2014年7月19日に公開されたスタジオジブリの米林宏昌監督によるアニメ映画『思い出のマーニー』。
舞台を現代日本に置き換えた『思い出のマーニー』の作品の評価や感想、また都市伝説や謎の考察について総まとめしましたのでご紹介します。
この記事の目次
- 『思い出のマーニー』とは
- 『思い出のマーニー』評価・感想
- 『思い出のマーニー』”良い”の評価・感想
- 『思い出のマーニー』”普通”の評価・感想
- 『思い出のマーニー』”悪い”の評価・感想
- 『思い出のマーニー』都市伝説や謎の考察14選
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察1 – 杏奈はハーフ?
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察2 – 杏奈が「ふとっちょ豚」と言った理由
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察3 – マーニーは幽霊なのか?
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察4 – 杏奈は祖母の話を元に追体験していた
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察5 – 思い出のマーニーは百合なのか?
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察6 – 『アナと雪の女王』のパクリ?
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察7 – 杏奈は夢遊病を患っている?
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察8 – 日記を破ったのは誰だ?
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察9 – 杏奈のマーニーの絵が似ていた謎
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察10 – 舞台は釧路湿原?
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察11 – 宮崎駿が参加しない理由
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察12 – 6時間を超えるアニメだった?
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察13 – 原作を無視した内容になる予定だった?
- 『思い出のマーニー』都市伝説考察14 – キャッチコピーが刺激的すぎた
- 『思い出のマーニー』について総まとめすると・・・
『思い出のマーニー』とは
不思議な魅力を持つ作品『思い出のマーニー』
『思い出のマーニー』の原作者はイギリスの作家、ジョーン・G・ロビンソンで、児童文学作品として愛されてきました。心を閉ざしてしまった少女・アンナが海沿いの村に住む少女・マーニーとのふれあいを通じて心を通わせていく成長物語です。
『思い出のマーニー』は原作のイギリスから現代日本に舞台を置き換えて、主人公の少女・アンナも日本名の杏奈と変えていますが、マーニーについては原作と同様に金髪で青い目を持つ白人少女です。
『思い出のマーニー』はスタジオジブリの若手監督・米林宏昌さんによりアニメ映画化され、「第88回アカデミー賞長編アニメ映画賞」にノミネートされましたが、惜しくも受賞を逃しています。
宮崎駿、高畑勲に続く若手監督・米林宏昌
『思い出のマーニー』には宮崎駿さん、高畑勲さんは一切関わっておらず、本作のプロデューサーである西村義明さんは次代のスタジオジブリを担っていく作品になると語っており、『借りぐらしのアリエッティ』とともに米林宏昌監督は今後スタジオジブリの顔となる監督になっていくでしょう。
『思い出のマーニー』の企画が立ち上がったきっかけは、2012年にスタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫さんが米林宏昌監督に対して「これを映画にしてみないか?」と持ちかけたことによります。
原作である『思い出のマーニー』は宮崎駿さんも推薦していたこともあり米林宏昌監督は監督を引き受け、宮崎駿さんによる前作『風立ちぬ』や高畑勲さんの『かぐや姫の物語』が大人向けのテイストだったことから「もう一度子供のためのスタジオジブリ作品を作りたい」という思いを製作発表時に語っています。
企画が立ち上がった頃に製作の打ち合わせで宮崎駿さんが舞台のイメージとして抱いていたのは瀬戸内海だったそうですが、宮崎駿さんの描いたイメージボードが『崖の上のポニョ』に似ていたため、米林宏昌監督がイメージがまったく異なる北海道の湿地を選びました。
スタジオジブリの制作スタッフとともに米林宏昌監督は釧路湿原や根室にある藻散布沼に取材に行き、『思い出のマーニー』の舞台背景となる架空の海辺の村を築き上げています。
北海道を舞台に選んだのはスタジオジブリ作品では初のことだったようです。
『思い出のマーニー』評価・感想
『思い出のマーニー』の評価と感想
『思い出のマーニー』を劇場やDVD、BDなどで鑑賞した人の評価や感想を「良い・普通・悪い」に分けてご紹介します。
『思い出のマーニー』”良い”の評価・感想
『思い出のマーニー』を”良い”という評価と感想
『思い出のマーニー』を”良い”と評価した人の感想には、「ジブリ作品で一番」という評判の人も少なくないようです。
マーニーに「許すよ」と言ったところ泣けました。許せないという思いからようやく解放されて、あんなちゃんが前を向いて歩いていける、希望に溢れるシーンだったと思います。ジブリ作品の中で1番泣ける映画です
『思い出のマーニー』は過酷な生い立ちを持つ杏奈とマーニーの心の心情を描いているため、非常に心の琴線に触れる作品だったと感じる人は良い評価をつける傾向があるようです。
自分の殻に閉じこもり周囲と仲良くできない主人公がマーニーという少女と出会い意気投合して愛情の大切さを学んでいく。
途中までは夢か現実か分からず戸惑う場面もあるが、最後は涙が・・・。
田舎のおじさん、おばさんがいい味出してるね。
見た後に、爽やかでちょっぴり切なくなるような素晴らしいファンタジー映画だった。
『思い出のマーニー』はスタジオジブリの往年の作品のようなテイストをほのかに残しつつも、米林宏昌監督による独自の感性が生きる新しい印象になっているようです。
作品を視聴中、ワタクシは感動、感動の嵐に巻き込まれました。
エンディングまでに幾度となく涙を流したものです。
なんやら影のある主人公やね…
行動もやや衝動的やな…
この微妙なセリフって…このシーンは何や…
開始からしばらくの間は頭の中が「?」マークでした。
しかし物語が展開すると、その意味するもの達を徐々に意識しながら、
ワタクシはその世界に深く深く入り込んで行きました。
杏奈は中盤まではかなり心を閉ざした状態で情緒不安定な様子が多いため言動を不思議に思う人も多かったようですが、物語の進行とともに成長する姿に感動した人は多かったようです。
『思い出のマーニー』”普通”の評価・感想
『思い出のマーニー』を”普通”という評価と感想
『思い出のマーニー』を”普通”だと評価する感想の中には「怖い」「意味が分からない」としながらも一応楽しめた人が多かったようです。
最後の衝撃の事実に感動、といいたいところだが、いくらハートウォームな音楽で盛り上げようとも、背筋がゾッとしかならない。
レビュアーさんの「世にも奇妙な物語」との評価はまったくその通り。
少女の持つ危うげな世界観、やりたいこと、ねらいはなんとなく分かるし共感もする。
しかし、フランス人形みたいな可愛いブロンド少女が洋館の二階の窓から微笑んでる様はどうだ。
『思い出のマーニー』は非常にミステリアスな展開のため、普通だと評価した人の多くには「怖い」という意見も少なくないようです。
いったいアレは夢だったのか現実だったのか
それとも杏奈の妄想だったのか…?? みたいな。
個人的には
【杏奈とマーニーが会う度にマーニーの日記の内容が変わる】
とか
【杏奈がマーニーにプレゼントした物がマーニーの遺品として出てくる】
みたいな演出があれば良かったなぁ…。
『思い出のマーニー』を『世にも奇妙な物語』のようだという意見も少なくないようで、どうせならもっと時系列の辻褄が合わないような奇跡を描いても良かったという声もあるようですね。
とてもいい話ではあるのですが、ちょっと・・・話がめんどくさいと思います。
話の展開にはおお!とはなるけどもうちょっとばかし話を整理してほしい。
「君の名は。」とかは、どゆことどゆこと!?ってなるけど、
気になるというより、意味わかんない・・と思ってしまいます。
『思い出のマーニー』は『君の名は。』と比較されることが多いようですが、原作のボリュームが多く2時間に収めるのが難しい作品だったため説明不足が目立ったようですね。
『思い出のマーニー』”悪い”の評価・感想
『思い出のマーニー』を”悪い”という評価と感想
『思い出のマーニー』を”悪い”と評価する人の感想はほとんどが「分からない」というものが多く、杏奈に全く感情移入ができなかったようです。
え?だから何なの?っていうストーリー。
空想シーンとかまたかって感じで超退屈。
大人があれだけ集まって、あーだこーだ言って出来たアニメがこれとか・・・。
時間の無駄の一言。
『思い出のマーニー』の杏奈の精神的な不安定さを表現した演出に共感が持てない人は”悪い”と評価する傾向が強いようです。
何が伝えたいかわからん!
B級映画にも届かないんじゃないかってぐらいおもんない。
主人公の性格が酷すぎる
杏奈に同調できない人にとっては『思い出のマーニー』はとことんまでに面白くないという評価をする傾向にあるようです。
映像はやっぱり綺麗で、最初は「どんな内容かな」とワクワクしながら見てたのですが、見終わってから「え?」みたいな、面白くありませんでした。
『思い出のマーニー』は一度見ただけでは全体の内容を把握するのが難しいため、何が起こっているか分からない人にとっては面白くないと感じたようです。
『思い出のマーニー』都市伝説や謎の考察14選
『思い出のマーニー』には謎、都市伝説が多い
杏奈の不思議な体験を描いたアニメ映画『思い出のマーニー』は、公開直後から謎や都市伝説についてネットで盛り上がっていました。
あらすじの紹介の中でも謎めいた部分が多かったと思いますが、『思い出のマーニー』は劇場公開後に視聴者の間で都市伝説について語られてきました。
『思い出のマーニー』の都市伝説について詳しく総まとめしましたのでご紹介していきましょう。
母「すぐ都市伝説でジブリキャラ殺すのやめない??」
— 唸 (@reonnu_727) 2016年1月22日
父「あーでもあれだよ、あれ、あの人はほんとに死んでたよねえーでと、湿地のアーニャ?」
母「湿地wwwのwwwwwwアーニャwwwwww??????」
私「もしかして思い出のマーニーの事言ってる???www」
父「それwwwww」
『思い出のマーニー』都市伝説考察1 – 杏奈はハーフ?
杏奈はハーフと勘違いされた
杏奈の目は青みがかった外国人のような色をしているためハーフだと勘違いした人が多いようです。
初見で劇場で『思い出のマーニー』を鑑賞した人は、一度ではストーリーを把握できずに杏奈がクォーターだという結論を出せなかった人も少なくないようです。
中には「杏奈は何かの病気?」と勘違いした人もいたようです。
信子にも目の色を指摘されて激怒した時の杏奈は、自分がマーニーの孫でクォーターだったということも知りませんでした。
マーニーが和彦との間にもうけた絵美里がハーフということになり、杏奈の実母ということになります。
また、杏奈の目については別の都市伝説もあり、頼子が「いつも普通の顔をしている」と医者に言ったように常に無表情だったこと、マーニーを「自分が作り出した空想の少女」と語っていたことから統合失調症なのではとも言われていました。
当然、マーニーはファンタジー世界で表現された演出のひとつであり、杏奈の祖母であるマーニーが杏奈を助けるために働きかけた幽霊のような存在でしょう。
そのため、杏奈は統合失調症とは無関係だと言えるでしょう。
『思い出のマーニー』都市伝説考察2 – 杏奈が「ふとっちょ豚」と言った理由
杏奈が信子に暴言を吐いた理由とは?
杏奈の青い目を見た信子は「綺麗」と言って盛り上がっていましたが、それにカチンときた杏奈は「ふとっちょ豚!」と言ってしまいました。
こうした体験は少なからず誰にでもありますが、当時の杏奈は深い心の闇を抱えていたため、必要以上に感情が爆発してしまったのでしょう。
『思い出のマーニー』都市伝説考察3 – マーニーは幽霊なのか?
マーニーは幽霊以外に説明がつかない?
『思い出のマーニー』の劇中ではマーニーが幽霊だという説明はされませんが、杏奈が体験したマーニーとの日々を鑑みると幽霊としか説明がつかないと結論づけられています。
マーニーの住んでいた屋敷は空家であり、普段は人の住んでいる気配は無いものの、杏奈が訪れた時だけに反応し、マーニーとのコミュニケーションが終わると杏奈は意識を無くして気づいた時にはどこかに倒れているという体験をしています。
また、ボートのオールが動かせなくなったことでマーニーが現れたり、マーニーが屋敷のそばから離れられないと言っているあたりに屋敷に憑いた地縛霊のような印象を与えています。
幽霊だとはっきり説明してしまうとまた違った作品になってしまうため、敢えてマーニーが見えることは”ちょっと不思議な体験”のように描いていたのでしょう。
『思い出のマーニー』都市伝説考察4 – 杏奈は祖母の話を元に追体験していた
マーニーが幽霊ではないという説は杏奈の追体験
マーニーが幽霊だという設定でも説明がつくものの、実際は幽霊ではなく杏奈が生前の祖母・マーニーから聞いていた話を元に追体験をしていたというものです。
『思い出のマーニー』はスタジオジブリ作品の中では珍しくホラー要素の強い作品で、特に視聴者が怖いと思ったシーンは終盤のサイロでマーニーが忽然と姿を消したシーンだったようです。
サイロを最後にマーニーが姿を見せなくなってしまった理由は、杏奈が生前のマーニーから話を聞かされていたのはサイロまでだったからだとする説があります。
杏奈はマーニーの屋敷を見つけた時から度々意識を失って、夢の中で追体験をしていたということになりますが、これでは辻褄が合わなくなるシーンがいくつもあります。
もしマーニーとのコンタクトが杏奈の追体験だとすると、先述の統合失調症という説も真実味が帯びてしまいますが、『思い出のマーニー』という作品は児童文学であり、精神病などという重い設定を主軸に置くことはしないでしょう。
ということは、マーニーは杏奈を助けるために現れた幽霊的な存在と考えて、ファンタジー作品であると認識する方が自然だと言えます。
『思い出のマーニー』都市伝説考察5 – 思い出のマーニーは百合なのか?
杏奈とマーニーが”愛している”とお互いに言い合うのは百合だから?
『思い出のマーニー』でよく言われる都市伝説としては”百合なのか”というものがありますが、当然杏奈とマーニーは家族愛であり百合ではありません。
”百合”とは女性同士が性別を超えて愛し合う同性愛に対して使われる隠語ですが、『思い出のマーニー』のポスターに書かれたキャッチコピーが「あなたのことが大好き」だったことから、すでに”百合”という憶測が飛び交っていたようです。
マーニーが少女時代の姿で登場したため、同世代の少女の”百合”だと勘違いした人が少なくなかったようですが、杏奈とマーニーは孫と祖母という関係からくる家族愛だり、性的な”愛情”とは別物であることが分かります。
『思い出のマーニー』都市伝説考察6 – 『アナと雪の女王』のパクリ?
『思い出のマーニー』は『アナ雪』に似ている?
『思い出のマーニー』も杏奈とマーニーのWヒロインですが、公開前年には世界的大ヒットを飛ばしたディズニー映画『アナと雪の女王』が公開されていたことから、「パクったのでは?」と囁かれていました。
『思い出のマーニー』のパクリ疑惑を否定する理由としては、企画の発足から絵コンテ制作に20ヶ月以上を費やしていることから、『アナと雪の女王』の公開前から制作を進めていました。
スタジオジブリの信念からも安易なブームやパクリに便乗することは無いことも理由として挙げられるでしょう。
『思い出のマーニー』都市伝説考察7 – 杏奈は夢遊病を患っている?
幽霊でも統合失調症でもなければ夢遊病?
杏奈は幼少期から祖母のマーニーに少女時代の話を色々聞かせてもらったことから記憶に残っており、マーニーの湿っ地屋敷を観た瞬間に夢遊病が始まったという説もあります。
この夢遊病説も統合失調症や追体験説と同様にまったく作品には当てはまらないもので、杏奈はしっかりと意識を持って動いている中でマーニーと会い、その中で十一や久子や彩香といった人物と交流をする中でマーニーの確信に迫っています。
夢遊病のような杏奈の自己完結型の行動ではありませんので、終盤に久子が「あなたもマーニーを見たのね」という言葉からもやはりマーニーは幽霊だった説が一番有力でしょう。
『思い出のマーニー』都市伝説考察8 – 日記を破ったのは誰だ?
都合よく破られていたマーニーの日記
サイロにマーニーが行くという日記の部分は破られており、後に彩香が破られたページを発見することで雨に打たれて倒れていた杏奈を見つけることにつながります。
普通に考えるならマーニーの日記のサイロの部分を破いたのはマーニー本人でしょう。
ここまでの流れからマーニーが幽霊だと確定して説明するなら、マーニーは杏奈をサイロには連れて行きたくなかったのでしょう。
そのためマーニーの最後の手がかりとなるであろうサイロの部分は破きましたが、結局杏奈は自らサイロに行くことを提案してしまいます。
その結果として、サイロの部分はマーニーの日記の最後のページであることからマーニーは消えてしまい、置いて先に行ってしまったと勘違いした杏奈は降りしきる雨の中で倒れてしまい気を失ってしまいました。
そのままだと生命の危険があるため、マーニーは彩香が破れたページを見つけるように細工をして杏奈を助けに行くように仕向けたのかもしれません。
しかし、都市伝説で言われている説は、ページを破いたのは杏奈というものがあります。
理由は和彦にマーニーを取られたくないと嫉妬をしていたため、サイロに和彦と行くページを観た杏奈が破いてしまったというものです。
しかし、全体的な流れから言えばいくら杏奈が和彦に嫉妬心があったからといって、日記を破くという行為に意味はないでしょう。
『思い出のマーニー』都市伝説考察9 – 杏奈のマーニーの絵が似ていた謎
杏奈が描いたマーニーの絵が本人にそっくりだった
杏奈は屋敷でマーニーと出会った日からマーニーの似顔絵をスケッチに描くようになりましたが、久子にも「私が知っている子によく似ている」と言われるほどそっくりに描けた理由が謎だと言われています。
謎だと言われる理由は、実際に見たことが無い祖母の少女期の顔をなぜスケッチできたのかというものですが、この疑問は杏奈がマーニーを屋敷で見ていることから簡単に説明ができます。
こうした説を語る人は、幼少期に祖母・マーニーから聞いた情報を元に想像で描いたのでは、というように理由づけていますが、その方が似せて描くことが難しいでしょう。
『思い出のマーニー』都市伝説考察10 – 舞台は釧路湿原?
舞台は釧路湿原だった?
劇場で前情報がない状態で『思い出のマーニー』を観た人は、舞台となった場所は釧路湿原だとずばり当てた人も少なくなかったようです。
先述したように、『思い出のマーニー』のロケ地として米林宏昌監督は北海道の釧路湿原を選んでおり、湿地や港町など釧路の特徴をよく出していました。
特に地元の人はひと目で釧路湿原だと分かった人も多かったのでしょう。
『思い出のマーニー』都市伝説考察11 – 宮崎駿が参加しない理由
宮崎駿は敢えて全てを米林宏昌に任せた?
『思い出のマーニー』には宮崎駿さんや高畑勲さんなどスタジオジブリの二大巨匠はまったく絡んでいませんが、この作品は一切制作時に宮崎駿さんが助言を出していない唯一の作品だと言われています。
『思い出のマーニー』の監督選びの際には、先述のとおりスタジオジブリの次世代の監督を育てるために『借りぐらしのアリエッティ』を制作した米林宏昌監督に白羽の矢が立ちました。
米林宏昌監督はいい意味で宮崎駿さんや高畑勲さんとは違った”ジブリ色”を出すことを考えており、宮崎駿さんも自らが築き上げてきた世間のスタジオジブリに対する固定観念をぶっ壊してほしいと思っていたため全く参加しませんでした。
そのため、視聴者の中には往年のスタジオジブリ作品にあるテイストが薄かったため物足りないと感じた人もいたようですが、「やはりスタジオジブリには宮崎駿しかいない」と思わせることも宮崎駿さんの狙いにあったと囁かれています。
本当かどうかは不明ですが、宮崎駿さんなら言いかねないですね。
『思い出のマーニー』は興行的にも評価も振るわなかったため、スタジオジブリは長編アニメーションをしばらく休止するとプロデューサーの鈴木敏夫さんから発表されたと言われています。
これも都市伝説に過ぎませんが、本当だったなら宮崎駿さんの狙いは当たったと言えるでしょう。
『思い出のマーニー』都市伝説考察12 – 6時間を超えるアニメだった?
『思い出のマーニー』は2時間に収められるボリュームではなかった
元々の原作『思い出のマーニー』は非常にボリュームのある小説であり、2時間余りの映画の尺に収めるのは無理だと言われていました。
原作を知る人がスタジオジブリのアニメ映画『思い出のマーニー』を見た時、かなり説明を端折っていたためわかりづらかったという意見が相次ぎました。
そのため、『思い出のマーニー』の評価は完全に二分してしまい、原作を知らない人は比較的楽しめたものの、原作を知る人は駄作だという評価も多かったようです。
当然、スタジオジブリの米林宏昌監督を始め、制作スタッフは原作のボリュームを熟知しており、当初は6時間を越えるアニメとして考えていたようです。
そのため、前後編や3部作などで公開することも検討されたようですが、第一部から興行的に成功できる目算も無かったことから、無理やり2時間の尺に収めるように脚本を書き上げたようです。
『思い出のマーニー』都市伝説考察13 – 原作を無視した内容になる予定だった?
尺を端折った分原作の内容を無視した部分が多かった?
先述のとおり『思い出のマーニー』は6時間の予定を2時間の尺に収めて作ったため、ある程度は原作の内容を省くことになったのは仕方のないことだったようです。
それでも、米林宏昌監督の手腕もありスタジオジブリの作品として一定の評価を得ることはできましたが、
『思い出のマーニー』の舞台として参考にした釧路湿原にロケに行った際に、米林宏昌監督は原作通りのイメージで映画を作成することは日本では無理だと痛感したそうです。
そのため、米林宏昌監督は『思い出のマーニー』は参考程度に留めて、完全にオリジナルの作品として作ったらどうかと提案したそうです。
すると、宮崎駿さんは激怒して「それなら俺が作る!」と息巻いてしまったため、それは本末転倒だと考えた米林宏昌監督は原作『思い出のマーニー』のストーリーを軸に釧路湿原を活かすことにしたようです。
『思い出のマーニー』都市伝説考察14 – キャッチコピーが刺激的すぎた
「あなたのことが大好き」というキャッチコピーは話題を呼んだ
先述しましたが、「あなたのことが大好き」というキャッチコピーから”百合”を連想する人も少なくなかったようです。
『思い出のマーニー』のこのキャッチコピーはプロデューサーの鈴木敏夫さんが考案しました。
このキャッチコピーに落ち着くまで当然いくつかの候補がありましたが、そのどれもが過激的な内容で、スタジオジブリの築いてきたイメージを悪い意味で崩壊させてしまうため御蔵入りとなったようです。
都市伝説では、以下のような候補となるキャッチコピーが考案されていたと言われています。
- あなたとワタシの秘め事
- イケない関係って好きですか?
- ふたりだけの禁じられた遊び
- ふたりの密会
これらのキャッチコピーを見ると物語の本質とはかけ離れたもので、完全に視聴者が面白半分で考えたキャッチコピーであることが分かりますので、都市伝説でしょう。
『思い出のマーニー』はスタジオジブリの築き上げてきた世間が持つ固定観念を良い意味で壊すことを目的に米林宏昌監督が指揮を執った作品ですが、それだけに色々と都市伝説を生む話題性のある作品となったようですね。
「思い出のマーニー」を見返して思ったこと。もっとずっと昔に製作されて、あの絵柄じゃなくて、ジブリが作ってなかったら名作言われたてかもな~トーマの心臓とか拝啓おにいさまとか、あの辺のニオイがする。
— れおちゅん (@reo_chun) 2018年2月6日
「思い出のマーニー」 知っている人は多いと思うけど、 まだ見たことがない人は絶対見てほしい まさかすぎるエンディングだし、 感動しすぎるし、やばやばのやばだから やばい。
— ふぁみりある@イカサマ⇔カジノ投稿🎲 (@familyreal) 2018年2月2日
『思い出のマーニー』について総まとめすると・・・
2014年7月19日に公開されたスタジオジブリのアニメ映画『思い出のマーニー』について総まとめしてきました。
『思い出のマーニー』はスタジオジブリのこれまでの作品になかった、ホラー的な要素もある意欲的な作品になったと言えるでしょう。
Wヒロインという設定もスタジオジブリ作品では初めての試みであり、色々と誤解は招いたものの良い意味で話題性が生まれたとも言えます。
米林宏昌監督の作品は『借りぐらしのアリエッティ』と合わせて賛否両論がはっきり分かれていますが、『思い出のマーニー』の次の作品にも期待したいですね。