高い利回りで投資家から注目されていた「みんなで大家さん」にポンジスキーム疑惑が浮上しています。
この記事ではみんなで大家さんの概要や社長がなぜ捕まらないのかという声、集団提訴やゲートウェイ成田の現在の状況、解約をめぐる問題と後悔の声、現在と今後の見通しについてまとめました。
この記事の目次
みんなで大家さんは話題の不動産小口化商品だが配当遅延で集団提訴へ

年利7%という高い利回りを掲げ、多くの個人投資家を惹きつけてきた不動産小口化商品「みんなで大家さん」。テレビCMなども放映され、一時は安定した資産運用の選択肢として広く認知されていました。
しかし、その華やかなイメージの裏側で、運営をめぐる数々の疑惑が浮上し、現在、投資家の間で深刻な不安と混乱が広がっています。「ポンジスキームではないのか」、「社長はなぜ捕まらないのか」、「ゲートウェイ成田はどうなっているのか」。そして「解約できない」、「後悔している」という悲痛な声が多く上がっています。
ここでは、約3万8000人から2000億円以上を集めたとされる「みんなで大家さん」の実態を、現在までに明らかにされている客観的な情報と報道に基づいて詳しくまとめていきます。
「みんなで大家さん」とは何か…その仕組みの概要

この記事で詳しくみていく「みんなで大家さん」とは、都市綜研インベストファンド株式会社が運営する不動産小口化商品です。
大まかに説明するならば、不動産特定共同事業法に基づき、1つの不動産を複数人で共有し、そこから得られる賃料収入や売却益を投資額に応じて分配するという仕組みです。
投資家は1口100万円から出資でき、不動産の選定や管理といった専門的な知識や手間を必要とせず、手軽に不動産オーナー(大家)になれる点を魅力として打ち出してきました。
特に注目を集めたのが、年6〜7%という高い想定利回りでした。低金利時代が続く日本において、この利回りは非常に魅力的であり、老後の資産形成や安定したインカムゲインを求める多くの個人投資家の資金を集める原動力となりました。
主な投資対象は、大阪の商業ビルから三重県のテーマパーク「伊勢忍者キングダム」、そして象徴的なプロジェクトとなる千葉県成田市の「ゲートウェイ成田」など、多岐にわたります。
しかし、この高い利回りを安定的に生み出すビジネスモデルの透明性については、以前から疑問の声が上がっていたのも事実でした。そして2024年以降、その懸念は分配金の遅延、解約の停滞、行政処分といった形で次々と現実のものとなっていきます。
みんなで大家さんの疑惑の核心…「ポンジスキーム」が疑われる理由

「みんなで大家さん」をめぐる疑惑の中心には、常に「ポンジスキーム」という言葉が存在します。
共生バンクの栁瀨健一代表は今年7月にシリーズ成田の配当が止まって以降、物件売却などで資金調達を進め、配当を再開すると約束してきたが、いずれもうまくいかない。新たな出資金を配当に回す詐欺商法の「ポンジスキーム」と指摘されるのを恐れ、最善の努力は続けるだろうが万策は尽きている。
ポンジスキームとは何か
ポンジスキームとは、実際にはほとんど利益を生んでいない事業であるにもかかわらず、新規の出資者から集めた資金を、既存の出資者への配当に充てることで、あたかも事業が順調であるかのように見せかける投資詐欺の手法の一種です。
新規の出資金が配当の原資であるため、新たな出資者が集まらなくなると瞬く間に破綻する「自転車操業」の状態にあるのが特徴です。
みんなで大家さんがポンジスキームと疑われる理由
では、なぜ「みんなで大家さん」にポンジスキームの疑いがかけられているのでしょうか。その理由は主に以下の3点に集約されます。
みんなで大家さんのポンジスキーム疑惑の理由① 収益源の不透明性と高すぎる利回り
最も大きな疑問は、高い配当を支払い続けるための原資がどこから来ているのかという点です。
特に、大規模な開発計画である「ゲートウェイ成田」のように、まだ建設が始まっておらず、賃料収入などを一切生んでいないはずのプロジェクトからも配当が支払われていたという点は注目されています。
また、投資対象の中には、ほとんど廃墟のような状態で十分な賃料収入があるとは考えにくい「アグレボバイオテクノロジーセンター」のような物件も含まれていました。
このような状況で安定的に高配当を支払い続けることは、事業からの正常な収益だけでは極めて困難であり、「新規の出資金を配当に回しているのではないか」という疑惑を生む最大の要因となっているのです。
みんなで大家さんのポンジスキーム疑惑の理由② 過去の行政処分と繰り返される問題
運営会社は、2024年以前にも問題を指摘されています。2013年には、不適切な会計処理などを理由に業務停止命令を受けた過去があります。
平成25年5月29日付「不動産特定共同事業法に係る業務の一部停止60日 間及び指示」について、本日、大阪府住宅まちづくり部建築振興課より決定した旨公表 がありましたので、お知らせいたします。 ●業務の一部停止(不動産特定共同事業契約の締結、締結の代理又は媒介をする行為及 び不動産特定共同事業契約の締結を勧誘する行為) ●上記停止の期間・・・平成25年5月30日(木)~同年7月28日(日)
そして2024年6月、東京都と大阪府は、投資家への説明不足などを理由に、運営会社である都市綜研インベストファンド株式会社および販売会社であるみんなで大家さん販売株式会社に対し、不動産特定共同事業法に基づく30日間の一部業務停止命令という行政処分を下しました。
大阪府は17日、不動産投資商品「みんなで大家さん」の運営企業「都市綜研インベストファンド」(大阪市北区)に対し、不動産特定共同事業法に基づき30日間の業務の一部停止を命じた。
このように、監督官庁から繰り返し問題点を指摘される運営体制が、投資家の不信感を増幅させている点は否めません。
みんなで大家さんのポンジスキーム疑惑の理由③ 新規募集継続でも続く配当遅延と解約停滞
2025年7月以降、「シリーズ成田」で分配金の遅延が発生し、その後、他の多くの商品にも波及しました。
同時に、解約を希望する投資家からの申請が殺到し、返金がされない、あるいは大幅に遅延するという事態が続出しています。
にもかかわらず、運営会社は新規商品の募集を継続しています。この動きは、新規で集めた資金を、滞っている既存投資家への支払いに充てようとしているのではないか、というポンジスキーム特有の疑念を強く抱かせるものだと指摘されているのです。
元関係者からは「(集めた出資金は)もうほぼない」、「自転車操業だった」といった証言も報道されており、疑惑はさらに深まっている状況です。
(Q:集めた出資金は今どうなってるんですか?)
「みんなで大家さん」元関係者:本当のこと言っちゃっていいですか?もうほぼないです。いろんなものに全部使ってます。
引用:不動産ファンド『みんなで大家さん』約3.8万人から集めた出資金2000億円超「もうほぼない」 元関係者が「自転車操業」の実態を明かす 出資者は「半分でもいいから返してほしい」
「みんなで大家さん」元関係者:やる気はあると思いますけど、ずさんな計画で走り始めて、1、2年ですぐ頓挫してしまって、自転車操業になってしまったんじゃないのかなというのが正直な感想ですね。
引用:不動産ファンド『みんなで大家さん』約3.8万人から集めた出資金2000億円超「もうほぼない」 元関係者が「自転車操業」の実態を明かす 出資者は「半分でもいいから返してほしい」
みんなで大家さんの社長・栁瀨健一氏

「みんなで大家さん」を運営するのは、共生バンクグループの中核企業である都市綜研インベストファンド株式会社と、販売を担うみんなで大家さん販売株式会社です。
そして、このグループを率いる社長が、代表取締役である栁瀨健一(やなせ・けんいち)氏です。
「みんなで大家さん」を運営する社長の栁瀨健一氏は、複数のグループ企業の代表(社長)を兼任しており、「栁瀨公孝」や「栁瀨鳳憲」といった名前で活動することもあります。
彼はこれまでに『成田空港の隣に世界一の街を造る男』など、複数の著作を出版し、壮大な事業構想を語ってきました。しかし、その経営手腕やグループ全体のガバナンスについては、前述の度重なる行政処分などから、厳しい目が向けられているのが実情です。
みんなで大家さんの社長について「なぜ捕まらないのか」という声も

出典:https://news.tv-asahi.co.jp/
「みんなで大家さん」について、ポンジスキームの疑いが浮上する中で、一部から「社長はなぜ捕まらないのか?」という声が上がっているのも事実です。
みんなの大家さんに出資した多くの投資家が抱く、多数の被害者が存在するにもかかわらず、なぜ運営会社の社長らがなぜ捕まらないのか、刑事事件に発展しないのかというの疑問には、法的なハードルが関係していると考えられます。
みんなで大家さんの社長はなぜ捕まらないのか① 形式上の合法性
「みんなで大家さん」は、不動産特定共同事業法という法律に基づき、行政からの許可を得て事業を行っています。
そのため、無許可で資金を集めるようなあからさまな詐欺とは一線を画し、形式上は合法的な事業活動の枠内にあります。
みんなで大家さんの社長はなぜ捕まらないのか② 詐欺罪立証の困難さ
詐欺罪で立件するためには、「当初から投資家を騙す意図(欺罔行為)」があったことを検察側が証明する必要があります。
しかし、「みんなで大家さん」の場合、実際に不動産を取得しており、過去には配当も支払われていた実績があります。
そのため、運営側が「当初は事業を成功させるつもりだったが、途中で資金繰りが悪化した」と主張した場合、「騙す意図」を立証するのは極めて困難になります。
ようするに、事業の失敗と詐欺の境界線を明確に引くことが難しいのです。
みんなで大家さんの社長はなぜ捕まらないのか③ 契約書のリスク記載
投資契約書には、元本保証ではないことや、中途解約、返金遅延のリスクなどが記載されているのが一般的です。
これにより、運営側は「リスクは説明済み」という抗弁が可能となり、法的な追及をかわす一因となっていると考えられます。
これらの理由から、現状では行政処分や民事訴訟が中心となっており、刑事事件としての立件には至っていません。しかし、今後の捜査の進展や新たな証拠の発見によっては、状況が変わる可能性も否定はできません。
みんなで大家さんをめぐり深刻化する集団提訴の現在の状況

「みんなで大家さん」をめぐる分配金の遅延と解約の停滞を受け、全国の投資家が権利回復を求めて立ち上がっています。
2025年9月以降、被害者弁護団が結成され、運営会社を相手取った集団訴訟が次々と提起されました(集団提訴)。
訴訟の規模は急速に拡大し、2025年11月には原告約1200人、請求総額約114億円にのぼり、さらに2026年2月には第2次集団訴訟も提起され(第2次集団提訴)、合計で約2500人、約232億円という大規模な訴訟に発展しています。
原告側の主張は、分配金の支払いが停止したことなどを「やむを得ない事由」とし、契約の解除と出資金の全額返還を求めるものです。
そして2026年3月、この集団提訴において大きな動きがありました。大阪地方裁判所が、一部の投資家に対し出資金の全額返還を命じる初の判決を下したのです。
成田空港近くの開発用地への投資商品「みんなで大家さん」の分配金支払いが遅れている問題で、秋田県と新潟県の出資者3人が、運営する「都市綜研インベストファンド」(大阪市北区)に約1714万円の返還を求めた訴訟の判決が26日、大阪地裁(林田敏幸裁判官)であった。ファンド社は大筋で争っておらず、地裁は全額の返還を命じた。
この判決は、他の投資家にとっても大きな希望となる可能性があります。
一方で、運営会社側は、出資金の全額を分割で返還するという内容の和解案を提示しましたが、原告側はこれを拒否しています。訴訟は今後も続き、司法の判断に注目が集まっています。
みんなで大家さんの疑惑の中心「ゲートウェイ成田」プロジェクトの現在

「みんなで大家さん」の数ある投資案件の中でも、最も象徴的で、そして今回の問題の中心となっているのが「ゲートウェイ成田」プロジェクトです。
「ゲートウェイ成田」の壮大な開発計画
「ゲートウェイ成田」計画は、成田国際空港に隣接する約45.6万平方メートル(東京ドーム約10個分)という広大な敷地に、世界トップレベルのスペックを持つアリーナ「デジドーム」や大型ホテル、商業施設、国際会議場などを建設するという壮大なものでした。
運営会社は2024年5月にマスタープランを発表し、2027年3月末の一部開業を目指すとしていました。
「ゲートウェイ成田」の現実
しかし、2026年現在、現地は依然としてほぼ更地のままであり、大規模な工事が進んでいる様子は見られません。それどころか、プロジェクトの存続そのものが危ぶまれる深刻な事態が発生しています。
開発予定地のうち約4割にあたる約18万平方メートルは、成田国際空港会社(NAA)からの借地でした。
しかし、工事の遅延などを理由に、NAAは2025年11月30日をもって土地の賃貸借契約を終了する方針を固めました。主要な土地を失ったことで、当初の計画通りの開発は事実上不可能となり、「ゲートウェイ成田」プロジェクトは頓挫の危機に瀕していると報じられています。
成田空港(千葉県)近くの開発用地への投資商品「みんなで大家さん成田」で、政府が100%出資する成田国際空港会社(NAA)は27日、開発事業を行う不動産会社「共生バンク」(東京都千代田区)との土地の賃貸借契約を更新せず、11月末で終えると発表した。共生バンクの資金面などが理由という。
造成工事の完了予定は何度も延期されており、2025年11月には4度目の延期届けが出され、完了予定は2027年8月末に変更されていました。収益を生み出すはずの巨大プロジェクトが、今や巨大なリスクそのものと化していたのです。
みんなで大家さんへの出資者の「解約できない」、「後悔」などの悲痛な声

SNSや法律相談の窓口には、「みんなで大家さん」に投資した人々の悲痛な声が溢れています。
「みんなで大家さん」を1年以上も解約できない点が問題に
「みんなで大家さん」の騒動において、最も深刻な問題が、解約(持分の譲渡)に応じてもらえず、資金が塩漬けになっている点です。2024年の行政処分後、解約希望が殺到。
当初、公式サイトでは解約手続き完了までに「6ヶ月~12ヶ月」かかると案内されていましたが、1年以上経っても解約ができず返金されないケースが多数報告されています。電話も繋がりにくく、解約に関する問い合わせへの対応も遅いといった声が相次いでおり、投資家は不安な日々を過ごしています。
#みんなで大家さん
— 米国株さん (@IT930421IT) September 27, 2025
みんなで大家さんって1年以上も解約できないのw
草
ざまーおつ
自分で投資したらいいのに、他人にお金を預けるのはどれだけ危険少し考えれば分かるでしょ
だいたい「匿名組合契約」って言葉、知ってるのw
「みんなで大家さん」出資者の後悔の声と勧誘の謳い文句への批判も
「みんなで大家さん」の今回の問題をめぐっては、「老後の資金だったのに」、「退職金をほとんどつぎ込んでしまった」といった後悔の声がインターネット上でも多数確認できます。
こうした後悔の声からは、高い利回りや「元本評価額は変動しない」といった謳い文句、そして成田という国家的なプロジェクトへの期待感から、多くの人がリスクを過小評価してしまったという実態も浮き彫りになりました。
不動産投資商品「みんなで大家さん」の主力商品「シリーズ成田」の分配金支払いが遅延している問題で、資産運用のため計300万円を出資した長崎県在住で会社代表の70代男性が取材に応じた。出資分の1割強しかリターンがなく「甘い話に乗ってしまった」と後悔を口にした。
中には、弁護士に対応を依頼した投資家への返金が優先されるケースもあるとの指摘もあり、誠実な対応がなされているとは言い難い状況となっています。
さらに運営会社は、返金遅延に苦しむ投資家に対し、「第三者譲渡契約」という新たなスキームを提示。これは、出資持分を運営会社の100%子会社に譲渡し、そこが発行する「保険付き債権」で元本と利息を保証するというものですが、出資者側の弁護士からは「訴訟回避のための時間稼ぎだ」と強く批判されています。
東京都や大阪府もこのスキームの不透明性を問題視し、行政指導を行っています。
みんなで大家さんの現在と今後の見通し
2026年4月現在、「みんなで大家さん」を取り巻く状況は、依然として混迷を極めています。
まず、分配金の停止は現在の時点で継続しており、多くの商品で分配金の支払いは停止したままとなっています。
そうした状況の中で、訴訟に参加する投資家は増え続けて集団提訴は拡大しており、司法の場での争いが本格化しています。
そして、主要な用地を失ったことで、「ゲートウェイ成田」のプロジェクトの実現可能性は現在の時点で極めて低い状況となっています。
東京都や大阪府は、現在も引き続き運営会社への監視と指導を続けています。
さらに、元関係者の証言や返金の滞りから推測し、現在、運営会社の資金繰りが極めて厳しい状況にあると考えられ、いつ事業が停止してもおかしくない状況との見方も出ています。
今後の最大の焦点は、集団訴訟の行方と、投資家への出資金の返還がどこまで実現されるかという点です。運営会社側は保有不動産の売却を進めていると説明していますが、その実態や価値は不透明であり、2000億円超という巨額の出資金が全額返還される道のりは険しいと言わざるを得ません。
まとめ
今回は、「みんなで大家さん」をめぐるポンジスキーム疑惑や集団提訴などの騒動についてまとめてみました。
「みんなで大家さん」をめぐる一連の問題は、高利回りを謳う投資商品に潜むリスクを改めて浮き彫りにしました。今回の事例から学ぶ点は多くあります。
まず、年利7%といった異常に高い利回りには、相応のリスクが伴うことを認識する必要があります。なぜその利回りが実現できるのか、収益構造を徹底的に確認することが不可欠です。
運営会社が、投資対象物件の収益状況やリスクについて、どれだけ具体的かつ透明性の高い情報を開示しているかを見極める事が大切です。原則としてお金の流れが不透明な投資案件は避けるべきです。
そして、「みんなで大家さん」の運営会社のように過去に行政処分を受けたことがある事業者は、コンプライアンス意識に問題がある可能性を疑う事も大切です。投資を検討する際は、必ず過去の処分歴などを確認すべきでしょう。
投資をする上で最も大切な点は、いかなる投資にもリスクはつきものであり、元本が保証されることはないと認識する事です。特に不動産投資は、市況の変動や災害など、予測不可能なリスクを常に内包しています。
「みんなで大家さん」の問題はまだ終わっていません。現在投資している人は、弁護士などの専門家に相談し、集団訴訟への参加を含めた最適な対応を検討することが急務です。そして、これから投資を始めようとする人々にとっては、この一件は、安易な謳い文句に惑わされることなく、自らの知識と判断で資産を守ることの重要性を教えてくれる、重い教訓となります。

















