1980年代から東京都大田区周辺をテリトリーに「鍾馗（しょうき）」「零連合会（ぜろれんごうかい）」など複数の暴走族で構成される「大田連合（おおたれんごう）」は数々の事件を起こしてきました。
この記事では、大田連合メンバーやOBグループが起こした事件、関東連合とのつながりなどについて詳しくまとめましたのでご紹介します。
この記事の目次
大田連合について
大田連合は東京都大田区内の暴走族連合チームの総称
1980年に結成された暴走族の連合チーム
大田連合が結成されたのは1980年8月で、東京大田区内にある公立中学27校のうち、23校の番長グループが集まり、特に力のある3人を初代総番長に据えてそれぞれの頭文字を取った「I.M.M」と呼ばれました。
なお、2代目の代からは27校のほとんどが大田連合に参加し、当時敵対関係にあった神奈川県川崎市の中学校のいくつかも傘下に入りました。
多くの暴走族によって組織が構成され、最盛期には構成員500人、総動員数は最大で2000人に上るなど、大田連合は国内最大の中学生不良組織となりました。
1980年前後は中学校における校内暴力の最盛期であり、大田連合以外にも足立連合、
葛飾連合、荒川連合、憂誠会など地域ごとに番長連合が結成されて暴れまわっていました。
大田連合。 pic.twitter.com/OpfBJFtd2G
— 幹事キム (@blkfrom2004) September 14, 2019
大田連合を構成する暴走族リスト
大田連合は複数の暴走族で構成される
大田連合は主に以下の暴走族グループで構成されていました。
「初期全狂連」
「鍾馗」
零連合会
ROUTE
JOKER’s
渡美-頭
城南一家
城南愚連隊
「無法」
「弐拾」
「上池台流勇都」 等々
上記グループにはそれぞれ地域別に分かれており、「鍾馗」にしても「蒲田」「矢口」など地域ごとのグループが存在します。
大田連合の特徴とルール
硬派なヤンキーが鉄則だった大田連合
大田連合にはいくつかの鉄則とも言えるルールがあり、それは主に以下のようなものがあったようです。
「服はジャージーやヤンキー服以外は禁止」
「先輩やＯＢには服従」
「ケンカはどんな手を使っても勝つ」
「自分たち以外は改造車禁止」
「大田区内で自分たち以外に半キャップをかぶっている奴がいたら襲撃する」
「自分たち以外は改造車禁止」に関して、チーマーグループ「スリーティー」や「ノーティーズ」などが破ったとして、大田連合が襲撃をかけて金属バットなどで殴り軽傷を負わせた事件が起きています。
一番最後のルールに関して、大田区内で半キャップを被ってバイクに乗っていた当時22歳のスポーツインストラクターの男性が太田連合に襲撃を受けて重傷を負った事件がありました。
そして、この事件を起こした首謀者は大田連合最後の総番長と言われる波照間永葵(はてるまえいき)でした。
大田連合は事実上解散…OBの波照間永葵が現役世代を仕切っていた
大田連合の初代総番長は？
S38（昭和38年生まれ）世代が初代総番長
各校番長の連合組織を「大田連合」と名乗り始めたのはS38世代であり、羽田、出雲、御園、蒲田、糀谷の5校が中心となり初代総番長は羽田の番長だったと言われています。
なお、大田連合のS38、39世代は都内の不良連合の中でも3本の指に入るほどの強者が揃っていたと言われています。
大田連合、OBグループリーダー・波照間永葵(はてるま えいき)
波照間永葵は大田連合OBグループのリーダー格で稲川会系暴力団組員
大田連合OBグループ最後のリーダー格と言われているのが波照間永葵です。
波照間永葵は稲川会系暴力団組員であり、準暴力団と言われる大田連合OBグループに属しながらも本筋の”ヤクザ”だということです。
波照間永葵が現役を退いた後の大田連合の総番長は不明のようですが、波照間永葵が現役世代を率いて事件を主導していたことからOBながら総番長のような存在だったのかもしれません。
大田連合、2010年に事実上の解散
大田連合は2010年に事実上解散した
2010年3月26日付けの産経新聞によれば、大田連合の構成員の大半が警視庁に逮捕されたことで壊滅状態にあると報じられました。
すでに解散届を出したグループもあるという。
「ピアスやネックレス禁止」「ケンカはどんな手を使っても勝つ」など独自ルールを持つ“老舗”暴走族だが、集中摘発により姿を消す。
捜査関係者によると、大田連合は昭和５８年ごろに結成され東京南部を中心に活動。
現在は少年を中心に２４人が所属している。
（中略）
警視庁の集中摘発で今月までに、傷害容疑などでＯＢで指定暴力団関係者の男２人を含む１４～２１歳の少年少女ら計１７人を逮捕。現在、集団暴走は確認されていない。
大田連合の衰退に関するネットユーザーの声
現在、大田区の中学校は沈静化している？
大田連合OBグループが起こす事件は2013年頃まで多発していたようですが、ネット上の声では現在の大田区の不良の多い中学校は鳴りを潜めている傾向にあるようです。
154： チョン。丸山 ：2011/10/25(火) 04:00:36
今の大田区は波照間君っていう子が大体シキてるらしいね格闘技も頑張ってるみたいだし。去年大田連合の矢口、鍾馗と品川の大井ZERO神がパクられてからは皆大人しくなってきてるみたい。詳細も手に入ったよ。33代矢口鍾馗とZERO神の子達は今は大人しいみたいだけど他の区からは大田って厳しいし恐ろしいみたいね。鍾馗だった熊○君？っていうのと野○君？っていうのが有名みたいよ。ZEROでは松○君？っていうのと保○君？っていうのも結構な勢いだったみたい。他の区のOBとか現役の子に大田の武勇伝みたいの聞かされると、その子達は全く知らないけど、OBとして誇。今は大田に現役なんてあんのかな？あったら頑張らしいよねってほしいよね。
187： 名無連合 ：2013/05/09(木) 12:09:23
今中三でみそのなんですけどもう大田荒れてる中学校なくなってきました。昔はどーたったんですかね
194： ジュニア ：2013/07/05(金) 21:36:36
今の、矢口は、とても荒れてますよ。僕の知り合いも、昨日、少年院に入りました。
大田区に限ってはかつての勢いが無いというだけで、地域によっては依然として荒れているところもあるのかもしれません。
大田連合メンバーとOBグループメンバー起こした事件
大田連合は”準暴力団”の半グレ集団
準暴力団と言われる半グレ
現在では摘発が進んで半グレ集団らによる犯罪が表面化することは減りましたが、少し前までは準暴力団に相当する大田連合やその他組織による事件が報じられることがたまにありました。
太田連合と零神は、警察当局によるメンバーの摘発で平成２２年に壊滅状態と
なったが、いずれもＯＢグループとして活動を継続。同隊は警察庁が今年３月、
集団で常習的に暴力的な不法行為をしているグループを定義した「準暴力団」
にあたるとみて実態解明を進めている。
なお、半グレ集団は大田連合などの暴走族OBなどで構成され、その代表格とされているのが六本木や西麻布などをテリトリーとし、芸能界にも密接に関わっていた「関東連合」であり、大田連合も関東連合と関係があったと見られています。
大田連合チーマーグループ襲撃事件
大田連合はチーマーを敵対視していた
2009年2月15日未明に、大田区内の路上において敵対関係にあったチーマーグループ「スリーティー」メンバーの男子高校生（当時17歳）ら3人を金属バットで襲撃し、軽傷を負わせた事件が発生しました。
この事件の主犯格は大田連合OBグループ・リーダーの波照間永葵で、現役メンバーの少年ら7人も逮捕されました。
なお、波照間永葵らはこの高校生を拉致し、全裸にして土下座をさせている様子を携帯電話のカメラで撮影していました。
大田連合、現役メンバーがバイク暴走行為で逮捕
大田連合現役メンバーが暴走行為で逮捕
2009年6月16日付けの産経新聞によれば、大田区内にて集団で爆音を鳴らしながらバイクを蛇行運転させた大田連合メンバー26人が道路交通法違反の疑いで逮捕されました。
少年らは全員容疑を認め、「警察のカメラは性能が良く、マスクをしても顔が分かってしまう」と勘違いして、マスクの下にアルミホイルを巻いて暴走していた。
大田連合メンバーがマスクの下にアルミホイルをしていたのは、赤外線カメラによってマスクを透過して素顔を撮られることを恐れたためだと思いますが、警察のカメラは赤外線カメラではなく取り越し苦労で恥をかいただけだったようです。
大田連合、毎年恒例の「初日の出暴走」で逮捕
暴走族が初日の出に合わせてする暴走行為
2010年3月18日付けの産経ニュースによれば、大田連合は同年元旦の初日の出に合わせて集団で暴走行為を行い赤信号無視など危険な運転を行ったため、道路交通法違反の疑いで7人を逮捕し、5人を書類送検しました。
少年らは「勢力を誇示したかった。走り初めをしたかった」と容疑を認めている。逮捕されたのは、大田区を拠点とする暴走族「大田連合・矢口鍾馗（しょうき）」と品川区を拠点とする暴走族「零神（ぜろがみ）」の総長と構成員。同課によると、いずれのグループも昨年１２月ごろから活動を活発化させ、警視庁が警戒していた。
大田連合は敵対していた零神と張り合う形で暴走行為をしていたようですが、この事件以外にも両グループによる抗争事件がありました。
大田連合が零神との抗争事件で逮捕
波照間永葵が主導した大田連合と零神の抗争
2013年5月8日付けの産経新聞によれば、大田連合と対立する零神が金属バットなどを用いて抗争を行ったとして凶器準備集合の容疑で波照間永葵を含む大田連合8人と、零神OBグループの3人の合わせて11人を逮捕しました。
波照間容疑者ら太田連合グループの逮捕容疑は、昨年６月１５日夜、
大田区のＪＲ蒲田駅前に目出し帽をかぶり、金属バットや鉄パイプなどを持って集合。
目黒区内の住宅街で零神グループの男の頭などを殴り、重傷を負わせたとしている。
霊神グループもその後、反撃していた。両グループともに被害届の提出を拒否していたが、同隊は現場に残された車や血痕などから実行犯を特定したという。
警察は大田連合や零神らの抗争がいずれ殺人事件に繋がる可能性が濃厚だとして警戒し、摘発・壊滅に力を入れていました。
大田連合OBグループが殺人事件に関与？…関東連合との関係とは
関東連合の解散のきっかけとなった「フラワー事件」
2012年9月に、関東連合OBグループのリーダー・見立真一を主犯格とするメンバー複数人によって、六本木にあるクラブ「Flower」を襲撃し客1人を金属バットで撲殺する事件が発生しました。
この事件に大田連合も関わっていた可能性があるとネット上では言われていたようです。
9月にあった六本木[flower]での撲殺事件の容疑者関係図に関東連合以外に怒羅権、最近(2007～2012)までの大田連合内関係者(鍾馗･ROUTE 20 GOHST･城南愚連隊･城南一家･渡美-頭､､､etc)
荏原を拠点としていた(2009年元旦に鍾馗と事件を起こした悪ガキ共)零連合会･神の関係者、ｹﾂﾓﾁ、目黒･毘沙門天、その他15～30までの暴走族OB.現役が六本木･麻布等に出入りしている事が事実上明らかになってきており、警視庁は警戒を強め捜査を強化していくという情報があり。
この事件により実行犯らと事件に関わったリーダー格の石元太一などは逮捕されたものの、首謀者の見立真一は海外に逃亡しており、現在も国際指名手配されています。
大田連合の現在…OBグループリーダー・波照間永葵が暴行事件で逮捕
波照間永葵は現在も事件を起こし続けている
2018年12月8日に放送された報道番組などのニュースによれば、品川区にあるキャバクラ店にて大田連合OBグループのリーダー・波照間永葵（当時31歳）と、メンバー・長谷川裕之（当時35歳）が男性客と従業員に暴行する事件を起こし逮捕されました。
同年4月に同キャバクラ店にて、長谷川裕之がトイレの出入りを巡り男性客と争いになって複数回殴り全治一週間の怪我を負わせましたが、止めに入った従業員を波照間永葵が酒瓶で頭を殴った上、割れたガラスで顔を刺すなど全治一か月の怪我を負わせていました。
非常にしょうもない事件を起こし続けている波照間永葵ですが、今後も犯罪を起こす可能性があるでしょう。
大田連合についてまとめると…
・大田連合は2010年3月にメンバーの多くが逮捕され事実上解散に追い込まれた
・大田連合は2012年9月に起こった六本木クラブ襲撃事件（フラワー事件）に関与していたといわれている
・大田連合は現在も、OBグループリーダー・波照間永葵を中心にが凶悪事件を起こし続けている
大田連合がらみの事件ではほぼ必ずと言っていいほど名前が挙がっていた波照間永葵ですが、それだけ影響力が大きいリーダーだったということでしょう。
しかし、波照間永葵は2018年に逮捕されたことで数々の余罪を合わせて懲役10年以上は服役することになるでしょう。
