ姫』とは
- 『もののけ姫』評価・感想・世界の反応
- 『もののけ姫』”良い”の評価・感想
- 『もののけ姫』”普通”の評価・感想
- 『もののけ姫』”悪い”の評価・感想
- 『もののけ姫』について世界の反応
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察20選やその後の結末
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察1 – その後の結末は?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察2 – アシタカはサンと子作りしていた?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察3 – コダマは後にトトロになった?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察4 – タタラ場はハンセン病患者の施設?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察5 – 税金対策で製作された?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察6 – サンとカヤは同じ声優
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察7 – サンの言葉がBD発売に影響?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察8 – 全米公開は野茂英雄のおかげ?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察9 – サンは自然の代弁者
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察10 – シシ神の森のモデルは屋久島
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察11 – 『アシタカ聶記』の予定もあった?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察12 – ジブリ最後のセルアニメだった
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察13 – サンは不倫をした?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察14 – エボシは現代人だった?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察15 – エボシは死ぬ予定だった?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察16 – 猩々はイオングループの象徴だった?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察17 – サンはエボシの娘だった?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察18 – キャッチコピーは50の案があった!?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察19 – 人間の内面を神話にした?
- 『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察20 – 最後のシーンに込められた想い
- 『もののけ姫』について総まとめすると・・・
『もののけ姫』とは
製作に3年をかけた大作『もののけ姫』
『もののけ姫』は宮崎駿監督が構想に16年を費やし、製作に3年をかけたスタジオジブリ史上で最も力を入れた大作だと言われています。
初の全米公開に踏み切った作品であり、カウンターテラーの米良美一さんが主題歌を務めるなど、非常に話題性に富んだ作品でした。
『魔女の宅急便』の制作費が4億円であることを考えると、『もののけ姫』の21億円というのはスタジオジブリの総決算とも言える作品だったことが伺えます。
『もののけ姫』はあらゆる点でスタジオジブリの転換点となっており、それまでの平均作画枚数が5~7万枚だったところ、14万枚まで倍以上に伸ばしましたが、以降はこの作画枚数が基準となっており『崖の上のポニョ』などは17万枚に及んでいます。
それは『もののけ姫』がスタジオジブリの総力あげての挑戦であり、意識をさらに高く持つための改革だったと宮崎駿監督は語っています。
『もののけ姫』評価・感想・世界の反応
スタジオジブリ興行収入第三位の『もののけ姫』
『もののけ姫』は『千と千尋の神隠し』『ハウルと動く城』に次いで3位の興行成績を上げており国内外で非常に高い評価を受けていますが、評価、感想について「良い・普通・悪い」に分けてご紹介していきます。
『もののけ姫』”良い”の評価・感想
”良い”の評価には文句なしの芸術作品だという声が多い
『もののけ姫』を”良い”と評価した人の感想の多くには、スタジオジブリの最高傑作とする人も少なくないようです。
映像が凄い。特に背景はジブリお得意の緑の表現が炸裂します。「ジブリの世界」と言われれば、トトロやラピュタと並んで(もしくはそれ以上に)本作の森を連想するでしょう。特に獅子神の森と小池のカットは印象的。手書きでしか表現できない味があります。他にも祟り神のウネウネやアシタカの弓矢のスピード感など、迫力もクオリティが高いです。
『もののけ姫』はスタジオジブリ作品として最後のセルアニメであり、手書きにしか出せない緻密な味を出した作品として集大成とも言えるでしょう。
特に公開前から話題となっていた冒頭で祟り神が村に迫り、アシタカが弓矢で応戦するシーンなどは迫力満点の仕上がりとなっていました。
手書きに徹した美しきアニメーションに尽きます!本作より前に生み出された宮崎ジブリ作品の動画枚数の倍に達し、才能あるクリエイターたちの想像を絶する汗と努力の結晶が画面から溢れかえっています!
キャスティングも安定してました。主人公アシタカ役の松田洋治は、同年に『タイタニック』(1997)のディカプリオの吹き替えとしても活躍し、まさに彼のピークの年でしたね!
久石譲の音楽は何十年経っても色褪せず、まさに魔法にかけられたように虜になります。
こんなにも世界を圧倒する芸術を生み出した日本に生まれたことを誇りに思います。
やはり『もののけ姫』の手描きによる芸術的な世界に高い評価をする人が多いようです。
声優もアシタカ役の松田洋治さんや、サン役の石田ゆり子さん、モロの君役の美輪明宏さんなど話題のキャスト陣となっていました。
日本にしか作れないアニメがある、日本人にしか語れない物語がある
ジブリとは、日本が世界に誇る芸術作品である
ディズニーなんてのは子供の暇つぶしなのだ
ハッピーエンドで大団円なんてのは無い
宮崎駿が伝えたいのはそんな矮小なことでは無く、
この世に生きとし生けるすべてのいのちへの問いかけだ
日本の神道的な八百万の神々への畏れを描いたアニメ作品として、『もののけ姫』はまさに日本を代表する作品と言えるでしょう。
神々への畏れを忘れてしまった現代人への警鐘でもあり、こうした日本的な考え方を海外に発信にするには最適な映画なのかもしれません。
『もののけ姫』”普通”の評価・感想
”普通”の評価には作品の粗を指摘する感想が多い
『もののけ姫』を”普通”と評価する感想の多くには、一部気になる点、良くない点があったためマイナスとした人が多かったようです。
高校生のとき初めて、見ましたが、それまでの作品に比べてつまらなかったことを覚えています。
久しぶりに見て、何がダメだか分かりました。
テンポが悪すぎる。
物語としては、そんな悪くないが、カットしてよい部分が多いような気がします。
例えば、アシタカが水にもぐるシーンは、泳いでる姿そんなに見せる必要ありますか?
ただ、泳いでいるだけなら、映像に見せると観客としては、そりゃ泳いでるだけだろって感じで、退屈に感じます。
ラピュタとか、魔女の宅急便を見るとそういうシーンが少ないです。
『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』は間違いなくスタジオジブリを代表する作品ですが、宮崎駿監督・高畑勲監督の二大巨頭の全盛期でもあるため、やはり完成度は作品中でも文句なしの出来でしょう。
そこから比べると、『もののけ姫』は興行成績は飛躍的に伸びましたが、前者の作品たちの評価が影響したものなので、単純に比べてしまうのは違うのかもしれません。
分かりやすいメッセージ性で後世まで残るのは間違いない作品。これがアニメじゃなく実写なら満点だが、日本では無理だろう。
実写版の『もののけ姫』も面白そうですが、デイダラボッチの登場を描くのは確かに日本の予算では厳しいかもしれませんね。
そして、『もののけ姫』の世界観もスタジオジブリでなければ描けないでしょう。
安易に自然保護を主張しないのは正解だね。また、ヨーロッパではなく日本を舞台としたのも。中世の神秘性と風俗をここまで表した映画はない。実写にはない、絵画的な背景の美しさも心を惹く。
ただ、心理描写がイマイチ…
人間性は閉じこめられている。中世が舞台とはいえ、そういったヒューマニズムに欠けた点が海外で評価されにくい理由だと思う。
いずれにせよ、後世に繋がるメッセージがある。
『もののけ姫』は日本の森に宿る神々と人間の共存を描いているため、この感想のヨーロッパを持ち出す意見は分かりませんが、風俗を描くという点は宮崎駿監督も度々意識していることでしょう。
物語中にキャラクターのバックボーンを詳細に描いてはいないため、キャラクターへの感情移入はしづらい点があったのかもしれませんね。
『もののけ姫』”悪い”の評価・感想
”悪い”と評価した感想の多くは「わかりづらい」という意見が多い
『もののけ姫』を”悪い”と評価した人の多くは、ストーリーがわかりづらく、キャラクターに感情移入しづらいという感想も少なくなかったようです。
最初に主人公アシタカが旅に出る目的が「自分が受けた呪いをとく」ため。
ところがもののけ姫に出会った途端、アシタカくんの目的は「姫を守る」ことに
転換!これって観客にたいして凄い目くらまし手段だよね?
パヤオちゃんのそもそもの目的が「野生の美少女と少年がアハンウフンする」
ことだったんでしょう?きっと。
だけどそれじゃあ、ただのスケベ男の物語になってしまうんで
目くらましとして最初の「旅に出ざるをえない」大義をくっつけただけでしょ。
それを裏付けるかのように、この映画ではやたらと主人公に対して
「いい男だねェ」という女からの黄声があがる。
そう。ハーレムしちゃった!という話ですよ。
『もののけ姫』を散々にこき下ろした感想の中には、意外とこうした「宮崎駿監督の趣味で作られた映画」という評価が多かったようです。
どう考えても国民的アニメを製作し続けてきたスタジオジブリ、宮崎駿監督がそうしたゲスな考えで製作に臨むわけがないので、こうした意見は”アンチ宮崎駿”なのでしょう。
ジブリがもう少しわかりやすい内容を提供してくれれば、あっというまに映画館は満員になるのにと、惜しい気持ちです。
こうしてこの作品後、ハウル、ポニョといった作品に繋がたのかと思うと忌まわしい作品であると個人的に思っています。
ただし、ジブリについては世代によって大きく違うというのはよくわかります。幼少期に見た作品、青年期に見た作品では大きく印象が変わると思います。もののけを初めて見た世代にとって面白いのであればそれは面白かったということだと思います。
『もののけ姫』は人物のバックボーンを明確にしていないため、こうした部分にわかりづらさを感じて低評価をつけた人は少なくないようです。
2時間の尺に収めるには省略しなければならないのは仕方ありませんが、想像をして補完することができる鑑賞者は楽しめる傾向にあったのかもしれませんね。
何年も前に初見した時、何処を面白がればいいのか全くわからない映画だった。しかし、世間ではすこぶる評判が良かったようで、自分の感性があまりにもズレているのが少し不安になった記憶がある。
あらためて今回見たが、やっぱり面白くなかった。今冷静に思い返せば、当時すこぶる話題になっていたのは確かだが、みんなが面白いと思っていたわけではかったんだろうなと思う。
興行的に成功した映画と、素晴らしい映画や面白い映画はイコールではないって事がよくわかる見本みたいなケースだと思う。
『もののけ姫』はスタジオジブリの作品の中で3位の興行成績を収めており、大ヒット映画には間違いないですが、イコール作品の面白さではないという感想も多かったようです。
『もののけ姫』のヒロイン・サンが特殊だったことや、アシタカとハッピーエンドになるわけでもない抽象的な終わり方をしたのも意見が分かれているようです。
『もののけ姫』について世界の反応
スタジオジブリ初、全米で公開された『もののけ姫』
詳しくは後述しますが、『もののけ姫』はスタジオジブリ作品として初の全米公開に踏み切った作品でした。
「アニメ嫌いをアニメ信者に変えた作品」 (アメリカ)
結果的に、僕はこの映画にすっかり感動させられてしまった。アニメーションは雄大で(僕はアニメーション専攻の学生なので、アニメーションにはかなりうるさい)、ストーリー展開は面白く、全てのカットが美しい。
アメリカ人が日本の神道的な感性をどのように感じているのかは分かりませんが、完成されたセルアニメの美術の美しさや、躍動感のあるアニメーションはアニメーターの卵も唸らせる出来だったようです。
『もののけ姫』は躍動感のあるアニメなので、アメリカ人が好む傾向があるのかもしれませんね。
「簡単に言ってしまえば、史上最高のアニメーション映画」
私がこの傑作を鑑賞したのは、自宅から30マイル(48km)離れた小さな映画館だった。ドライブした価値は十分あった。この映画は私を虜にして、上映時間中はずっと楽しませてくれた。日本の興行記録を打ち立てたのは不思議でもなんでもない!
車で48キロ離れた場所にある映画館を訪れて、仮に駄作だったならその失望感は大きいと思いますが、この感想の人は『もののけ姫』により良い旅となったようです。
母国のディズニー映画を差し置いて、”史上最高のアニメーション”という賛辞は、日本の感性はそのままアメリカ人にも浸透するという現れでしょう。
「最も洗練された宮崎作品」
個人的には、日頃から過激な環境保護主義者に対して疎ましく感じており、自分が彼らの仲間になることなんて考えられないと思っています。しかし、もののけ姫もそうですが、宮崎監督の映画は人間という要素を決してないがしろにしません。その上で自然の美しさと偉大さを描写することによって環境問題を語っています。私には、単純な環境保護よりも、一段高いところに達しているように思えるのです。
国内外問わず、『もののけ姫』が最もダイレクトに環境保護の大切さを訴えることができるアニメ映画だとする評価は少なくないようです。
この感想では、宮崎駿監督の思想により、より高い次元での人間と自然との共存の大切さを投げかけていることを評価しているようです。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察20選やその後の結末
『もののけ姫』には数多くの都市伝説・裏話がある
スタジオジブリ作品に付きものの都市伝説、裏話ですが、『もののけ姫』にも本編の鑑賞だけでは知りえないエピソードが多くあるためご紹介していきましょう。
『もののけ姫』は先述の通り数あるスタジオジブリ作品の中でも登場キャラクターのバックボーンが分かりづらい作品です。
そのため、都市伝説や裏話を知ることで、再び鑑賞した時に違った見方が楽しめるかもしれません。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察1 – その後の結末は?
アシタカとサンの関係はその後どうなる?
『もののけ姫』を鑑賞した人の多くは、アシタカとサンがその後どうなったのかという結末が気になったことでしょう。
アシタカは物語冒頭で腕に祟り神の呪いを受けてしまい、座して死を待つよりも何かが起こっている西に旅立ち呪いを解く方法を探しに行きます。
そこでアシタカは犬神のモロの君に育てられた美しき娘・サンと出会い、カヤという婚約者を村に残しながら惹かれて行ってしまいます。
アシタカとサンはお互いが育ってきた環境の違い、価値観の違いを認め合い、衝突しながらも次第に惹かれあっていき、サンは「アシタカ以外の人間は好きなれない」とアシタカへの人間としての好意を認めています。
アシタカはサンに対して強い興味を抱きながらも、物語の最後でサンと一緒に生きていく道は選択せずに、タタラ場で生きていくことを決意します。
アシタカが何としてもサンを嫁に取ってタタラ場で一緒に暮らしたいのならそう言ったはずですが、アシタカはサンの山での生活を優先させました。
ここにはもしかしたら、村に婚約者だと認められていたカヤを残してきたこと、サンに心変わりしたことに対してアシタカには負い目があったのかもしれません。
もしくは、サンとの共生は急がずに、とりあえずタタラ場に戻って生活を始め、運命の流れに身を任せようと思ったのかもしれません。
アシタカはサンとカヤどっちを取った?
『もののけ姫』を鑑賞して「カヤはどうなった?」と感じた人も少なくなかったようです。
アシタカはエミシ一族の長となるべく教育を受けており、村の人々もゆくゆくはアシタカがリーダーとなるものだと考えていました。
村娘のカヤは将来アシタカと結婚することを周りも認めており、アシタカが西に旅立つ日に乙女の変わらぬ心の証として、黒曜石をあしらった小刀を贈っています。
そのため、物語の最後でサンとの共生をせずに去ったアシタカは村に戻ってカヤと一緒になるという想像をした人も少なくないと思いますが、残念ながらこの結末は無いことが分かっています。
アシタカはエミシ一族である証のひとつでもある髷を落としており、これは「村には戻らない」という出家を意味していました。
そして、カヤから貰った小刀をサンにあげたことからも、カヤへの想いは断ち切っており、村には二度と戻らないという強い決意が現れています。
なぜアシタカがカヤという許嫁を捨ててまで決断をしたのかと言うと、タタラ場やその他の人間とサンと森の神々をつなぐために自分の存在が必要不可欠だと感じたからなのでしょう。
だからこそ、アシタカは物語終盤で「サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。共に生きよう」と仲介役として共存する道を選んだことを言葉にしています。
宮崎駿監督はアシタカとサンのその後の結末についてコメントしていた
この”アシタカの仲介役”の話は、実は宮崎駿監督自身が語ったことでもあります。
宮崎監督は、アメリカでのインタビューで、『もののけ姫』のその後について次のようにコメントしていたようです。
彼らはずっと良い関係を続けていくだろうと思います。それから、サンが生きていくために、アシタカはいろいろな努力をするだろうと思います。同時に、タタラ場の人々が生きていくためにも、大変な努力を払うだろうと。そのために、アシタカは引き裂かれて、傷だらけになるだろうと思います。それでも彼は、それを曲げずに生きていこうと思って、両方を大切にしようと思い続けるだろう。だから、彼の生き方は、私たちが今の時代を生きていく生き方に、共通するんだと思うんです。
アシタカはタタラ場のエボシを始め、村の人々に大きな世話になっていたため、恩返しをする必要もあったでしょう。
そしてサンや森との共存をしていく上で、アシタカが間に立って仲介役を務めていくことを宮崎駿監督が語っています。
タタラ場と、サンのあいだに入って、切り刻まれながら生きるしかない。その女の子と、自分の国に逃げたって、何の解決もつかないから。ここで生きていくって決めると、そうするとタタラ場のほうは、木を500本切りたいって言うでしょ? で、サンのほうに行って、「ちょっと、木を切んなきゃいけないんだけど」って言うと、ビビビって刺されてね、「じゃあ、250本で……」って(笑)。「生きる」って、そういうことですよね。
そして、このアシタカの苦難の日々は現代を生きる人間にも当てはまることで、共感をすることができると宮崎駿監督は語っています。
アシタカが心から惹かれているサンと一緒になることよりも、人間、森全体がうまく”生きる”ためには自分が仲介役をすることが最善の方法だと考えたのだと思います。
アシタカにとっては生きる場所は違っても、いつもサンと共に生きていることに繋がり、物質を超えた絆があるだけで十分だったのでしょう。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察2 – アシタカはサンと子作りしていた?
『千と千尋の神隠し』の千尋はサンの子孫だった
驚くことに、『千と千尋の神隠し』の公式設定資料集には「千尋はサンの子孫」だと書かれています。
このことから、サンは子供を産んでいたことが明らかになりました。
そして、普通に考えるなら人間で唯一心を許しているアシタカ以外に相手はいないでしょう。
アシタカは物語の最後で「会いにいくよ、ヤックルに乗って」と言っていますが、タタラ場で生活をしながらも暇を見つけては度々サンに会いに行っていたのでしょう。
その中でアシタカとサンは愛情を育んでいき、子供に恵まれたのだと想像できます。
おそらくその子供も母親であるサンの元で、森で生きていたのだと思いますが、もしかしたら子供の代で人間に対してピュアな気持ちを持つようになり、人間社会に入っていったのかもしれません。
物語中では素直にハッピーエンドとは言えませんが、こうした時間を超えて明らかにされた裏話によってアシタカとサンはハッピーエンドを迎えていたことを知ることができました。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察3 – コダマは後にトトロになった?
『となりのトトロ』に繋がるコダマ
もちろん『もののけ姫』よりもずっと前に『となりのトトロ』が公開されていますが、裏設定としてコダマが成長した姿がトトロだと宮崎駿監督が語っています。
コダマは森に生息する精霊で、モロやシシ神ら森の神々のように人間を恨んでおらず、見える者には好意的に接してきます。
そして『となりのトトロ』のトトロも太古から森に生息している森の主であり、巨大なクスノキに住む精霊という設定でした。
宮崎駿監督は『もののけ姫』製作時にコダマがトトロになることをイメージして脚本を考えていたことを明かして、ジブリスタッフを驚かせたそうです。
宮崎駿監督の頭の中ではコダマとトトロは同じ森の精霊として結びついていたものの、スタッフにとっては姿形も違うため突拍子も無いことに感じられたようです。
確かにコダマがどのように成長したら猫のような熊のようなかわいいトトロになるのかは不明ですが、純粋で正しい心を持っていれば精霊(自然)は味方してくれるという、宮崎駿監督ならではの表現なのかもしれません。
トトロ×もののけ姫♡ pic.twitter.com/ipinnAg3Dd
— ♡トトロだ~い好き♡ (@totoro_daisuki) 2018年2月15日
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察4 – タタラ場はハンセン病患者の施設?
タタラ場はハンセン病患者を匿う施設だった?
タタラ場には包帯を巻いた人が多く働いていますが、社会的差別を受けてきたハンセン病患者を匿うためにエボシが築いたと言われています。
『もののけ姫』の時代である大和朝廷時代にはハンセン病(定義されたのは1873年だが)が猛威を奮っており、社会的差別の対象となっていたという説があります。
こうしたハンセン病患者は皮膚がただれて醜い姿となってしまうため、タタラ場で働いていた人のように顔に包帯をぐるぐる巻きにしていたようです。
社会的差別からまともな職業につけず生活が困窮しがちなハンセン病患者を、エボシが工場を作って働かせていたという説があるようです。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察5 – 税金対策で製作された?
『もののけ姫』は税金対策だった?
『もののけ姫』は支払う税金の額が膨れ上がったために対策として制作されたと言われています。
1984年に公開された『風の谷のナウシカ』に始まり、1990年代にかけてスタジオジブリは飛躍的に興行成績を伸ばし、グッズ売上も右肩上がりの状態でした。
そのため、毎年支払う税金も当然跳ね上がったため、今後の税金対策としてどうするかをスタッフを集めて話し合ったと言われています。
その結果、宮崎駿監督が後に「スタジオジブリというものを使いつぶすつもりで制作した」という通り、通常5万枚程度のセル枚数に対して14万枚という倍以上の物量の仕事をこなし、過去最高額と言われる制作費を投入しました。
つまり、『もののけ姫』の制作費用を経費として税金対策をしたということであり、このことは一部のファンで批判が上がったものの、結果として大作に仕上がったためそれまでの興行収入を圧倒的に上回るセールスを記録することができました。
とはいえ、『もののけ姫』が仮に爆死していたら本当に宮崎駿監督はスタジオジブリを使い潰していたことになっていたかもしれませんね。
しかし、宮崎駿監督や鈴木敏夫さんの制作エピソードから分かる力の入れようから、確実に勝算を持っていたのだと思います。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察6 – サンとカヤは同じ声優
サン、カヤは実は同じ声優の石田ゆり子
アシタカの嫁候補であるサン、カヤのふたりの少女の声優は女優の石田ゆり子さんが兼任していました。
『もののけ姫』の物語中で冒頭にしか登場しないアシタカの許嫁のカヤですが、バトンタッチするヒロインのサンと同じ石田ゆり子さんが声優を務めています。
これは宮崎駿監督の思惑があったものだと思われますが、アシタカにとってサンとカヤは優劣をつけられない存在だったことから同じ声優にしたのかもしれません。
物語中で結果的にカヤを捨て、サンを選んだとも言えるアシタカですが、それは運命がそうさせたからであり、宮崎駿監督の話しからもアシタカは人間と森の神々との橋渡し役を選び、生涯未婚だったと思われます。
ちなみに、『もののけ姫』の冒頭で登場する村娘のエミンは、『風の谷のナウシカ』のナウシカの声優を務めた島本須美さんでした。
違う。予想してたのはもっとましなはずやった…。
— ムラサキ のっか (@NokkaMurasaki) 2018年2月11日
りのはもののけ姫のサンになりたかっただけやねんけどな…。 pic.twitter.com/mocjv3wb7v
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察7 – サンの言葉がBD発売に影響?
サンのメッセージがブルーレイの発売に影響した都市伝説
これはあくまで都市伝説ですが、サンの物語中のメッセージがブルーレイ版の発売が遅れたことに影響していたというものがあります。
『もののけ姫』はスタジオジブリ作品の中でも特に現代へのメッセージ性に富んだ作品ですが、その中でサンが発した言葉にも深い意味が隠されていると言われています。
サンは人間界から捨てられ自然界で生きることになり、犬神のモロに育てられたことで人間と山犬との狭間で苦しみ続けてきた生い立ちがあります。
その葛藤と人間との戦い、森との共存の生き方は、現代の人間が抱えた自然との戦いや共存にも通じる部分が多くありメッセージとして込められています。
ブルーレイディスクが生まれた頃、スタジオジブリ作品の多くがブルーレイ化が決まる中で『もののけ姫』だけ遅れた理由は、サンのメッセージを大切にしたという都市伝説になったようです。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察8 – 全米公開は野茂英雄のおかげ?
野茂英雄が活躍しなかったら全米公開はなかった?
『もののけ姫』を全米公開に踏み切った理由は野茂英雄が活躍したからだと言われています。
『もののけ姫』が公開された1977年当時、野茂英雄さんがメジャーリーグで目覚しい活躍をしていました。
この活躍を観たプロデューサーの鈴木敏夫さんが、スタジオジブリも全米デビューしようと公開を提案し、ディズニーとの契約が実現しました。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察9 – サンは自然の代弁者
サンのセリフは自然を代弁している?
サンが『もののけ姫』の物語中で発した言葉の多くは自然を代弁しているとする都市伝説があります。
サンは人間界と自然界の両方を知っており、結果として自然界で生きる選択をして人間界に深い不信感を持っています。
宮崎駿監督は『もののけ姫』の中で自然を”現代”に、人間を”邪悪な者”に置き換えたところ、サンのセリフを思いついたと語っているようです。
つまり、サン(自然)が発したメッセージは環境保護に対するものと、人間社会での戦いに向けたものと二つの意味を含んでいるということです。
物語中に登場する悪役のジコ坊たちは自然にとっての驚異であり、人間にとっても戦うべき相手で、これを現代に対するメッセージと捉えるとまた違った見方ができるでしょう。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察10 – シシ神の森のモデルは屋久島
『もののけ姫』製作時に屋久島を訪れたロケハン
『もののけ姫』の舞台の参考に選ばれたのは鹿児島県にある屋久島でした。
『もののけ姫』公開の約2年前の1995年5月に、宮崎駿監督率いるスタジオジブリスタッフは屋久島にロケハンに訪れました。
物語の世界観が”人の手が入っていない太古の森で、照葉樹林”ということから、屋久島が最も適していたようです。
このロケハンにより屋久島の雄大な自然を肌で感じたスタジオジブリスタッフは、製作時に臨場感を持って美術を描くことができたようです。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察11 – 『アシタカ聶記』の予定もあった?
『アシタカ聶記』になっていた可能性がある?
『もののけ姫』はタイトルの決定前に候補となった内ひとつに『アシタカ聶記(せっき)』というものがありました。
物語のタイトルは最も最初に来るメッセージであり、非常に重要な決定事項であることから宮崎駿監督は最後まで悩んでいたようです。
宮崎駿監督は『もののけ姫』というタイトルが先に決定していましたが、製作する段階で「これはアシタカの物語だ」と感じるようになり『アシタカ聶記』というタイトルを候補に追加します。
タイトル決定の説はふたつあり、ひとつは悩みに悩んだ宮崎駿監督は結局決めきれず、それぞれのタイトルが書かれたカードを2枚用意して、スタッフにランダムで引いてもらい決めたというものです。
しかし、さすがに重要な決定事項であるタイトルをランダムで決めるということを宮崎駿監督がするはずもなく、タイトルの決定はもう一つの説が正しいと思われます。
宮崎駿監督はタイトルの決定についてプロデューサーの鈴木敏夫さんに相談しました。
しかし、鈴木敏夫さんは『もののけ姫』というタイトルが絶対的に良いと核心していたため、宮崎駿監督に知らせないまま『もののけ姫』の特報映像でそのままのタイトルで放送し強引に決定してしまいました。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察12 – ジブリ最後のセルアニメだった
『もののけ姫』はジブリで最後のセルアニメだった
先述した部分と重なりますが、『もののけ姫』はスタジオジブリにとって大きなターニングポイントとなる作品でした。
『もののけ姫』の製作がスタートした1995年当時、デジタル技術が飛躍的に発展し始めたため、スタジオジブリもより効率化を図るために同作が最後のセルアニメとしました。
『もののけ姫』はすべて手描きですが、始めてCGを導入した作品でもあり、これ以降の作品はすべてデジタルペイントに移行しています。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察13 – サンは不倫をした?
サンが不倫をしていたという都市伝説が浮上
サンが不倫というのは誰もが謎に感じてしまいますが、納得できる話だったようです。
「サンが不倫をしていた」という突拍子もない都市伝説は、実は米国版『もののけ姫(PRINCESS MONONOKE)』でサンの吹き替え声優を務めた女優のクレア・デインズさんが不倫をしていたということでした。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察14 – エボシは現代人だった?
エボシは考え方が現代人と同じ
『もののけ姫』でタタラ場の長として重要なポジションのエボシは現代人という設定でした。
宮崎駿監督はスタジオジブリの原画スタッフである遠藤正明さんとの打ち合わせの中で、「(エボシは)現代人ですから。魂の救済を求めていない」と語っていたそうです。
そして、宮崎駿監督の『もののけ姫』の製作メモにも以下のように書かれています。
辛苦の過去から抜け出した女性。海外に売られ、倭寇の頭目の妻となる。そこで頭角を現していき、ついには頭目を殺して金品を持って故郷に戻ってきた。このとき海外(明)で最新式の武器「石火矢」を手に入れ、日本に持ち込んでいる。侍の支配から自由な、強大な自分の理想の国を作ろうと考えている。タタラ場に来る以前に、京都で天皇周辺の人物達と交流を作った。また、タタラ場を世俗とは「無縁」で暮らせる場所にしつつあった。タタラ場は革命家(エボシ)の聖域なのである。この映画で唯一、自然界にとっての悪魔であり、魂の救済を求めていない、つまり「近代人」である。
エボシがとても壮絶な過去を背負っていたことが分かるメモですが、そうした生い立ちがあるからこそタタラ場を世の中のしがらみから独立した理想郷にしようと強い信念を持っていたようです。
『もののけ姫』は冒頭のエミシ一族の村とタタラ場しか人間の生活環境が登場しないため分かりづらいですが、もっと当時の世情が分かればタタラ場の立ち位置が分かるかもしれません。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察15 – エボシは死ぬ予定だった?
エボシは宮崎駿監督のお気に入りだったから死ななかった
『もののけ姫』の当初の構成としてはエボシは途中で犬神・モロに腕をもがれた時点で喰われて死ぬ予定だったそうです。
宮崎駿監督がエボシをとても気に入っていたため、製作スタッフとの度重なる議論の末に「やっぱり殺せないよ、エボシは」とエボシを生かす方向に脚本を修正したようです。
元々決まっていた構成を監督の気持ちひとつで変更について話し合い実現してしまうのはスタジオジブリくらいだと言われています。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察16 – 猩々はイオングループの象徴だった?
人間を恨む猩々はイオングループだった?
『もののけ姫』の物語中でも特に人間に対する恨みが深い神として登場する猩々(しょうじょう)はイオングループだという都市伝説があります。
アシタカが森で出会う猩々たちは、人間の言葉をある程度理解している猿のような神です。
人間たちが自然破壊を繰り返すことに業を煮やしており、破壊された森を戻すために木々を植えていますが、それでも破壊を繰り返す人間に深い憎しみを持っているキャラクターです。
直接的には物語の進行に絡んでいませんが、『もののけ姫』のスポンサーとして製作に参加していたイオングループが、地球環境事業の取り組みを宣伝する目的で登場させたキャラクターだと言われています。
イオングループが世界中で植林事業をしており、それが『もののけ姫』の環境破壊のテーマと一致したことから、木を植え続ける猿の猩々が生まれたそうです。
猩々は”森の賢者”と呼ばれて畏れられていましたが、どこか間抜けで憎めない感じを受けるのはイングループ側の提案があったからだと言われています。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察17 – サンはエボシの娘だった?
サンを捨てたのはエボシだった?
森の破壊者としてサンからみれば最大の敵であるエボシですが、実はエボシの娘だったという衝撃的な都市伝説があります。
この都市伝説が浮上したきっかけは、宮崎駿監督と近しい人が「サンはエボシの娘」だと裏話として語ったことによると言われています。
エボシは先述の通り、家が没落して身売りに出されることになり、異国の地で海賊・倭寇の頭目の妻となりました。
その後、エボシは才覚を現して頭目である夫を殺し、その莫大な財産を持って日本に戻ってタタラ場を興しました。
一方で、森に住む犬神のモロの君は、自然破壊の諸悪の根源であるタタラ場を作ったエボシを憎んでいますが、都市伝説ではサンを捨てたことも憎しみの対象になっていると言われています。
だからこそ、モロはアシタカに「おまえにサンが救えるか!?」と、身勝手な人間への大きな怒りの中にも、微かな期待を含ませているようなセリフを言っています。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察18 – キャッチコピーは50の案があった!?
鈴木敏夫の寿命を3年縮めたキャッチコピー決め
『もののけ姫』のキャッチコピーは糸井重里さんに依頼しましたが、プロデューサーの鈴木敏夫さんは「寿命が3年縮んだ」というくらいとても難航していたようです。
スタジオジブリ作品には、物語のテーマを最もストレートに伝えるキャッチコピーが考えられています。
『もののけ姫』のキャッチコピーは「生きろ。」というとても簡潔な3文字に集約されましたが、そこに至るまでに半年かかったということです。
キャッチコピーの制作を担当したのが、業界でもコピーライティングの第一人者と名高い糸井重里さんです。
鈴木敏夫さんは糸井重里さんと3度に渡ってやり取りを続ける中で、キャッチコピーが核心に迫って行き「生きろ。」という究極の3語が生まれたようです。
最初のコピー案は、「おそろしいか。愛しいか。」「おまえには、オレがいる。」「惚れたぞ。」「ひたむきとけなげのスペクタクル。」の4つ。終わりに「。」が付くのは最終的に決まったコピーでも採用されているが、どの案もラブストーリー色が強いコピーとなっていることが見て取れる。
引用:ITMEDIA NEWS – ジブリ「もののけ姫」のコピーが「生きろ。」になるまで 鈴木敏夫と糸井重里の手紙のやりとり (1/12)
この4つの案もキャッチコピーとして無くはないですが、このいずれかに決まっていたら視聴者の感じ方もまた変わっていたかもしれませんね。
そして、鈴木敏夫さんと糸井重里さんはやり取りを繰り返し、以下のようなキャッチコピーが候補として上がりました。
「おそろしいか。愛しいか。」
「おまえには、オレがいる。」
「惚れたぞ。」
「ひたむきとけなげのスペクタクル。」
「だいじなものは、ありますか。」
「昔々は、今の今。」
「おまえは、まぶしい。」
「死ぬのと、生きるの、どっちが好きだ。」
「死ぬなっ。」
「それでもいい。私と共に生きてくれ。」
「ハッピー?」
「悪からでも善からでも、おまえを守る!」
「弓を誰にひく!?」
「あなたは 何を守る!?」
「なぜ、俺は生まれてきた。」
「LIFE IS LIFE!」
「化けものだらけ。」
「神々は、なつかない。」
「森には、おそろしい神々がいる。」
「暴と愛の嵐」
「人間がいなきゃよかったのか」
「わからなくっても、生きろ!」
ちなみに、「おそろしい、ナニか」「生きるってなんですか?」「生きるの?死ぬの?どっちなの」というキャッチコピーもネットで候補だったと囁かれていますが信ぴょう性は不明です。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察19 – 人間の内面を神話にした?
アシタカは成長しない考え方の人物?
『もののけ姫』は成長物語ではないものの、アシタカが内面的な成長をしない様子を描くことで普遍的な哲学神話だという都市伝説があるようです。
『もののけ姫』は古事記や日本書紀など、日本神話的な要素を含んでいるため物語中のキャラクターのセリフには哲学的なものも多くあります。
その中で、アシタカについてはそうしたセリフは一切なく、徹頭徹尾変わらない精神性で描かれています。
ある意味悟りを開いた仏僧のようなアシタカですが、アシタカ(アシタカヒコ)自体も日本神話に登場する大和朝廷と争った東の豪族の長「ナガスネビコ」から着想を得たキャラクターです。
そのためアシタカは人間離れした神性のあるキャラクターとして描かれ、成長しようとしない内面が物語中に表現されていると言われています。
神話の世界に登場する神々は不老不死の存在であり成長とは無縁であり、こうした理由から『もののけ姫』は「普遍のアシタカの神話」だと位置づけられ、「現代まで続く自然との共生もまた普遍であるべきだ」ということを表現しているという説があるようです。
『もののけ姫』都市伝説・裏話の考察20 – 最後のシーンに込められた想い
宮崎駿監督は視聴者にその後を想像させたかった
スタジオジブリ作品の多くは結末をぼかすことで視聴者にその後の結末を想像させる表現がありますが、『もののけ姫』もまたそうした作品だったのだと言われています。
『もののけ姫』は明確なハッピーエンドで終わるわけではなく、アシタカとサンは再会する約束はしても、ずっと関係は平行線を辿っていくようなイメージを持たせます。
それは、宮崎駿監督自身もまだ人間と自然の共存方法の答えは出ておらず、視聴者ひとりひとりが考えて行くべきことだとして敢えてぼかしたのだという説があります。
『もののけ姫』を鑑賞した人はすぐに「森を大切にしよう」と考える人は少ないと思いますが、繰り返し観るうちに「自然と共生するとは何か」ということを考える良いきっかけになることは大いに有り得るでしょう。
もののけ姫のシシ神さまがアシタカの横を通って乙事主さまとモロの方に向かうシーンのやつに見える(安定の語彙力のなさ) pic.twitter.com/alXhgTbpbb
— ススワタリ@ジブリo(≧▽≦)o✨ (@2247Chihi_Life) 2018年2月15日
もののけ姫に感動する歳にやっとなれた気がした今日この頃
— 航 (@0414waro) 2018年2月10日
『もののけ姫』について総まとめすると・・・
1997年7月12日に公開されたスタジオジブリの宮崎駿監督によるアニメ映画『もののけ姫』について総まとめしてきました。
『もののけ姫』は手書きのセルアニメとして最高峰の完成度であり、現在のCGアニメに無い良さを体感できる代表作でしょう。
ご紹介した都市伝説や裏話を頭に置いて鑑賞してみると、『もののけ姫』の細かいメッセージにも気づけるかもしれませんね。