一代でパナソニックを築いた「経営の神様」と称される実業家・松下幸之助が話題です。
この記事では松下幸之助の大学などの学歴や経営者としての経歴、何がすごいのか功績や伝説、結婚や嫁、息子や娘など子供、孫、総資産や現在も保存されている見事な自宅、死因などについてまとめました。
この記事の目次
- 松下幸之助はパナソニックを一代で築いた「経営の神様」と呼ばれる実業家
- 松下幸之助の学歴① 尋常小学校を4年で中退し大学では学んでいない
- 松下幸之助の学歴② 関西商工学校夜間部予科で学ぶも本科は退学
- 松下幸之助の経歴① 生い立ち
- 松下幸之助の経歴② 市電を見て電気事業に関心を持ち大阪電灯に入社
- 松下幸之助の経歴③ 独立して松下電気器具製作所を設立
- 松下幸之助の経歴④ 松下電器産業株式会社設立も太平洋戦争で被害
- 松下幸之助の経歴⑤ 戦後の苦境を乗り越え国際的大企業へと成長させる
- 松下幸之助の経歴⑥ 社長を退任し会長に就任
- 松下幸之助の何がすごいのか功績や伝説① 日本の社会に家電を普及させた
- 松下幸之助の何がすごいのか功績や伝説② 週休二日制を日本で初めて導入
- 松下幸之助の何がすごいのか功績や伝説③ 一万個のランプを無料配布
- 松下幸之助の何がすごいのか功績や伝説④ 独自の発想で事業部制を実施
- 松下幸之助の結婚と嫁の松下むめの
- 松下幸之助の子供① 息子の幸一は生後半年で病気で急逝
- 松下幸之助の子供② 娘の幸子
- 松下幸之助の孫① パナソニック特別顧問の松下正幸
- 松下幸之助の孫② 元レーシングドライバーのヒロ松下
- 松下幸之助の資産は死去時点で2450億円
- 松下幸之助の自宅
- 松下幸之助の死因
- まとめ
松下幸之助はパナソニックを一代で築いた「経営の神様」と呼ばれる実業家
松下幸之助のプロフィール
生年月日：1894年11月27日
没年月日：1989年4月27日（94歳没）
出身地 ：和歌山県海草郡和佐村千旦ノ木（現在の和歌山市禰宜）
松下幸之助は、国際的電機メーカーである「パナソニックホールディングス」（当時の社名は松下電器産業）を一代で築き上げた伝説的な実業家で、「経営の神様」と呼ばれ、戦後の産業発展や社会の文化革新に多大な功績を残した人物です。
松下幸之助の学歴① 尋常小学校を4年で中退し大学では学んでいない
松下幸之助は無学歴で自らの経営の才覚のみで実業家として成功した人物として知られています。
松下幸之助は、明治27年に和歌山県海草郡和佐村字千旦ノ木の村の小地主の家に生まれました。元々家は裕福でしたが、松下幸之助が4歳の時に父親の松下政楠が米相場で損失を出して破産し先祖伝来の家や土地を売却して家族で和歌山市へと移住。
松下幸之助は和歌山市で尋常小学校（戦前まであった初等教育期間）へ入学して学んでいましたたが、もうすぐ卒業という4年生（当時の尋常小学校は4年制だった）だった1904年、大阪へ単身出稼ぎに行っていた父親から「大阪にある知りあいの店が小僧を探しているから、幸之助を寄越して欲しい」との手紙が届き、松下幸之助は9歳で尋常小学校を退学し大阪へ丁稚方向に出ています。
したがって、松下幸之助の最終学歴は「小学校中退」という事になります。これは、松下幸之助が小学校中退で国際的大企業を築き上げたという伝説的エピソードとしてよく語られています。
松下幸之助の学歴② 関西商工学校夜間部予科で学ぶも本科は退学
正式な学歴は小学校中退という事になる松下幸之助ですが、実は18歳だった1913年に、関西商工学校の夜間部の予科に入学して修了しています。
当時、松下幸之助は大阪電灯で働いて下宿生活をしていましたが、同じ下宿に関西商工学校の夜間部に通う同僚がいて、この方に勧められて入学しています。
松下幸之助は1年間の予科を修了し、本科である電気科へと進みましたが、本科の授業は全て口述筆記の方針がとられており、尋常小学校が最終学歴である松下幸之助には筆記は難しく、やむなく退学する事になりました。
松下幸之助の経歴① 生い立ち
出典：https://konosuke-matsushita.com/
学歴のところでも触れたように松下幸之助は、和歌山県海草郡和佐村字千旦ノ木の農村の小地主の裕福な家に生まれています。父親は松下政楠、母親はとく枝という人物で、松下幸之助は8人兄弟の3男で末子として生まれ、両親からは特に可愛がられて育っています。
しかし、父親の米相場での失敗で破産し、家や土地を手放して家族で和歌山市へと移住。父親は私立大阪盲唖院に職を得て1人大阪へと働きに行きました。
そして、その父親からの手紙により、松下幸之助は9歳で尋常小学校を中退して大阪へ丁稚方向に出ています。
松下幸之助が最初に丁稚奉公したのは大阪市南区八幡筋の宮田火鉢店でしたが、奉公して3ヶ月で店を畳む事になったため、次いで船場堺筋淡路町の五代自転車店に奉公するようになります。
松下幸之助はこの自転車店の店主とその婦人に実の子供のようにかわいがられ、約5年4ヶ月奉公しています。
松下幸之助の経歴② 市電を見て電気事業に関心を持ち大阪電灯に入社
出典：https://upload.wikimedia.org/
1910年、15歳になった松下幸之助は、全市開通したばかりだった大阪の市電の電車を見て、新時代の到来を感じて電気事業に強い憧れを抱くようになりました。
松下幸之助は義兄（姉の夫の亀山長之助）に相談したところ、義兄が大阪電灯（当時大阪市にあった電力会社）への入社を交渉してくれる事になりました。
ただ、松下幸之助は奉公していた五代自転車店への愛着と主人夫妻から受けた恩を裏切る事になるのではと悩み、結局辞めると言い出せずに、実家から「ハハビョウキ」と電報を打ってもらい、それを理由に奉公先を飛び出して、後になってから手紙で暇ごいを出しています。
しかしすぐに大阪電灯には入社できず欠員待ちとなり、松下幸之助はその間、義兄の家にお世話になりながら、義兄の勤めていた桜セメントで臨時運搬工として働いています。
それから3ヶ月後、大阪電灯の幸町営業所の内線係で欠員が出たため、晴れて大阪電灯に見習いとして入社しました。
松下幸之助は仕事の飲み込みが早く、入社からわずか3ヶ月で見習い工から工事担当者に昇格し、新設された高津営業所に配属されています。
松下幸之助は大阪電灯時代には、浜寺公園海水浴場に当時は珍しかった広告用の点滅イルミネーションを設置した工事をはじめ、南の演舞場の新装工事、通天閣の電灯工事、千日前芦辺劇場の電灯工事など様々な仕事を担当し、新しい時代の空気を肌で感じています。
1917年、22歳の若さにして松下幸之助は工事担当者の仕事をチェックする検査員に昇格しています。この時期に松下幸之助は電球を受けるソケットの改良の研究を独自にはじめています。
松下幸之助の経歴③ 独立して松下電気器具製作所を設立
出典：https://upload.wikimedia.org/
1917年6月、松下幸之助はソケットを製造販売する工場を立ち上げるため、約6年勤めた大阪電灯を退職しました。
松下幸之助は、嫁のむめの（結婚については後述）の弟の井植歳男（当時14歳）を呼び寄せ、大阪市東成区猪飼野の2畳と4畳半の二間の借家を工場として起業しました。
同年10月半ば、ようやくソケットを製品として製造する事に成功しますが、ほとんど売れずに資金は底をつきあっという間に経営は暗礁に乗り上げました。
そんな時、思いがけずに川北電気から、扇風機の碍盤（扇風機の速度調整スイッチを取り付ける絶縁盤）を壊れやすい陶器製から煉物製（アスファルトや石綿、石粉などを混ぜ合わせて作る絶縁体）に変えたいとして、1000枚の注文を受けます。
松下幸之助は年末までにこれを完納し、年明けにはさらに2000枚の追加注文が入り、経営はどうにか危機を脱しました。
その後も扇風機の碍盤の注文が継続的にあったため経営はどうにか安定し、1918年3月7日に松下幸之助は大阪市北区（現在は福島区）大開町1丁目の1階3間2階2間の2階建ての借家を新たに借りて工場を移転し「松下電気器具製作所」を創業しました。
松下幸之助は電気器具の開発を本格化させ、市場に出回っているものより3割も安く品質も良い「アタッチメントプラグ」や「2灯用差込みプラグ」などを次々と開発製造し、松下電気器具製作所は安くて新しい物を作ると評判になりました。
会社は順調に成長し従業員も30名にまで増えて、1922年7月には大開町1丁目に100坪ほどの貸地を借りて新工場を建設し事業を拡大しました。
1920年には東京にも小規模な出張所を構え、1927年には「ナショナル」のブランドを立ち上げて、「ナショナルランプ」や「スーパーアイロン」などのヒット商品を生み出し、1931年にはラジオの生産販売も開始しています。
その後も成長を続けた松下電気器具製作所は、従業員は約2000人を数える国内でも有数の電気器具メーカーとなり、1933年に大阪門真地区に新たな土地を購入した新本店と大規模な工場を建設し、隣地の守口三郷地区に乾電池工場も建設しています。
さらに、1935年8月には松下電器貿易株式会社を設立し、中国満州、東南アジア全域への輸出を開始しました。
松下幸之助の経歴④ 松下電器産業株式会社設立も太平洋戦争で被害
1935年12月、松下幸之助は、下電器製作所を株式会社に改組し、「松下電器産業株式会社」を設立しました。
この頃の松下電器のは従業員約3500名、当時の価値で年間生産販売高1200万円、製品数も配線器具、電熱器、電池ランプ、ラジオ受信機、小型モーターなど約600種という国内有数の大企業へと成長していました。
1936年には、ナショナル電球株式会社を設立。1939年にはテレビ受像機の公開実験にも成功しましたが、同年9月にナチスドイツがポーランドに侵攻し戦火は瞬く間に欧州全体に拡大して第二次世界大戦が始まり、1941年12月には日本海軍がハワイ真珠湾の米海軍基地を攻撃し太平洋戦争が勃発。
戦況の悪化に伴い、松下電器は軍の命令を受けて輸送船を建造する事になり、1943年4月に松下造船株式会社を設立しています。同年10月には松下飛行機株式会社を設立し軍の命令のもと木製の急降下爆撃機「明星」の開発量産を試みました。（終戦までに試作4機が完成）
しかし、戦況はさらに悪化し、1945年に入ると本土も米軍の空襲を受けるようになり、松下電器も32ヵ所の工場と出張所などが被害に遭いました。
そして、同年8月15日、日本の敗戦によって太平洋戦争は終結。戦後、松下電器は軍部に協力したとしてGHQの制裁対象となり、1946年3月に制限会社指定されて全ての会社資産が凍結されたのをはじめ制限を受け、松下幸之助をはじめとする役員も公職追放処分を受けました。
松下電器は解体の危機に陥り、松下幸之助も一時は社長退任を決意しています。
しかし、松下電器の従業員や代理店、その他関係者が、GHQに対して松下幸之助以下の公職追放除外の嘆願運動を起こし、15000通以上の嘆願書が集まりました。
これを受けて、GHQは異例の措置として1947年5月までに松下幸之助以下の公職追放指定を解除しました。
松下幸之助の経歴⑤ 戦後の苦境を乗り越え国際的大企業へと成長させる
社員や関係者の嘆願により、松下幸之助は引き続き松下電器の社長を続けることになりましたが、太平洋戦争で受けた損害や戦後の混乱や大不況もあり、松下電器が大きな苦境に立たされている事に変わりはありませんでした。
多額の負債を抱え、従業員の給与の分割払いを余儀なくされ、恒例の年末賞与も出せないという状況に追い込まれ、されにドッジ・ライン（超均衡緊縮予算政策）によるデフレ不況にも追い打ちをかけられ、社長の松下幸之助が税金の滞納王として名前があげられるほどでした。
そんな折、1950年に朝鮮戦争が勃発し、戦争特需によって日本の経済が急速に回復し、松下幸之助はこの機を逃さずに経営再建に注力し、11月期の決算では利益の3割を株主配当に回せるほどにまで回復させます。
松下幸之助は、1951年1月〜4月にかけてアメリカを視察し、民主主義国家の繁栄ぶりを肌身に感じて帰国。1952年にもアメリカと欧州西側諸国を視察し、帰国後にオランドの電気機器関連機器メーカー・フィリップスと提携して合弁会社「松下電子工業」を設立し半導体事業にも進出しました。
その後、松下幸之助は海外事業に力を入れ、1959年9月に「アメリカ松下電器株式会社」を設立し、1960年までに松下電器の輸出額は、売り上げ全体の10％以上を占める108億円にまで達しています。この頃には、松下電器は海外でも日本の電機メーカーとして名前を広く知られるようになりました。
松下幸之助の経歴⑥ 社長を退任し会長に就任
1961年1月の経営方針発表会で、松下幸之助は突如社長引退と会長就任を発表しました。
後任社長は松下幸之助の娘の幸子の夫で、松下電器の副社長を務めていた松下正治でした。
しかし、松下幸之助の社長退任後、政府による金融引き締めや家電製品が一般家庭に行き渡った事による需要低下などが重なって松下電器は経営不振に陥り赤字に転落。販売会社や代理店からは不満の声が噴出するようになりました。
これを憂慮した松下幸之助は、1964年7月9日から11日にかけて、熱海の二ューフジヤホテルで、全国販売会社代理店社長懇談会（通称・熱海会談）を開催しました。
松下幸之助は3日間で延べ13時間にわたって壇上に立ち、販売会社、代理店の社長からの要望や苦情に耳を傾けました。最終的に松下幸之助は涙ながらに「よくよく反省してみると、結局は松下電器が悪かった、この一言に尽きます。」と謝罪。すると、会場の雰囲気は一変し、松下幸之助を激励する声が次々と上がりました。
この熱海会談の後、松下幸之助は営業本部長代行を兼務して現場復帰し、実質的に経営の陣頭指揮をとる事になりました。
現場復帰した松下幸之助の動きは迅速で、翌1965年2月には販売会社の整備強化、事業部との直取引制度、新月販制度などを中心とした新販売制度を実施。その年の終わり頃から業績は好転し、松下電器が牽引役となって業界全体の景気回復へとつながっていきました。
その後、松下幸之助は1973年、80歳を迎えるにあたって会長職を辞任し相談役に就任。以後は著作の執筆や国内外への訪問などに力を入れています。
そして、1989年4月27日、松下幸之助は94歳で死去しています。
松下幸之助の何がすごいのか功績や伝説① 日本の社会に家電を普及させた
続けて、松下幸之助の何がすごいのか功績や伝説についてまとめていきます。
松下幸之助は若い頃に電化時代の到来を予想し、松下電器を設立してからは少しでも安く高品質な家電を開発量産して一般社会に流通させる事に力を注ぎました。
松下電器は生前には電熱式アイロンや電池ランプ、ラジオ受信機、扇風機などを普及させ、戦後にはテレビ、洗濯機、冷蔵庫のいわゆる三種の神器の一般家庭への普及にも大きく貢献しました。
松下幸之助の何がすごいのか功績や伝説② 週休二日制を日本で初めて導入
松下幸之助はアメリカを視察した際にその経済の繁栄ぶりに衝撃を受け、日本の企業もアメリカと同じように仕事の効率を高めるためにも完全週休2日制を導入すべきという考えを持つようになりました。
1965年4月、松下電器は日本の企業で初めて完全週休2日制（完全週5日制）を実施しました。
1987年に1週間の労働時間が48時間から40時間に労働基準法が改正されるよりも22年も先駆けて、松下電器では完全週休2日制度を採用したのは、松下幸之助の卓越した先見性を示しています。
松下幸之助の何がすごいのか功績や伝説③ 一万個のランプを無料配布
出典：https://encrypted-tbn0.gstatic.com/
松下幸之助は、まだ会社が小さかった1927年4月、社運を賭けた主力製品として自転車用の角形ランプ「ナショナルランプ」の販売を開始しました。
この時、松下幸之助は1万個を販売店に無料提供し、まずは多くの人に試用してもらうというあまりにもダイナミックな宣伝を実施しました。
この際、松下幸之助は、このランプに入れる乾電池1万個を無料提供して欲しいと取引先の岡田乾電池に持ちかけ、必ずナショナルランプは売れるので年内に20万個の乾電池を仕入れると交渉して契約を結んでいます。
結果として、ナショナルランプは大ヒット商品となって月に3万個を売り上げ、岡田乾電池から仕入れた乾電池も約束の2倍以上の年内47万個に達しました。
この逸話も松下幸之助の天才的な経営センスを示すエピソードとして伝説的に語られています。
松下幸之助の何がすごいのか功績や伝説④ 独自の発想で事業部制を実施
松下幸之助は1933年5月、独自の発想により事業部制を採用しています。
松下幸之助が実施した事業部制は、工場群をラジオ部門の第1事業部、ランプ・乾電池部門の第2事業部、配線器具・合成樹脂・電熱器部門の第3事業部に分けて、それぞれを独立した自主責任体制にて運営するという当時としては画期的なものでした。
これにより、各事業部はそれぞれ傘下工場と出張所を運営し、研究開発、生産販売、収支までを独自管理する独立採算事業体となりました。現在では一般的な組織構造ですが、当時はこのような制度をとっている会社は他に例がなく、革新的でした。
まだ、民主化もされていない戦前の時代に、これだけ近代的な制度を自ら考案し実施した松下幸之助はやはり経営の天才だったと言えます。
松下幸之助の結婚と嫁の松下むめの
松下幸之助の嫁・松下むめの
生年月日：1896年3月3日
没年月日：1993年9月5日（97歳没）
出身地 ：兵庫県津名郡浦村（現在の淡路市）
松下幸之助は1915年9月、20歳の時に、個人で海運業を営む井植清太郎の娘・むめのという当時19歳の女性とお見合い結婚しています。
松下幸之助は8人きょうだいの末っ子で三男でしたが、当時は両親は亡くなり、兄2人も亡くなっていたため、男子は松下幸之助のみで、松下家を継ぐ立場だったため長姉にしきりに結婚を勧められて、よく考えずに結婚を決めたようです。
しかし、嫁の“むめの”は松下電器（松下電気器具製作所）の創業の時から、献身的に松下幸之助を支え、当初は二人三脚で工場を運営し、会社が大きくなった後も陰で松下幸之助を支え続けました。当時の松下電器社員の間ではこの嫁のむめのは「社員の母」とも呼ばれていました。
松下幸之助の子供① 息子の幸一は生後半年で病気で急逝
松下幸之助と嫁のむめのの間には2人の子供が生まれています。
松下幸之助の子供のうち1人（2人目の子供）は息子の幸一で、三越百貨店の赤ん坊審査会で最優良児として表彰されるほど健康的な男子でしたが、生後半年ほどの1927年2月に突然脳症を起こし、1歳を迎える前に亡くなっています。
松下幸之助の子供② 娘の幸子
出典：https://cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/
松下幸之助と嫁のむめのの1人目の子供は娘の幸子でした。
松下幸之助の娘・幸子は1940年に伯爵家出身で東京大学法学部を経て、三井銀行に務めていた平田正治と結婚しています。
松下幸之助の嫁婿・松下正治
生年月日：1912年9月17日
没年月日：2012年7月16日（99歳没）
出身地 ：東京府
平田正治は松下家に婿入りして松下正治となり、松下幸之助が松下電器の社長を退いた後に後継の社長となっています。
松下幸之助の娘・幸子は、2021年2月22日に99歳で死去しています。死因は心不全でした。
松下電器産業（現パナソニック）創業者の故松下幸之助氏の長女幸子（さちこ）さんが２２日午後６時５０分、心不全のため大阪府守口市の病院で死去した。９９歳。
松下幸之助の孫① パナソニック特別顧問の松下正幸
松下幸之助の孫・松下正幸
生年月日：1945年10月16日
出身地 ：兵庫県西宮市
松下幸之助には3人の孫がいます。
松下幸之助の孫は娘の幸子と嫁婿の松下正治の間に生まれた3人の子供で、上から敦子、正幸、弘幸です。
このうち松下正幸氏は、名門の灘高校から慶應義塾大学経済学部という一流の学歴を持ち、1968年に松下電器に入社しています。当時は松下電器の後継者とみなされ、アメリカ・ペンシルベニア大学ウォートン・スクールに留学しMBAを取得し、松下電器の現地法人に勤務。
帰国後は松下物流倉庫社長、本社の洗濯機部門事業部長などを経て、取締役に就任し、乗務、専務、副社長と昇進しました。しかし、2000年6月、中村邦夫が社長に就任したため、松下正幸氏は代表取締役副会長に就任。実質的にはパナソニック（松下電器）の経営から外された形となり世襲による経営体制が終焉を迎えました。
その後、2017年にパナソニックの代表取締役を退任し取締役副会長となり、2019年にはこれも退任して現在はパナソニックの非常勤の特別顧問という立場に収まっています。
そんな松下幸之助の孫・松下正幸氏ですが、1988年生まれの長男がおり松下幸之助のひ孫にあたります。このひ孫ですが、慶應義塾大学卒業後にパナソニックに入社し勤務しているという事です。
松下幸之助の孫② 元レーシングドライバーのヒロ松下
松下幸之助の孫・ヒロ松下
本名 ：松下弘幸
生年月日：1961年3月14日
出身地 ：兵庫県西宮市
松下幸之助の孫のうち、弘幸氏は「ヒロ松下」の名前でレーシングドライバーとして活躍しました。
ヒロ松下は、日本人レースドライバーがアメリカで活躍する道を切り拓いたパイオニアで、1989年のフォーミュラ・アトランティックで優勝。1991年から1995年までインディ500に参戦し、1995年には第10位の成績を残しています。
1998年に現役を引退した後、米・カリフォルニアに本拠を置くスウィフト・エンジニアリングのオーナーとなり、会長兼CEOを務めています。
また、2018年に航空宇宙工学関連事業のベンチャー企業「スウィフト・エックスアイ」を設立し、代表取締役会長に就任しています。
松下幸之助の資産は死去時点で2450億円
松下幸之助の資産は、亡くなった時点で2450億円でした。
松下幸之助は生涯で累計約5000億円の資産を築いたと推定されており、1955年から1959年、1961年から1963年、そして1968年と1984年に長者番付で全国1位を記録し、そのほかの年も全国2位6度、3位2度、4位4度と常に莫大な資産を保有していました。
なお、松下幸之助の資産のうちほとんど（97パーセント）は松下電器の株など有価証券でした。
松下幸之助の自宅
出典：https://presidenthouse.net/
松下幸之助の生前の自宅は、兵庫県西宮市にあった大豪邸でした。
1937年に着工し1939年に完成した大邸宅で、松下幸之助は「三百年先に，この時代の日本建築が吟味され参考にされるだろう」との考えのもと、日本古来の建築技術の踏襲をひたすら追求して造らせたという事です。
この自宅は、1950年以降は松下電器の迎賓館として使用され、「光雲荘」と呼ばれました。
出典：https://presidenthouse.net/
松下幸之助の自宅だった光雲荘ですが、2009年に大阪府枚方市のパナソニックの研修施設内へ移築され保存されています。現在は一般公開はされておらず、社内研修などに使用されているようです。
松下幸之助のもう1つの自宅は、京都府京都市左京区の豪邸でした。
出典：https://presidenthouse.net/
こちらは1961年に松下幸之助が購入したもので、現在は松下美術苑真々庵としてパナソニックが管理保存しています。
松下幸之助の死因
出典：https://www.cycleshop203.net/
松下幸之助は1989年4月27日午前10時6分に94歳で亡くなりました。
松下幸之助の死因は「気管支肺炎」と発表されています。
松下幸之助は、1989年4月6日、松下幸之助は38度の高熱に倒れ、気管支肺炎を発症し大阪府守口市の松下記念病院に入院。4月20日に当時の院長が気管に溜まったたんをチューブで吸い出す時、「これから管を喉に入れます。苦しいでしょうがご辛抱ください」と声をかけると、松下幸之助は「いやいや、お願いするのは私です」振り絞るように掠れた声で答えたそうです。
その後、松下幸之助は意識混濁となり、これが松下幸之助の最期の言葉になったという事です。
まとめ
今回は、一代で松下電器（パナソニック）を築き上げた実業家で「経営の神様」とも称される松下幸之助についてまとめてみました。
松下幸之助の最終学歴は尋常小学校中退で大学では学んでいません、それでも自らの才覚と努力で松下電器を立ち上げ日本を代表する世界的電機メーカーへと成長させた経歴を持つとして、伝説的人物として語り継がれています。
松下幸之助の何がすごいのかも話題で、その功績としてよく語られるのが、日本の一般社会に家電を普及させた事や、日本で初めて週休二日制や事業部制を導入した事などがあります。
松下幸之助は20歳の時に結婚しており、嫁のむめのは献身的に松下幸之助を支え、松下電器の成功に大きな役割を果たした女性として知られています。
松下幸之助と嫁のむめのの間には2人の子供が生まれましたが、息子の幸一は生後半年ほどで夭折しました。そこで娘の幸子が婿を迎えて松下家は血筋を守っています。
松下幸之助の孫には、パナソニックの特別顧問を務めている松下正幸氏と、元レーシングドライバーで現在は航空宇宙工学関連事業の会社の会長を務めるヒロ松下氏などがいます。
松下幸之助の総資産は死去時点で2450億円でした。
松下幸之助の自宅は広大な敷地に立つ旧来の伝統に則った日本建築の豪邸で、現在は光雲荘、松下美術苑真々庵としてパナソニックが管理保存しています。
松下幸之助は1989年4月27日に94歳で亡くなりました。死因は「気管支肺炎」と発表されています。
